第14章 ストレス、生活様式、および健康

図14.1 | 試験はストレスの多いものですが、避けて通れない大学生活の要素です。(credit “left”: modification of work by Travis K. Mendoza; credit “center”: modification of work by “albertogp123”/Flickr; credit “right”: modification of work by Jeffrey Pioquinto, SJ)

この章の概要

14.1 ストレスとは何でしょうか?
14.2 ストレス要因
14.3 ストレスと病気
14.4 ストレスの調節
14.5 幸福の追求

はじめに

今日の大学生が多くのプレッシャーにさらされていることを否定する人はほとんどいないでしょう。大学での経験に付随する多くの通常のストレスや緊張(たとえば、試験や学期末レポート)に加えて、今日の学生は、大学の学費の増加、重荷となる債務、そして卒業後の就職難に直面しています。非伝統的な大学生の多くは、学位取得に向けて取り組むことに加えて子育てやフルタイムの仕事を続けることなど、さらなるストレスに直面しているかもしれません。

もちろん、人生は、大学や職場で発生する問題以外にも、多くのさまざまな課題で満ちています。私たちは経済的な不安、友人や隣人との不和、家族の責任について懸念を持っているかもしれませんし、やりたいことをするための十分な時間がないこともあります。物をなくしたり、交通渋滞に巻き込まれたり、インターネットが使えなくなったりといった些細なことですら、生活を困難なものにして私たちの福利の感覚を損なうようなプレッシャーや要求を伴っています。つまり、すべてが何らかの形でストレスになり得るのです。

心理学においては、人間がどのようにしてストレスに適応し、対処するかといった、ストレスに対する科学的な関心が長年にわたって続いています。実際、この主題に関する研究が1世紀近く行われてきた結果、たくさんのことが明らかになり、多くの洞察が得られてきました。この章では、ストレスについて考察し、ストレスの心理的および生理学的な性質、ストレスの原因と結果、そして私たちがストレスの犠牲者になるのではなくストレスを克服するためにとることができる方法を含む、この現象についての現在の理解を明らかにします。

14.1 ストレスとは何でしょうか?

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 刺激に基づくストレスの定義と反応に基づくストレスの定義とを区別する
  • ストレスをプロセスとして定義する
  • 良いストレスと悪いストレスを区別する
  • ストレス研究分野におけるウォルター・キャノンとハンス・セリエの初期の貢献について記述する
  • ストレスの生理学的基盤を理解し、汎適応症候群を記述する

人間の状態に関連するストレスという言葉は、1930年代に初めて科学的な文献に登場しましたが、一般的な言葉の中に入るようになったのは1970年代になってからです(Lyon, 2012)。今日、私たちはしばしばこの言葉を、さまざまな不快な感情状態を表現するために大雑把に使用しています。たとえば、私たちはイライラしたり、怒ったり、葛藤したり、圧倒されたり、疲れたりしたときに「ストレスを感じている」としばしば言います。ストレスという言葉が広く使われているにもかかわらず、ストレスはかなり曖昧な概念であり、正確に定義することは困難です。

研究者たちは、ストレスについての許容可能な定義に関して同意するのに苦労しています。ある研究者は、ストレスのことを、過酷または脅威となるような出来事や状況(たとえば、ストレスの多い仕事、過密な環境、長時間の通勤)と概念化しています。このような概念化は、特定の反応を引き起こす刺激としてストレスを特徴付けるため、刺激に基づく定義として知られています。しかしながら、刺激に基づくストレスの定義には問題があります。なぜなら、それは、人生における困難な出来事や状況に対する見方や反応の仕方が人によって異なることを認識できていないからです。たとえば、学期中ずっと熱心に勉強してきた実直な学生は、責任感の低い準備不足の学生に比べて、学期末試験の週に経験するストレスは少ないでしょう。

他の研究者は、ストレスのことを、厳しい状況や脅威的な状況に直面したときに生じる生理学的な反応(たとえば、覚醒度の上昇)に重点を置くやり方で概念化しています。この概念化は、ストレスを環境条件に対する反応として記述することから、反応に基づく定義と呼ばれています。たとえば、有名なストレス研究者である内分泌学者のハンス・セリエは、かつてストレスを「快い条件または不快な条件によって引き起こされたものであれ、それらを引き起こすものであれ、あらゆる要求に対する身体の反応」として定義しました(Selye, 1976, p. 74)。セリエのストレスの定義は、主として身体に課せられたあらゆる要求に対する身体の生理学的反応という観点からストレスを概念化しているという点で、反応に基づくものとなっています。刺激に基づく定義も反応に基づく定義も、ストレスの完全な定義にはなりません。厳しい状況に直面したときに起こる生理学的反応(たとえば、心拍数の増加)の多くは、予期せぬ朗報(期待していなかった昇進や昇給)を受け取った時のように、多くの人が真正のストレスとは思わないような物事への反応としても起こります。

ストレスを概念化するのに有用な方法は、ストレスのことをプロセスであると考えることです。人は、そのプロセスによって、自分の福利を脅かすような出来事または圧倒されるような出来事と評価しているものを認識し、それに反応します(Lazarus & Folkman, 1984)。この定義の重要な点は、厳しい出来事または脅威となる出来事(しばしばストレス要因と呼ばれます)を私たちがどのように評価するか、つまりどのように判断するかの重要性を強調していることです。次いで、それらの評価が、そのような出来事に対する私たちの反応に影響を与えます。この点では、2つの種類のストレス要因の評価が特に重要です:それは、一次評価と二次評価です。一次評価とは、あるストレス要因がもたらす潜在的な危害や福利への脅威の度合いについての判断が伴います。あるストレス要因は、それが何らかの危害、損失、またはその他の否定的な結果につながると予想される場合、脅威として評価される可能性が高いでしょう。逆に、あるストレス要因は、それが利益や個人的な成長をもたらす可能性があると信じられている場合、挑戦として評価される可能性が高いでしょう。たとえば、指導的立場に昇進した従業員は、その昇進が過度な仕事の要求につながると考える場合には、新しい技能を身につけて専門的に成長する機会と考える場合よりも、その昇進のことをはるかに大きな脅威として認識するでしょう。同様に、卒業を目前に控えた大学生は、その変化を脅威と捉えるかもしれませんし、あるいは挑戦と捉えるかもしれません(図14.2)。

図14.2 | 大学を卒業して労働力に参入することは、脅威(経済的支援の喪失)と挑戦(自立と成長の機会)のどちらとも捉えることができます。(credit: Timothy Zanker)

脅威の認識は、二次評価を引き起こします:二次評価とは、ストレス要因に対処するために利用可能な選択肢を判断し、その選択肢がどの程度効果的であるかを認識することです(Lyon, 2012)(図14.3)。あなたが自己効力感について学んだことから思い出すことができるように、ある個人が自分の課題をこなす能力について抱く信念は、重要なものです(Bandura, 1994)。脅威があっても、それに対して何かできると人が信じているならば、その脅威はそれほど壊滅的なものではないと見なされる傾向があります(Lazarus & Folkman, 1984)。ある朝、ロビンとマドゥーリという2人の中年の人が乳房の自己検診を行い、それぞれが左胸の下部にしこりがあることに気づいたという場面を想像してみてください。2人とも乳房のしこりを潜在的な脅威と見なしていますが(一次評価)、それぞれの二次評価は大きく異なります。乳房のしこりについて考えるとき、ロビンの頭の中を駆け巡った考えのいくつかはこのようなものでした。「ああ、なんてこと、私は乳がんかもしれない!がんが体の他の部分に転移していて、回復できなかったらどうしよう?化学療法を受けなければならないとしたら?その経験はひどいものだと聞いたことがある!仕事を辞めなければならないの?パートナーと私は、住宅ローンを支払うための十分なお金がなくなってしまう。ああ、なんて恐ろしい…私にはどうすることもできないわ!」一方、マドゥーリはこう考えます。「うーん、これは良くないかもしれない。このようなものはたいていの場合は良性のものであると判明するけれども、私は検査を受ける必要があるわね。もし、乳がんだとわかったとしても、今は医療技術がとても発達しているから、対処してくれるお医者さんがいるわ。いろいろな選択肢がたくさんあるだろうから、私はきっと大丈夫。」明らかに、ロビンとマドゥーリは、非常に深刻な状況になるかもしれないことについて、異なる見通しを持っています:ロビンはそれについてほとんど何もできないと考えているようですが、マドゥーリは最悪のシナリオでも有効であるような選択肢がいくつも利用可能であるだろうと考えています。そのため、ロビンはマドゥーリよりも明らかに大きなストレスを経験するでしょう。

図14.3 | ストレス要因に遭遇すると、人はその潜在的な脅威を判断し(一次評価)、次にその状況に対処するために利用可能な有効な選択肢があるかどうかを判断します。ストレス要因が極度に脅威的であると認識された場合や、利用可能である効果的な対処の選択肢がほとんどないか、まったくないような脅威である場合に、ストレスが生じやすくなります。

確かに、ストレス要因の中には、より脅威的であり、認知的評価のばらつきの可能性が少ないという点で、他のストレス要因よりも本質的にストレスが大きいものがあります(たとえば、人の健康や安全に対する客観的な脅威)。それにもかかわらず、評価は依然としてそのような出来事に対する私たちの反応を強めたり弱めたりする役割を果たすでしょう(Everly & Lating, 2002)。

もしある人が、ある出来事を有害であると評価し、その出来事によって課せられる要求が、それに対処したり適応したりするために利用可能な資源を超えていると考える場合には、その人は主観的にストレス状態を経験することになります。対照的に、もしある人が同じ出来事を有害または脅威と評価しない場合には、その人がストレスを感じる可能性は低いでしょう。この定義によれば、環境上の出来事は、それらの解釈のされ方やそれらに割り当てられる意味によってストレス反応の引き金を引きます。要するに、ストレスは主として見る人の目の中に存在します:それは、あなたに何が起こるかというよりも、むしろあなたがどう反応するかについてのものです(Selye, 1976)。

良いストレス?

ストレスは否定的な意味合いを帯びていますが、時にはいくらか有益なこともあります。ストレスは、試験のための勉強、定期的な通院、運動、仕事において自身の能力を最大限発揮することなど、自分の最良の利益となることをしようという動機付けになります。実際、セリエ(Selye, 1974)は、すべてのストレスが有害ではないことを指摘しています。彼は、ストレスが時として私たちの人生の質を向上させることのできる前向きな原動力になり得ると主張しました。このようなストレスは、前向きな感情、最適な健康、および成果に関連する良い種類のストレスであり、セリエはユーストレス(ギリシャ語のeu(ユー) = 「良い」に由来)と呼んでいます。困難な状況では、適度な量のストレスは有益となることがあります。たとえば、スポーツ選手は試合前のストレスによってやる気や元気が出るかもしれませんし、学生は大きな試験の前に同様の有益なストレスを経験するかもしれません。実際、研究では、適度なストレスが教材の即時想起と遅延想起の両方を向上させることが示されています。ある研究では、男性参加者が科学的な文章を暗記したところ、軽度のストレス要因にさらされた直後と、そのストレス要因にさらされた1日後に、その文章の記憶が改善されたことが示されました(Hupbach & Fieman, 2012)。

人のストレスのレベルを上げると、予測可能な方法での成果の変化を引き起こします。図14.4に示されるように、ストレスが増加すると、成果と全般的な福利(ユーストレス)も減少します。ストレスレベルが最適なレベル(曲線の最高点)に達すると、成果はピークに達します。このストレスレベルの人は、俗に言う絶好調の状態であり、それは人が十分なエネルギーと集中力を感じ、最小の努力と最大の効率で仕事ができることを意味します。しかし、ストレスがこの最適なレベルを超えると、それはもはや前向きな力ではなくなり、過剰で弱体化させるものとなります。セリエはこれをディストレス(ラテン語のdis(ディス) = 「悪い」に由来)と名づけました。このストレスレベルに達した人は、燃え尽きたように感じます。彼らは、疲労し、消耗し、彼らの成果も低下し始めます。もしストレスが過剰なままにとどまると、健康状態も損なわれ始めるかもしれません(Everly & Lating, 2002)。ディストレスの良い例は、深刻なテスト不安です。学生がテストに対して強いストレスを感じている場合、否定的な感情と身体的な症状が相まって集中力が低下し、テストのスコアに悪影響を及ぼします。

図14.4 | ストレスレベルが低い状態から中程度に増加すると、成果も増加します(ユーストレス)。最適レベル(曲線のピーク)では、成果がピークに達します。ストレスが最適レベルを超えると、ディストレスの領域に達します。そこでは、ストレスは過剰で弱体化させるものとなり、成果が低下します(Everly & Lating, 2002)。

ストレスの蔓延

ストレスはどこにでもあるもので、図14.5に示されるように、ここ数年は増加傾向にあります。私たちの誰もがストレスのことをよく知っていますが、中には他の人よりももっと熟知している人もいます。いろいろな意味で、ストレスはあなたが背負うことのできない重荷のように感じます。それは、たとえば、あなたが吹雪の中で車を運転しなければならないとき、重要な就職面接の朝に寝坊したとき、次の給料日前にお金がなくなってしまったとき、そして重要な試験を受ける前に準備が十分でないことに気付いたときにあなたが経験する感情です。

図14.5 | 米国の成人の約半数が、過去5年間でストレスレベルが上昇したと回答しています(Neelakantan, 2013)。

ストレスは、生理学的反応(たとえば、心拍数の増加、頭痛、または胃腸障害)、認知的反応(たとえば、集中力の低下または判断力の低下)、行動的反応(たとえば、飲酒、喫煙、またはストレスの原因を取り除くための行動)を含む、さまざまな反応を引き起こす経験です。ストレスは時には肯定的なこともありますが、健康に悪影響を及ぼすこともあり、さまざまな身体的疾患や病気の発症や進行の原因となります(Cohen & Herbert, 1996)。

ストレスやその他の心理的要因が健康にどのような影響を与えるかについての科学的な研究は、健康心理学の領域に含まれます。これは心理学の下位分野であり、健康、病気、そして人が病気になったときの反応の仕方に対する心理的な影響の重要性を理解することを目的としています(Taylor, 1999)。健康心理学が学問分野として登場したのは1970年代のことで、その頃は病気や疾患の発症に行動や生活習慣の要因が果たす役割についての認識が高まっていた時期でした(Straub, 2007)。健康心理学者は、ストレスと病気の間のつながりを研究することに加えて、人々がなぜ特定の生活様式を選択するのか(たとえば、喫煙や不健康な食事が健康に悪影響を及ぼす可能性を知っているにもかかわらず、そのような行動をとること)といった問題を調査します。また、健康心理学者は、不健康な行動を変えることを目的とした介入策を立案し、その効果を調査します。おそらく、健康心理学者の最も基本的な仕事の1つは、心理的または行動的な要因に基づいて、どのグループの人々が健康上の悪影響を受けるリスクが特に高いかを特定することです。たとえば、人口統計学上の集団間のストレスレベルの違いや、それらのレベルが時間とともにどのように変化するかを測定することで、病気や疾患のリスクが高まっている可能性のある集団を特定するのに役立てることができます。

図14.6は、異なる人口統計的な集団の数千人の人々を対象に、ストレスに関する簡単な調査票に記入してもらった3つの全国的な調査の結果を示しています。これらの調査は、1983年、2006年、2009年に実施されました(Cohen & Janicki-Deverts, 2012)。3つの調査とも、男性よりも女性の方がストレスが高いことを示しました。失業者は、3つの調査すべてで高いストレスレベルを報告しており、学歴や収入が低い人も同様でした。退職者は最も低いストレスレベルを報告していました。しかしながら、2006年から2009年にかけて、ストレスレベルの最も大きな増加は、男性、45歳から64歳のヒスパニック系の人々、大卒者、およびフルタイムで働いている人の間で起こりました。これらの調査結果の1つの解釈としては、2008~2009年の景気後退をめぐる懸念(たとえば、失業の恐れや実際の失業、退職用貯蓄の大幅な喪失)が、労働キャリアの残り時間が限られている大卒の被雇用者である男性に対して特にストレスを与えた可能性があります。

図14.6 | コーヘンとヤニッキ=デヴァーツの研究(Cohen & Janicki-Deverts, 2012)から引用した上のグラフは、1983年、2006年、2009年におけるさまざまな人口統計的な集団のストレスレベルの平均値を示しています。性別、年齢、人種、教育水準、雇用形態、および収入のそれぞれの分類において、この四半世紀の間にストレスレベルは概して顕著に上昇しています。

ストレス研究への初期の貢献

前述したように、ストレスに対する科学的な関心は約1世紀前までさかのぼります。ストレス研究の初期の先駆者の1人は、米国の著名な生理学者であるハーバード大学医学大学院のウォルター・キャノンでした(図14.7)。キャノンは、20世紀初頭に、ストレスに対する身体の生理学的反応を初めて特定しました。

図14.7 | ハーバード大学の生理学者、ウォルター・キャノンは、「闘争か、逃走か」反応を初めて明確にし、命名しました。「闘争か、逃走か」反応とは、重大なストレス要因に対する神経系の交感神経反応のことです。

キャノンと「闘争か、逃走か」反応

暖かく晴れた春の日に、コロラド州の美しい山々でハイキングをしているところを想像してください。ハイキング中のある時、木立の陰から恐ろしい姿をしたクロクマが現れ、あなたから50ヤードほど離れたところに座りました。クマはあなたに気づくと、体を起こしてあなたの方に向かってゆっくりと歩き始めました。「これは絶対にまずい」と思うのに加えて、あなたの内側ではさまざまな生理学的反応が起こり始めます。副腎からのエピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の大量分泌に促されて、あなたの瞳孔が散大し始めます。心臓が激しく鼓動してスピードアップし、息が荒くなって発汗をはじめ、そわそわと落ち着かず、筋肉が緊張して、何らかの直接的な行動を起こす準備ができます。キャノンは、この反応を「闘争か、逃走か」反応と呼び、この反応は人が非常に強い感情、特に脅威の認識に関連付けられるものを経験したときに起こると提唱しました(Cannon, 1932)。「闘争か、逃走か」反応の間には、交感神経系と内分泌系の活性化により、身体が急速に覚醒します(図14.8)。この覚醒は、人が脅威と思われるものと闘うか、あるいはそれから逃げるための準備に役立ちます。

図14.8 | 「闘争か、逃走か」とは、ストレス要因に対する生理学的な反応です。

キャノンによると、「闘争か、逃走か」反応は、恒常性—血圧、呼吸、消化、および体温などの生理学的変数が生存に最適なレベルに安定化される内部環境—を維持するのを助けるために組み込まれたメカニズムです。したがって、キャノンは「闘争か、逃走か」反応を適応的なものであると考えました。なぜなら、それは人が環境の脅威に内的にも外的にも適応し、生き続け、脅威を克服することを可能にするからです。

セリエと汎適応症候群

もう1人のストレス分野の初期の重要な貢献者は、前述のハンス・セリエです。彼は後にストレス研究における世界的な第一人者となりました(図14.9)。1930年代、マギル大学の生化学部の若い助手だったセリエは、ラットにおける性ホルモンに関する研究に従事していました。彼は当初に研究していたものに対する答えは見つけることができませんでしたが、偶然に、極端な寒さ、外科的損傷、過度の筋肉運動、およびショックなどの負の刺激(ストレス要因)に長時間さらされると、ラットに副腎肥大、胸腺やリンパ節の縮小、および胃潰瘍といった症状が現れることを発見しました。セリエは、これらの反応が、ストレス要因にさらされ続ける間に、時間をかけて展開する一連の協調した生理学的反応によって引き起こされることに気付きました。これらの生理学的反応は非特異的なもの、つまり、ストレス要因の種類にかかわらず、同じパターンの反応が起こるものです。セリエが発見したものは、汎適応症候群でした。これは、ストレスに対する身体の非特異的な生理学的反応です。

