第4章 意識の状態

図4.1 | 睡眠は、私たちの誰もが経験するものであり、私たちの日常生活の中における静かで謎めいた休止時間です。スイスの画家アルベール・アンカーが1895年に描いた『Zwei schlafende Mädchen auf der Ofenbank』(翻訳すると『ストーブの上で眠る2人の少女』)というタイトルの油彩画には、2人の眠っている子供が描かれています。

この章の概要

4.1 意識とは何でしょうか?
4.2 睡眠と私たちが眠る理由
4.3 睡眠の段階
4.4 睡眠の問題と障害
4.5 物質の使用と乱用
4.6 意識の他の状態

はじめに

私たちの生活では、周囲の環境や自分の内面の状態を意識する度合いが定期的に大きく変化します。目覚めているときには、私たちは周囲で起こっている多くの重要なことに気づき、注意を払っています。私たちが深い眠りについているときには、私たちの経験は劇的に異なるものであり、また、夢を見ているときにもやはり大きく異なります。一部の人は、瞑想や催眠、あるいはアルコールやその他の薬物によって、意識の状態の変容を経験することもあります。

この章では、意識の状態について、特に睡眠に焦点を当てて議論していきます。睡眠のさまざまな段階を特定し、睡眠障害についても説明します。この章は、向精神薬、催眠、瞑想によって生み出される意識の状態の変容について議論することで終わります。

4.1 意識とは何でしょうか?

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 意識によって何が意味されているかを理解する
  • 概日リズムが睡眠-覚醒サイクルの調節にどのように関与しているか、また概日周期がどのように乱されることがあるかを説明する
  • 睡眠負債の概念を議論する

意識とは、内的刺激および外的刺激に対する私たちの認識を表しています。内的刺激に対する認識には、痛み、空腹、喉の渇き、眠気を感じたり、自分の考えや感情を認識したりすることが含まれます。外的刺激に対する認識には、太陽からの光を見たり、部屋の暖かさを感じたり、友人の声を聞いたりといった経験が含まれます。

私たちは、日常的にさまざまな意識の状態やさまざまな認識のレベルを経験しています。私たちは、意識のことを、完全な認識から深い眠りに至るまでの連続体であるとさえ記述できるかもしれません。睡眠とは、比較的低いレベルの身体活動と、低下した感覚の認識とを特徴とする状態であり、それは覚醒時の休息期間とは異なります。覚醒は、高いレベルの感覚の認識、思考、行動によって特徴付けられます。目覚めていることや眠っていること以外にも、人々が経験する意識の状態には他の多くのものがあります。それらの中には、白昼夢、酩酊状態、麻酔による無意識状態などが含まれます。また、私たちは医療目的のために薬物を使った麻酔を通じて、無意識の状態を経験することがあります。私たちがはっきりと目が覚めているときであっても、周囲の状況を完全には把握できていないことがしばしばあります。たとえば、あなたは、仕事や学校の帰りに車を運転しているとき、運転していること自体はあまり考えずにぼんやりしたことはありませんか?たとえあなたが行っていることを認識していなくても、あなたは自動車の運転に関わるすべての複雑な作業を行うことができました。これらのプロセスの多くは、心理学的行動の多くと同様に、私たちの生物学的性質に根ざしています。

生体リズム

生体リズムとは、生物学的活動の内部リズムのことです。ある女性の月経周期は、生体リズムの一例であり、身体的変化の反復的、周期的なパターンです。1回の完全な月経周期は約28日—太陰月—ですが、多くの生物学的周期はもっと短いものです。たとえば、体温は24時間の間に周期的に変動します(図4.2)。注意力は高い体温に関連しており、眠気は低い体温に関連しています。

図4.2 | このグラフは、8人の若い男性グループの28時間にわたる体温の概日変化を示しています。体温は日中に起きている間はずっと上昇し、午後にピークを迎え、睡眠中に下降し、朝の非常に早い時間に最も低くなります。

このように毎日繰り返される体温の変動パターンは、概日リズムの一例です。概日リズムとは、約24時間の周期で行われる生体リズムのことです。私たちの睡眠-覚醒サイクルは、私たちの環境における自然な明-暗サイクルと連動しており、おそらく概日リズムの最も明白な例といえます。しかし、私たちは、心拍数、血圧、血糖値、体温なども1日の間で変動しています。概日リズムの中には、私たちの意識の状態の変化に役割を果たすものもあります。

もし私たちが生体リズムを有しているならば、体内時計のようなものもあるのでしょうか?脳の中では、脳下垂体の上にある視床下部が、恒常性の主要な中心となっています。恒常性とは、生物学的な系の中でバランス、すなわち最適なレベルを維持しようとする傾向のことです。

脳の時計の機構は、視交叉上核(SCN)として知られる視床下部の部位に位置しています。網膜の光感受性ニューロンの軸索が、存在する光の量に応じてSCNに情報を提供することで、この体内時計は外部の世界と同期することができます(Klein, Moore, & Reppert, 1991; Welsh, Takahashi, & Kay, 2010)(図4.3)。

図4.3 | 視交叉上核(SCN)は、脳の時計の機構としての役割を果たします。網膜から投射されて受け取られた光の情報をもとに、時計は自分自身で設定を行います。

概日リズムの問題点

一般的に、ほとんどの人にとって、私たちの概日周期は外部の世界と一致しています。たとえば、ほとんどの人は夜になると眠り、日中は起きています。睡眠-覚醒サイクルの重要な調節因子の1つにメラトニンというホルモンがあります。松果腺は、脳内に位置するメラトニンを放出する内分泌構造であり、睡眠中のさまざまな生体リズムや免疫系の調節に関与していると考えられています(Hardeland, Pandi-Perumal, & Cardinali, 2006)。メラトニンの放出は、暗闇によって刺激され、光によって抑制されます。

私たちの睡眠-覚醒サイクルに関しては、個人差があります。「自分は朝型だ」という人もいれば、「自分は夜型だ」と考える人もいるでしょう。このような概日活動パターンの個人差は、人のクロノタイプとして知られており、朝型の人と夜型の人では、睡眠調節に関して違いがあることが研究で明らかになっています(Taillard, Philip, Coste, Sagaspe, & Bioulac, 2003)。睡眠調節とは、脳が睡眠と覚醒の切り替えを制御し、このサイクルを外部の世界と調整することを指します。

学習へのリンク

概日リズムとそれが睡眠に与える影響についての簡単なビデオ(http://openstax.org/l/circadian)を見て、さらに学んでください。

正常な睡眠の妨げとなるもの

朝型であっても、夜型であっても、あるいはその中間であっても、ある人の概日時計が外部環境と同期していないような状況があります。そのようなことが起こる1つのやり方が、複数のタイムゾーンを越えて移動することです。私たちがそのようなことをすると、しばしば時差ぼけを経験します。時差ぼけとは、人間の内部の概日周期と環境との不一致によって生じる症状の集合体のことです。このような症状には、疲労感、だるさ、イライラ、不眠症(すなわち、1か月にわたり、週に少なくとも3日、入眠や睡眠維持が困難な状態が続くこと)などがあります(Roth, 2007)。

また、交代制のシフト勤務を行っている人も、概日周期の乱れを経験する可能性が高いです。交代制のシフト勤務とは、1日または1週間単位で早朝から深夜まで勤務スケジュールが変わる勤務形態のことです。たとえば、ある人は、月曜は午前7時から午後3時まで、火曜は午前3時から午前11時まで、水曜は午前11時から午後7時まで勤務する場合があるかもしれません。このような場合、個人のスケジュールがあまりにも頻繁に変わるため、正常な概日リズムを維持することが困難になります。その結果、しばしば睡眠の問題が発生したり、抑うつや不安の兆候が出たりすることがあります。このようなスケジュールは、医療専門家やサービス業に従事している人に多く見られます。それは、持続的な疲労感や焦燥感に関連付けられており、それによって人は仕事上の間違いを犯しやすくなることがあります(Gold et al., 1992; Presser, 1995)。

交代制のシフト勤務は、そのような形態の勤務に従事する個人の生活や経験に対する波及効果を有しています。このことは、交代制のシフトで勤務する中年の看護師の経験を調査した質的研究で報告されたストーリーの中で明確に示されています(West, Boughton & Byrnes, 2009)。インタビューを受けた看護師の何人かは、仕事のスケジュールが家族との関係に影響しているとコメントしています。ある看護師はこう言いました。

もし業務時間が9時から5時までの定職に就いているパートナーがいるならば…家族と時間を過ごすこと、疲れ切っていないときに家族と楽しい時間を過ごすこと…それが私が直面した問題のひとつでした。(West et al., 2009, p. 114)

概日リズムの乱れは悪影響を及ぼすことがありますが、体内時計を外部環境に合わせるのを助けるために私たちにできることもあります。図4.4に示されるような明るい光を利用するなどのアプローチにより、時差ぼけや交代制のシフト勤務の結果で苦しんでいる人たちが経験する問題の一部が緩和されることが示されています。体内時計は光によって駆動されるので、勤務中は明るい光を浴び、勤務していないときは暗くすることで、不眠症や不安・抑うつの症状を改善することができます(Huang, Tsai, Chen, & Hsu, 2013)。

図4.4 | このような装置は、人々が明るい光を浴びることで、規則的な概日周期を維持することができるように設計されています。それらは、夜勤をしている人や、光の季節変動の影響を受けている人にとって有用です。

学習へのリンク

時差ぼけの克服についてのビデオ(http://openstax.org/l/jetlag)を見て、いくつかのヒントを学んでください。

不十分な睡眠

仕事や日々の生活の雑事に追われて睡眠時間を確保するのが困難な人は、睡眠負債を抱えています。睡眠負債がある人は、慢性的に十分な睡眠がとれていません。睡眠負債の帰結には、注意力や精神的な能力のレベルの低下が含まれます。興味深いことに、電灯が登場して以来、人々の睡眠時間は減少しています。暗闇を照らすことができる便利さは確かに歓迎すべきことですが、私たちは祖先に比べて夜間に活動することが多いため、睡眠量の減少という結果を招いています。その結果、多くの人は一晩あたりの睡眠時間が7~8時間未満となり、睡眠負債を抱えることになります。個人の睡眠の必要性には極めて大きな差異がありますが、国立睡眠財団(National Sleep Foundation, n.d.)は、新生児が最も多くの睡眠を必要とし(一晩あたり12~18時間)、大人になるとその時間はわずか7~9時間にまで減少する、という研究に言及しています。

もしあなたが昼寝をしようと横になると、すぐに寝てしまうならば、あなたは睡眠負債を抱えている可能性があります。大学生はかなりの量の睡眠負債を抱えているということを考慮すると(Hicks, Fernandez, & Pelligrini, 2001; Hicks, Johnson, & Pelligrini, 1992; Miller, Shattuck, & Matsangas, 2010)、あなたやあなたのクラスメートは、習慣的に睡眠負債に関連する問題に直面していることでしょう。2015年、国立睡眠財団は、個人差をよりよく勘案して、睡眠持続時間を更新しました。表4.1は、新しい推奨事項を示したもので、「推奨」、「適切と思われる」、「推奨しない」という3つの睡眠時間が記載されています。

表4.1

睡眠負債と睡眠不足は、心理的・生理学的に顕著な悪影響を及ぼします(図4.5)。前述のように、睡眠の欠乏は、精神的な覚醒度や認知機能の低下をもたらすことがあります。さらに、睡眠不足になると、しばしばうつ病のような症状が現れます。これらの影響は、蓄積された睡眠負債の結果として、あるいは、より急性の睡眠不足に対応して発生します。これを知ると驚くかもしれませんが、睡眠不足は、肥満、血圧上昇、ストレスホルモンの増加、免疫機能の低下と関連しています(Banks & Dinges, 2007)。睡眠不足の人は、一般的に、睡眠不足でない場合よりも早く眠りにつくでしょう。睡眠不足の人の中には、動き回るのを止める(例:座りながらテレビを見たり、車を運転したりする)と起きていることが困難になる人もいます。これこそが、睡眠不足の人が車を運転したり、危険な機械を扱ったりすると、自分や他人を危険にさらすことになる理由です。睡眠不足は、アルコールで酔った状態と同じくらい(それ以上ではないとしても)、認知機能や運動機能に影響を与えることを示唆する研究もあります(Williamson & Feyer, 2000)。研究では、睡眠不足の最も深刻な影響は、24時間以上起き続けている場合(Killgore & Weber, 2014; Killgore et al., 2007)、またはベッドでの睡眠時間が4時間未満の夜を繰り返した後に起こることが示されています(Wickens, Hutchins, Lauk, Seebook, 2015)。たとえば、4時間未満の睡眠では、イライラしたり、注意力が散漫になったり、認知的・道徳的な判断力が低下したりします。もしある人が48時間連続で起きていると、幻覚を見始めることもあります。

図4.5 | この図は、睡眠不足がもたらす悪影響の一部を示しています。認知機能の低下が最も顕著なものですが、多くの身体の系が睡眠の欠乏によって悪影響を受けます。(credit: modification of work by Mikael Häggström)

学習へのリンク

睡眠の必要性についての記事(http://openstax.org/l/sleephabits)を読んで、自分の睡眠習慣を評価してみましょう。

私たちの睡眠時間は、生涯にわたって変化します。私たちが非常に幼い頃は、1日に16時間も睡眠に費やします。私たちが年齢を重ねるにつれ、睡眠時間は短くなります。実際、過去10年以内に行われたメタ分析(多くの関連研究の結果をまとめた研究)によると、私たちが65歳になると、1日あたりの平均睡眠時間は7時間未満になることが示されています(Ohayon, Carskadon, Guilleminault, & Vitiello, 2004)。

4.2 睡眠と私たちが眠る理由

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 睡眠に関与する脳の領域を記述する
  • 睡眠に関連するホルモンの分泌を理解する
  • 睡眠の機能を説明するためのいくつかの理論を記述する

私たちは人生の約3分の1を睡眠に費やしています。米国市民の平均寿命が73歳から79歳であることを踏まえると(Singh & Siahpush, 2006)、私たちは人生のうち約25年を睡眠に費やすと予想されます。決して睡眠をとらない動物(たとえば、魚類や両生類の種)もいれば、ほとんど睡眠をとらなくても明らかな悪影響がない動物(たとえば、キリン)もいますし、2週間の睡眠不足で死んでしまう動物(たとえば、ラット)もいます(Siegel, 2008)。なぜ私たちはこれほどまでに多くの時間を睡眠に割くのでしょうか。睡眠は絶対に必要なものなのでしょうか?この節では、これらの疑問について考え、なぜ人は眠るのかについてのさまざまな説明を探求していきます。

睡眠とは何でしょうか?

あなたは、睡眠とは低いレベルの身体活動と低下した感覚の認識によって特徴付けられる、ということを既に読みました。シーゲルによって議論されているように(Siegel, 2008)、睡眠の定義は、睡眠を制御する概日メカニズムと恒常性維持メカニズムの相互作用についても言及しなければなりません。睡眠についての恒常性調節は、睡眠不足後の睡眠の反跳によって証明されます。睡眠の反跳とは、睡眠不足に陥った人が、その後の睡眠の機会に、より早く眠りにつくという事実のことを指します。睡眠は、脳の特定の活動パターンによって特徴付けられており、それは脳波記録法(EEG)を用いて可視化することができます。また、EEGを用いて異なる睡眠相を区別することもできます。

睡眠と覚醒のサイクルは、複数の脳領域が互いに連携して作用することにより制御されていると考えられます。その領域には、視床、視床下部、および橋が含まれます。すでに述べたように、視床下部には体内時計であるSCNをはじめとする核があり、それらは視床と共同で徐波睡眠を調節しています。橋は、急速眼球運動(REM)睡眠の調節にとって重要です(National Institutes of Health, n.d.)。

また、睡眠は、メラトニン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、成長ホルモンなどを含む、いくつかの内分泌腺からのホルモンの分泌と調節にも関係しています(National Institutes of Health, n.d.)。あなたは、睡眠時に松果腺からメラトニンが放出されることについてすでに読みました(図4.6)。メラトニンは、さまざまな生体リズムや免疫系の調節に関与していると考えられています(Hardeland et al., 2006)。睡眠中、脳下垂体は、生殖器系の調節に重要なFSHとLHの両方を分泌します(Christensen et al., 2012; Sofikitis et al., 2008)。また、脳下垂体は睡眠中に成長ホルモンも分泌します。それは、身体の成長や成熟、その他の代謝プロセスにおいて役割を果たします(Bartke, Sun, & Longo, 2013)。

図4.6 | 松果腺と脳下垂体は、睡眠中に数多くのホルモンを分泌します。

なぜ私たちは眠るのでしょうか?

睡眠が私たちの生活において中心的な役割を果たしていることや、睡眠不足に関連する多くの有害な結果があることを考えると、なぜ人は眠るのかについて私たちは明確に理解していると思うかもしれません。残念ながら、そうではありません。しかしながら、睡眠の機能を説明するために、いくつかの仮説が提案されています。

睡眠の適応的機能

睡眠についてのよく知られている仮説の1つは、進化心理学の視点を取り入れたものです。進化心理学とは、自然選択の結果として、時間が経つにつれて普遍的な行動パターンや認知プロセスがどのように進化してきたかを研究する学問分野です。認知や行動の変化や適応は、個人がうまく生殖して自身の遺伝子を子孫に受け渡すことに成功するかしないかを左右します。このような観点からの仮説の1つは、「睡眠は日中に消費した資源を回復させるために不可欠である」と主張するものでしょう。資源の乏しい冬に熊が冬眠するように、おそらく人間もエネルギー消費を低減させるために夜に眠ります。これは睡眠についての直感的な説明ですが、この説明を裏付ける研究はほとんどありません。実際のところ、休息や不活動の期間ではエネルギー需要に対処できないと考える理由はないということが示唆されており(Frank, 2006; Rial et al., 2007)、ある研究では、実際にエネルギー需要と睡眠に費やされる時間の量との間に負の相関関係を見出しました(Capellini, Barton, McNamara, Preston, & Nunn, 2008)。

睡眠に関するもうひとつの進化的な仮説は、暗闇の中で増加する捕食のリスクに対する適応的な反応として、私たちの睡眠パターンが進化したというものです。したがって、私たちは安全な場所で睡眠をとり、危害を受ける可能性を減らしているのです。これもまた、私たちが眠る理由についての直感的で魅力的な説明です。おそらく、私たちの祖先は、潜在的な捕食者からの注目を避けるために、長時間を眠ることに費やしました。しかしながら、比較研究によると、捕食リスクと睡眠の間に存在する関係は非常に複雑で曖昧であることが示されています。ある研究は、高い捕食リスクに直面している種は、他の種に比べて睡眠時間が短いことを示唆しています(Capellini et al., 2008)。一方、他の研究者は、ある種が深い眠りにつく時間の量と捕食リスクとの間には関係がないことを示唆しています(Lesku, Roth, Amlaner, & Lima, 2006)。

睡眠には単一の普遍的な適応的機能はなく、異なる種が独自の進化の圧力に応じて異なる睡眠パターンを進化させてきた可能性は十分にあります。私たちはここまで、睡眠不足に伴う悪影響について議論してきましたが、十分な量の睡眠には多くの利点が伴うことも指摘されてしかるべきです。国立睡眠財団によって列挙されているそのような利点には、健康的な体重の維持、ストレスレベルの低下、気分の改善、運動の協調の向上などのほか、認知や記憶の形成に関連する多くの利点が含まれます。