図14.9 | ハンス・セリエは、ストレスについての研究を専門としていました。2009年、彼の母国であるハンガリーでは、彼の功績を称え、第2回ストレスに関する年次世界会議に合わせてこの切手が発行されました。

図14.10に示される汎適応症候群は、3つの段階で構成されています:(1)警告反応、(2)抵抗期、(3)疲憊期です(Selye, 1936; 1976)。警告反応は、脅威的な状況や緊急事態に直面したときの身体の即時反応を表しており、キャノンが記述した「闘争か、逃走か」反応とほぼ類似しています。警告反応の間、あなたはストレス要因によって注意喚起され、あなたの体はその状況に対処するためのエネルギーを供給する一連の生理学的反応でもってあなたを警戒させます。たとえば、夜中に目が覚めて家が燃えているのを発見した人は、警告反応を経験していることになります。

図14.10 | このグラフには、セリエの汎適応症候群の3つの段階が示されています。長期間のストレスは、最終的には疲憊につながります。

ストレス要因への曝露が長引くと、生物は抵抗期に入ります。この段階では、警告反応の初期の衝撃が薄れ、身体はストレス要因に適応しています。それでも、身体は警戒態勢のままにとどまっており、警告反応の時と同じように反応をする準備ができています(ただし、より弱い強度でですが)。たとえば、子供が行方不明になり、72時間後にも行方不明のままであると仮定してみてください。両親は明らかに極度に動揺したままでしょうが、72時間の間に、この出来事に対する何らかの適応によって、生理学的な反応の大きさは小さくなっていることでしょう。

ストレス要因への曝露が長期間にわたって続くと、疲憊期に入ります。この段階では、人はもはやストレス要因に適応することができません:身体的な疲弊によって体の組織や器官が損なわれ、身体の抵抗する能力が失われていきます。その結果、病気、疾患、および他の身体の恒久的な損傷が起こり、死に至ることもあります。もし行方不明の子供が3か月経っても行方不明のままであれば、その状況に伴う長期的なストレスにより、両親はいつかの時点で過労のために文字通り失神したり、不可逆で重篤な病気になったりするかもしれません。

つまり、セリエの汎適応症候群は、ストレス要因が体に負担をかけ、究極的には深刻な健康障害や死に至るまでの下地を作るような3段階のプロセス(最初の衝撃、その後の再適応、そしてすべての身体的な資源の消耗)を経ると示唆しています。しかしながら、このモデルは、反応に基づくストレスの概念化であり、体の身体的反応のみに着目し、脅威の評価や解釈などの心理的要因をほとんど無視しているということは指摘されてしかるべきです。それにもかかわらず、セリエのモデルは、ストレスがどのようにして身体的なダメージ、ひいては病気につながることがあるのかを一般的に説明するものであるため、ストレスの分野に大きな影響を与えています。私たちが後で議論するように、長期にわたるストレスや繰り返されるストレスは、高血圧や冠動脈疾患などの多くの疾患の発症に関与しています。

ストレスの生理学的基盤

私たちがストレスを感じるとき、私たちの体の内側では何が起こっているのでしょうか?ストレスの生理学的な機構は極度に複雑ですが、一般的には、交感神経系と視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の2つの系の働きが関与しています。人がストレスとなる何かを認識すると(セリエの警告反応)、副腎からのアドレナリンの分泌を介して交感神経系の覚醒が引き起こされます。これらのホルモンの分泌によって、心拍数や呼吸数が増加するなどの、ストレスに対する「闘争か、逃走か」反応が活性化されます。同時に、本質的には主として内分泌系であるHPA軸が特に活発になりますが、その働きは交感神経系よりもはるかにゆっくりとしています。ストレスに反応して、視床下部(脳の大脳辺縁系構造の1つ)からコルチコトロピン放出因子というホルモンが放出され、これが下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を放出させます(図14.11)。ACTHは、副腎を活性化して、血流中に多くのホルモンを分泌させます。そのうち重要なものの1つはコルチゾールであり、これは体内の実質的にすべての器官に影響を与えます。コルチゾールは一般的にストレスホルモンとして知られており、私たちがストレス要因に遭遇した際にエネルギーの高まりを供給して、私たちが逃げたり闘ったりするための準備をします。しかしながら、コルチゾールのレベルが高い状態が続くと、免疫系が弱くなります。

図14.11 | この図は、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の働きを示しています。視床下部が脳下垂体を活性化し、脳下垂体が副腎を活性化して、コルチゾールの分泌を増加させます。

短時間のほとばしりであれば、このプロセスは余分なエネルギーの提供、一時的な免疫系機能の向上、および痛みの感受性の軽減などといった、いくつかの好ましい効果が得られます。しかしながら、コルチゾールの分泌が長期化すると(長期間または慢性的なストレスによって起こるでしょう)、しばしば高い代償を払うことになります。コルチゾールのレベルが高くなると、さまざまな弊害が生じることが示されています。たとえば、コルチゾールの増加は、私たちの免疫系を著しく弱め(Glaser & Kiecolt-Glaser, 2005)、うつ病患者では高いレベルのコルチゾールが頻繁に観察されます(Geoffroy, Hertzman, Li, & Power, 2013)。要約すると、ストレスを感じる出来事があると、さまざまな生理学的反応が起こり、それが副腎を活性化し、副腎はエピネフリン、ノルエピネフリン、およびコルチゾールを分泌します。これらのホルモンは、ストレスを受けた人に直接行動を起こす準備をさせるような形でさまざまな身体的プロセスに影響を与えますが、それとともに、病気の可能性を高める可能性のある形でもさまざまな身体的プロセスに影響を与えます。

極度のストレスや慢性的なストレスは、深刻な悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、ストレスは、心的外傷後ストレス障害、大うつ病性障害、その他の重篤な精神医学的疾患を含む、特定の心理学的障害の発症に寄与していることがしばしばあります。加えて、ストレスがさまざまな体調不良や病気の発症・進行に結びついていることは、先に述べました。たとえば、ある研究の研究者は、2001年9月11日の世界貿易センタービルの惨事で負傷した人や、その後、心的外傷後ストレス症状を発症した人は、その後、心臓疾患の発症率が有意に高くなることを発見しました(Jordan, Miller-Archie, Cone, Morabia, & Stellman, 2011)。また、別の調査では、高齢で退職したフィンランドの食品産業労働者の自己申告したストレス症状が、11年後の死亡率と関連していることが分かりました。この研究では、筋骨格系、神経系、および内分泌・代謝系の障害の発症も予測されました(Salonen, Arola, Nygård, & Huhtala, 2008)。また、別の研究では、韓国の製造業の男性従業員で、仕事関連のストレスのレベルが高いと報告した人は、仕事関連のストレスのレベルが低いと報告した従業員に比べて、その後数か月の間に風邪を引く可能性が高いことが報告されました(Park et al., 2011)。この後、あなたはストレスが身体的な不調や疾患を引き起こすメカニズムを探っていくことになります。

14.2 ストレス要因

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • さまざまな種類のあり得るストレス要因を記述する
  • 潜在的なストレス要因としての生活の変化の重要性を説明する
  • 社会的再適応評価尺度について記述する
  • 仕事の重圧と仕事の燃え尽きの概念を理解する

個人がストレスを経験するためには、まず潜在的なストレス要因に遭遇しなければなりません。一般的に、ストレス要因は慢性的なものと急性のものの2つの広いカテゴリーのどちらかに入ります。慢性的なストレス要因には、認知症の親の介護、長期失業、または収監などのような、長期間にわたって継続する出来事が含まれます。急性のストレス要因には、凍った歩道で転んで足を骨折した場合などのような、一時的・局所的な出来事であって、時にはその出来事が終わってかなり経った後も圧倒するものとして経験され続けるようなことが含まれます(Cohen, Janicki-Deverts, & Miller, 2007)。慢性的なものであれ、急性のものであれ、潜在的なストレス要因にはさまざまな形や大きさがあります。それらには、深刻な心的外傷を伴う出来事、人生の大きな変化、日常的な煩わしさのほか、人が定期的に脅威、困難、または危険にさらされるその他の状況も含まれます。

心的外傷を伴う出来事

ストレス要因の中には、心的外傷を伴う出来事や、人が実際に死亡したり重傷を負ったりするか、あるいはそのおそれにさらされるような状況があります。この分類のストレス要因には、軍隊の戦闘、実際の身体的攻撃(たとえば、身体的暴力、性的暴行、強盗、小児虐待)またはそのおそれ、テロリストの攻撃、自然災害(たとえば、地震、洪水、ハリケーン)、および自動車事故にさらされることが含まれます。男性、非白人、および社会経済的地位(SES)の低い集団の個人は、女性、白人、およびSESの高い集団の個人に比べて、より多くの心的外傷を伴う出来事を経験していると報告しています(Hatch & Dohrenwend, 2007)。極めて大きなストレス要因にさらされた人の中には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する人がいます:心的外傷後ストレス障害とは、慢性的なストレス反応であり、ストレス要因となった出来事についての侵入的で苦痛を伴う記憶、ビクつき、持続的で否定的な感情状態、他者からの孤立、怒りの爆発、および出来事を思い出すことの回避などの経験や行動を特徴とします(American Psychiatric Association [APA], 2013)。

人生の変化

私たちが遭遇するストレス要因のほとんどは、上記のような強烈なものとは程遠いです。私たちが直面する潜在的なストレス要因の多くは、私たちの現行の生活を変化させ、その変化に適応するための時間を必要とするような出来事や状況を含んでいます。例としては、近親者の死、結婚、離婚、および引っ越しが含まれます(図14.12)。

図14.12 | 引っ越しなどといったかなり典型的なライフイベントのいくつかは、大きなストレス要因となることがあります。その引っ越しが意図的で前向きなものであったとしても、それに伴う日常生活の変化の大きさがストレスの原因となり得ます。(credit: “Jellaluna”/Flickr)

1960年代、精神科医のトマス・ホームズとリチャード・レイは、人の通常の生活習慣に大きな変化をもたらすライフイベント(人生の出来事)は、それが望ましいものであるか望ましくないものであるかにかかわらず、ストレスになるという仮説に基づき、生活上のストレス要因と身体的な不調との間のつながりを調べようと望みました。彼らは、さまざまな程度の個人的再適応を必要とする43のライフイベントからなる社会的再適応評価尺度(SRRS)を開発しました(Holmes & Rahe, 1967)。SRRSに列挙されたものの中には、ほとんどの人が快いと見なすであろうライフイベント(たとえば、休日、退職、結婚)が多く含まれていました。それらはユーストレスの例です。また、ホームズとレイは、ライフイベントは時間をかけて積み重なっていくものであり、ストレスのある出来事をまとめて経験すると、身体的な病気を発症するリスクが高まることを提唱しました。

ホームズとレイは、この尺度を作成するにあたり、394人の参加者に43項目のそれぞれについて数値の見積もりを提供するよう求めました。それぞれの見積もりは、参加者がそれぞれの出来事にどれだけの再適応が必要だと感じているかに対応しています。これらの推定値から、それぞれの出来事についての平均値スコアが得られます。これは、しばしば人生変化単位(LCU)と呼ばれます(Rahe, McKeen, & Arthur, 1967)。この数値スコアは11から100までの範囲であり、それぞれの出来事がもたらす人生の変化の大きさとして認識されたものを表しています。配偶者の死はこの尺度の中で最も高い100LCUであり、離婚は2番目に高い73LCUでした。さらに、個人的な怪我や病気、結婚、および解雇もそれぞれ53LCU、50LCU、47LCUで尺度の上位につけました。逆に、住居の変更(20LCU)、食習慣の変化(15LCU)、休暇(13LCU)は尺度の中で低い順位でした(表14.1)。軽微な法律違反は11LCUで最も低い順位となりました。尺度を完成させるためには、参加者は過去12か月以内に経験した出来事に対して「はい」をチェックします。チェックしたそれぞれの項目のLCUを合計し、生活の変化の度合いを数値化したスコアを算出します。SRRSのさまざまなライフイベントによって必要とされる適応の量についての一致は、非常に一貫しており、文化横断的にもそれが当てはまります(Holmes & Masuda, 1974)。

表14.1

短期間(1~2年)のうちに多くの人生変化単位を蓄積することが、さまざまな身体的不調(事故や運動による怪我も含む)やメンタルヘルスの問題に関係していることは、広範な研究によって実証されています(Monat & Lazarus, 1991; Scully, Tosi, & Banning, 2000)。初期の実証では、研究者は6か月間の航海に出ようとしていたアメリカとノルウェーの海軍兵のLCUスコアを入手しました。その後、医療記録を調査したところ、航海前のLCUスコアとその後の6か月間の航海中の病気の症状との間に正の相関関係(ただし、小さい)があることが判明しました(Rahe, 1974)。また、家族の結婚式の日など、自己申告のLCU値が通常よりもかなり高い日には、腰痛、胃の不調、下痢、およびニキビなどといった身体的症状を多く経験する傾向があります(Holmes & Holmes, 1970)。

社会的再適応評価尺度(SRRS)は、人々の生活におけるストレス量を評価するための単純で実施が簡単な方法を研究者に対して与えてくれるものであり、何百もの研究で使用されてきました(Thoits, 2010)。しかし、広く使用されているにもかかわらず、この尺度は批判の対象となっています。まず、SRRSの多くの項目は曖昧です。たとえば、親しい友人の死は、社会的再適応をほとんど必要としないような、長い間会っていなかった子供時代の友人の死を含むことがあるかもしれません(Dohrenwend, 2006)。さらに、望ましくないライフイベントは望ましいものと同じ程度のストレスになるというSRRSの仮定に異議を唱える人もいます(Derogatis & Coons, 1993)。入手可能な証拠のほとんどは、少なくともメンタルヘルスに関する限り、望ましくない否定的な出来事は、望ましい肯定的な出来事よりも、(うつ病などの)悪い結果と強く関連していることを示唆しています(Hatch & Dohrenwend, 2007)。おそらく最も深刻な批判は、この尺度が、その中に含まれるライフイベントに対する回答者の評価を考慮していないことです。あなたが思い出せるように、ストレス要因の評価は、ストレスの概念化と全体的な経験において重要な要素です。仕事を解雇されることは、ある人にとっては衝撃的なことかもしれませんが、他の人にとってはより良い仕事を得るための歓迎すべき機会となるでしょう。SRRSは、ストレス研究において最もよく知られている尺度の1つであり続けており、ストレスに関連した健康上の潜在的な結果を特定するための有用な道具です(Scully et al., 2000)。

学習へのリンク

このサイトにアクセスし、SRRS尺度(http://openstax.org/l/SRRS)に記入して、あなたが過去1年間に経験したLCUの合計数を調べてみてください。

概念をつなげてみよう

相関研究

ホームズとレイの社会的再適応評価尺度(SRRS)は、相関研究の手法を用いて、ストレスと健康の間のつながりを特定します。すなわち、回答者のLCUスコアは、健康問題を示す自己申告の症状の数や頻度と関連付けられます。これらの相関関係は、典型的には正の相関です—LCUスコアが増加すると、症状の数が増加します。この尺度を使ってストレスと病気の症状を相関させた何千もの研究を考えてみてください:もしあなたがこの一連の研究に平均的な相関係数を割り当てるとしたら、あなたの最良の推測は何でしょうか?その相関係数はどれほど強いものだと思いますか?なぜSRRSは、ストレスと病気の間の因果関係を示すことができないのでしょうか?もし、因果関係を示すことができるとしたら、ストレスが病気を引き起こすのか、病気がストレスを引き起こすのか、どちらだと思いますか?

厄介事

潜在的なストレス要因は、必ずしも大きなライフイベントが関与するとは限りません。日常的な厄介事、つまり私たちの日常生活の一部であるような些細なイライラや悩み(たとえば、ラッシュアワーの渋滞、鍵の紛失、不愉快な同僚、悪天候、友人や家族との口論)は、互いに重なり合って、人生を変えるような出来事と同じようにストレスをもたらすことがあります(図14.13)(Kanner, Coyne, Schaefer, & Lazarus, 1981)。

図14.13 | 毎日の通勤は、(a)自動車であれ、(b)公共交通機関であれ、私たちの日常的なストレス感情を助長する厄介事になり得ます。(credit a: modification of work by Jeff Turner; credit b: modification of work by “epSos.de”/Flickr)

研究者は、日常的な厄介事の頻度が、人生変化単位よりも、実際には身体的および心理的な健康についてのより良い予測因子であることを実証しています。サンフランシスコの住民を対象とした有名な研究では、日常的な厄介事の頻度は、生活を変える出来事よりも身体的な健康問題とより強く関連していることがわかりました(DeLongis, Coyne, Dakof, Folkman, & Lazarus, 1982)。さらに、日常の些細な厄介事、特に対人関係の葛藤は、しばしば否定的で苦痛な気分状態を引き起こします(Bolger, DeLongis, Kessler, & Schilling, 1989)。ソーシャルメディア上で発生するサイバー空間での厄介事は、現代的で進化しつつあるストレスの原因であるかもしれません。ある調査では、ソーシャルメディアのストレスが青年の睡眠不足と関連していましたが、これはおそらく、ソーシャルメディアについて思いを巡らすことで生理学的なストレス反応が起こり、覚醒度が高まったためだと考えられます(van der Schuur, Baumgartner, & Sumter, 2018)。明らかに、日常的な厄介事が積み重なって、感情的にも肉体的にも私たちに負担をかけることがあります。

職業に関連するストレス要因

ストレス要因には、つらい労働条件、厳しい労働条件、あるいは安全でない労働条件などといった、困難で不快な出来事に頻繁にさらされる状況が含まれます。ほとんどの仕事や職業は時に厳しいものになることがありますが、いくつかのものは明らかに他よりもストレスの多いものです(図14.14)。たとえば、消防士の仕事は、花屋の仕事よりも本質的にストレスが多いということには、多くの人が同意するでしょう。同様に、大きな騒音にさらされる仕事(重機オペレーター)、絶え間ない嫌がらせや身体的暴力の脅威にさらされる仕事(刑務官)、途切れることのないフラストレーションに苛まれる仕事(大都市のバス運転手)、または従業員が日勤と夜勤を交互に繰り返すことを義務付けられている仕事(ホテルのフロント係)など、さまざまな不快な要素を含む仕事は、そのような要素を含まない仕事に比べて、はるかに過酷であり、したがって、よりストレスの多い仕事であることにも、多くの人が同意するでしょう。表14.2は、いくつかの職業と、それらの職業に関連する特定のストレス要因のいくつかを列挙しています(Sulsky & Smith, 2005)。

図14.14 | (a)警察官と(b)消防士は高いストレスを伴う職業です。(credit a: modification of work by Australian Civil-Military Centre; credit b: modification of work by Andrew Magill)