睡眠の認知的機能

人が眠る理由に関するもう1つの理論は、睡眠が認知機能や記憶形成にとって重要であるというものです(Rattenborg, Lesku, Martinez-Gonzalez, & Lima, 2007)。確かに、私たちは、睡眠不足になると、認知の混乱や記憶の障害が生じ(Brown, 2012)、注意力の維持、意思決定、長期記憶の想起などの能力が低下するということを知っています。さらに、これらの障害は、睡眠不足の量が増えるほど深刻になります(Alhola & Polo-Kantola, 2007)。そして、新しい課題を学習した後の徐波睡眠は、その課題の結果としてのパフォーマンスを向上させることができ(Huber, Ghilardi, Massimini, & Tononi, 2004)、効果的な記憶形成には不可欠であると考えられます(Stickgold, 2005)。睡眠が認知機能に与える影響を理解することで、テストのために徹夜で詰め込むことが効率的ではなく、逆効果になる可能性すらあることをあなたは理解することができるでしょう。

学習へのリンク

大学生のための睡眠のヒントを伝えるこの短いビデオ(http://openstax.org/l/sleeptips)を見て、さらに学んでください。

最適な量の睡眠時間を確保することは、他の認知機能の向上にも関連します。研究では、創造的思考(Cai, Mednick, Harrison, Kanady, & Mednick, 2009; Wagner, Gais, Haider, Verleger, & Born, 2004)、言語学習(Fenn, Nusbaum, & Margoliash, 2003; Gómez, Bootzin, & Nadel, 2006)、推論判断(Ellenbogen, Hu, Payne, Titone, & Walker, 2007)の能力の向上が可能性のある利点として挙げられることが示されています。感情の情報の処理も、睡眠のある側面に影響されている可能性があります(Walker, 2009)。

学習へのリンク

睡眠と記憶の関係についてのこの短いビデオ(http://openstax.org/l/sleepmemory)を見て、さらに学んでください。

4.3 睡眠の段階

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • レム睡眠とノンレム睡眠を区別する
  • ノンレム睡眠の3つの段階の違いを記述する
  • レム睡眠とノンレム睡眠が学習と記憶に果たす役割を理解する
  • 私たちが夢を見る理由についての3つの理論を挙げて、記述する

睡眠は一様な状態ではありません。そうではなくて、睡眠はいくつかの異なる段階で構成されており、その段階はそれぞれで発生する脳波活動のパターンによって互いに区別されます。覚醒中、私たちの脳波活動はベータ波が支配的となっています。睡眠中の脳波パターンと比較すると、ベータ波は周波数が最も高く(13~30Hz)、振幅が最も小さく、変動が大きい傾向にあります。私たちが眠りに入り始めると、脳波の活動は変化していきます。これらの変化は、EEGを用いて可視化することができ、脳波の周波数と振幅の両方によってお互いに区別されます。脳波の周波数とは、1秒間にいくつの脳波が発生するかを示すもので、周波数はヘルツ(Hz)で表されます。振幅とは、脳波の高さのことです(図4.7)。睡眠は、一般的に2つの異なる段階に分けられます:それは、レム(REM)睡眠とノンレム(NREM)睡眠です。急速眼球運動(REM)睡眠は、まぶたを閉じた状態で眼球がよく動いていることが特徴です。レム睡眠中の脳波は、覚醒時の脳波と非常によく似ています。一方、ノンレム(NREM)睡眠は、脳波の特徴的なパターンによってお互いや覚醒時と区別されるような3つの段階に細分化されます。睡眠の最初の3段階がノンレム睡眠で、最後の第4段階がレム睡眠です。この節では、私たちはそれぞれの睡眠段階と、それに伴う脳波活動のパターンについて議論していきます。

図4.7 | 睡眠段階の違いにより、脳波活動は劇的に変化します。(credit “sleeping”: modification of work by Ryan Vaarsi)

ノンレム睡眠の段階

私たちが眠りにつき始めると、私たちはノンレム睡眠に入り、脳波のパターンは周波数が減少し、振幅が増加します。ノンレム睡眠の最初の段階は、ステージ1睡眠として知られています。ステージ1睡眠は、覚醒と睡眠の間に生じる移行期で、私たちが眠りにつくまでの期間を指します。この期間には、呼吸と心拍の両方の速度が低下しています。また、ステージ1睡眠では、全身の筋肉の緊張と中核体温の両方で顕著な低下が見られます。

脳波の活動に関しては、ステージ1睡眠はアルファ波とシータ波の両方に関連しています。ステージ1睡眠の初期には、アルファ波が発生します。このような電気的活動(波)のパターンは、非常にリラックスしていながらも目が覚めている人のものに似ていますが、それらはベータ波に比べて変動が少なく(より同期していて)、周波数が比較的低く(8~12Hz)、振幅が大きいです(図4.8)。個人がステージ1睡眠を続けていると、シータ波の活動が増加します。シータ波は、アルファ波のパターンよりもさらに周波数が低く(4~7Hz)、振幅が大きいです。人をステージ1睡眠から起こすのは比較的簡単です。実際、人々がステージ1睡眠中に起こされた場合、彼らはしばしば眠っていなかったと報告します。

図4.8 | 脳波の活動は、睡眠のさまざまな段階で劇的に変化します。

私たちがステージ2睡眠に入ると、体は深いリラックス状態になります。脳の活動は相変わらずシータ波が中心ですが、睡眠紡錘波として知られる短時間の活動のバーストが間に挟まれています(図4.9)。睡眠紡錘波とは、より高い周波数の脳波の急速なバーストであり、学習や記憶にとって重要であると考えられています(Fogel & Smith, 2011; Poe, Walsh, & Bjorness, 2010)。さらに、K複合波の出現が、しばしばステージ2睡眠と関連しています。K複合波は、非常に高い振幅の脳活動パターンであり、場合によっては環境刺激に反応して生じている可能性があります。したがって、K複合波は、環境で起こっていることに反応して、より高いレベルの覚醒への橋渡しとしての務めを果たしているのかもしれません(Halász, 1993; Steriade & Amzica, 1998)。

図4.9 | ステージ2睡眠は、睡眠紡錘波とK複合波の両方が現れることが特徴です。

ノンレムのステージ3睡眠は、しばしば深い眠りや徐波睡眠と呼ばれます(図4.10)。なぜなら、この段階は、低い周波数(3Hz未満)で高振幅のデルタ波によって特徴付けられるからです。このデルタ波は、睡眠中の脳波パターンの中で最も周波数が低く、振幅が大きいです。この間には、個人の心拍数と呼吸数は劇的に減少し、ステージ3の間に人を眠りから目覚めさせることは、それ以前のステージに比べてはるかに困難です。興味深いことに、ステージ3の間にアルファ波(しばしば覚醒とステージ1睡眠への移行に関連付けられます)の脳波活動のレベルが上昇した人は、どれだけ長い時間眠っていたかにかかわらず、起床時にリフレッシュした感じがしないと報告することがしばしばあります(Stone, Taylor, McCrae, Kalsekar, & Lichstein, 2008)。

図4.10 | (a)低周波数で高振幅のデルタ波が、(b)徐波性のステージ3睡眠とステージ4睡眠の特徴です。

レム睡眠

先に述べたように、レム睡眠は眼球の急速な動きが特徴です。睡眠のこの段階に関連する脳波は、図4.11に示されるように、人が起きているときに観察される脳波と非常によく似ており、この時が夢を見ることができる睡眠時間帯です。それはまた、循環と呼吸を可能にする筋肉を除き、身体の筋肉系の麻痺にも関連しています。そのため、正常な人のレム睡眠の間には、随意筋の動きは起こりません。レム睡眠は、脳の活動が活発で筋肉の緊張がないことから、しばしば逆説睡眠と呼ばれています。レム睡眠は、ノンレム睡眠と同様に、学習と記憶のさまざまな側面に関与しています(Wagner, Gais, & Born, 2001; Siegel, 2001)。

図4.11 | (a)急速な眼球運動の期間は、短い赤色の線の部分で示されています。レム睡眠に伴う脳波は、(a)の赤枠で囲った部分であり、(b)の覚醒時に見られる脳波と非常によく似ています。

もし人々がレム睡眠を奪われて、その後で何の撹乱もない状態で眠りにつくと、彼らはレム睡眠により長い時間を費やします。それはあたかも、失われたレム睡眠の時間を取り戻そうとするかのように見えます。これはレム睡眠の反跳として知られており、レム睡眠も恒常性のために調節されていることを示唆しています。レム睡眠は、学習や記憶に関連するプロセスで果たす役割のほかに、感情の処理や調節にも関与している可能性があります。そのような場合、レム睡眠の反跳は、非うつ病の個人におけるストレスに対する適応的な反応を実際には表しているのかもしれません(覚醒時に起こった嫌な出来事の情動的重要性を抑制することによって)(Suchecki, Tiba, & Machado, 2012)。一般に、睡眠不足は多くの悪影響と関連しています(Brown, 2012)。

以下のヒプノグラム(図4.12)は、人がいくつかの睡眠段階を経過する様子を示しています。

図4.12 | ヒプノグラムとは、睡眠中に発生する睡眠段階の図です。このヒプノグラムは、個人がさまざまな睡眠段階を経過する様子を示しています。

学習へのリンク

睡眠のさまざまな段階についてのビデオ(http://openstax.org/l/sleepstages)を見て、さらに学んでください。

夢とそれに伴う意味は、文化や時代によって異なります。19世紀後半、オーストリアの精神科医ジークムント・フロイトは、夢が無意識にアクセスするための機会を与えてくれると確信するようになりました。フロイトは、夢を分析することによって、人は自己認識を深め、彼らが人生で直面する問題に対処するための貴重な洞察を得ることができると考えました。フロイトは、夢の内容を顕在内容と潜在内容に区別しました。顕在内容とは、夢の実際の内容、つまり筋書のことです。一方、潜在内容とは、夢の隠された意味のことを指します。たとえば、ある女性が蛇に追われる夢を見た場合、フロイトはそれがその女性の性的な親密さに対する恐怖を表しており、蛇は男性のペニスの象徴としての役割を持っていると主張したかもしれません。

夢の内容に注目した理論家はフロイトだけではありません。20世紀のスイスの精神科医カール・ユングは、夢を見ることで人間は集合的無意識に触れることができると考えていました。ユングの言う集合的無意識とは、あらゆる人によって共有されていると彼が考えていた、情報の理論的な収納場所のことです。ユングによれば、夢の中の特定のシンボルは、文化や地域に関係なく、すべての人にとって似たような意味を持つ普遍的な元型を反映していました。

しかしながら、睡眠と夢の研究者であるロザリンド・カートライトは、夢はその夢を見ている人にとって重要な人生の出来事を単純に反映していると考えています。フロイトやユングとは異なり、カートライトの夢についての考え方は実証的に裏付けられています。たとえば、彼女と彼女の同僚らは、離婚を経験した女性たちを対象に、元配偶者のことがどの程度気になっているかを5か月間にわたって数回報告するように求めた研究を発表しました。また、その同じ女性たちをレム睡眠中に起こして、彼女たちの夢の内容を詳しく説明してもらいました。その結果、女性たちが起きている間に元配偶者のことを考えている度合いと、元配偶者が彼女たちの夢にキャラクターとして登場する回数との間には、有意な正の相関が認められました(Cartwright, Agargun, Kirkby, & Friedman, 2006)。最近の研究(Horikawa, Tamaki, Miyawaki, & Kamitani, 2013)では、fMRIを用いた脳活動パターンの神経的な計測により、夢を見ている間に生じる視覚イメージを研究者が効果的に検出・分類する新たな手法が発見され、この分野の研究にさらなる道が開かれています。

神経科学者のアラン・ホブソンは、夢を見る際の活性化-合成理論を発展させた功績が認められています。この理論の初期のバージョンでは、夢のことを、フロイトや他の人たちが提唱した不安についての意味で満たされた表現ではなく、レム睡眠中に起こっている神経活動(「活性化」)を脳が意味づけ(「合成」)しようとした結果であるとしていました。最近の改変では、蓄積された証拠に基づいて、この理論が更新され続けています(たとえば、Hobson, 2002)。たとえば、ホブソンは、夢を見ることは原意識の状態を表しているのではないかと示唆しています(Hobson, 2009)。言い換えれば、夢を見るということは、私たちの頭の中に仮想現実を構築することであり、私たちはそれを覚醒時に役立てることができます。ジョン・ホブソンは、さまざまな神経生物学的証拠の中で、夢を一般的により良く理解する機会として明晰夢に関する研究を挙げています。明晰夢とは、夢の状態の間に覚醒の特定の側面が維持されるような夢のことです。明晰夢では、人は自分が夢を見ているという事実を認識し、その結果、夢の内容をコントロールすることができます(LaBerge, 1990)。

4.4 睡眠の問題と障害

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 不眠症の症状と治療法を記述する
  • いくつかの睡眠時随伴症の症状を認識する
  • 睡眠時無呼吸の症状と治療法を記述する
  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)に関連する危険因子とその予防の手段を認識する
  • ナルコレプシーの症状と治療法を記述する

多くの人が人生のどこかの時点で睡眠における混乱を経験します。研究対象となる集団や睡眠障害にもよりますが、人口の30~50%が人生のどこかの時点で睡眠障害に悩まされています(Bixler, Kales, Soldatos, Kaels, & Healey, 1979; Hossain & Shapiro, 2002; Ohayon, 1997, 2002; Ohayon & Roth, 2002)。この節では、いくつかの睡眠障害と、その治療法の選択肢の一部について説明します。

不眠症

睡眠障害の中でも最も一般的なものが、入眠や睡眠維持が困難な状態が続く不眠症です。不眠症の人は、しばしばベッドに入ってから実際に眠りにつくまでの時間が長くなります。さらに、そのような人は夜中に何度も目が覚めてしまい、再び眠りにつくのが困難であることもあります。先に述べたように、不眠症の基準の1つは、これらの症状が週に3日以上あり、それが少なくとも1か月続くことです(Roth, 2007)。

不眠症に苦しんでいる人は、眠りにつけないことへの大きな不安を経験することが少なくありません。不安が高まると覚醒度が高まり、覚醒度が高まると眠りにつく見込みがさらに低くなるため、これは自己永続的なサイクルとなります。慢性的な不眠症は、ほとんどの場合、過労感と関連しており、うつ病の症状を伴うこともあります。

不眠症に寄与する要因としては、年齢、薬物使用、運動、精神状態、就寝時の習慣など、さまざまなものがあるでしょう。驚くことではないですが、不眠症の治療にはいくつかの異なるアプローチがとられます。不眠症に苦しむ人は、カフェインなどの刺激薬物の使用を控えたり、日中の肉体的な運動量を増やしたりします。眠りにつく手助けとして市販の睡眠薬や処方された睡眠薬に頼る人もいるかもしれませんが、多くの睡眠薬は依存状態へとつながり、睡眠サイクルの性質を変えてしまい、時間の経過とともに不眠症が悪化する可能性があるので、慎重に行うべきです。不眠症が続く人は、特に不眠症が生活の質に影響を及ぼしている場合には、専門家の治療を受けるべきです。

心理療法のいくつかの形態、たとえば認知行動療法などは、不眠症の患者を助けることができます。認知行動療法は、認知プロセスと問題行動に焦点を当てた心理療法の一種です。不眠症の治療には、ストレス管理技術や、不眠症の原因となる問題行動(たとえば、ベッドにいながら長い時間起きたままで過ごす)の変更が含まれることが多いです。認知行動療法は、不眠症の治療に非常に有効であることが実証されています(Savard, Simard, Ivers, & Morin, 2005; Williams, Roth, Vatthauer, & McCrae, 2013)。

日常へのつながり

健康的な睡眠を支える解決策

あなたにこのようなことが起きたことはありますか?私が大学2年生の時の同居人は、2年生の学年末テストの時にあまりにもストレスが溜まっていたので、眠りにつこうとするためにナイキル[眠気を伴う風邪薬]をほとんど1本まるまる飲んでしまいました。彼がそのことを私に話したとき、私は彼を大学のセラピストに診せることにしました。

大学生の多くは、推奨される毎晩7~9時間の睡眠をとることに苦労しています。しかしながら、中には徹夜のパーティーや深夜の勉強会が原因ではない人もいます。彼らは単に、あまりに圧倒されていたり、ストレスを感じたりしているために、眠りにつくことや眠り続けることができなくなっているのです。一晩や二晩程度の睡眠の困難は珍しいことではありませんが、もしあなたがそれ以上のことを経験している場合は、医師のアドバイスを受けるべきでしょう。

ここでは、健康的な睡眠を維持するためのヒントを紹介します:

  • 週末も含めて、睡眠スケジュールを守ってください。毎日、同じ時間にベッドに向かい、同じ時間に起きるようにして、あなたの体内時計を同期させ、あなたの体が毎晩眠る習慣をつけるようにしてください。
  • 寝る前の1時間は、刺激的なものを避けましょう。これには、運動や機器の明るい光が含まれます。
  • 毎日運動してください。
  • 昼寝は避けましょう。
  • 寝室の温度は[華氏]60~67度[摂氏15.5度~19.5度]に保ちましょう。人は温度が低い方がよく眠れます。
  • 寝る前のアルコール、タバコ、カフェイン、胃にもたれる食事は避けましょう。アルコールは眠気を誘うように感じるかもしれませんが、実際にはレム睡眠を妨げ、頻繁に目が覚める原因となります。また、胃にもたれる食事は眠気を誘いますが、胃腸の調子が悪くなり、頻繁に目が覚めてしまうことがあります。
  • もしあなたがどうしても眠れないときは、ベッドから離れて、再び疲れを感じるまで何か別のことをしてください。勉強や食事、テレビ番組の視聴などといった他の活動にベッドを関連付けるのではなく、寝ることとベッドを関連付けるようにあなたの体を訓練しましょう。

睡眠時随伴症

睡眠時随伴症とは、望んでおらず問題のあるような睡眠中の運動および/または経験が関与する睡眠障害の一群のうちの1つです。睡眠時随伴症は、レム睡眠相またはノンレム睡眠相のいずれかで発生します。夢遊病、レストレスレッグス症候群、夜驚症は、すべて睡眠時随伴症の一例です(Mahowald & Schenck, 2000)。

夢遊病

夢遊病、あるいは睡眠時遊行症は、寝ている人が辺りを徘徊することから自動車を運転することまで、比較的複雑な行動をとるものです。夢遊病の期間中、睡眠者はしばしば目を開けていますが、彼らはコミュニケーションを取ろうとしても反応しません。夢遊病は徐波睡眠中に発生することが最も多いですが、一部の患者では睡眠中のいつでも発生することがあります(Mahowald & Schenck, 2000)。

歴史的には、睡眠時遊行症はベンゾジアゼピン系薬剤から抗うつ剤まで、さまざまな薬物療法で治療されてきました。しかしながら、そのような治療法の成功率は疑問視されています。ギルミノーらは、ベンゾジアゼピン系薬剤を使用しても夢遊病は緩和されないことを明らかにしました(Guilleminault et al., 2005)。しかしながら、彼らの研究対象となった睡眠時遊行症の患者のうち、睡眠時の呼吸問題も抱えていた患者のすべては、呼吸問題を効果的に治療すると、夢遊病が顕著に減少しました。

深く掘り下げてみよう

夢遊病の弁護?