表14.2

これらの職業に特有のストレス要因は多様ですが、仕事量の多さや、仕事の特定の側面に対する不確実性やコントロールの欠如など、いくつかの共通点を共有しているようです。慢性的な職業上のストレスは、仕事の重圧に寄与します。仕事の重圧とは、過剰な仕事の要求および仕事量と、意思決定や仕事のコントロールにおける裁量がほとんどないこととが組み合わさった仕事の状況のことです(Karasek & Theorell, 1990)。明らかに、表14.2に列挙された職業以外の多くの職業でも、しばしば仕事量が多く、仕事のコントロールがほとんどできない(たとえば、休憩時間を決めることができない)という点で、少なくとも中程度の仕事の重圧を伴います。そのような仕事は、しばしば地位の低いものであり、工場労働者、郵便局員、スーパーマーケットのレジ係、タクシー運転手、注文に応じて素早く料理を作る人が含まれます。仕事の重圧は、肉体的にもメンタルヘルス的にも悪影響を及ぼす可能性があります。それは、高血圧(Schnall & Landsbergis, 1994)、心臓発作(Theorell et al., 1998)、初回の心臓発作後の心臓病の再発(Aboa-Éboulé et al., 2007)、大幅な体重の増減(Kivimäki et al., 2006)、および大うつ病性障害(Stansfeld, Shipley, Head, & Fuhrer, 2012)のリスク増加と関連することが示されています。1万人以上の英国の公務員を対象とした縦断的な研究では、以前に仕事の重圧が大きいと答えた50歳未満の労働者は、仕事の重圧がほとんどないと答えた50歳未満の労働者に比べて、後に心臓病を発症する可能性が68%高かったことが報告されています(Chandola et al., 2008)。

慢性的にストレスの多い労働条件にさらされている人の中には、仕事の燃え尽きを経験する人もいます。仕事の燃え尽きとは、自分の仕事に対して感情的に疲弊したり、冷笑的になったりする一般的な感覚のことです(Maslach & Jackson, 1981)。仕事の燃え尽きは、人的サービスの仕事(たとえば、ソーシャルワーカー、教師、セラピスト、および警察官)に就いている人の間で頻繁に起こります。仕事の燃え尽きは、3つの特徴で構成されています。第一の特徴は、疲弊です。これは、自分の感情的な資源が枯渇しているという感覚、あるいは、自分が限界に達していて、心理的なレベルでこれ以上やれることがないという感覚です。第二に、仕事の燃え尽きは、離人感を特徴とします:これは、労働者とそのサービスを受ける人との間の感情的な乖離の感覚であり、しばしばこれらの人に対して冷淡、皮肉、または無関心な態度をとることになります。第三に、仕事の燃え尽きは、個人的な達成感の低下を特徴とします。これは、たとえば仕事に関連した成果に不満を経験したり、仕事を通じて他人の生活に影響を与えることがまったくできなかったかのように感じたりすることによって、自分の仕事を否定的に評価する傾向のことです。

仕事の重圧は、仕事の燃え尽きにつながる最大の危険因子の1つと考えられており、仕事の燃え尽きは、高齢(55~64歳)、未婚、肉体労働の仕事をしている労働者に最もよく見られます。また、アルコールの大量摂取、運動不足、過体重、および身体的または生涯にわたる精神障害を有していることも、仕事の燃え尽きと関連しています(Ahola, et al., 2006)。さらに、仕事の燃え尽きには、しばしばうつ病が併発します。フィンランドの3000人以上の従業員を対象としたある大規模な研究では、深刻な仕事の燃え尽きを経験した参加者の半数が何らかの形態のうつ病性障害を患っていたと報告されました(Ahola et al., 2005)。仕事の燃え尽きは、自分の仕事に多大なエネルギー、努力、時間を費やしたにもかかわらず、ほとんど見返りを受け取っていない(たとえば、他者からの尊敬や支援が少ない、給料が低い)という感情によってしばしば引き起こされます(Tatris, Peeters, Le Blanc, Schreurs, & Schaufeli, 2001)。

例として、ある介護施設で働いていた看護助手のタイアのことを考えてみましょう。タイアは、厳しい施設の中で、少ない賃金で長時間働いていました。タイアの上司は、威圧的で、不快で、支えとはなってくれず、タイアの個人的な時間を軽視し、シフト終了後に数時間追加で働かなければならないことや、週末に出勤しなければならないことを、直前になって伝えてくることも頻繁にありました。タイアは職場での自主性をほとんど持ち合わせていませんでした。日々の業務やその遂行方法についてほとんど意見を言えず、上司から明確な指示がない限り、休憩を取ることも許されませんでした。タイアは自分の激務が上司によっても施設の住人によっても評価されているとは感じていませんでした。タイアは給料の低さに非常に不満を持っており、多くの住人が自分のことを不当に扱っていると感じていました。

数年の後、タイアは自分の仕事が嫌いになり始めました。タイアは朝、仕事に行くのが怖くなり、徐々に多くの住人に対して冷淡で敵対的な態度を取るようになっていきました。最終的には、もう介護施設の入居者を助けることはできないと感じるようになりました。タイアの欠勤が増え、ある日、タイアはもう沢山だと判断して、辞めました。タイアは今、営業の仕事をしており、二度と介護の仕事はしないと誓っています。

学習へのリンク

1999年のコメディ映画『リストラ・マン』の映像では、上司のサポート不足がユーモラスに描かれています(http://openstax.org/l/officespace)。この映像では、共感できる主人公に対して鼻持ちならない上司が、土曜日と日曜日の両方に「先に出社してくれ」と土壇場で要求しています。

最後に、友人や家族との親密な関係、特にその関係の負の側面は、強力なストレスの源となり得ます。親密な人間関係の負の側面には、意見の相違や口論などの衝突、精神的なサポートや信頼の欠如、互恵性の欠如が含まれることがあります。これらはすべて圧倒的で、人間関係を脅かすものであり、ストレスの多いものです。このようなストレス要因は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。9000人以上の英国の公務員を対象とした縦断的な調査によると、ある時点で最も親密な関係において最も高いレベルの否定的な相互作用を報告していた人は、最も低いレベルの否定的な相互作用を経験していた人に比べて、13~15年の間に深刻な心臓の問題(致命的または非致命的な心臓発作)を経験する可能性が34%高かったことがわかりました(De Vogli, Chandola & Marmot, 2007)。

14.3 ストレスと病気

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 精神生理学的障害の性質を説明する
  • 免疫系とその機能にストレスがどのように影響するかを記述する
  • ストレスや感情的な要因が、どのように心血管障害、喘息、緊張性頭痛の発症や悪化につながるかを記述する

この節では、私たちはストレスと病気について議論します。ストレス研究者のロバート・サポルスキー(Sapolsky, 1998)は次のように述べています。

ストレス関連疾患は、主として、私たちが急性の身体的緊急事態に対応するために進化してきた生理学的システムを、住宅ローンや人間関係、昇進の心配をしながら何か月も連続して作動させているという事実から生まれます。(p. 6)

ストレス反応は、先に述べたように、必要に応じて呼び出される生理学的反応の協調的かつ複雑なシステムで構成されています。これらの反応は、潜在的に危険な状況や脅威的な状況に対処するように私たちを備えさせるものであるため、有益な場合もあります(たとえば、登山道にいる恐ろしい熊を思い出してください)。しかしながら、生理学的反応が持続するときには(継続的なストレスに反応して起こることがあります)、健康に影響を及ぼします。

精神生理学的障害

夏の間エアコンをフル稼働させ続けていると、やがてエアコンが消耗するのと同じように、ストレス反応を構成する反応が慢性的であったり、頻繁に正常範囲を超えたりすると、身体の消耗が累積していきます。たとえば、仕事でかなりの重圧がかかっている人が高血圧になると、やがて心臓に負担がかかり、心臓発作や心不全の下地を作るかもしれません。また、ストレスホルモンであるコルチゾールに高いレベルでさらされた人は、免疫系の機能が低下するため感染症や病気にかかりやすくなるかもしれません(McEwen, 1998)。

学習へのリンク

神経科学者のロバート・サポルスキーとキャロル・シヴェリーは、30年以上にわたって人間以外の霊長類におけるストレスについて広範な研究を行ってきました。両者とも、社会的階層における地位がストレス、メンタルヘルス状態、および病気を予測することを示しました。彼らの研究は、汚名を着せられたり、排斥されたりした人々に対してストレスがどのようにして健康に悪影響を及ぼすかを明らかにしています。ここでは、サポルスキー博士のビデオを2つ紹介します:1つは致命的となるストレスに関するもので(http://openstax.org/l/sapolsky1)、もう1つはナショナルジオグラフィックの優れた詳細なドキュメンタリー(http://openstax.org/l/sapolsky2)です。

ストレスや感情的な要因によって症状が引き起こされたり、悪化したりする身体的な障害や病気を精神生理学的障害と呼びます。精神生理学的障害の身体的症状は現実のものであり、精神的な要因によって生じたり悪化したりします(そのため、精神生理学的(psychophysiological)という語の中には、精神的(psycho)と生理学的(physiological)が入っています)。表14.3に、頻繁に遭遇する精神生理学的障害のリストが与えられています。

表14.3

フリードマンとブース=キューリー(Friedman & Booth-Kewley, 1987)は、人格と病気の間のつながりを調べるために101の研究を統計学的にレビューしました。彼らは、抑うつ、怒り/敵意、および不安を含む、病気になりやすい人格特性の存在を提唱しました。実際、6万1000人以上のノルウェー人を対象とした研究では、うつ病がすべての主要な疾患に関連した死因の危険因子であると特定されています(Mykletun et al., 2007)。さらに、神経症的傾向(人がどれだけ不安、不機嫌、悲しいかを反映した人格特性)は、慢性的な健康問題や死亡率についての危険因子であることが特定されています(Ploubidis & Grundy, 2009)。

以下では、私たちは、精神生理学的障害のうち、多くのことがわかっている2つの種類について議論します:それは心血管障害と喘息です。しかしながら、私たちはまず、ストレスや感情的な要因が不調や病気へとつながる主要な経路の1つである免疫系についての議論へと注意を向ける必要があります。

日常へのつながり

社会的地位、ストレス、および医療

心理学者は、社会的地位(たとえば、富、特権)がストレス、健康、福利と密接に結びついていることを長い間認識してきました。社会的地位の低い人の間での高いストレスと不健康に寄与するいくつかの要因としては、コントロールや予測可能性の欠如(たとえば、失業率が高い)や、資源の不平等(たとえば、医療やその他の地域社会の資源へのアクセスが少ない)などが挙げられます(Marmot & Sapolsky, 2014)。

米国では、社会的地位に結びついた資源の不平等が、しばしば医療における人種やジェンダーの違いを生み出します。たとえば、アフリカ系アメリカ人女性は、他のグループと比較して、緊急外来の受診率や満たされない医療の必要性が最も高く、この格差は2006年から2014年にかけて大幅に拡大しました(Manuel, 2018)。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、およびトランスジェンダーの若者は、医療専門家の間での汚名、理解不足、および無神経さの結果として、質の低い医療をしばしば経験します(Hafeez, Zeshan, Tahir, Jahan, & Naveed, 2017)。米国政府の「健康な人々2020」イニシアチブの目標の1つは、医療におけるジェンダーや人種による格差をなくすことです。彼らのインタラクティブなデータセットは、健康格差の最新の見取り図を提供しています:https://www.healthypeople.gov/2020/data-search/health-disparities-data

ストレスと免疫系

免疫系は、ある意味で体の監視システムです。免疫系は、さまざまな構造、細胞、機構から成り立っており、体の組織や器官に危害を及ぼす、あるいは損傷を引き起こす可能性のある微生物の侵入から体を守る役割を果たしています。免疫系が正常に機能しているときには、免疫系は体内に入り込んだ有害な細菌、ウイルス、その他の異物を排除することによって、私たちを健康に保ち、病気にならないようにします(Everly & Lating, 2002)。

免疫系の間違い

時には、免疫系が誤って機能することがあります。たとえば、免疫系は、自分の体の健康な細胞を侵入者と勘違いして、繰り返し攻撃してしまうことによって、うまくいかない時があります。このようなことが起きた場合、人は自己免疫疾患を患っていると言われます。この疾患は、体のほとんどすべての部分に影響を及ぼす可能性があります。自己免疫疾患が人にどのような影響を与えるかは、体のどの部分が標的になるかによって異なります。たとえば、関節リウマチは、関節に影響を与える自己免疫疾患であり、関節の痛み、こわばり、および機能の喪失が起こります。全身性エリテマトーデスは、皮膚に影響を与える自己免疫疾患であり、皮膚に発疹や腫れが生じることがあります。グレーブス病は、甲状腺に影響を与える自己免疫疾患であり、疲労、体重増加、および筋肉の痛みが生じることがあります(National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases [NIAMS], 2012)。

また、免疫系が壊れて、その仕事ができなくなることもあります。このような状況は、免疫系の有効性が低下する免疫抑制と呼ばれています。人は免疫抑制を経験するとき、さまざまな感染症、病気、および疾患にかかりやすくなります。たとえば、後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる深刻で致死的な病気です。HIVは、抗体を産生する細胞に感染して破壊することによって免疫系を大幅に弱体化させるため、治療を受けていない人は、数多くの日和見感染症にかかりやすくなります(Powell, 1996)。

ストレス要因と免疫機能

ストレスや否定的な感情状態が免疫機能に影響を与えるかどうかという問題は、30年以上にわたって研究者たちを魅了し続けており、その間になされた発見は、健康心理学の様相を劇的に変化させました(Kiecolt-Glaser, 2009)。精神神経免疫学は、ストレスなどの心理的要因が免疫系や免疫機能にどのようにして影響を与えるかを研究する分野です。精神神経免疫学という言葉は、1981年に、脳、内分泌系、および免疫系の間の関連性についての利用可能な証拠をレビューした書籍のタイトルとして登場したときに生み出されました(Zacharie, 2009)。この分野は、多くの面において、中枢神経系と免疫系の間につながりがあるという発見から発展してきました。

脳と免疫系の間のつながりについての最も説得力のある証拠のうちのいくつかは、動物の免疫反応が古典的に条件付けられることを研究者が実証した研究から得られています(Everly & Lating, 2002)。たとえば、エイダーとコーヘン(Ader & Cohen, 1975)は、味のついた水(条件刺激)と免疫抑制薬の付与(無条件刺激)を対にして、病気(無条件反応)を引き起こしました。当然のことながら、この組み合わせにさらされたラットは、味のついた水に対して条件付けられた嫌悪感を抱くようになりました。しかしながら、その後、水の味そのものが免疫抑制(条件反応)を引き起こしました。これは、免疫系そのものが条件付けられたことを示しています。長年にわたる多くの後続の研究により、動物と人間の両方で、免疫反応が古典的に条件付けられることがさらに明らかになりました(Ader & Cohen, 2001)。したがって、古典的条件付けが免疫を変化させることができるのであれば、他の心理的要因も同様に免疫を変化させることができるはずです。

何万人もの参加者が関与した何百もの研究で、多くの種類の短期的および慢性的なストレス要因と、それらが免疫系に及ぼす影響が検証されています(たとえば、人前で話すこと、医学大学院受験、失業、夫婦の不和、離婚、配偶者の死、燃え尽きと仕事の重圧、アルツハイマー病の親族の介護、および南極の厳しい気候への曝露)。多くの種類のストレス要因が、免疫機能の低下や弱体化と関連していることは、繰り返し実証されています(Glaser & Kiecolt-Glaser, 2005; Kiecolt-Glaser, McGuire, Robles, & Glaser, 2002; Segerstrom & Miller, 2004)。

これらの知見を評価する際には、脳と免疫系の間に具体的な生理学的なつながりがあることを思い出しておくことが大切です。たとえば、交感神経系は、胸腺、骨髄、脾臓、さらにはリンパ節などの免疫器官を支配しています(Maier, Watkins, & Fleshner, 1994)。また、先に述べたように、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の活性化に伴って放出されるストレスホルモンは、免疫機能に悪影響を及ぼします。ストレスホルモンがこれを行う1つの方法は、体液中を循環して免疫反応に重要な役割を果たす白血球であるリンパ球の産生を阻害することによるものです(Everly & Lating, 2002)。

ストレスと免疫機能の低下の間のつながりを示す最も劇的な例のいくつかには、志願者をウイルスに曝露した研究が含まれます。この研究の背景にある理論的根拠は、ストレスが免疫系を弱めるため、ストレスレベルの高い人は、ストレスの少ない人に比べて病気になりやすいはずだというものです。この方法を用いた1つの印象的な実験では、研究者が276人の健康な志願者に最近のストレス経験についてインタビューしました(Cohen et al., 1998)。インタビューの後、参加者には風邪のウイルスが入った点鼻剤が与えられました(あなたは、なぜ人がこのような扱いを受ける研究に参加しようと望んだのか疑問に思うかもしれませんが、参加者にはこの不都合に対して800ドルが支払われていました)。後で調べてみると、慢性的なストレス要因、特に仕事や人間関係での持続的な困難を1か月以上にわたって経験していると答えた参加者は、慢性的なストレス要因がないと答えた参加者に比べて、風邪を発症する確率がかなり高くなりました(図14.15)。

図14.15 | このグラフは、少なくとも1か月、3か月、および6か月続く慢性的なストレス要因を経験したと答えた参加者のうち、(風邪のウイルスを与えられた後に)風邪をひいた参加者の割合を示しています(出典:Cohen et al., 1998)。

別の研究では、高齢の志願者にインフルエンザウイルスのワクチン接種を行いました。対照群と比べると、アルツハイマー病の配偶者を介護している人(つまり慢性的なストレスを抱えている人)は、ワクチン接種後の抗体反応が悪いことが示されました(Kiecolt-Glaser, Glaser, Gravenstein, Malarkey, & Sheridan, 1996)。

他の研究では、ストレスが傷の修復に重要な免疫反応を損なうことによって、傷の治癒を遅らせることが実証されています(Glaser & Kiecolt-Glaser, 2005)。たとえば、ある研究では、前腕部に皮膚の水疱を作りました。ストレスのレベルが高いと答えた被験者は、傷の治癒に必要な免疫タンパク質の生成のレベルが低くなりました(Glaser et al., 1999)。つまり、言ってみれば、ストレスは騎士を殺すような剣というわけではなく、むしろ、それは騎士の盾を破る剣であり、あなたの免疫システムがその盾なのです。

深く掘り下げてみよう

ストレスと老化:テロメアの物語

ストレスを感じている人は、しばしばやつれているように見えることを不思議に思ったことはありませんか?その理由は、ストレスが実際に老化の細胞生物学を加速させることがあるからだ、ということが2004年に発表された先駆的な研究で示唆されています。

ストレスは、染色体の末端を保護するDNAの断片であるテロメアを短くするようです。テロメアが短くなると、新しい細胞の成長や増殖を含む細胞分裂が阻害されたり、妨げられたりするため、より急速に老化が進むことになります(Sapolsky, 2004)。この研究では、研究者は、慢性疾患の子供を持つ母親の白血球の中のテロメアの長さを、健康な子供を持つ母親のものと比較しました(Epel et al., 2004)。慢性疾患の子供を持つ母親は、健康な子供を持つ母親よりも多くのストレスを経験していることが予想されるでしょう。病気の子供の世話をしている期間が長かったほど、母親のテロメアは短くなりました(世話をした年数とテロメアの長さの相関は、r = -0.40)。それに加えて、自覚的なストレスのレベルの高さはテロメアの長さと負の相関がありました(r = -0.31)。これらの研究者はまた、最もストレスを感じている母親の平均的なテロメアの長さは、最もストレスを感じていない母親と比較して、平均して9~17歳年上の人に見られるであろうものと同様であることを発見しました。