1997年1月16日、スコット・ファレイターは妻と子供たちと一緒に夕食をとり、仕事のプロジェクトにおいて彼が経験している困難な状況について皆に話しました。夕食後、彼は翌朝教会の青年部を指導するために使う資料を用意し、そのあとで家のスイミングプールのポンプを修理してから寝ようとしました。翌朝、彼は犬の鳴き声と階下からの聞き慣れない声で目が覚めました。彼が様子を見に行くと、そこには警察官の一団がいて、彼は妻の殺人の容疑で逮捕されました(Cartwright, 2004; CNN, 1999)。

ヤルミラ・ファレイターの遺体は家のプールで44か所の刺し傷がついた状態で発見されました。ある隣人が、ファレイターが妻の遺体の上に立ち、彼女をプールへと引きずり込むのを目撃して警察に通報しました。敷地内を捜索した警察は、ファレイターの車のトランクから血のしみがある服と血のついたナイフを発見し、彼の首には血痕がついていました。

驚くべきことに、ファレイターはどのような形であっても自分の妻を傷つけた記憶は一切ないと主張しました。彼の子供たちや妻の両親も皆が、ファレイターは妻と素晴らしい関係を築いており、妻を殺害する動機となるような理由は1つも思いつかないという点で一致していました(Cartwright, 2004)。

スコット・ファレイターは子供の頃、定期的に夢遊病を起こしていたという前歴があり、ある時彼が夢遊病の間にパジャマ姿で家を出るのを阻止しようとした姉に対して暴力的に振舞ったこともありました。また、彼には解剖学的な脳の異常や心理学的障害は見られませんでした。スコット・ファレイターは寝ている間に妻を殺したように見えました。少なくとも、それが妻の殺害の裁判で彼が使った弁明でした(Cartwright, 2004; CNN, 1999)。ファレイターの事件では、1999年6月に陪審員が彼を第一級殺人で有罪としました(CNN, 1999)。しかしながら、他の殺人事件では夢遊病の弁護が成功裏に使われたものもあります。恐ろしく聞こえるかもしれませんが、多くの睡眠研究者は、以下で記述されるような種類の睡眠障害を患っている人には殺人的な夢遊病の可能性があると考えています(Broughton et al., 1994; Cartwright, 2004; Mahowald, Schenck, & Cramer Bornemann, 2005; Pressman, 2007)。

レム睡眠行動障害(RBD)

レム睡眠行動障害(RBD)は、レム睡眠の段階に伴う筋肉の麻痺が起こらない場合に発生します。RBDに罹患している人は、レム睡眠中、特に不穏な夢を見ているときに、高いレベルの身体活動を行います。その行動はさまざまですが、蹴ったり、殴ったり、引っかいたり、叫んだり、そして、怯えて攻撃されているときの動物のように振る舞ったりといったことが含まれます。この障害に苦しむ人は、そのような行動を起こしたときに自分自身や寝ているパートナーを傷つけることがあります。さらに、これらの種類の行動は最終的に睡眠を妨げることになりますが、患者はこれらの行動が起こったことを覚えていません(Arnulf, 2012)。

この障害は、パーキンソン病などの多くの神経変性疾患と関連しています。実際、この関係性は非常に強固であるため、一部の人はRBDの存在が多くの神経変性疾患の診断および治療に役立つ可能性があると考えています(Ferini-Strambi, 2011)。RBDの治療には、鎮静作用のある抗不安薬であるクロナゼパムが最もよく使われます。クロナゼパムは、単独またはメラトニン(松果腺から分泌されるホルモン)の服用と併用して投与されます。治療の一環として、RBD患者にとってより安全な場所となるように睡眠環境を改善することもしばしばあります(Zangini, Calandra-Buonaura, Grimaldi, & Cortelli, 2011)。

その他の睡眠時随伴症

レストレスレッグス症候群の患者は、体を動かしていない時や寝ようとしている時に、脚に不快な感覚を覚えます。この不快感は、脚を意図的に動かすことによって緩和されますが、当然のことながら、これは入眠や睡眠維持を困難にします。レストレスレッグス症候群は非常に一般的であり、慢性腎臓病や糖尿病など、他の多くの医療診断と関連しています(Mahowald & Schenck, 2000)。レストレスレッグス症候群を治療する薬剤には、ベンゾジアゼピン系薬剤、アヘン系薬剤、抗けいれん薬剤などさまざまなものがあります(Restless Legs Syndrome Foundation, n.d.)。

夜驚症では、患者はパニック状態に陥り、しばしば悲鳴を上げたり、周囲の環境から逃げ出そうとしたりします(Mahowald & Schenck, 2000)。夜驚症に苦しむ人は、起きているように見えますが、彼らは一般的には起こった出来事の記憶がなく、慰めようとしても効果がありません。典型的には、夜驚症の患者は短時間のうちに再び眠りにつきます。夜驚症は、明らかに睡眠のノンレム相で発生します(Provini, Tinuper, Bisulli, & Lagaresi, 2011)。一般的に、夜驚症の原因となっている何らかの医学的または心理的な状況がない限り、夜驚症の治療は不要です(Mayo Clinic, n.d.)。

睡眠時無呼吸

睡眠時無呼吸は、寝ている人の呼吸が止まるという症状の出現によって定義されます。この症状は、10~20秒またはそれ以上続くことがあり、しばしば短時間の覚醒を伴います。睡眠時無呼吸に罹患している人は、このような睡眠の中断が繰り返されていることを意識していないかもしれませんが、彼らは疲労度の増加を経験しています。睡眠時無呼吸と診断された人の多くは、睡眠中に大きないびきをかいたり、長時間呼吸が止まったりしていることを一緒に寝ている人に指摘されてから、初めて治療を求めています(Henry & Rosenthal, 2013)。睡眠時無呼吸は、太った人により多く見られ、しばしば大きないびきを伴います。意外なことに、睡眠時無呼吸は、心血管疾患を悪化させる可能性があります(Sánchez-de-la-Torre, Campos-Rodriguez, & Barbé, 2012)。睡眠時無呼吸は、痩せている人にはあまり見られませんが、体重に関係なく、睡眠中に大きないびきをかいたり、息を切らしたりする人は、睡眠時無呼吸の検査を受けるべきです。

人々は、自身の睡眠時無呼吸に気づいていないことが多いですが、彼らは不十分な睡眠がもたらす弊害のいくつかについては敏感に気づいています。ある患者のことを考えてみましょう。彼は、睡眠時無呼吸の結果として「6週間で3回も交通事故を起こしました。すべて私の責任です。そのうちの2つは、後になるまで巻き込まれたことに気づいてもいませんでした」(Henry & Rosenthal, 2013, p. 52)。睡眠時無呼吸と診断されていない、あるいは治療を受けていない人が、睡眠不足によって自分のキャリアに影響が出るのではないかと心配することは珍しくありません。それは、もう1人の患者によるこの発言に表されています。「私は、精神的な注意力が重要視される仕事をしています。私は本当に眠くて…集中することができませんでした…。それはある種の恐怖を感じるところまで達していました」(Henry & Rosenthal, 2013, p. 52)。

睡眠時無呼吸には、閉塞性睡眠時無呼吸と中枢性睡眠時無呼吸の2種類があります。閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠中に個人の気道が塞がれ、肺への空気の流入が妨げられることで発生します。中枢性睡眠時無呼吸では、呼吸を調節する脳からの信号が乱れることで、呼吸が中断される期間が生じます(White, 2005)。

睡眠時無呼吸の最も一般的な治療法の1つは、睡眠中に特別な装置を使用することです。持続的気道陽圧(CPAP)装置には、図4.13に示されるように、寝ている人の鼻と口を覆うように装着するマスクがあり、これがポンプに接続されていて、空気をその人の気道に送り込み、気道を強制的に開いた状態にします。より新しいCPAPマスクには、鼻だけを覆う小型のものもあります。この治療の選択肢は、軽度から重度までの睡眠時無呼吸に悩む人にとって有効であることが証明されています(McDaid et al., 2009)。しかしながら、CPAP装置の使用者が一貫して定められた手順に従うことが問題となっているため、別の治療法が検討されています。最近では、新しい呼気気道陽圧(EPAP)装置が、そのような代替手段の1つとして有望であることが二重盲検試験で示されています(Berry, Kryger, & Massie, 2011)。

図4.13 | (a)睡眠時無呼吸の治療に用いられる典型的なCPAP装置は、(b)ストラップで頭部に固定され、鼻と口を覆うマスクが付いています。

SIDS

乳幼児突然死症候群(SIDS)では、乳幼児が睡眠中に呼吸を停止して死亡します。12か月未満の乳児はSIDSのリスクが最も高いようであり、男児は女児よりもリスクが高いです。SIDSには、早産、家庭内での喫煙、高体温症など、多くの危険因子が関連しています。また、SIDSで死亡した乳児では、脳の構造と機能の両方に違いがあるのかもしれません(Berkowitz, 2012; Mage & Donner, 2006; Thach, 2005)。

SIDSに関する膨大な研究の結果、子供を守るために親に対して多くの勧告がなされています(図4.14)。たとえば、研究では、乳児を寝かせるときは仰向けにし、ベビーベッドには、毛布や枕、パッド付きのベビーベッドバンパー(ベビーベッドの棒を覆うクッション)など、窒息の危険性があるものを置かないようにすべきだということが示唆されています。また、熱がこもらないように、乳幼児が寝るときに頭に帽子をかぶせないようにするべきですし、家庭内に子供がいる人は家の中で喫煙を控えるべきです。これらの推奨事項は、近年のSIDSによる乳幼児の死亡数の減少に役立っています(Mitchell, 2009; Task Force on Sudden Infant Death Syndrome, 2011)。

図4.14 | 「セーフ・トゥ・スリープ」キャンペーンは、SIDSに関連する危険因子を最小限に抑える方法を一般市民に伝えるものです。このキャンペーンは国立小児保健・人間発達研究所から部分的に後援を受けています。

ナルコレプシー

この節で記述された他の睡眠障害とは異なり、ナルコレプシーのある人は、都合の悪い時に眠りに落ちるのを我慢することができません。このような睡眠の症状は、しばしば脱力発作と関連しています。脱力発作とは、筋緊張の欠如や筋力低下のことで、場合によっては随意筋の完全な麻痺を伴うこともあります。これは、健康な人がレム睡眠中に経験する麻痺の種類に似ています(Burgess & Scammell, 2012; Hishikawa & Shimizu, 1995; Luppi et al., 2011)。ナルコレプシーの症状は、レム睡眠の他の特徴を持っています。たとえば、ナルコレプシーと診断された人の約3分の1は、ナルコレプシー発作時に夢のような鮮明な幻覚を経験します(Chokroverty, 2010)。

驚くべきことに、ナルコレプシーの症状は、しばしば高められた興奮やストレスといった状態によって引き起こされることがあります。典型的な症状は、1~2分から30分程度続くことがあります。ナルコレプシー発作から目を覚ますと、人々は爽快な気分になると報告しています(Chokroverty, 2010)。明らかなことですが、ナルコレプシーの症状が定期的に起こると、仕事の遂行や学業の達成に支障をきたす可能性があります。また、状況によっては、ナルコレプシーによって重大な被害や傷害を負うこともあります(たとえば、自動車の運転、機械やその他の潜在的に危険な機器の操作など)。

一般的にナルコレプシーの治療には、アンフェタミンなどの精神運動刺激薬が用いられます(Mignot, 2012)。これらの薬物は、神経活動の度合いの増加を促します。ナルコレプシーは、脳の一部の領域でシグナリング分子であるヒポクレチンのレベルが低下していることと関連しており(De la Herrán-Arita & Drucker-Colín, 2012; Han, 2012)、従来の刺激薬はこの系に直接影響を与えません。したがって、ナルコレプシーの治療のために開発される新しい薬は、ヒポクレチン系を標的にして設計される可能性がかなり高いです。

ナルコレプシーの症状の現れ方や、現在利用可能な治療の選択肢の効果については、患者の間で非常に大きな差があります。これは、通常ならば起きている時間に過剰な眠気に襲われることを数年の間経験していた50歳の女性が治療を求めてきた、というマカーティーの事例研究に例示されています(McCarty, 2010)。彼女は、食事をしているとき、友人と交流しているとき、車を運転しているときなど、不適切で危険な時に眠りに落ちたと述べました。この女性は、感情的に興奮している時には、右半身に力が入らないと訴えていました。彼女は夢のような幻覚を経験することはありませんでしたが、睡眠検査の結果、ナルコレプシーと診断されました。彼女の場合、脱力発作が右半身に限定されていたという事実は、非常に珍しいことでした。彼女の症状を刺激薬のみによって治療するという初期の試みは、成功しませんでした。しかしながら、刺激薬と一般的な抗うつ剤を併用したところ、彼女の症状は劇的に改善しました。

4.5 物質の使用と乱用

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 物質使用障害の診断基準を記述する
  • さまざまな種類の薬物によって影響を受ける神経伝達物質系を特定する
  • さまざまな種類の薬物が行動や経験にどのような影響を与えるかを記述する

私たちは皆、日常的に睡眠という形で意識の状態の変容を経験していますが、中には意識の状態の変容をもたらす薬物やその他の物質を使用する人もいます。この節では、さまざまな向精神薬の使用とそれに伴う問題に関する情報を紹介します。続いて、現在よく使われている有名な薬物のうちのいくつかの効果について簡単に説明します。

物質使用障害

精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)は、臨床医がさまざまな心理学的障害を患っている人を診断するために使用されています。薬物使用障害は嗜癖障害であり、DSM-5には特定の物質(薬物)使用障害についての基準が記載されています。物質使用障害のある人は、しばしば本来意図していた量よりも多くの物質を使用し、重大な悪影響を経験したにもかかわらず、その物質を使い続けます。物質使用障害と診断された人には、強迫的な薬物使用のパターンがあり、しばしば身体的依存と心理的依存の両方を伴います。

身体的依存は、正常な身体機能の変化を伴います。使用者は、使用を中止すると薬物からの離脱を経験するでしょう。対照的に、心理的依存の人は、薬物を身体的にではなく感情的に必要としており、心理的な苦痛を和らげるために薬物を使用することがあります。耐性は、生理学的依存と関連しており、ある人が以前は低用量で得られた効果を得るために、より多くの薬物を必要とする場合に発生します。耐性があると、使用者は使用する薬物の量を危険なレベルまで増やすことになり、その量は過量摂取で死に至るところまでいくこともあります。

薬物の離脱には、薬物の使用を中止した際に経験されるさまざまな陰性症状が含まれます。これらの症状は通常、薬物の効果とは反対のものです。たとえば、鎮静剤の離脱症状では、しばしば不快な覚醒感や焦燥感が生じます。物質使用障害と診断された人の多くは、離脱症状に加えて、これらの物質に対する耐性も発達させます。心理的依存、つまり薬物に対する渇望は、DSM-5における物質使用障害のための診断基準に最近追加されたものです。これは重要な要素です。なぜなら、私たちは、乱用していない薬物であっても耐性を獲得し、離脱症状を経験することがあるからです。言い換えると、ある人の物質使用障害の有無を判断する上で、身体的依存それ自体の有用性は限定されているということです。

薬物の分類

すべての向精神薬の作用は、内因性の神経伝達物質系との相互作用を通じて生じます。これらの薬物の多くとその関係は、表4.2に示されています。あなたがすでに学習したように、薬物は、所与の神経伝達物質系の作用薬または拮抗薬として作用します。作用薬は、神経伝達物質系の活動を促進し、拮抗薬は、神経伝達物質系の活動を阻害します。

表4.2

アルコールとその他の抑制剤

私たちが一般的にアルコールと呼んでいるエタノールは、抑制剤として知られる向精神薬の一群に含まれています(図4.15)。抑制剤とは、中枢神経系の活動を抑制する傾向のある薬物のことです。その他の抑制剤には、バルビツール酸系やベンゾジアゼピン系などがあります。これらの薬物に共通しているのは、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)神経伝達物質系の作用薬として機能する能力です。GABAには脳を鎮める作用があるため、GABA作用薬にも鎮静作用があります。この種の薬剤はしばしば不安や不眠の治療のために処方されます。

図4.15 | GABAゲート塩化物(Cl-)チャネルは、特定のニューロンの細胞膜に埋め込まれています。このチャネルには、アルコール、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系などが結合して作用を及ぼすための複数の受容体部位があります。これらの分子が結合すると、塩化物チャネルが開き、負の電荷を帯びた塩化物イオン(Cl-)がニューロンの細胞体に入り込むことが可能になります。ニューロンの電荷を負の方向に変化させることで、ニューロンは発火から遠ざかります。したがって、GABAニューロンを活性化させることは、脳を鎮める効果があります。

急激なアルコール投与は、意識にさまざまな変化をもたらします。とても低い用量であれば、アルコールの使用は、多幸感と関連付けられます。用量が増えるにつれて、人々は鎮静感を報告するようになります。一般的に、アルコールは反応速度や視力の低下、注意力の低下、行動制御の減少などと関連しています。アルコールを過剰に使用すると、人は意識を完全に失ったり、酔っていた時に起きた出来事を思い出せなくなったりすることがあります(McKim & Hancock, 2013)。さらに、もし妊娠中の女性がアルコールを摂取すると、その胎児に、胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)や胎児性アルコール症候群(FAS)と総称される一群の先天性の障害や症状が現れることがあります。

アルコールのような多くの中枢神経系抑制剤を繰り返し使用すると、人はその物質に身体的に依存するようになり、耐性と離脱症状の両方の兆候が現れるでしょう。また、それらの薬物に対する心理的依存もあり得ます。そのため、中枢神経系抑制剤の乱用の可能性は比較的高いです。

薬物の離脱は通常、嫌悪を伴う経験であり、アルコールおよび/またはバルビツール酸系薬物を長期間にわたって大量に服用してきた人にとっては、生命を脅かすプロセスとなることがあります。そのような懸念があるため、これらの物質への嗜癖を克服しようと試みる人は、医学的な監督下でのみ行うべきです。

刺激薬

刺激薬は、神経の活動の全体的なレベルを増進させる傾向のある薬物です。これらの薬物の多くは、ドーパミン神経伝達物質系の作用薬として働きます。ドーパミンの活動は、しばしば報酬や渇望と関連しています。そのため、ドーパミンの神経伝達に影響を与える薬物は、しばしば乱用に陥りやすい性質を有しています。この分類の薬物には、コカイン、アンフェタミン(メタンフェタミンを含む)、カチノン(すなわちバスソルト)、MDMA(エクスタシー)、ニコチン、およびカフェインが含まれます。

コカインは複数の方法で摂取することができます。多くの使用者はコカインを鼻から吸引しますが、静脈内注射や吸入(喫煙)もよく行われます。クラックとして知られるコカインを純化したものは、この薬物の強力で喫煙可能な形態です。他の多くの刺激薬と同様に、コカインはニューロンのシナプスにおけるドーパミンの再取り込みを阻害することにより、ドーパミン神経伝達物質系に作用します。