その後も数多くの研究で、ストレスとテロメアの減少との関連性が見出され続けています(Blackburn & Epel, 2012)。いくつかの研究では、ストレスがテロメアを損ない始めるのは幼少の頃、おそらく子供が生まれる前からであることが実証されています。たとえば、ある研究では、幼少期に暴力(たとえば、母親の家庭内暴力、いじめによる被害、および身体的虐待)にさらされると、5歳から10歳までの間にテロメアの減少が加速することがわかりました(Shalev et al., 2013)。別の研究では、妊娠中に強いストレスを経験した母親を持つ若年成人のテロメアは、ストレスのない平穏無事な妊娠をした母親を持つ若年成人よりも短いことが報告されています(Entringer et al., 2011)。さらに、幼少期のストレスがテロメアに及ぼす悪影響は、若年成人の時期まで続く可能性があります。41~80歳の英国人女性4000人以上を対象とした調査では、幼少期の有害な体験(たとえば、身体的虐待、家から追い出される、および両親の離婚)がテロメア長の短縮と関連しており(Surtees et al., 2010)、困難な出来事の経験が多いほど、テロメアサイズは小さくなります(図14.16)。

図14.16 | 子供の頃に心的外傷を多く経験した成人ではテロメアが短いです(出典:Blackburn & Epel, 2012)。

テロメアの短さがストレスや病気に結びつく正確な細胞学的、生理学的メカニズムを解明するための努力が現在行われています。今のところ、テロメアは、ストレス(特に幼少期のストレス)が喫煙やファストフードと同様に私たちの健康を害する可能性があることを改めて教えてくれています(Blackburn & Epel, 2012)。

心血管障害

心臓血管系は、心臓と血液循環系から構成されています。心臓血管系がストレス反応の中心であることから、心臓血管系が関与する障害(心血管障害として知られています)は、長年にわたり精神生理学的障害の研究における主要な焦点となってきました(Everly & Lating, 2002)。心臓病はそのような疾患の1つです。米国では、毎年、心臓病が原因で約3人に1人が亡くなっており、先進国では死因の第一位となっています(Centers for Disease Control and Prevention [CDC], 2011; Shapiro, 2005)。

心臓病の症状は、人が患う心臓病の特定の種類によって多少異なりますが、一般的には狭心症(心臓に十分な血液が供給されないときに起こる胸の痛みや不快感)を伴います(Office on Women’s Health, 2009)。この痛みは、胸が押されている、または搾り上げられているように感じられることがしばしばあり、胸の中の焼けるような感覚や息切れもよく報告されます。このような痛みや不快感は、腕、首、あご、胃(吐き気として)、および背中に広がることがあります(American Heart Association [AHA], 2012a)(図14.17)。

図14.17 | 男性と女性では、異なる心臓発作の症状を経験することがしばしばあります。

心臓病の主な危険因子は、高血圧(血圧が高いこと)です。高血圧になると、人間の心臓は血液を強く送り出さなければならなくなり、心臓への物理的負担が大きくなります。高血圧を放っておくと、心臓発作、脳卒中、または心不全の原因となり、また、腎不全や失明の原因にもなります。高血圧は深刻な心血管障害であり、自覚症状がないことから(高血圧の人はそれに気付いてすらいないかもしれません)、サイレントキラーと呼ばれることもあります(AHA, 2012b)。

心血管障害に寄与する数多くの危険因子が特定されています。これらの危険因子には、加齢、収入、教育、および雇用状況などの社会的決定要因や、不健康な食事、喫煙、運動不足、および過度のアルコール摂取を含む行動的危険因子が含まれており、肥満や糖尿病はさらなる危険因子です(World Health Organization [WHO], 2013)。

ここ数十年の間に、心血管の健康におけるストレスやその他の心理的要因の重要性が、かなり良く認識され、意識されるようになっています(Nusair, Al-dadah, & Kumar, 2012)。実際、さまざまな種類のストレス要因にさらされることも、心血管の問題と関連しています。高血圧の場合、これらのストレス要因には、仕事の重圧(Trudel, Brisson, & Milot, 2010)、自然災害(Saito, Kim, Maekawa, Ikeda, & Yokoyama, 1997)、夫婦間の対立(Nealey-Moore, Smith, Uchino, Hawkins, & Olson-Cerny, 2007)、および自宅での高いレベルの交通騒音への曝露(de Kluizenaar, Gansevoort, Miedema, & de Jong, 2007)が含まれます。認識された差別は、アフリカ系アメリカ人の高血圧と関連するようです(Sims et al., 2012)。さらに、実験室で行われるストレス課題、たとえば、時間制限のある中での暗算の実行、氷水に手を浸すこと(寒冷昇圧試験として知られています)、ミラートレーシング、および人前で話すことなどは、すべて血圧を上昇させることが示されています(Phillips, 2011)。

あなたはタイプAですか、タイプBですか?

一見、些細な観察から研究のアイデアや理論が生まれることがあります。1950年代、循環器専門医のマイヤー・フリードマンは、肘掛け付きの布張りの椅子で構成された待合室の家具を眺めていました。フリードマンは、この椅子の張り替えを依頼することに決めました。張り替えを担当する人が作業のために診療所に来たとき、その人は椅子が独特の擦り切れ方—クッションの前端や肘掛けの前端が磨り減っていました—をしていると言い残しました。循環器科の患者は、肘掛けの前部を叩いたり、握ったりするとともに、文字通り席の前端に座っているようでした(Friedman & Rosenman, 1974)。循環器科の患者は、他の患者と何か違うのでしょうか?もしそうなら、どのように?

フリードマンと同僚のレイ・ローゼンマンは、この問題を研究した結果、心臓病になりやすい人は、そうでない人と比べて異なる考え方、感じ方、行動の仕方をする傾向があることを理解しました。心臓病になりやすい人は、締め切りに追われ、いつも急いでいるような、極度にせかされている仕事中毒者の傾向があります。フリードマンとローゼンマンによると、これらの人々はタイプAの行動パターンを示します。よりリラックスしているおおらかな人々はタイプBとして特徴付けられました(図14.18)。フリードマンとローゼンマンは、タイプAの人々とタイプBの人々の標本を調べたところ、タイプAの人々はタイプBの人々の7倍以上の頻度で心臓病を発症していることを発見し、驚愕しました(Friedman & Rosenman, 1959)。

図14.18 | (a)タイプAの人は極度にせかされているとして特徴付けられ、(b)タイプBの人はおおらかでリラックスしているとして特徴付けられます。(credit a: modification of work by Greg Hernandez; credit b: modification of work by Elvert Barnes)

タイプAのパターンの主な構成要素には、より少ない時間でより多くのことを達成しようとする攻撃的で慢性的な闘争心が含まれます(Friedman & Rosenman, 1974)。タイプAのパターンの具体的な特徴としては、過剰な競争的衝動、慢性的な時間の切迫感、焦り、および他人(特に自分の邪魔をする人)に対する敵意が挙げられます。

タイプAの行動パターンを示す人の例として、ジェフリーを取り上げてみましょう。ジェフリーは、子供の頃から張りつめて、せかされていました。彼は、学校では優秀で、水泳チームのキャプテンを務め、アイビーリーグの大学を優秀な成績で卒業しました。ジェフリーは決してリラックスできないようでした。彼は、週末も常に何かに取り組んでいます。しかしながら、ジェフリーは、自分がすべきだと思うことをすべてやり遂げるには、1日の時間が足りないといつも感じているようです。彼は職場で余分な仕事を進んで引き受け、仕事を家に持ち帰ることもしばしばあります。夜遅くにイライラしながら寝ることも多いですが、それは自分が十分にやり遂げていないと感じているからです。ジェフリーは同僚に対して気が短いです。彼は、仕事が遅い、あるいは自分の基準に達していないと感じている同僚と接するときには、明らかに興奮してしまうことがしばしばあります。彼は通常、仕事を中断されると敵意を持って反応してしまいます。家族と過ごす時間が少ないことで、結婚生活に支障をきたしたことがあります。通勤時に渋滞に巻き込まれると、ジェフリーはひたすらクラクションを鳴らし、他のドライバーに大声で悪態をつきます。ジェフリーは52歳のとき、初めて心臓発作を起こしました。

1970年代までには、開業している循環器専門医の大多数が、タイプAの行動パターンは心臓病の重大な危険因子であると考えていました(Friedman, 1977)。実際、多くの初期の縦断的調査では、タイプAの行動パターンと後に発症する心臓病との間につながりがあることが実証されていました(Rosenman et al., 1975; Haynes, Feinleib, & Kannel, 1980)。

しかしながら、その後のタイプAと心臓病の関連を調べた研究では、それらの初期の知見を再現することができませんでした(Glassman, 2007; Myrtek, 2001)。タイプA理論が期待されたほどにはうまくいかなかったため、研究者たちは、タイプAの特定の要素のどれかが心臓病を予測するかどうかを調べることに関心を移しました。

広範な研究では、タイプAの行動パターンのうち、怒りや敵意の特徴が心臓病の発症に最も重要な要因の1つであるかもしれないことが明らかに示唆されています。この関係は、上述のヘインズらの研究(Haynes et al., 1980)で最初に述べられました:抑圧された敵意は、男女ともに心臓病のリスクを大幅に上昇させることが発見されました。また、ある調査では、1000人以上の男性の医学部学生を32歳から48歳まで追跡調査しました。研究開始時に、これらの男性は、プレッシャーに対する反応の仕方を評価する質問票に答えました。一部の人は高いレベルの怒りでもって反応すると答え、他の人は小さな怒りでもって反応すると答えました。数十年後、研究者たちは、最も高い怒りのレベルと答えた人は、怒りのレベルが低いと答えた人に比べて、55歳までに心臓発作を起こす確率が6倍以上高く、同じ年齢までに心臓病を経験する確率は3.5倍であることを発見しました(Chang, Ford, Meoni, Wang, & Klag, 2002)。健康の観点から見ると、怒りやすい人間でいることは明らかに割に合いません。

千田とステップトー(Chida and Steptoe, 2009)は、1983年から2006年までに行われた35件の研究をレビューし、統計的にまとめた後に、怒りや敵意は、健康な人とすでに心臓病を患っている人の両方において、心血管に悪影響を及ぼす重大な長期的危険因子であることを証拠の大部分が示唆していると結論付けました。怒りや敵意に満ちた気分が心血管疾患に寄与する理由の1つは、そのような気分が、主に他者との敵対的なやり取りという形で、社会的緊張を引き起こす可能性があるからです。この緊張が、敵対的な人において心血管疾患を促進する反応の基盤となるかもしれません(Vella, Kamarck, Flory, & Manuck, 2012)。このようなやり取りのモデルでは、敵意と社会的緊張がサイクルを形成します(図14.19)。

図14.19 | 社会的相互作用を予測するための敵意のやり取りモデル(Vella et al., 2012)によると、敵意のある人の思考や感情は他者への敵対的な行動を促進し、それが今度は他者からの補完的な反応を強化し、それによって人の敵意の気質が強まるとともに、この関係の循環性が強まります。

たとえば、ケイトリンが敵対的な気質を持っていると仮定してください。彼女は、他人に対してひねくれた疑いの態度をとっており、しばしば他人が自分を攻撃しようと狙っていると考えています。彼女は、たとえ長年の付き合いであっても、周りの人に対して非常に身構えており、他人が自分を見下したり、軽蔑したりしている兆候を常に探しています。彼女は毎朝、出勤前にシャワーを浴びながら、自身のイデオロギーに反する政治的発言をするなど、自分を怒らせるような言動をした人に何を言うか、心の中でしばしばリハーサルをしています。ケイトリンはこのような心の中でのリハーサルを行っている間、しばしばニヤリと笑い、その日に自分を怒らせる人への報復を考えています。

社会的には、彼女は対立的で、人に向かって厳しい口調を使う傾向があります。それは、しばしば、非常に不愉快で時には口論になるような社会的交流へとつながります。あなたが想像する通り、ケイトリンは、同僚、近所の人、そして自分の家族を含めて、他人からあまり好かれていません。彼らは彼女を全力で避けるか、彼女にやり返します。それによって、ケイトリンはさらに他人に対してひねくれて、不信感を抱くようになり、彼女の気質はさらに敵対的になります。ケイトリンの敵意は、彼女自身が行ったことを通じて、敵対的な環境を作り出し、それが循環的に彼女の敵意と怒りをさらに増大させ、それによって心血管障害の土台作りとなる可能性があります。

怒りや敵意に加えて、否定的な感情性や抑うつを含む多くの否定的な感情状態が心臓病と関連しています(Suls & Bunde, 2005)。否定的な感情性とは、怒り、軽蔑、嫌悪、罪悪感、恐怖、および緊張が関与する苦しい感情状態を経験する傾向のことです(Watson, Clark, & Tellegen, 1988)。この傾向は、高血圧や心臓病の発症と結び付けられています。たとえば、ある研究では、当初は健康であった3000人以上の参加者を22年間にわたって縦断的に追跡調査しました。研究開始時に否定的な感情性のレベルが高かった人は、否定的な感情性のレベルが低かった人に比べて、その後の年月の間に高血圧を発症し、治療を受ける可能性が大幅に高くなりました(Jonas & Lando, 2000)。さらに、ロンドンに住む1万人以上の中年の公務員を平均12.5年間追跡調査した研究では、否定的な感情性のテストで上位3分の1のスコアを獲得した人は、下位3分の1のスコアを獲得した人に比べて、数年間で心臓病、心臓発作、または狭心症を経験する可能性が32%高かったということが判明しました(Nabi, Kivimaki, De Vogli, Marmot, & Singh-Manoux, 2008)。したがって、否定的な感情性は、心血管障害の発症についての重要な危険因子となる可能性があるようです。

うつ病と心臓

何世紀にもわたって、詩人や民間伝承は、気分と心の間にはつながりがあると主張してきました(Glassman & Shapiro, 1998)。あなたはきっと、失望したり、落ち込んだりする出来事の後の傷ついた心という観念のことをよく知っているでしょうし、歌や映画、文学の中でその観念に出会ってきました。

うつ病と心臓病の間のつながりを最初に認識したのは、おそらくベンジャミン・マルツバーグ(Malzberg, 1937)でした。彼は、メランコリア(うつ病についての古い単語)を患って施設に収容された患者の死亡率が、人口集団の6倍も高いことを発見しました。1970年代後半に行われた古典的な研究では、デンマークで躁うつ病(現在は双極性障害に分類されます)と診断された8000人以上の人々を対象とし、これらの患者の心臓病による死亡率がデンマークの一般人口と比較して50%近く増加していることを発見しました(Weeke, 1979)。1990年代初頭までには、長期間にわたってうつ病である個人を追跡調査した結果、心臓病や心臓死のリスクが高いことを示す証拠が蓄積され始めました(Glassman, 2007)。デンマークの700人以上の住民を対象としたある調査では、うつ病のスコアが最も高い人は、うつ病のスコアが低い人に比べて心臓発作を経験する可能性が71%高くなりました(Barefoot & Schroll, 1996)。図14.20は、男性と女性の心臓発作のリスクの変化を示しています。

図14.20 | このグラフは、うつ病のスコアの四分位ごとの男性と女性の心臓発作の発生率を示しています(出典:Barefoot & Schroll, 1996)。

20年以上にわたる研究の結果、今では関係性が存在することが明らかになりました:心臓病の患者は、一般人口よりもうつ病が多く、うつ病のある人は、うつ病のない人よりも、後に心臓病を発症し、より高い死亡率を経験する可能性が高くなります(Hare, Toukhsati, Johansson, & Jaarsma, 2013)。うつ病が重症であればあるほど、そのリスクは高くなります(Glassman, 2007)。以下のことを考えてみましょう:

  • ある研究では、うつ病の人々の心血管障害による死亡率が大幅に高かったです。うつ病の男性は心血管障害で死亡する可能性が50%高く、うつ病の女性は70%高くなりました(Ösby, Brandt, Correia, Ekbom, & Sparén, 2001)。
  • 最初は健康だった人を対象とした10件の縦断的研究についての統計的なレビューでは、抑うつ症状が強い人は、症状が少ない人に比べて、心臓病になるリスクが平均して64%高いことが明らかになりました(Wulsin & Singal, 2003)。
  • 6万3000人以上の登録正看護師を対象とした研究では、研究開始時に抑うつ症状が強かった人は、12年間で致命的な心臓病を経験する可能性が49%高いことが判明しました(Whang et al., 2009)。

米国心臓協会は、心血管疾患におけるうつ病の重要性が確立されていることを十分に認識しており、数年前にすべての心臓病患者に対する定期的なうつ病スクリーニングを推奨しました(Lichtman et al., 2008)。最近では、心臓病患者の危険因子としてうつ病を含めることを推奨しています(AHA, 2014)。

うつ病が心臓の問題を引き起こす正確なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、幼少期におけるこのつながりを調査した最近の研究は、解明のためのいくらかのヒントを与えてくれています。現在進行中の小児期のうつ病についての研究では、子供の頃にうつ病と診断された青年は、診断を受けていない青年に比べて、肥満、喫煙、および運動不足となる可能性が高くなりました(Rottenberg et al., 2014)。この研究の意味するところの1つは、うつ病(特に人生の早い時期に発症した場合)は、不健康な生活様式を送る可能性を高め、それによって心血管疾患のリスクプロファイルが好ましくない状態になるのかもしれないということです。

ここで指摘しておくべき重要なことは、うつ病は心臓疾患のリスクを高める感情のパズルの1ピースにすぎず、複数の否定的な感情状態を慢性的に経験していることが特に重要であるかもしれないということです。ベトナム戦争の退役軍人を対象とした縦断的な調査では、抑うつ、不安、敵意、および怒りがそれぞれ独立して心臓病の発症を予測することがわかりました(Boyle, Michalek, & Suarez, 2006)。しかしながら、これらの否定的な心理的属性を1つの変数にまとめると、この新しい変数(研究者たちは心理的危険因子と呼びました)は、どの個別の変数よりも強く心臓病を予測しました。したがって、将来の研究者にとっては、分離された心理的危険因子の予測力を調べるよりも、心血管疾患の発症における複合的でより一般的な負の感情的・心理的特性の影響を調べることが重要であると思われます。

喘息

喘息は、呼吸器系の気道が閉塞し、肺から空気を排出することが非常に困難になる慢性かつ深刻な疾患です。気道の閉塞は、気道の炎症(気道壁の肥厚につながります)と、気道周囲の筋肉の緊張により、気道が狭くなることによって引き起こされます(図14.21)(American Lung Association, 2010)。気道が閉塞するため、喘息患者は時に呼吸が非常に困難になり、喘鳴、胸の締め付け、息切れ、および咳などの症状を繰り返し経験します。咳は主に朝と夜に発生します(CDC, 2006)。

図14.21 | 喘息では、気道が炎症を起こして狭くなります。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、毎年、約4000人が喘息に関連する原因で死亡しており、喘息はさらに毎年7000人の死亡についての寄与因子となっています(CDC, 2013a)。CDCは、米国の成人1870万人が喘息に罹患しており、教育水準や所得水準が低い人の間でより一般的であることを明らかにしています(CDC, 2013b)。特に懸念されるのは、喘息が増加傾向にあり、2000年から2010年の間に喘息の罹患率が157%増加していることです(CDC, 2013b)。

喘息発作は、喘息患者があらゆる症状を経験するような急性発症です。喘息の悪化は、大気汚染などの環境要因、アレルゲン(たとえば、花粉、カビ、およびペットの毛)、タバコの煙、気道感染症、冷気や急激な温度変化、および運動によってしばしば引き起こされます(CDC, 2013b)。

喘息には心理的要因が重要な役割を果たしているように見えますが(Wright, Rodriguez, & Cohen, 1998)、心理的要因が潜在的な引き金となるのは喘息患者の一部に限られると考える人もいます(Ritz, Steptoe, Bobb, Harris, & Edwards, 2006)。長年にわたる多くの研究により、喘息患者の中には、気道閉塞につながると(誤って)信じている不活性物質を吸い込んだときなどのように、症状が出ることを期待すると、喘息様の症状を経験する人がいることが実証されています(Sodergren & Hyland, 1999)。ストレスや感情は免疫機能や呼吸機能に直接影響を与えるため、心理的要因は喘息の悪化の最も一般的なきっかけの1つとしての役割を果たすようです(Trueba & Ritz, 2013)。

喘息を患っている人は、不安などの否定的な感情を高いレベルで報告し、提示する傾向があり、喘息発作は感情が高ぶっている時期に関連しています(Lehrer, Isenberg, & Hochron, 1993)。さらに、実験室での課題や日常生活の中での高いレベルの感情的な苦痛は、気道の機能に悪影響を及ぼし、喘息患者に喘息様の症状をもたらすことがわかっています(von Leupoldt, Ehnes, & Dahme, 2006)。ある調査では、喘息を患っている20人の成人が、気道機能を測定する携帯機器に息を吹き込むように合図するようあらかじめプログラムされた腕時計を身につけました。その結果、高いレベルの否定的な感情やストレスは、気道閉塞や自己申告による喘息症状の増加と関連していることが示されました(Smyth, Soefer, Hurewitz, Kliment, & Stone, 1999)。さらに、ダマト、リッカルディ、セッチ、ペレグリーノおよびダマト(D’Amato, Liccardi, Cecchi, Pellegrino, & D’Amato, 2010)は、18歳の男性の喘息患者で、女性の恋人に別れを告げられ、抑うつ状態となっている人の事例を紹介しました。その女性はFacebookで彼を友達から外し、他の若い男性と友達になっていました。最終的に、その若い男性は彼女と再び「友達」になり、Facebookで彼女の行動を眺めることができるようになりました。その後、彼はFacebookにログインして彼女のプロフィールにアクセスすると、喘息の症状が出るようになりました。そして、彼がFacebookを使わないことを決意すると、喘息の発作はなくなりました。この事例は、Facebookやその他の形態のソーシャルメディアの利用が新たなストレス源になっている可能性を示唆しています。特にうつ病の喘息患者にとっては、喘息発作の引き金となる要因であるかもしれません。

ストレスの多い経験、特に親や対人関係での葛藤が関与するものにさらされることは、生涯を通じて喘息の発症に関連しています。145人の子供を対象とした縦断的研究では、生後1年間における子育ての困難さは、子供が喘息を発症する可能性を107%高めることがわかりました(Klinnert et al., 2001)。また、1万人以上のフィンランドの大学生を対象とした横断的研究では、親や個人的な葛藤(たとえば、親の離婚、配偶者との別離、またはその他の長期的な関係における深刻な対立)の割合が高いと、喘息発症のリスクが高まることがわかりました(Kilpeläinen, Koskenvuo, Helenius, & Terho, 2002)。さらに、4000人以上の中年男性を対象に、1990年代初頭に面接を行い、その10年後に再び面接を行った研究では、人生における重要なパートナーシップの断絶(たとえば、離婚や両親との関係の断絶)が、調査期間中に喘息発症のリスクを124%増加させることがわかりました(Loerbroks, Apfelbacher, Thayer, Debling, & Stürmer, 2009)。

頭痛

頭痛とは、頭と首の部位のどこかにおける継続的な痛みのことです。感染症やアレルギー反応による副鼻腔の炎症が副鼻腔性頭痛の原因となることがあります。副鼻腔性頭痛は、頬や額の痛みとして経験されます。片頭痛は、血管の腫れや血流の増加によって引き起こされると考えられている頭痛の一種です(McIntosh, 2013)。片頭痛は、頭の片側または両側の激しい痛み、胃の不調、および視界の乱れによって特徴付けられます。それは男性よりも女性に頻繁に見られます(American Academy of Neurology, 2014)。緊張性頭痛は、顔や首の筋肉の締め付け/緊張によって引き起こされるもので、世界でのすべての頭痛の約42%を占める、最も一般的に経験される頭痛です(Stovner et al., 2007)。米国では、人口の3分の1以上が毎年緊張性頭痛を経験しており、人口の2~3%が慢性的な緊張性頭痛に悩まされています(Schwartz, Stewart, Simon, & Lipton, 1998)。

緊張性頭痛には、睡眠不足、食事を抜くこと、眼精疲労、無理のし過ぎ、悪い姿勢によって引き起こされる筋肉の緊張、およびストレスを含む、さまざまな要因が寄与しています(MedicineNet, 2013)。ストレスが緊張性頭痛を引き起こす正確なメカニズムについては不明確な点もありますが、ストレスは痛みに対する感受性を高めることが実証されています(Caceres & Burns, 1997; Logan et al., 2001)。一般的に、緊張性頭痛の患者は、患者でない人に比べると、痛みに対する閾値が低くて、痛みに対する感受性が高く(Ukestad & Wittrock, 1996)、ストレス要因に直面した際には、より高いレベルの主観的なストレスを報告しています(Myers, Wittrock, & Foreman, 1998)。したがって、ストレスは、緊張性頭痛の患者においてすでに敏感になっている痛みの経路で痛みの感受性を高めることによって、緊張性頭痛に寄与しているのかもしれません(Cathcart, Petkov, & Pritchard, 2008)。

14.4 ストレスの調節

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • コーピングを定義し、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングを区別する
  • ストレスへの反応における知覚的コントロールの重要性を記述する
  • 健康と長寿には社会的支援が不可欠であることを説明する

私たちが前の節で学んだように、ストレス、特に慢性的なストレスは、私たちの体に負担をかけ、健康に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。私たちが生活の中でストレスを感じるような出来事を経験したときには、効果的なコーピング戦略を用いてストレスに対処することが重要です。コーピングとは、ストレスに関連する問題に対処するために私たちが使う、精神的・行動的な取り組みのことを指します。

コーピングのスタイル

ラザルスとフォルクマン(Lazarus & Folkman, 1984)は、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングという2種類の基本的なコーピングを区別しました。問題焦点型コーピングでは、人は、ストレスを経験する原因となっている問題(すなわち、ストレス要因)を管理または変更しようとします。問題焦点型コーピング戦略は、日常的な問題解決に用いられる戦略に似ています:それらには、典型的には、問題を特定すること、可能な解決策を検討すること、それらの解決策の費用と便益を比較検討すること、そして代替案を選択することが含まれます(Lazarus & Folkman, 1984)。一例として、ブラッドフォードが統計学の授業に落第しそうだという中間通知を受け取ったと仮定しましょう。もしブラッドフォードが問題焦点型コーピングのアプローチを採用してストレスを管理するならば、彼はストレスの源を緩和しようと積極的に行動するでしょう。彼は教授に連絡して、成績を上げるために何をしなければならないか相談したり、毎日2時間、統計学の課題を勉強する時間を確保したり、個別指導の助けを求めたりするかもしれません。問題に焦点を当てたストレス管理のアプローチとは、問題に対処するために積極的に行動することです。

対照的に、情動焦点型コーピングは、ストレスに関連した否定的な感情を変えたり、減らしたりする努力で構成されています。このような努力には、問題を回避したり、最小化したり、距離を置いたり、あるいは他者との肯定的な比較(「私は彼女ほど悪くない」)をしたり、否定的な出来事の中に肯定的なものを求めたり(「もう解雇されたので、数日は寝坊できる」)することが含まれます。いくつかの場合では、情動焦点型コーピング戦略には再評価が含まれることがあります。これは、客観的な脅威のレベルを変えずに、ストレス要因を別の方法で(やや自己欺瞞的に)解釈するものです(Lazarus & Folkman, 1984)。たとえば、連邦刑務所に入ることを宣告された人が、「この刑務所に入れば、人脈を広げる絶好のチャンスだ」と考えるのは、再評価を用いていることになります。ブラッドフォードが落第という中間通知のストレスに対処するために情動焦点型のアプローチを採用した場合、彼はその状況を忘れるためにコメディ映画を見たり、ビデオゲームをしたり、ソーシャルメディアに何時間も費やしたりするかもしれません。ある意味では、情動焦点型コーピングは、実際の原因ではなく、症状を治療しているものとして考えることができます。

多くのストレス要因は両方の種類のコーピング戦略を引き起こしますが、問題焦点型コーピングは、自分がコントロールできると認識しているストレス要因に遭遇したときに起こりやすく、情動焦点型コーピングは、自分には変える力がないと信じているストレス要因に直面したときに優勢になりやすいです(Folkman & Lazarus, 1980)。明らかに、情動焦点型コーピングは、コントロールすることのできないストレス要因に対処するのにより効果的です。たとえば、愛する人が亡くなったときにあなたが経験するストレスは、圧倒的なものになり得ます。その人を生き返らせるためにあなたができることは何もないので、あなたは状況を変えることについて単純に無力です。最も有用なコーピングの対応は、悲嘆に暮れる期間の苦痛を最小限に抑えることを目的とした情動焦点型コーピングです。

幸いなことに、私たちが遭遇するほとんどのストレス要因は修正可能であり、程度の差こそあれ、コントロールすることができます。仕事に耐えられない人は辞めて他の仕事を探すことができますし、離婚した中年の人は別の潜在的なパートナーを見つけることができますし、試験に落ちた一年生は次にもっと勉強することができますし、乳房のしこりがあるからといって必ずしも乳がんで死ぬ運命にあるわけではないのです。

コントロールとストレス

出来事を予測し、意思決定を行い、結果に影響を与えたいという願望と能力、つまり自分の人生に対してコントロールを行使したいという願望と能力は、人間の行動の基本原則です(Everly & Lating, 2002)。アルバート・バンデューラ(Bandura, 1997)は、「人間のストレスの強度と慢性度は、自分の人生の要求に対する知覚的なコントロールによって大きく左右される」(p. 262)と述べました。彼の言葉で説得的に述べられているように、潜在的なストレス要因に対する私たちの反応は、そのようなものに対して自分がどれだけコントロールできると感じているかに大きく依存しています。知覚的コントロールとは、結果に影響を及ぼしたり、結果を形成したりする個人的な能力についての信念であり、それは私たちの健康や幸福に対して大きな意味合いを持っています(Infurna & Gerstorf, 2014)。広範な研究により、個人的なコントロールの知覚は、より良い心身の健康や心理的な福利の向上など、さまざまな好ましい結果と関連することが実証されています(Diehl & Hay, 2010)。また、個人的なコントロールの強さは、日常生活におけるストレス要因への反応性の低さとも関連しています。たとえば、ある調査における研究者は、ある時点で知覚的なコントロールのレベルが高いことは、その後の対人関係のストレス要因に対する感情的および身体的な反応性の低さと関連していることを発見しました(Neupert, Almeida, & Charles, 2007)。さらに、34人の高齢の寡婦を対象とした日記の研究では、それらの寡婦がより大きな知覚的コントロールを感じている日には、ストレスと不安のレベルが有意に低下することがわかりました(Ong, Bergeman, & Bisconti, 2005)。

深く掘り下げてみよう

学習性無力感

私たちの人生の中で起こる出来事についてのコントロールの感覚が欠如しているとき、特にその出来事が脅威であったり、有害であったり、あるいは不快であったりするとき、その心理的な影響は深刻なものとなります。この概念をよく表している例の1つとして、心理学者のマーティン・セリグマンは、1960年代に一連の古典的な実験を行いました(Seligman & Maier, 1967)。この実験では、犬を部屋に入れて電気ショックを与えました。犬は、その電気ショックからは逃げることはできませんでした。その後、仕切りを飛び越えることにより電気ショックから逃れる機会を犬に与えたところ、ほとんどの犬は逃げるのを試みようともしませんでした。犬は、単純にあきらめて、実験者が与える電気ショックを受動的に受け入れたように見えました。それに比べて、以前にショックから逃れることが許されていた犬は、仕切りを飛び越えて痛みから逃れる傾向がありました(図14.22)。

図14.22 | セリグマンの犬についての学習性無力感の実験では、動物がショックを与える床からショックのない床にいつ移動するかを測定する装置を用いました。

セリグマンは、後から与えられたショックから逃れようと試みなかった犬は、学習性無力感を示していると考えました:それらの犬は、自分が受けている刺激について何もすることができないという信念を身に着けていました。セリグマンは、犬たちが示した受動性や自発性の欠如は、人間のうつ病において観察されるものと似ているとも考えました。そこでセリグマンは、学習性無力感が人間のうつ病の重要な原因ではないかと推測しました:人間は、自分ではコントロールすることができないと考えている否定的な出来事を経験すると、無力感に苛まれるかもしれません。その結果、彼らは状況を変えようとすることをあきらめ、一部の人は、結果をコントロールすることができるような将来の状況においても、抑うつ状態になり、自発性の欠如を示すようになるかもしれません(Seligman, Maier, & Geer, 1968)。悲しいことに、学習性無力感は、2001年の世界貿易センタービルへの攻撃の後、米国軍人による囚人の拷問を正当化するために使われました。そこでの仮説は、コントロールできない苦痛を受けた被収容者は、やがて受動的で従順になり、尋問者に情報を明かす可能性が高くなるだろうというものでした。このプログラムが価値ある結果をもたらしたという証拠はほとんどありません。現在では、このプログラムは非倫理的で不当なものとして広く見なされています。この例は、研究調査とその応用の倫理性を一貫して検討する必要性を強調しています(Konnikova, 2015)。

セリグマンとその同僚は後に、うつ病についてのオリジナルの学習性無力感モデルを再定式化しました(Abramson, Seligman, & Teasdale, 1978)。この再定式において、彼らは、学習性無力感の感覚を助長するような帰属(すなわち、何かが起こった理由についての心の中での説明)を強調しました。たとえば、同僚が仕事に遅れてきたとします。その同僚の遅刻の原因についてのあなたの信念は、帰属になります(たとえば、渋滞に巻き込まれた、寝坊した、あるいは単に時間を守ることに関心がない)。

セリグマンの研究を改良したバージョンでは、人生における否定的な出来事についての帰属が、うつ病に寄与するとしています。中間試験の成績が悪かった学生の例を考えてみましょう。このモデルでは、学生がこの結果に対して、3種類の帰属を行うであろうということを示唆しています:その3種類とは、内的と外的(結果は自分の個人的な力不足によって引き起こされたと考えること、あるいは環境要因によって引き起こされたと考えること)、安定的と不安定的(原因は変えられると考えること、あるいは永続的であると考えること)、全体的と特殊的(結果はほとんどすべてにおける不十分さの表れであると考えること、あるいはこの分野だけの不十分さの表れであると考えること)です。その学生が、成績の悪さについて、内的(「私は頭が悪い」)、安定的(「私が頭が悪いという事実を変えるためにできることはない」)、全体的(「これは、私がいかにすべてにおいて劣っているかを示すもう1つの例だ」)な帰属をしていると仮定してみてください。改良されたこの理論では、学生はこのストレスのある出来事に対するコントロールの欠如を認識し、その結果、特にうつ病を発症しやすくなると予測されます。実際、悪い結果に対して内的・全体的・安定的な帰属を行う傾向がある人は、人生における否定的な経験に直面したときに、うつ病の症状を発症する傾向があることが研究で実証されています(Peterson & Seligman, 1984)。幸いなことに、帰属の習慣は練習によって変えることができます。健全な帰属の習慣を身につけるトレーニングを行うことで、人がうつ病にかかりにくくなることが示されています(Konnikova, 2015)。

セリグマンの学習性無力感モデルは、長年の間に、大うつ病性障害の発症に関する有力な理論的説明として浮かび上がってきています。あなたが心理学的障害を学ぶ際には、このモデルの最新の再定式化(現在は絶望感理論と呼ばれています)についても学ぶことになるでしょう。

より高いレベルの知覚的コントロールを報告する人は、自分の健康を制御可能であると見なし、それによって健康をよりよく管理し、良い健康に資する行動をとる可能性が高くなります(Bandura, 2004)。驚くことではありませんが、知覚的コントロールの強さは、身体機能の低下(Infurna, Gerstorf, Ram, Schupp, & Wagner, 2011)、心臓発作(Rosengren et al., 2004)、および心血管疾患の発症率(Stürmer, Hasselbach, & Amelang, 2006)と心疾患による死亡率(Surtees et al., 2010)を含む、身体的な健康問題のリスクの低さと関連しています。さらに、英国の公務員を対象とした縦断的研究では、仕事に対するコントロールの度合いが最小限であるような地位の低い仕事(たとえば、事務員やオフィス支援スタッフ)に就いている人は、地位の高い仕事に就いている人や仕事に対するコントロールがかなり強い人に比べて、心臓疾患を発症する可能性がかなり高いことが見出されました(Marmot, Bosma, Hemingway, & Stansfeld, 1997)。

知覚的コントロールと健康とのつながりは、社会階層と健康上の結果との間にしばしば観察される関係についての説明を与えてくれるかもしれません(Kraus, Piff, Mendoza-Denton, Rheinschmidt, & Keltner, 2012)。一般的に、研究では、より裕福な人ほど健康状態が良いことがわかっています。その部分的な理由は、彼らが、人生のストレス要因に対する反応を自分でコントロールし、管理することができると考える傾向があるからです(Johnson & Krueger, 2006)。社会階層の高い人は、認識されたコントロールレベルに後押しされて、特定の結果に対して自分が持っている影響力の度合いを過大評価する傾向があるのかもしれません。たとえば、社会階層の高い人は、社会階層の低い人に比べて、自分の投票が選挙結果に大きな影響を与えると考える傾向があり、そのことが裕福な地域社会での投票率の高さを説明するのかもしれません(Krosnick, 1990)。また、他の研究では、知覚的コントロールの感覚が、健康状態の悪化、うつ病、および生活満足度の低下(どれも低い社会的地位に伴う傾向があります)から、裕福でない人々を守ることができるということが発見されています(Lachman & Weaver, 1998)。

これらの研究や他の多くの研究から得られた知見を総合すると、コントロールの知覚とコーピング能力は、私たちが人生で遭遇するストレス要因を管理し、対処する上で重要であることが明確に示唆されています。

社会的支援

他者との強固で安定した関係を形成し維持する必要性は、強力で広範な、人間の基本的動機です(Baumeister & Leary, 1995)。他者と強固な対人関係を築くことは、私たちが苦悩や悲しみ、恐怖を感じているときに社会的支援を提供してくれる親しい思いやりのある人たちのネットワークを確立するのに役立ちます。社会的支援とは、友人、家族、および知人による心を静める効果として考えることができます(Baron & Kerr, 2003)。社会的支援には、助言、指導、励まし、受容、感情的な慰め、および有形の援助(経済的な援助など)を含む、さまざまな形態があります。このように、私たちがさまざまな生活上のストレス要因に直面したとき、他の人々は私たちを非常に励ましてくれますし、これらの課題に対処するための努力においてもとても頼りになります。人間以外の動物でも、ストレス時には同じ種の仲間が社会的支援を提供してくれます。たとえば、ゾウは他のゾウがストレスを感じていることを察知することができるようであり、鼻で触るような肉体的な接触や、共感的な声の返事で他のゾウを慰めることがしばしばあります(Krumboltz, 2014)。