深く掘り下げてみよう

メタンフェタミン

喫煙可能な形態のメタンフェタミンは、岩石の結晶の形に似ていることからしばしば「クリスタル・メス」と呼ばれ、非常に嗜癖性が高いです。この喫煙可能な形態は非常に素早く脳に到達し、強烈な多幸感をもたらしますが、それは訪れた途端にすぐに消えてしまうため、使用者はこの薬物の摂取を続けることになります。使用者はしばしば、数日にわたって、数時間おきにこの薬物を摂取する「ラン」と呼ばれる大量摂取をすることがあります。その間、使用者は食事をすることも睡眠をとることもありません。強力で安価な形態のメタンフェタミンが入手できることと、アヘン系薬剤に比べて過剰摂取のリスクが低いことから、今日の薬物使用者の間では、クリスタル・メスが人気の選択肢となっています(NIDA, 2019)。クリスタル・メスを使用すると、歯の問題(しばしば「メス・マウス」と呼ばれます)、過剰な掻きむしりによって引き起こされる皮膚の擦り傷、記憶喪失、睡眠の問題、暴力的な行動、偏執症、幻覚など、多くの深刻かつ長期的な健康問題が発生します。メタンフェタミンの嗜癖は、治療が困難なほどの強い渇望をもたらします。

アンフェタミンは、ドーパミンの放出を促進することに加えて、再取り込みを阻害するという点において、コカインとよく似た作用機序を持っています(図4.16)。アンフェタミンはしばしば乱用されますが、注意欠如/多動性障害(ADHD)と診断された子供たちにもよく処方されています。多動性が関与する障害を治療するために刺激薬が処方されるのは直感に反するかもしれませんが、その治療効果は、衝動制御に関連する脳の特定の領域における神経伝達物質の活動を増加させることに由来します。これらの脳領域には、前頭前皮質と基底核が含まれます。

図4.16 | コカインとアンフェタミンは、その作用機序の1つとして、シナプスからシナプス前細胞へのドーパミンの再取り込みを阻害します。

近年、メタンフェタミン(メス)の使用がますます広まっています。メタンフェタミンはアンフェタミンの一種であり、入手しやすい材料(たとえば、多くの市販の風邪薬やインフルエンザ薬に含まれる化合物であるプソイドエフェドリンを含む薬)から作ることができます。最近、プソイドエフェドリンの入手を困難にするために法律が改正されたにもかかわらず、メタンフェタミンは、簡単に入手でき、比較的安価な薬物の選択肢であり続けています(Shukla, Crump, & Chrisco, 2012)。

刺激薬の使用者は、多幸感、すなわち、特に静脈注射や喫煙によって薬物を摂取する使用者における強烈な高揚感と快感を求めます。MDMA(3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン、一般的には「エクスタシー」または「モリー」として知られています)は、知覚を変化させる作用を持つ穏やかな刺激薬です。それは典型的には錠剤の形で摂取されます。使用者は、活力の増加、喜びの感情、感情的な暖かさを経験します。これらの刺激薬を繰り返し使用すると、重大な悪影響を及ぼす可能性があります。使用者は、吐き気、血圧の上昇、および心拍数の増加を含む身体的症状を経験します。さらに、これらの薬物は、不安感、幻覚、および偏執症を引き起こすこともあります(Fiorentini et al., 2011)。これらの薬物を繰り返し使用すると、正常な脳機能が変化します。たとえば、繰り返し使用すると、モノアミン神経伝達物質(ドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン)の全体的な枯渇が起こります。特定の神経伝達物質が枯渇すると、気分の落ち込みや認知の問題、その他の要因につながります。これにより、人々は、部分的には使用以前の身体的・心理的な元の状態を取り戻そうとすることもあって、コカインやアンフェタミンなどの刺激薬を強迫的に使用するようになります(Jayanthi & Ramamoorthy, 2005; Rothman, Blough, & Baumann, 2007)。

カフェインはもう1つの刺激薬です。カフェインは、おそらく世界で最もよく使われている薬物ですが、この特定の薬物の効力は、この節で説明される他の刺激薬と比べるとかすんでしまいます。一般的に、人々は高い注意力と覚醒のレベルを維持するためにカフェインを使用します。カフェインは、多くの一般的な医薬品(体重減少薬など)、飲料、食品、さらには化粧品にも含まれています(Herman & Herman, 2013)。カフェインはドーパミン神経伝達にいくらかの間接的な影響を与えることがありますが、その主な作用機序は、アデノシン活性に拮抗することです(Porkka-Heiskanen, 2011)。アデノシンは、睡眠を促進する神経伝達物質です。カフェインはアデノシン拮抗薬であるため、カフェインはアデノシン受容体を阻害し、眠気を減少させ、覚醒を促進します。

カフェインは一般的に比較的安全な薬物と考えられていますが、カフェインの血中濃度が高いと、不眠、焦燥感、筋肉の痙攣、吐き気、不整脈、さらには死に至ることもあります(Reissig, Strain, & Griffiths, 2009; Wolt, Ganetsky, & Babu, 2012)。2012年、クロマンとニールソンは、カフェインの使用により重大な悪影響を受けた40歳の女性の事例研究を報告しました。この女性は、以前は気分を上昇させたり活力を得るためにカフェインを使用していましたが、数年のうちにカフェインの摂取量が増え、毎日3リットルの炭酸飲料を飲むまでになっていました。彼女は処方された抗うつ剤を服用していましたが、うつ病の症状は悪化し続け、彼女は身体的に苦しくなり始めて、心血管疾患と糖尿病の重大な兆候が現れました。気分障害の治療のために外来患者向け診療所に入院したところ、彼女は物質依存の診断基準をすべて満たしており、カフェインの摂取を大幅に制限するように忠告されました。1日に12オンス[約350ミリリットル]未満の炭酸飲料しか飲まないように制限したところ、彼女は精神的にも身体的にも徐々に回復していきました。カフェインの使用は広く普及しており、多くの人がカフェインの嗜癖に苦しんでいることを告白していますが、科学的な文献に炭酸飲料の依存の記述が掲載されたのはこれが初めてでした。

ニコチンには強い嗜癖性があり、タバコ製品の使用は、心臓病、脳卒中、さまざまながんについての高いリスクと関連しています。ニコチンは、アセチルコリン受容体との相互作用によって効果を発揮します。アセチルコリンは、運動ニューロンの神経伝達物質として機能します。ニコチンは、中枢神経系において、覚醒や報酬のメカニズムで役割を果たしています。ニコチンは、巻きタバコや噛みタバコのようなタバコ製品の形で最も一般的に使用されています。そのため、効果的な禁煙技術の開発には大きな関心が寄せられています。現在までに、人々はタバコ製品の使用を中止するために、さまざまな心理療法の選択肢に加えて、さまざまなニコチン置換療法を用いてきました。一般に、禁煙プログラムは短期的には効果があるかもしれませんが、その効果が持続するかどうかは不明です(Cropley, Theadom, Pravettoni, & Webb, 2008; Levitt, Shaw, Wong, & Kaczorowski, 2007; Smedslund, Fisher, Boles, & Lichtenstein, 2004)。ニコチンを摂取する手段としてのベイピングが、特に10代や若い世代の間で人気を増しています。ベイピングとは、電子タバコとも呼ばれる電池式の装置を使用して、液体のニコチンや香料を蒸気として放出するものです。当初は、タバコに含まれる既知の発がん性物質に代わる安全な代替品として伝えられていましたが、ベイピングは現在では非常に危険なものであることが知られており、利用者は深刻な肺疾患や死亡に至っています(Shmerling, 2019)。

オピオイド

オピオイドとは、ヘロイン、モルヒネ、メタドン、およびコデインを含む薬物の一分類です。オピオイドには鎮痛作用があり、痛みを軽減します。人間には内因性のオピオイド神経伝達物質系があります。身体は少量のオピオイド化合物を作り、それがオピオイド受容体に結合することで痛みを軽減し、多幸感をもたらします。この内因性の鎮痛機構を模倣したオピオイド系薬物は、乱用の可能性が極めて高いです。天然のオピオイドはアヘン剤と呼ばれ、ケシ植物に含まれる天然化合物であるアヘンの派生物です。現在、合成によるアヘン系薬剤(正しくはオピオイドと呼ばれます)で非常に強力な鎮痛作用を持つものがいくつかありますが、これらはしばしば乱用されています。たとえば、国立薬物乱用研究所は、処方箋付き鎮痛剤であるヒドロコドンとオキシコドンの誤用と乱用が公衆衛生上の重大な懸念であることを示唆する研究を支援しています(Maxwell, 2006)。2013年、米国食品医薬品局は、これらの医療用の使用をより厳しく管理するよう勧告しました。

歴史的に、ヘロインは主要な乱用されるオピオイド剤です(図4.17)。ヘロインは、鼻から吸い込んだり、喫煙したり、または静脈内に注射したりします。ヘロインは、強烈な多幸感と快感をもたらし、静脈内に注射することでその効果はさらに高まります。最初の「ラッシュ[恍惚感]」に続いて、使用者は4~6時間、意識と半意識の状態を交互に繰り返す「オン・ザ・ノッド[意識が朦朧とした状態]」を経験します。ヘロインの使用者は、しばしばこの薬物を静脈内に直接注射します。腕に何度も注射した人の中には、「トラックマーク[注射痕]」が見える人もいますが、他の使用者は、トラックマークが目立たないように、指の間や足の指の間に注射します。また、彼らは、他の静脈注射薬物の乱用者と同様に、結核とHIVの両方に感染するリスクが高まります。

図4.17 | (a)ヘロインを調製して使用するための一般的な道具が、この針交換キットの中で示されています。(b)ヘロインは蝋燭の上のスプーンを使って調製されます。(credit a: modification of work by Todd Huffman)

オピオイド様化合物は、鎮痛薬としての用途のほか、咳止め、吐き気止め、下痢止めの薬としてもしばしば使われています。薬物の離脱症状は、しばしばその薬物の効果とは逆の経験を伴うことを考えると、オピオイドの離脱症状が重症のインフルエンザに似ていることは驚くべきことではありません。オピオイドの離脱症状は極度に不快なものとなり得ますが、生命を脅かすものではありません(Julien, 2005)。それでも、オピオイドの離脱症状を経験している人は、この薬物からの離脱症状をより和らげるために、メタドンを投与されることがあります。メタドンは合成オピオイドで、ヘロインや類似の薬物に比べて多幸感を引き起こすことが少ないです。メタドンクリニックでは、以前にオピオイドの嗜癖に苦しんでいた人が、メタドンを使用することを通じて離脱症状を管理するのを助けます。また、オピオイドのブプレノルフィンをはじめとする他の薬剤も、アヘン剤の離脱症状を緩和するために使用されています。