社会的支援の重要性に対する科学的な関心は、1970年代に健康の研究者が社会的に統合されていることの健康への帰結に関心を持ったときに初めて生じました(Stroebe & Stroebe, 1996)。さらに、社会的なつながりが死亡率を低下させることを示す縦断的研究により、関心が高まりました。ある古典的な研究では、カリフォルニア州アラメダ郡の約7000人の住民を9年間にわたって追跡調査しました。以前、社会や地域とのつながりがないと言っていた人は、より広範な社会的ネットワークを有している人に比べて、追跡期間中に死亡する確率が高かったです。最も社会的な接触が多い人に比べると、孤立した男性と女性は、それぞれ2.3倍と2.8倍死亡する可能性が高くなりました。これらの傾向は、喫煙、アルコール摂取、調査開始時の自己申告による健康状態、および身体活動など、さまざまな健康関連の変数を制御した後でも持続しました(Berkman & Syme, 1979)。

この研究以来、社会的支援は、健康状態に影響を与える心理社会的要因のうちの十分に裏付けられたものの1つとして明確になっています(Uchino, 2009)。1982年から2007年の間に行われた、30万人以上の参加者を対象とした148件の研究を統計的にレビューした結果、社会的関係が強い人は、社会的関係が弱い人や不十分な人に比べて、生存の可能性が50%高いと結論付けられました(Holt-Lunstad, Smith, & Layton, 2010)。研究者によると、この研究で観察された社会的支援の効果の大きさは、禁煙に匹敵し、肥満や身体的活動の不足などの多くのよく知られた死亡の危険因子を上回るものでした(図14.23)。

図14.23 | (a)友人のグループにしろ、(b)家族にしろ、他人との緊密な関係は、幸福感や充実感以上のものをもたらし、良い健康を育むのに役立ちます。(credit a: modification of work by “Damian Gadal_Flickr”/Flickr; credit b: modification of work by Christian Haugen)

多くの大規模研究により、社会的支援のレベルが低い人は、特に心血管障害による死亡リスクが高いことがわかっています(Brummett et al., 2001)。さらに、社会的支援のレベルが高いことは、乳がん(Falagas et al., 2007)や感染症、特にHIV感染症(Lee & Rotheram-Borus, 2001)の後の生存率がよくなることと結びついています。実際に、社会的支援のレベルが高い人は、風邪を引きにくいです。ある研究では、334人の参加者が社交性を評価する質問票に回答しました。その後、これらの人々を風邪を引き起こすウイルスに曝露し、誰が病気になったかを数週間にわたって観察しました。その結果、社交性の増加は、風邪を引く確率の低下と線形に関連していることが示されました(Cohen, Doyle, Turner, Alper, & Skoner, 2003)。

私たちの多くにとって、友人は社会的支援の重要な源です。しかし、もしあなたが友人や仲間がほとんどいない状況に置かれたとしたらどうでしょうか?大学に通うために家を出て生活する学生の多くは、社会的支援の劇的な減少を経験し、それにより不安、抑うつ、および孤独感に襲われやすくなります。ソーシャルメディアは、こうした移行を乗り切るのに役立つこともありますが(Raney & Troop Gordon, 2012)、孤独感を増大させる原因にもなりかねません(Hunt, Marx, Lipson, & Young, 2018)。このため、多くの大学では、ピアメンタリング(Raymond & Shepard, 2018)など、学生が新しい社会的ネットワークを構築するのに役立つ初年度プログラムを設計しています。人によっては、家族、特に両親が社会的支援の主要な源となっています。

社会的支援は、特にストレスを経験している人の間で、免疫系を強化することによって働くようです(Uchino, Vaughn, Carlisle, & Birmingham, 2012)。ある先駆的な研究では、高いレベルの社会的支援を報告したがん患者の配偶者は、報告された社会的支援の中央値未満であった配偶者と比較して、3つの免疫機能の指標のうち2つで免疫機能の向上を示しました(Baron, Cutrona, Hicklin, Russell, & Lubaroff, 1990)。その他の集団(認知症患者の介護をしている配偶者、医学生、高齢者、およびがん患者を含む)を対象とした研究でも、同様の結果が得られています(Cohen & Herbert, 1996; Kiecolt-Glaser, McGuire, Robles, & Glaser, 2002)。

さらに、社会的支援は、スピーチをすることや暗算を実行することなどのストレスのかかる作業をしている人の血圧を下げることが示されています(Lepore, 1998)。この種の研究では、参加者は通常、ストレスのかかる作業を1人で行う、見知らぬ人(その人は支援してくれる人である場合と、支援してくれない人である場合があります)と一緒に行う、あるいは友人と一緒に行うよう求められます。友人と一緒にテストを受けた人は、1人でテストを受けた人や見知らぬ人と一緒にテストを受けた人よりも、一般的に低い血圧を示します(Fontana, Diegnan, Villeneuve, & Lepore, 1999)。ある研究では、ストレスのかかる暗算を行った112人の女性参加者は、見知らぬ人からよりも友人からの支援を受けたときの方が低い血圧を示しましたが、それはその友人が男性の場合に限られていました(Phillips, Gallagher, & Carroll, 2009)。これらの結果を解釈するのはやや難しいですが、著者らは、女性は他の女性、特にその意見に自分が価値を認めている女性からは、支援されているのではなく査定されていると感じている可能性があると述べています。

以上の知見を総合すると、社会的支援が健康上の良好な結果に結びつく理由の1つは、それがストレスの多い状況下でいくつかの有益な生理学的効果を持つからだということが示唆されます。しかしながら、社会的支援が、健康的な食生活、運動、禁煙、および医療方法への協力など、よりよい健康行動につながる可能性を考慮することも重要です(Uchino, 2009)。

深く掘り下げてみよう

ストレスと差別

先入観や差別を受けることは、多くの否定的な結果と関連付けられます。多くの研究が、社会から疎外されたグループにとって、差別の認識がいかに大きなストレス要因であるかを示しています(Pascoe & Smart Richman, 2009)。差別は、汚名を着せられたグループの人々の身体的、精神的な健康に悪影響を及ぼします。あなたが社会心理学を学習するときに学ぶように、さまざまな社会的アイデンティティー(ジェンダー、年齢、宗教、セクシュアリティー、民族性など)によって、人々はしばしば同時に複数の形態の差別にさらされることがあり、それが精神的、身体的な健康にさらに強い悪影響を及ぼすことがあります(Vines, Ward, Cordoba, & Black, 2017)。たとえば、ラテン系トランスジェンダー女性が直面する差別のレベルが増幅されることで、いくつもの関連した影響が生じ、高いストレスレベルや心身の健康状態の悪化につながる可能性があります。

知覚的コントロールと汎適応症候群は、差別が精神的、身体的健康に影響を与える過程を説明するのに役立ちます。差別は、コントロールできず、持続的で、予測できないストレス要因として概念化することができます。差別的な出来事が発生すると、その出来事の標的となった人は、まず、急性のストレス反応(警告期)を経験します。この急性反応だけでは、通常、健康に大きな影響を与えることはありません。しかしながら、差別は慢性的なストレス要因となる傾向があります。社会から疎外されたグループの人たちが繰り返し差別を受けると、彼らの体はすぐに行動できるように準備をするにつれて反応性を高めていきます(抵抗期)。このようなストレス反応が長期的に蓄積されると、最終的には否定的な感情が高まり、身体的な健康が損なわれていきます(疲憊期)。これは、長く差別を受けた経験が、うつ病、心血管疾患、およびがんを含む、多くの精神的、身体的な健康問題と関連する理由を説明してくれます(Pascoe & Smart Richman, 2009)。

差別に起因するストレスの悪影響から汚名を着せられた集団を守るには、差別的な行動の発生率を下げるとともに、差別的な出来事が起きたときにその影響を軽減する保護戦略が必要になるかもしれません。公民権法は、多くの社会的文脈において差別を告訴可能な犯罪とすることによって、一部の汚名を着せられた集団を保護してきました。しかしながら、一部のグループ(たとえば、トランスジェンダーの人々)は、差別が起きたときに重要な法的手段を持たないことがしばしばあります。さらに、現代の差別のほとんどは、法をかいくぐるような微妙な形で行われています。たとえば、差別は、標的となった人が人種に基づく差別と認識するような選択的な冷遇として経験されるかもしれませんが、その行動を他の原因に帰すことが容易であるため、対応はほとんど行われません。いくらかの文化的な変化によって、人々は次第に微妙な差別を認識し、制御できるようになってきていますが、そのような変化には長い時間がかかるかもしれません。

他のストレス要因と同様に、社会的支援や健全なコーピング戦略などといった緩衝となるものは、認識された差別の影響を軽減するのに有効であるようです。たとえば、ある研究(Ajrouch, Reisine, Lim, Sohn, & Ismail, 2010)は、デトロイトに住むアフリカ系アメリカ人の母親の間での高い心理的苦痛が差別によって予測されることを示しました。しかしながら、友人や家族からの情動的な支援を受けられる女性は、社会的リソースが少ない女性に比べて、経験する苦痛が少なかったです。コーピング戦略や社会的支援は、差別の影響を緩和するかもしれませんが、すべての否定的な影響を消し去ることはできません。差別、ストレス、そしてその結果として生じる身体的・精神的な健康への影響を軽減するためには、脆弱なグループに対する法的保護の整備を含む、目配りのきいた反差別の取り組みが必要です。

ストレス軽減のテクニック

コントロールの感覚を持つことや、社会的支援のネットワークを構築すること以外にも、私たちがストレスに対処する方法は数多くあります(図14.24)。ストレスと闘うために人々が使う一般的な方法は、運動です(Salmon, 2001)。運動は、長時間(有酸素運動)でも短時間(無酸素運動)でも、身体的にも精神的にも健康に有益であることはしっかりと確立されています(Everly & Lating, 2002)。体力のある人は、あまり体力のない人に比べて、ストレスの悪影響に対する抵抗力が強く、ストレスからの回復も早いという証拠がたくさんあります(Cotton, 1990)。500人以上のスイスの警察官と救急隊員を対象とした研究では、体力の向上はストレスの軽減と関連しており、定期的な運動はストレス関連の健康問題に対する保護となると報告されています(Gerber, Kellman, Hartman, & Pühse, 2010)。

図14.24 | ストレス軽減のテクニックには、(a)運動、(b)瞑想とリラクセーション、または(c)バイオフィードバックがあります。(credit a: modification of work by “UNE Photos”/Flickr; credit b: modification of work by Caleb Roenigk; credit c: modification of work by Dr. Carmen Russoniello)

運動が有効な理由の1つは、運動がストレスによる有害な生理学的メカニズムの一部を緩衝する可能性があるためです。ある研究では、6週間にわたって運動を行ったラットでは、軽度のストレス要因に対する視床下部-下垂体-副腎の反応性が低下することが見出されました(Campeau et al., 2010)。高ストレスの人間では、運動がテロメアの短縮を防ぐことが示されており、定期的に運動している人が若々しく見えるという一般的な観察を説明できるかもしれません(Puterman et al., 2010)。さらに、大人になってから運動をすると、海馬や記憶に対するストレスの悪影響を最小限に抑えることができるようです(Head, Singh, & Bugg, 2012)。がん生存者では、運動が不安(Speck, Courneya, Masse, Duval, & Schmitz, 2010)と抑うつ症状(Craft, VanIterson, Helenowski, Rademaker, & Courneya, 2012)を軽減することが示されています。運動がストレスの調節に非常に有効な手段であることは明らかです。

1970年代、循環器専門医のハーバート・ベンソンは、リラクセーション反応テクニックと呼ばれるストレス軽減方法を開発しました(Greenberg, 2006)。リラクセーション反応テクニックは、リラクセーションと超越的瞑想を組み合わせたもので、次の4つの要素で構成されています(Stein, 2001):

  1. 快適な椅子に姿勢よく座り、足を地面につけて体をリラックスした状態にする
  2. 静かな環境の中で、目を閉じる
  3. 「心に注意を払い、体を鎮める」などの語句(マントラ)を自分に繰り返し言い聞かせる
  4. 自然や、体に栄養を与える血液の暖かさなど、心地よい考えにおとなしく心を向ける

リラクセーション反応アプローチは、交感神経の覚醒を抑えるストレス軽減のための一般的なアプローチとして概念化されており、高血圧の人々の治療に効果的に使用されています(Benson & Proctor, 1994)。

もう1つのストレス対策のテクニックであるバイオフィードバックは、1970年代初頭にハーバード大学のゲイリー・シュウォーツによって開発されました。バイオフィードバックとは、電子機器を使って人の神経筋や自律神経の活動を正確に測定し、視覚や聴覚の信号の形態でフィードバックを与える技術です。このアプローチの主な前提は、誰かにバイオフィードバックを提供することで、その人が、通常は不随意な身体プロセスをある程度随意的にコントロールできるような戦略を身につけることができるということです(Schwartz & Schwartz, 1995)。バイオフィードバックの研究では、顔の筋肉の動き、脳の活動、および皮膚の温度を含む、さまざまな身体指標が使われており、緊張性頭痛、高血圧、喘息、および恐怖症を経験している人に適用されて、成功を収めています(Stein, 2001)。

14.5 幸福の追求

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 幸福について、その決定要因を含めて定義し、議論する
  • ポジティブ心理学の分野を記述し、それが扱う問題の種類を特定する
  • ポジティブ感情の意味を説明し、健康状態におけるその重要性を議論する
  • フローの概念、およびそれと幸福や充実感との関係を記述する

ストレスや、それが肉体的・心理的に私たちにどのような影響を与えるかについての研究は魅力的ですが、それはやや陰鬱なトピックであることは否めません。心理学は、人間の問題に対するもっと明るくて励みになるようなアプローチ、つまり幸福の探求についての研究にも関心を持っています。

幸福

アメリカの建国者たちは、市民が幸福を追求する不可侵の権利を持つと宣言しました。しかし、幸福とは何でしょうか?この言葉を定義するように求められたとき、人々はこの捉えどころのない状態のさまざまな側面を強調します。確かに、幸福とはどこか曖昧で、さまざまな観点から定義することができます(Martin, 2012)。一部の人々、特に宗教的な信仰に熱心にその身を捧げている人々は、高潔さ、畏敬の念、および悟りに達した精神性を強調するようなやり方で幸福を捉えています。他の人々は、周囲の環境、他人との関係、達成感、および自分自身に深く満足することからやって来る内面の安らぎや喜びのように、主に満足感のことを幸福と考えています。また別の人々は、幸福のことを、魅力的で、意味があり、やりがいがあり、刺激的である仕事や趣味を持つことのように、主に個人的な環境に楽しく関わることとして考えています。もちろん、これらの違いは単に強調する点が異なっているに過ぎません。ほとんどの人は、これらの考え方のそれぞれが、ある意味で幸福の本質を捉えていることに同意するでしょう。

幸福の要素

一部の心理学者は、幸福が3つの異なる要素からなると示唆しています:それは、図14.25に示されるように、楽しい生活、良い生活、意味のある生活です(Seligman, 2002; Seligman, Steen, Park, & Peterson, 2005)。楽しい生活とは、私たちの生活に対して楽しさ、喜び、そして興奮を加えてくれるような日常の楽しみを達成することを通じて実現されるものです。たとえば、夕方の海辺の散歩や、充実した性生活は、日々の喜びを高め、楽しい生活に貢献します。良い生活とは、自身の独特の技能と能力を見極め、その才能を発揮して生活を豊かにすることを通じて達成されます。良い生活を達成した人は、しばしば仕事や娯楽を追い求めることに夢中になっていることがあります。意味のある生活とは、自分の才能をより大きな善のために(すなわち、他の人々の生活に役立つ方法や、世界をより良い場所にするような方法で)使うことで得られる、深い充足の感覚を伴うものです。一般的に、最も幸福な人とは、充実した生活を追い求める人である傾向があります—そのような人は、3つの要素すべてを追求します(Seligman et al., 2005)。

図14.25 | 幸福とは、人生の楽しい側面、良い側面、意味のある側面に満足していることを伴う、永続的な福利の状態です。

実用的な目的のためには、幸福の正確な定義は、以下のそれぞれの要素を取り込んだものとなるでしょう:それは、喜び、満足感、その他の肯定的な感情からなる永続的な心の状態と、自分の人生には意味と価値があるという感覚です(Lyubomirsky, 2001)。この定義では、幸福とは、誰もが時々経験する単なる一時的な前向きな気分ではなく、長期的な状態、つまり主観的な福利としてしばしば特徴付けられるものを意味しています。心理学者やその他の社会科学者の関心を集めているのは、この永続的な幸福です。

幸福の研究は、この30年間で劇的に発展しました(Diener, 2013)。幸福の研究者が日常的に調べている最も基本的な質問の1つがこれです:「人々は一般的にどのくらい幸福なのでしょうか?」世界の平均的な人々は比較的幸福で、否定的な感情よりも肯定的な感情をより多く経験していることを示す傾向があります(Diener, Ng, Harter, & Arora, 2010)。2010年から2012年にかけて行われた150以上の国での調査では、現在の生活を0から10(0が「可能な限り最悪の生活」、10が「可能な限り最高の生活」)の範囲で評価してもらったところ、人々の報告する平均スコアは5.2となりました。北米、オーストラリア、ニュージーランドに住む人々の報告した平均スコアは7.1で最も高く、サハラ以南のアフリカに住む人々の報告した平均スコアは4.6で最も低くなりました(Helliwell, Layard, & Sachs, 2013)。世界的に見ると、デンマーク、ノルウェー、スイス、オランダ、スウェーデンの5か国が最も幸福度の高い国であり、米国は17番目に幸福度の高い国です(図14.26)(Helliwell et al., 2013)。

図14.26 | (a)150か国以上の住民を対象とした調査によると、デンマークには世界で最も幸福な市民がいることが示されています。(b)アメリカ人は、アメリカを最も幸福な国の17位にランク付けしました。(credit a: modification of work by “JamesZ_Flickr”/Flickr; credit b: modification of work by Ryan Swindell)

数年前、ギャラップ社が米国の成人1000人以上を対象に行った調査では、52%が「とても幸福である」と回答しました。また、10人に8人以上が、自分の生活に「とても満足している」と答えました(Carroll, 2007)。しかしながら、最近の世論調査では、アメリカの成人のうち「とても幸福である」と答えた人は42%にとどまっていることがわかりました。最も大きな幸福度の低下を示したのは、有色人種、大学教育を修了していない人、政治的に民主党または無党派層である人たちです(McCarthy, 2020)。これらの結果は、厳しい経済状況が幸福度の低下に関係している可能性を示唆しています。もちろん、この解釈は、幸福度が経済状況と密接に関係していることを含意しています。しかし、そうなのでしょうか?幸福に影響を与える要因は何でしょうか?

幸福に関係する要因

実際のところ、人を幸福にするのは何でしょうか?喜びや満足感を持続させるのに寄与する要因は何でしょうか?それは、お金、魅力、物質的な所有、やりがいのある仕事、満足のいく人間関係でしょうか?長年にわたる広範な研究がこの問題について調べてきました。1つの発見は、幸福には年齢が関係しているということです:人生の満足度は通常、年齢が上がるほど高くなりますが、幸福度にはジェンダーの差異はないようです(Diener, Suh, Lucas, & Smith, 1999)。これらの研究の多くが相関的なものであるということを指摘しておくのは大切ですが、重要な発見(中にはあなたを驚かせるようなものもあるかもしれません)の多くが以下にまとめられています。

家族やその他の社会的関係は、幸福と相関する重要な要素であるようです。研究では、結婚している人は、独身の人、離婚した人、配偶者と死別した人よりも幸福であると報告することが示されています(Diener et al., 1999)。また、幸福な人は、自分たちの結婚生活が充実していると報告しています(Lyubomirsky, King, & Diener, 2005)。実際、結婚生活や家庭生活への満足度は、幸福度の最も強い予測因子であると示唆する人もいます(Myers, 2000)。幸福な人は、そうでない人に比べて、より多くの友人を持ち、より質の高い社会的関係を築き、より強い社会的支援のネットワークを持っている傾向があります(Lyubomirsky et al., 2005)。また、幸福な人は、友人との接触頻度が高いです(Pinquart & Sörensen, 2000)。

幸福はお金で買えるでしょうか?一般的に、広範な研究は、その答えがイエスであることを示唆していますが、いくつかの注意事項があります。国の1人あたりの国内総生産(GDP)は幸福度と関連していますが(Helliwell et al., 2013)、GDP(世帯所得についてのさほど確実でない指標)の変化は幸福度の変化とほとんど関係がありません(Diener, Tay, & Oishi, 2013)。全体として、豊かな国々の住人は貧しい国々の住人よりも幸福である傾向にあります。国の中では、富裕層の個人は貧困層の個人よりも幸福ですが、その関連性はずっと弱いです(Diener & Biswas-Diener, 2002)。購買力の向上につながる限りにおいて、所得の増加は幸福度の向上と関連します(Diener, Oishi, & Ryan, 2013)。しかしながら、社会の中での所得は、ある上限の点までしか幸福度と相関していないようです。カーネマンとディートン(Kahneman & Deaton, 2010)は、ギャラップ社が調査した45万人以上の米国住人を対象とした研究で、福利は年収とともに上昇していくが、その上昇は7万5000ドルまでしか続かないことを発見しました。7万5000ドルを超える所得のある人々が報告する福利の平均的な上昇はゼロになります。このような知見は、信じがたいもののように見えます(なにしろ、所得が高ければ、ハワイでの休暇やスポーツ観戦の特等席、高価な自動車、そして広大な新築の家といった楽しみにふけることが可能になるはずだからです)。もしかしたら、高い所得は、人生のささやかな喜びを味わい、楽しむ能力を損なうのかもしれません(Kahneman, 2011)。実際、研究者はある研究において、サブリミナル(意識下)で富を思い起こさせるメッセージを与えられた参加者は、富を思い起こさせるメッセージを与えられなかった参加者に比べて、チョコレートキャンディバーを味わう時間が短くなり、その体験の楽しさが減ることを発見しました(Quoidbach, Dunn, Petrides, & Mikolajczak, 2010)。

教育と雇用についてはどうでしょうか?幸福な人は、あまり幸福でない人に比べて、大学を卒業し、より有意義で魅力的な仕事に就く可能性が高いです。また、仕事に就いた後では、その人たちは成功する可能性も高くなります(Lyubomirsky et al., 2005)。教育は幸福度と正の(ただし弱い)相関を示していますが、知能は幸福度とははっきりした関係がありません(Diener et al., 1999)。

宗教性は幸福度と相関するでしょうか?一般的には、その答えはイエスです(Hackney & Sanders, 2003)。しかしながら、宗教性と幸福度の間の関係性は、社会的な状況に依存します。生活条件が厳しい国や州(たとえば、飢餓が蔓延して、平均寿命が短い)は、生活条件が良好な社会に比べて宗教心が高い傾向にあります。生活条件が厳しい国に住む人々の間では、宗教性はより大きな福利と関連しています。生活条件が良好な国では、宗教的な人も無宗教の人も同程度の福利を報告しています(Diener, Tay, & Myers, 2011)。

国の生活条件が幸福に関連する要因に影響を与えることは明らかです。では、文化の影響はどうでしょうか?さまざまな特性を持つ人々は、その特性が自身の文化で高く評価されている限りにおいて、より幸福である傾向にあります(Diener, 2012)。たとえば、自尊心は、個人主義的な文化の中では集団主義的な文化の中よりも生活満足度の強い予測因子となり(Diener, Diener, & Diener, 1995)、外向的な人は、内向的な文化の中よりも外向的な文化の中で幸福である傾向があります(Fulmer et al., 2010)。

このように、私たちは幸福度と何らかの相関関係を示す多くの要因を特定しました。では、相関関係が見られない要因は何でしょうか?研究者は、幸福に貢献する可能性のある要因として、子育てと身体的魅力の両方を研究してきましたが、つながりは認められませんでした。子育ては有意義で充実した人生にとっての中心的な要素であると考えられがちですが、さまざまな国の調査結果をまとめたものでは、子供を持たない人の方が子供を持つ人よりも一般的に幸福であることが示されています(Hansen, 2012)。また、人が感じる魅力のレベルは幸福度を予測するようですが、人の客観的な身体的魅力は幸福度とは弱い相関しかありません(Diener, Wolsic, & Fujita, 1995)。

ライフイベントと幸福

幸福については、考慮されるべき重要な点があります。人はしばしば感情の予測(将来の感情の強さや持続時間を予測すること)が苦手なことがあります(Wilson & Gilbert, 2003)。ある研究では、新婚夫婦のほぼ全員が、その後の4年間で夫婦関係の満足度が安定または向上すると予測していました。当初はこのように高いレベルで楽観的であったにもかかわらず、実際にはこの期間中に夫婦関係の満足度が低下しました(Lavner, Karner, & Bradbury, 2013)。さらに、ある種のライフイベント(人生の出来事)に応じて、長期的な幸福度がどのように良い方向に、あるいは悪い方向に変化するかを見積もる際に、私たちはしばしば誤りを犯します。たとえば、私たちが宝くじに当たったり、魅力的な有名人にデートに誘われたり、夢に描いていた仕事に就いたりしたら、どれほど陶酔的に感じるかは、多くの人にとって容易に想像できることでしょう。また、1908年以来、ワールドシリーズで優勝したことがなかった野球チームのシカゴ・カブスの長年にわたって苦しんできたファンが、2016年にチームがついに再びワールドシリーズで優勝したときに、永久に高揚した気分になるだろうと考えたことも容易に理解できます。同じように、私たちが障害をもたらす事故に遭ったり、恋愛関係が終わったりしたら、永久に惨めな気持ちになるだろうと予測してしまうのも簡単です。

しかしながら、人がライフイベントに対して感情的な反応を経験するときには、感覚適応と似たようなことがしばしば起こります。私たちの感覚が刺激の変化に適応していくのと同じように(たとえば、映画館の暗闇から午後の明るい日差しの中に歩き出していくと、私たちの目が明るい光に適応するように)、私たちは生活の中で変化していく感情的な状況に最終的に適応します(Brickman & Campbell, 1971; Helson, 1964)。肯定的な感情や否定的な感情を引き起こす出来事が起きたとき、私たちはまず、その感情の影響を最大の強さで経験する傾向があります。私たちは、結婚のプロポーズ、子供の誕生、法科大学院への合格、遺産相続などのような出来事の後に、歓喜のほとばしりを感じます。宝くじの当選者が大当たりした後に幸福の急上昇を経験するのは想像に難くないでしょう(Lutter, 2007)。同じように、配偶者と死別したり、離婚したり、仕事を解雇されたりした後には、私たちはみじめさの急上昇を経験します。しかしながら、長い目で見れば、私たちは最終的には感情的な新しい常態に適応します。出来事の感情的な衝撃は弱まっていく傾向があり、私たちはそのうち元の基準値の幸福レベルに戻ります。このようにして、最初は身震いするほどであった宝くじの当選やワールドシリーズの優勝も、いずれはその輝きを失い、現状維持へとなります(図14.27)。実際、劇的なライフイベントが幸福に与える長期的な影響は、予測されるであろうものよりもずっと少ないです(Brickman, Coats, & Janoff-Bulman, 1978)。

図14.27 | (a)2016年にチームがワールドシリーズで優勝したとき、長年苦しんできたシカゴ・カブスのファンは、このチームが100年以上も達成していなかった偉業を達成したことで高揚感を覚えました。(b)宝くじを買う人は、正しい数字を選んで数百万ドルを獲得すれば、似たような形で幸福感が急上昇すると当然考えます。しかしながら、そのような掴みどころのない出来事の後の最初の高揚感の爆発は、時間とともに失われていく可能性が高いです。(credit a: modification of work by Phil Roeder; credit b: modification of work by Robert S. Donovan)

最近では、一部の人は、重要なライフイベントが人々の幸福の設定点を永続的に変化させる度合いについて疑問を投げかけています(Diener, Lucas, & Scollon, 2006)。いくつかの調査による証拠は、状況によっては幸福度が元の位置に戻らないことを示唆しています。たとえば、人々は一般的に、結婚しても以前より幸福になったり不幸になったりしないように適応する傾向がありますが、失業や重度の障害には完全に適応できないことがしばしばあります(Diener, 2012)。図14.28は、ドイツの3000人以上の回答者の標本から得られた縦断的データに基づくものであり、さまざまなライフイベントの数年前、その最中、数年後の生活満足度のスコアを示しています。これは、人々がこれらの出来事にどのように適応するか(あるいは適応できないか)を示しています。ドイツの回答者は、結婚によって持続的な感情の高まりを得ることはありませんでした。その代わり、彼らは一時的な幸福感の高まりと、その後の速やかな適応を報告しています。対照的に、配偶者と死別した人や解雇された人は、幸福感の大幅な減少を経験し、その結果、人生の満足度が長期的に変化するようです(Diener et al., 2006)。さらに、同じ標本から得られた縦断的なデータでは、回答者の約4分の1が時間の経過とともに幸福度が顕著に変化し、9%が大幅に変化することが示されました(Fujita & Diener, 2005)。このように、長期的な幸福度は、人によっては変化する可能性があり、また実際に変化するものです。

図14.28 | このグラフは、3つの重要なライフイベントの前後数年間の生活の満足度のスコアを示したものです(0は出来事が起こった年を表しています)(Diener et al., 2006)。

幸福度の向上

幸福についての最近の知見の中には、幸福の真の変化が可能であることを示唆する楽観的な図を与えてくれるものがあります。たとえば、人々の幸福度の基準値を高めるために熟考して開発された福利への介入策は、一時的なものではなく、永続的かつ長期的な方法で幸福度を高めることができるかもしれません。このような幸福の変化は、個人、組織、社会のそれぞれのレベルを対象とすることができます(Diener et al., 2006)。ある研究の研究者は、毎日起こった良いことを3つ書き出すなどの実践を含む一連の幸福への介入策が、6か月以上続く幸福の増加につながったことを発見しました(Seligman et al., 2005)。

幸福と福利を社会レベルで長期的に測定することは、人々が一般的に幸福か不幸かを判断するだけでなく、人々がいつ、なぜそのように感じるのかを政策立案者に伝えるのに役立ちます。いくつかの研究では、国民の平均的な幸福度は(経時的に、そして各国で)、6つの重要な変数と強く関連しています:それは、1人あたりの国内総生産(GDP、国の経済的な生活水準を反映)、社会的支援、人生の重要な選択をする自由、健康寿命、政府や企業が認識される腐敗から自由であること、および寛大さです(Helliwell et al., 2013)。人々がなぜ幸福なのか、あるいは不幸なのかを調査することは、政策立案者が社会の中で幸福や福利を増進するプログラムを開発するのに役立つかもしれません(Diener et al., 2006)。貧困、税制、手頃な価格の医療や住宅、きれいな空気や水、所得の不平等など、頻繁に議論の対象となる現代の政治的・社会的問題についての解決策は、人々の幸福を念頭に置いて検討するのが最善かもしれません。

ポジティブ心理学

1998年、当時アメリカ心理学会会長だったセリグマン(前述の学習性無力感の実験を行ったのと同一人物)は、心理学者たちに人間の強さや心理的な福利をどうやって築くかを理解することにもっと焦点を当てるべきだと呼びかけました。セリグマンは、心理学の新たな方向性と新たな姿勢を意図的に打ち出し、ポジティブ心理学という成長中の運動と研究分野の確立に貢献しました(Compton, 2005)。非常に一般的な意味においては、ポジティブ心理学とは、幸福についての科学として考えることができます。それは、私たちの生活をより充実させることにつながる資質を特定し、促進することを目指す研究分野です。この分野では、人々の強みや、人々が幸福で満ち足りた生活を送るのに役立つものに注目します。この分野は、人々の病理や欠点、問題に焦点を当てることからは身を引いています。セリグマンとチクセントミハイ(Seligman and Csikszentmihalyi, 2000)によると、ポジティブ心理学とは、

主観的なレベルでは、(過去の)福利、充足感、および満足感、(未来への)希望と楽観主義、そして(現在の)幸福といった、価値ある主観的な経験についてのものです。個人的なレベルでは、ポジティブ心理学とは、愛と天職についての能力、勇気、対人関係の技能、美的な感性、忍耐力、赦し、独創性、未来志向、精神性、高い才能、知恵といった、ポジティブな個人の特性についてのものです。(p. 5)

ポジティブ心理学者が研究しているトピックのいくつかには、利他主義と共感、創造性、赦しと思いやり、ポジティブな感情の重要性、免疫系の機能強化、人生のつかの間の瞬間を味わうこと、および真正な幸福を増進する方法としての美徳の強化が含まれます(Compton, 2005)。ポジティブ心理学の分野における最近の取り組みは、その原則をグローバルな共同体のレベルでの平和と福利に向けて拡張することに焦点を当てています。紛争や憎しみ、不信感が蔓延する戦争で引き裂かれた世界において、そのような拡張された「ポジティブ平和心理学」は、抑圧を克服し、世界平和に向けて取り組む方法を理解する上で重要な意味を持つことでしょう(Cohrs, Christie, White, & Das, 2013)。

深く掘り下げてみよう

健全な心の調査センター

ウィスコンシン大学マディソン校のワイズマンセンター内にある健全な心の調査センター(Center for Investigating Healthy Minds)では、優しさ、赦し、思いやり、マインドフルネスなど、心の健康的な側面に関する厳格な科学的研究を行っています。2008年に設立された同センターでは、著名な神経科学者であるリチャード・J・デイヴィッドソン博士が中心となり、学校における優しさのカリキュラム、向社会的行動の神経相関、太極拳トレーニングの心理的効果、子供の向社会的行動を育むデジタルゲーム、心的外傷後ストレス障害の症状を軽減するヨガや呼吸法の効果など、さまざまなアイデアを検証しています。

ウェブサイトによると、同センターは、ダライ・ラマ14世から「科学の厳密さを心のポジティブな資質の研究に適用してほしい」との依頼を受けたデイヴィッドソン博士が設立したものです(Center for Investigating Health Minds, 2013)。センターでは、人々がより幸福で健康的な生活を送るのを手助けするようなメンタルヘルス訓練のアプローチの開発を目指して、科学的な研究を続けています。

ポジティブ感情と楽観主義

ポジティブ心理学から手がかりを得て、ここ10~15年の間に、身体的な福利におけるポジティブな心理的属性の重要性が広く研究されてきました。心理的な福利を促進するのに役立つ資質(たとえば、人生に意味や目的を持つこと、自律性の感覚、肯定的な感情、および人生への満足感)は、主に生物学的機能や健康行動(食事、身体活動、睡眠の質など)との関係を通じて、さまざまな健康上の良好な結果(特に心血管の健康状態の改善)と結び付けられています(Boehm & Kubzansky, 2012)。その中でも特に注目されている資質が、幸福感、喜び、熱意、注意力、興奮など、環境との快い関わり方を意味するポジティブ感情です(Watson, Clark, & Tellegen, 1988)。ポジティブ感情の特徴は、(以前に議論した)否定的な感情性と同様に、短期的なもの、長期的なもの、または特性的なものであることがあります(Pressman & Cohen, 2005)。年齢、ジェンダー、所得とは独立して、ポジティブ感情は、社会的なつながりの強さ、感情的・実際的な支援、適応的なコーピングの努力、うつ病の低さと関連しています。また、ポジティブ感情は長寿や良好な生理学的機能とも関連しています(Steptoe, O’Donnell, Marmot, & Wardle, 2008)。

ポジティブ感情は、心臓病から保護してくれる要因としても機能します。ノバスコシア州の人々を対象とした10年間の研究では、1(ポジティブ感情が表されない)から5(極端なポジティブ感情)までのポジティブ感情の尺度が1ポイント上昇するごとに、心臓病の発症率が22%低下しました(Davidson, Mostofsky, & Whang, 2010)。私たちの健康に関して、「心配していないで、幸せでいるように」という表現は、実に有益なアドバイスです。また、楽観主義(物事の良い面を見ようとする一般的な傾向)も、健康上の前向きな結果を予測する重要な要因であることが多くの研究で示唆されています。

ポジティブ感情と楽観主義は、いくつかの点で関連していますが、同じものではありません(Pressman & Cohen, 2005)。ポジティブ感情が主として肯定的な感情状態に関するものであるのに対し、楽観主義は、良いことが起こるであろうと期待する一般的な傾向と見なされています(Chang, 2001)。また、楽観主義は、人生のストレス要因や困難のことを、一時的なものであり自分自身の外部にあるものと見なす傾向として概念化されています(Peterson & Steen, 2002)。長年にわたる数多くの研究により、楽観主義は、長寿、より健康的な行動、手術後の合併症の減少、前立腺がんの男性の免疫機能の向上、および治療の継続性と関連することが一貫して示されています(Rasmussen & Wallio, 2008)。さらに、楽観的な人は、より少ない身体的な症状と痛み、より良い身体機能を報告しており、心臓手術後の再入院の可能性が少ないです(Rasmussen, Scheier, & Greenhouse, 2009)。

フロー

深い福利の感覚を育むために重要と思われるもう1つの要素は、私たちが生活の中で行うことからフローを得る能力です。フローとは、非常に興味をそそり夢中になることのできるものであるため、それ自体でやる価値があるような特定の体験のことを言います(Csikszentmihalyi, 1997)。通常、フローは創造的な努力や余暇活動に関連していますが、自分の仕事が好きな労働者や勉強が好きな学生も経験することができます(Csikszentmihalyi, 1999)。私たちの多くは、フローという概念をすぐに理解することができます。実際、フローという言葉は、「自分のやっていることがうまくいっているときにどのような感じがするか」を記述するよう求められたときに、回答者が自発的に使った言葉に由来しています。人々がフローを体験するときには、彼らは活動の中で我を忘れてしまうほど、その活動に没頭します。彼らは苦労することなく集中力と焦点を維持し、自分の行動を完全にコントロールしているかのように感じ、時間がいつもより早く過ぎていくように感じられます(Csikszentmihalyi, 1997)。フローは快い経験と考えられており、典型的には、自分が持っている技能や知識を必要とするような、力が試される活動をしているときに起こります。たとえば、人々は食事をするときよりも、仕事や趣味に関連してフロー経験を報告することの方が多いでしょう。「何かにとても夢中になっているために、他のことがどうでもよくなり、時間が経つのを忘れてしまったことがありますか?」という質問に対して、アメリカ人とヨーロッパ人の約20%が定期的にフローのような経験をしていると答えています(Csikszentmihalyi, 1997)。

裕福であることや物を所有することは素晴らしいことですが、フローという概念は、そのどちらも幸福で充実した人生を送るための必須条件ではないということを示唆しています。本当の意味でのめりこむような活動、つまり、あまりに夢中になるためにそれをすること自体がご褒美になるような活動(それが、テニスをすることであれ、アラビア語を勉強することであれ、児童文学を執筆することであれ、豪華な料理を作ることであれ)を見つけることが、おそらく本当の鍵なのです。チクセントミハイ(Csikszentmihalyi, 1999)によれば、フロー経験を可能にする条件を整えることは、社会的にも政治的にも最優先とされるべきです。この目標はどのように達成されるでしょうか?学校のシステムの中でフローを促進するにはどうしたらよいでしょうか?職場では?そのような取り組みからどのような潜在的な利益が得られるでしょうか?

理想的な世界であれば、科学的研究の試みは、すべての人々にとってより良い世界をもたらす方法を私たちに教えてくれるはずです。ポジティブ心理学の分野は、希望、楽観主義、幸福、健全な人間関係、フロー、そして純粋な個人的な充足を真に生み出すものは何かを理解するのに役立つ道具立てになると期待されています。

重要用語

警告反応:汎適応症候群の第一段階。脅威的な状況やその他の緊急事態に対する身体の即時的な生理学的反応として特徴付けられる。「闘争か、逃走か」反応と類似している

喘息:呼吸器系の気道が閉塞し、肺から空気を排出することが非常に困難になる精神生理学的障害

バイオフィードバック:電子機器を用いて人の不随意な(神経筋や自律神経の)活動を測定し、フィードバックを提供することで、これらのプロセスをある程度随意的にコントロールできるようにするストレス軽減テクニック

心血管障害:心臓および血液循環系が関与する障害

コーピング:ストレスの原因やそれによって生じる不快な感情や気持ちを含む、ストレスに関連する問題に対処するための精神的・行動的な取り組み

コルチゾール:ストレス要因に遭遇した際に副腎から放出されるストレスホルモンで、エネルギーの高まりを供給して、人が行動を起こす準備をするのに役立つ

日常的な厄介事:私たちの日常生活の一部であるような些細なイライラや悩みで、ストレスを生じさせる可能性があるもの

ディストレス:悪い形のストレス。通常は強度が高く、消耗、疲労、および燃え尽きた感情にしばしばつながる。成果や健康の低下をもたらす

ユーストレス:良い形のストレス。強度は低~中程度で、前向きな感情、最適な健康と成果をもたらす

「闘争か、逃走か」反応:人が脅威と認識されるものに遭遇したときに起こる一連の生理学的反応(血圧、心拍数、呼吸数、発汗量の増加)。これらの反応は、交感神経系と内分泌系の活性化によって引き起こされる

フロー:ある活動に集中的に取り組む状態。通常、創造的な活動、仕事、余暇の活動に参加するときに経験する

汎適応症候群:ハンス・セリエが提唱した、ストレスに対する身体の生理学的反応とストレス適応のプロセスについての3段階のモデル:警告反応、抵抗期、疲憊期

幸福:喜び、満足感、その他の肯定的な感情からなる永続的な心の状態と、自分の人生には意味と価値があるという感覚

健康心理学:健康、病気、そして人が病気になったときの反応の仕方に対する心理的な影響を研究する心理学の下位分野

心臓病:心臓の動脈や弁に関わるものや、心臓が身体の必要性を満たすのに十分な血液を送り出せないことに関わるものなど、いくつかの種類の心臓の悪い状態。心臓発作を含むことがある

高血圧:高い血圧

視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸:大脳辺縁系(視床下部)と内分泌系(下垂体と副腎)に存在する一連の構造で、ストレスに対する身体の生理学的反応の多くをホルモンの放出を通じて調節する

免疫系:体の組織や器官に損傷を引き起こす可能性のある異物から体を守るさまざまな構造、細胞、および機構

免疫抑制:免疫系の有効性の低下

仕事の燃え尽き:自分の仕事に対して感情的に疲弊したり、冷笑的になったりする一般的な感覚で、疲弊、離人感、個人的な達成感の低下という3つの側面から構成される

仕事の重圧:過剰な仕事の要求および仕事量と、意思決定や仕事のコントロールにおける裁量がほとんどないこととが組み合わさった仕事の状況

リンパ球:体液中を循環する、身体の免疫反応にとって特に重要な白血球

否定的な感情性:怒り、軽蔑、嫌悪、罪悪感、恐怖、および緊張が関与する苦しい感情状態を経験する傾向

楽観主義:前向きな見通しや期待をする傾向

知覚的コントロール:人生における結果に影響を及ぼしたり、形成したりする自分の能力についての人々の信念

ポジティブ感情:幸福感、喜び、熱意、注意力、および興奮といった特徴を含む、環境との快い関わり方を伴う状態または特性

ポジティブ心理学:幸福な人生、充実した人生、満足した人生につながる資質を特定し、促進することを目指す科学的な研究分野

一次評価:あるストレス要因がもたらす潜在的な危害や福利への脅威の度合いについての判断

精神神経免疫学:(ストレスなどの)心理的要因が免疫系や免疫機能にどのようにして影響を与えるかを研究する分野

精神生理学的障害:ストレスや感情的な要因によって症状が引き起こされたり、悪化したりする身体的な障害や病気

リラクセーション反応テクニック:リラクセーションと瞑想の要素を組み合わせたストレス軽減テクニック

二次評価:ストレス要因に対処するために利用可能な選択肢とその潜在的な有効性についての判断

社会的再適応評価尺度(SRRS):ストレスを測定するように設計された一般的な尺度で、43の潜在的にストレスのある出来事から構成されており、それぞれの出来事はどの程度の再適応が関連しているかを定量化する数値を有している

社会的支援:他者からの心安らぐ、しばしば有益な支援。助言、指導、励まし、受容、感情的な慰め、および有形の援助など、さまざまな形態がある

疲憊期:汎適応症候群の第三段階。ストレスに抵抗する身体能力が低下し、病気や疾患、さらには死に至ることもある

抵抗期:汎適応症候群の第二段階。身体が一定期間ストレス要因に適応する

ストレス:個人が、自分の福利を脅かすような出来事または圧倒されるような出来事と評価しているものを認識し、それに反応するプロセス

ストレス要因:厳しいまたは脅威となると判断される環境上の出来事で、ストレスのプロセスを開始させる刺激

タイプA:極端に競争心が強く、せっかちで、急いでいて、他者に敵対的な傾向のある人が示す心理的・行動的パターン

タイプB:リラックスしているおおらかな人が示す心理的・行動的パターン

この章のまとめ

14.1 ストレスとは何でしょうか?

ストレスとは、個人が、自分の福利を脅かすような出来事、または圧倒されるような出来事として評価しているものを認識し、それに反応するプロセスです。ストレスや感情的要因が健康や福利にどのように影響するかを科学的に研究することを健康心理学と呼びます。これは、心理的要因が健康に与える一般的な影響を研究することに専念する分野です。ストレスを感じたときの身体の主要な生理学的反応である「闘争か、逃走か」反応は、20世紀初頭にウォルター・キャノンによって初めて特定されました。「闘争か、逃走か」反応には、交感神経系と視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の両方の協調した活動が伴います。内分泌学者のハンス・セリエは、ストレスに対するこれらの生理学的反応を汎適応症候群の一部と呼びました。汎適応症候群は、警告反応(「闘争か、逃走か」反応が始まる)、抵抗期(継続的なストレスに身体が適応し始める)、疲憊期(適応エネルギーが枯渇し、ストレスが身体に負担をかけ始める)の3段階で起こります。

14.2 ストレス要因

ストレス要因には、慢性(長期)または急性(短期)のものがあり、トラウマ的な出来事、人生の大きな変化、日常的な厄介事、困難で不快な出来事に頻繁にさらされる状況などが含まれます。多くの潜在的なストレス要因には、離婚や新しい住居への引っ越しなど、生活の変化を必要とする出来事や状況が含まれます。トマス・ホームズとリチャード・レイは、社会的再適応評価尺度(SRRS)を開発しました。これは、前向きな出来事も含めて、典型的には何らかの適応を必要とするようなライフイベント(人生の出来事)に対して、人生変化単位(LCU)の数を割り当てることによってストレスを測定するものです。SRRSは多くの理由に基づいて批判されていますが、広範な研究により、多くのLCUの蓄積が病気のリスクの増加に関連することが示されています。また、多くの潜在的なストレス要因には、日常的な厄介事も含まれています。それは、時間の経過とともに蓄積されていく、些細なイライラや悩みです。さらに、特に過酷であり、職務環境においてほとんどコントロールができず、労働条件の好ましくないような仕事は、仕事の重圧につながり、仕事の燃え尽きの土台を作り上げます。

14.3 ストレスと病気

精神生理学的障害とは、ストレスやその他の感情的な要因によって引き起こされたり、悪化したりする身体的な病気です。ストレスや感情的な要因がこれらの疾患の発症に影響を与えるメカニズムの1つは、身体の免疫系に悪影響を与えることです。多くの研究で、ストレスが免疫系の機能を低下させることが実証されています。心血管障害は、ストレスや、怒り、否定的な感情性、および抑うつなどといった否定的な感情によって影響を受けることが一貫して示されている深刻な医学的疾患です。ストレスや感情的要因が影響することが知られている他の精神生理学的障害には、喘息や緊張性頭痛が含まれます。

14.4 ストレスの調節

ストレスに直面すると、人はそのストレスを管理し、対処しようと試みます。一般に、対処法には、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングの2つの基本的な形態があります。問題焦点型コーピング戦略を用いる人は、ストレスにうまく対処できる傾向があります。なぜなら、その戦略は、もたらされる症状ではなくストレスの源に対処するからです。大方の場合、知覚的コントロールは、ストレス要因に対する反応に大きく影響し、身体的および精神的な福利と関連します。社会的支援は、ストレスの悪影響に対する非常に効果的な緩衝材であることが実証されています。広範な研究により、社会的支援が人々に有益な生理学的効果をもたらし、免疫機能に影響を与えることが示されています。しかしながら、社会的支援の有益な効果は、それが健康的な行動を促進するように影響を与えていることと関係しているのかもしれません。

14.5 幸福の追求

幸福とは、日常生活において喜びを経験する能力と、自分の技能や才能を発揮して自分や他人の生活を豊かにする能力からなる永続的な心の状態として概念化されます。世界中の人々は一般的に自分たちが幸福であると答えていますが、国によって平均的な幸福度には違いがあります。人々は、ある種のライフイベントが起こったときに、自分の幸福度の設定値が良い方向、または悪い方向に変化する程度を過大に見積もる傾向がありますが、研究者は、幸福度に一貫して関係するいくつかの要因を特定しています。近年、ポジティブ心理学は、私たちの生活に大きな幸福と充実感をもたらすような資質を特定し、促進することを目的とした研究分野として浮上しています。これらの要素には、ポジティブ感情、楽観主義、およびフローが含まれます。

レビュー問題

1.ストレスの否定的な影響は、ある出来事が________と認識されたときに最も経験されやすいです。
a.否定的ではあるが、自分ではなく友人に影響を与える可能性が高い
b.困難なもの
c.混乱させるもの
d.脅威であり、それに対処するための明確な選択肢が見当たらない

2.2006年から2009年の間に、ストレスレベルの最も大きな上昇は、________の間で起こりました。
a.黒人
b.45歳から64歳の人
c.失業中の人
d.大学の学位を持っていない人

3.セリエの汎適応症候群のどの段階で、人は特に病気になりやすいでしょうか?
a.疲憊期
b.警告反応
c.「闘争か、逃走か」
d.抵抗期

4.ストレスであると判断されるものに遭遇している間、________によってコルチゾールが放出されます。
a.交感神経系
b.視床下部
c.脳下垂体
d.副腎

5.ホームズとレイの尺度によると、最も多くの再適応を必要とするライフイベントは何ですか?
a.結婚
b.個人的な病気
c.離婚
d.配偶者の死

6.ポールがスーパーマーケットで今週の食料品を買おうとしているとき、レジには係が1人しかいなかったので、長い列に並んで約20分待たなければなりませんでした。やっとのことで彼が支払いをしようとしたところ、当座預金の残高が足りないという理由で、デビットカードが使えなくなっていました。クレジットカードを家に置いてきてしまったため、彼は食料品をカートに戻し、クレジットカードを取りに家に帰らなければなりませんでした。車を運転して家に戻る途中、事故で道が2マイルほど渋滞していました。ポールが耐えなければならなかったこれらの出来事は、________として最もよく特徴付けられます。
a.慢性的なストレス要因
b.急性のストレス要因
c.日々の厄介事
d.再適応の発生

7.社会的再適応評価尺度についての主要な批判の1つは何ですか?
a.項目数が少なすぎる。
b.アメリカのニューイングランド地方の人々だけを用いて開発された。
c.人がある出来事をどのように評価するかを考慮していない。
d.収録されている項目に肯定的なものが1つもない。

8.以下のうち、仕事の燃え尽きの特徴ではないものはどれですか?
a.離人感
b.敵意
c.疲弊
d.個人的な達成感の低下

9.体に侵入してきた異物を攻撃する白血球は、________と呼ばれます。
a.抗体
b.テロメア
c.リンパ球
d.免疫細胞

10.心臓病のリスクは、________の人で特に高いです。
a.うつ病
b.喘息
c.テロメア
d.リンパ球

11.タイプAの行動パターンの最も致命的な特徴は、________のようです。
a.敵意
b.焦り
c.時間の切迫感
d.競争的衝動

12.喘息に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれですか?
a.親や対人関係での葛藤が、喘息の発症に結びついている。
b.喘息患者は、自分が吸い込んだ不活性物質が気道閉塞につながると信じているだけで、喘息様の症状を経験することがある。
c.喘息は、うつ病の期間と関連していることが示されている。
d.喘息の罹患率は2000年以降に顕著に減少している。

13.問題焦点型コーピングよりも情動焦点型コーピングの方が良い方法である可能性が高いのは、以下のどのストレス要因に対処するときでしょうか?
a.末期がん
b.学校での悪い成績
c.失業
d.離婚

14.英国の公務員を対象とした研究では、地位の低い仕事に就いている人は、地位の高い仕事に就いている人に比べて、心臓病になる可能性が非常に高いことがわかりました。これらの調査結果は、ストレスに対処するための________の重要性を証明しています。
a.バイオフィードバック
b.社会的支援
c.知覚的コントロール
d.情動焦点型コーピング

15.社会的支援のレベルが低い人と比較して、社会的支援のレベルが高い人は、________。
a.喘息を発症する可能性が高い
b.知覚的コントロールが低い傾向がある
c.心血管障害を発症する可能性が高い
d.ストレスによく耐えられる傾向がある

16.学習性無力感という概念は、________をセリグマンが説明するために提唱したものです。
a.犬が避けられないショックを受けた後に、避けられるショックから逃れようとしないこと
b.犬が以前の失敗から学ぼうとしないこと
c.犬が制御できないショックを受けているときに、その状況から他の犬が逃れる手助けをするのを学ぶこと
d.犬が制御できないショックを受けているときに、その状況から他の犬が逃れる手助けをするのを学ばないこと

17.以下のうち、幸福を構成する要素として想定されていないものはどれですか?
a.自分の才能を使って他人の生活を向上させること
b.新しい技能を学ぶこと
c.定期的な快い経験
d.人生を豊かにするような自身の才能を見極め、それを活用すること

18.研究者は、幸せに関連するいくつかの要因を特定しています。以下のうち、その中に含まれていないものはどれですか?
a.年齢
b.7万5000ドルまでの年収
c.身体的な魅力
d.結婚

19.ポジティブ感情は楽観主義とどのように異なりますか?
a.楽観主義はポジティブ感情よりも科学的である。
b.ポジティブ感情は楽観主義よりも科学的である。
c.ポジティブ感情は感情状態に関わるが、楽観主義は期待に関わる。
d.楽観主義は感情状態に関わるが、ポジティブ感情は期待に関わる。

20.カーソンは推理小説を書くのを楽しんでおり、自分の作品をいくつか出版にこぎつけたこともあります。書き物をしているときのカーソンは、自分の作業に極端に集中しています。実際に、彼はあまりにも熱中していたために時間を忘れて、夜中の3時過ぎまで起きていることもしばしばあります。カーソンの経験は、________の概念を最もよく表しています。
a.幸福の設定点
b.適応
c.ポジティブ感情
d.フロー

批判的思考の問題

21.脅威である、または困難なものであると評価される可能性のある状況や出来事の例を(前述のもの以外で)挙げてください。

22.人が重篤な病気になる可能性のあるストレスのある状況の例を挙げてください。セリエの汎適応症候群はこの現象をどのように説明するでしょうか?

23.社会的再適応評価尺度の項目を確認してください。項目のうち1つを選び、それがどのようにしてディストレスとユーストレスをもたらすかを議論してください。

24.仕事の燃え尽きは、人的サービスの仕事をしている人に多い傾向があります。仕事の燃え尽きの3つの特徴を考慮して、警察官に特有のさまざまな仕事の側面が、その仕事でどのように仕事の燃え尽きにつながるかを説明してください。

25.タイプAの行動パターンの概念、その歴史、そして心臓病におけるその役割について現在わかっていることを論じてください。

26.ストレスと免疫機能の関係を調べるために、志願者に風邪のウイルスを含んだ点鼻薬を与えた研究について考えてみてください(Cohen et al., 1998)。この結果は、生活の中でストレスの多い時期(たとえば、期末試験の週)に人が病気になることをどのように説明するでしょうか?

27.問題焦点型コーピングは、ストレス要因に対処する際に、より効果的な戦略であるように思われますが、情動焦点型コーピングの方が良い戦略であるような種類のストレスの状況はあると思いますか?

28.社会的支援が直接的、間接的に健康にどのような影響を与えるかを記述してください。

29.この節で議論した幸福の3つの側面(楽しい生活、良い生活、意味のある生活)を考慮すると、あなたの個人的な幸福のレベルを向上させるために、どのようなステップを取ることができるでしょうか?

30.3億ドルのパワーボールくじの抽選日の前日、あなたは近所のコンビニエンスストアのドアの外にパワーボールくじのチケットを買うための行列ができていることに気づきました。あなたが学んだことに基づいて、これらの人々がなぜこのようなことをしているのか、また、これらの人々のうちの1人がたまたま正しい数字を選んだ場合、何が起こる可能性が高いかについて、何らかの見解を示してください。

個人的に当てはめてみる問題

31.あなたやあなたが知っている人(家族、友人、クラスメート)が、1つの出来事を、ある人は脅威と見なし、ある人は挑戦と見なす形で経験した時のことを考えてみてください。その出来事を脅威と見なした人と、挑戦と見なした人の反応には、どのような違いがありましたか?その人たちが同じ出来事を判断するのに違いがあったのはなぜだと思いますか?

32.あなたはストレスと病気の関係を調べる研究を設計したいのですが、社会的再適応評価尺度を使用できないと仮定してください。あなたなら、ストレスをどのように測定しますか?病気はどのようにして測定しますか?ストレスと病気の間に因果関係があるかどうかを判断するためには、あなたはどのようなことをする必要があるでしょうか?

33.あなたの家族や友人に喘息の人がいる場合、その人に症状の引き金について話を聞いてみましょう(本人の意思があれば)。その人はストレスや感情状態について言及するでしょうか?もしそうなら、それらの喘息の引き金には何か共通点がありますか?

34.問題焦点型コーピングを用いることによって特定のストレス要因に対処した例を考えてみてください。ストレス要因は何でしたか?あなたの問題焦点型の取り組みは何を含んでいましたか?それらは効果的でしたか?

35.あなたが行っている活動で、魅力的で夢中になれるようなものを考えてください。たとえば、それはビデオゲームで遊ぶこと、本を読むこと、あるいは何かの趣味のようなものかもしれません。そのような活動をしているとき、あなたは典型的にはどのような経験をしていますか?あなたの経験はフローの概念に合致していますか?もしそうなら、どのように?それらの経験はあなたの人生を豊かにすると思いますか?もしそうならば、その理由は何ですか?もしそうでないならば、その理由は何ですか?

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