コデインは、比較的作用が弱いオピオイドです。それは軽度の痛みに対してしばしば処方され、一部の海外の国では市販されていることもあります。すべてのオピオイドと同様に、コデインにも乱用の可能性があります。実際に、処方されたオピオイド薬の乱用は、世界的に大きな懸念となっています(Aquina, Marques-Baptista, Bridgeman, & Merlin, 2009; Casati, Sedefov, & Pfeiffer-Gerschel, 2012)。

日常へのつながり

オピオイド危機

米国では、最近のオピオイドの蔓延の影響を受けていない人はほとんどいません。まるで誰もが、薬の過剰摂取で亡くなった友人や家族、隣人のことを知っているかのようです。米国ではオピオイドの嗜癖が危機的なレベルに達し、2019年には毎日平均130人がオピオイドの過剰摂取で死亡しました(NIDA, 2019)。

この危機は実際には1990年代に、製薬会社がオキシコンチンのような痛みを和らげるオピオイド薬を、嗜癖性がないという謳い文句(今では虚偽だとわかっています)でもって大量に販売し始めたときに始まりました。処方箋が増えたことで誤用の割合が増え、処方通りにそれらの薬物を使用していた患者でも嗜癖になる事例が増えました。生理学的には、処方通りに服用した場合も含めて、1週間以内にアヘン系薬剤に対する嗜癖が現れます。オピオイドからの離脱には痛みが伴いますが、患者はこれを当初の処方につながった問題による痛みと誤解することが多く、患者が薬を使い続ける動機となります。

2013年にFDAがアヘン剤の処方を厳しく管理するよう勧告したことで、オキシコンチンなどの処方薬に対する嗜癖を有する多くの患者が正規の処方箋を手に入れることができなくなりました。これにより、この薬物のブラックマーケットが形成され、1錠の価格が80ドル以上にまで高騰しました。離脱症状を防ぐために、多くの人は1回の服用量が5ドル以下で買うことのできる安価なヘロインに頼るようになりました。ヘロインを手頃な価格に維持するために、多くの売人はヘロインの効果を高めることを目的として、フェンタニルやカーフェンタニルなどのより強力な合成オピオイドを加えるようになりました。これらの合成薬物は非常に強力で、少量でも過剰摂取となり死に至ることがあります。

国立衛生研究所と国立薬物乱用研究所による大規模な公衆衛生キャンペーンにより、最近ではオピオイド危機は減退しています。これらの取り組みには、治療や回復サービスへのアクセスを増やすこと、ナロキソンのような過剰摂取解消薬へのアクセスを増やすこと、および、より優れた公衆衛生監視システムを導入することが含まれます(NIDA, 2019)。

幻覚剤

幻覚剤は、感覚や知覚の経験に大きな変化をもたらす一群の薬物のうちの1つです(図4.18)。場合によっては、使用者は鮮明な視覚的幻影を見ることもあります。また、この種の薬物は、体の感覚の幻覚(たとえば、自分が巨人になったように感じる)や、時間の経過の歪んだ知覚を引き起こすこともよくあります。

図4.18 | このようなサイケデリックなイメージが、幻覚性の化合物にしばしば関連付けられます。(credit: modification of work by “new 1lluminati”/Flickr)

グループとしての幻覚剤は、影響を与える神経伝達物質系の点では驚くほど多様です。メスカリンとLSDはセロトニンの作用薬であり、PCP(エンジェル・ダスト)やケタミン(動物用麻酔薬)はNMDAグルタミン酸受容体の拮抗薬として作用します。一般的に、これらの薬物は、この節で取り上げた他の分類の薬物ほどには乱用の可能性は有していないと考えられています。

学習へのリンク

一般的に乱用されている処方薬や街角で簡単に手に入る薬物についてさらに詳しく学ぶためには、国立薬物乱用研究所による「Commonly Abused Drugs Chart(一般的に乱用される薬物のチャート)」(http://openstax.org/l/drugabuse)と「Commonly Abused Prescription Drugs Chart(一般的に乱用される処方薬のチャート)」(http://openstax.org/l/Rxabuse)を見てください。

深く掘り下げてみよう

医療用マリファナ

2010年から2019年の10年間で、マリファナに関する法律には多くの変化がありました。多くの州でマリファナの所持や使用が違法であることに変わりはありませんが、11の州(アラスカ州、カリフォルニア州、コロラド州、イリノイ州、メイン州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ネバダ州、オレゴン州、バーモント州、およびワシントン州)では娯楽使用のための限定的な量のマリファナを所持することが合法となっています。医療用マリファナは、米国の半分以上の州とコロンビア特別区で合法とされています(図4.19)。医療用マリファナとは、健康状態の治療のために医師から処方されたマリファナのことです。たとえば、化学療法を受けている人は、化学療法の副作用に起因する過度の体重減少を防ぐために、食欲を刺激する目的でマリファナを処方されることがしばしばあります。また、マリファナは、さまざまな病状の治療にも期待されています(Mather, Rauwendaal, Moxham-Hall, & Wodak, 2013; Robson, 2014; Schicho & Storr, 2014)。

図4.19 | 米国では医療用マリファナの販売店がますます普及しています。(credit: Laurie Avocado)

医療用マリファナに関する法律は州ごとに制定されていますが、連邦法ではまだ違法物質として分類されており、マリファナの医療利用の潜在的な利益に関する研究を行うことは問題となっています。大規模で統制された研究が行われていないため、マリファナにどの程度の医療上の利益があるのかについては、科学界でもかなりの議論があります(Bostwick, 2012)。その結果、多くの科学者は、この薬物の効果についてのより広範な研究を促進するために、現在のマリファナに関する法律や分類を緩和することを連邦政府に求めています(Aggarwal et al., 2009; Bostwick, 2012; Kogan & Mechoulam, 2007)。

最近まで、米国司法省は日常的に関係者を逮捕し、医療現場で使用されるマリファナを押収していました。しかしながら、2013年後半、米国司法省は、各州の医療用マリファナの法律に異議を唱えることはしないという声明を発表しました。このような政策の変化は、科学界の提言に対する反応および/またはマリファナに関する世論の変化を反映したものかもしれません。

4.6 意識の他の状態

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 催眠と瞑想を定義する
  • 催眠と瞑想の類似点と相違点を理解する

私たちの意識の状態は、私たちが覚醒状態から睡眠状態に移行する際に変化します。また、私たちはさまざまな向精神薬を使用することでも意識が変化します。この最後の節では、一部の人が経験する意識の状態の変容についての追加の例として、催眠状態と瞑想状態について考えていきます。

催眠

催眠とは、外部からの刺激に対して最小限の注意しか払わない、極度の自己集中と注意の状態のことです。治療の場では、臨床家は、患者の思考や知覚を変えるために、リラクセーションや暗示を用いることがあります。また、催眠は、人の記憶の奥深くに埋もれていると考えられる情報を引き出すためにも使われます。暗示の力に特に寛容な人にとっては、催眠は非常に効果的なテクニックであることが証明されています。また、脳画像の研究では、催眠状態が脳機能の大規模な変化と関連していることが実証されています(Del Casale et al., 2012; Guldenmund, Vanhaudenhuyse, Boly, Laureys, & Soddu, 2012)。

歴史的に、催眠は人気のあるメディアや娯楽の中で描かれているために、疑惑の目で見られてきました(図4.20)。そのため、経験に基づいた治療アプローチとしての催眠と、娯楽の一形態としての催眠とを区別することが重要です。一般的な考えとは異なり、催眠を受けた人は通常、催眠の体験を明確に記憶しており、自分の行動を制御することができます。催眠は記憶や技術の向上に役立つかもしれませんが、そのような向上は本質的に非常に控えめなものです(Raz, 2011)。

図4.20 | 催眠の人気のある描写は、いくつかの広まっている誤解を招いています。

催眠をかける人は具体的にどのようにして参加者を催眠状態にするのでしょうか?さまざまなバリエーションがありますが、人々を催眠に関連する暗示状態にする際に一貫していると思われる4つの部分があります(National Research Council, 1994)。それらの構成要素には、以下のものが含まれます:

  • 参加者は、催眠をかける人の言葉や時を刻む時計など、1つのことに集中するように導かれます。
  • 参加者は、くつろいだ状況に置かれ、リラックスして穏やかになるように指示されます。
  • 参加者は、催眠のプロセスに心を開き、催眠をかける人を信頼し、なすがままになるように言われます。
  • 参加者は、自分の想像力を使うように促されます。

これらの段階は、催眠の暗示性を高めることに対して心を開く助けとなります。

催眠にかかる能力は人によって異なりますが、利用可能な研究のレビューでは、ほとんどの人は少なくとも適度に催眠にかかることができることが示唆されています(Kihlstrom, 2013)。催眠は他の技法と組み合わせてさまざまな治療目的で使用されており、疼痛管理、抑うつや不安の治療、禁煙、および体重減少について少なくともある程度の効果があることが示されています(Alladin, 2012; Elkins, Johnson, & Fisher, 2012; Golden, 2012; Montgomery, Schnur, & Kravits, 2012)。

催眠はどのようにして作用するのでしょうか?この疑問に答えようとする理論が2つあります:1つの理論は催眠を解離と捉えるもの、もう1つの理論は催眠を社会的役割の遂行と捉えるものです。解離という見解によれば、催眠は効果的に解離した意識の状態であり、以前の例で言えば、あなたが車で職場に向かうものの、あなたの注意は別のところに集中しているために、運転のプロセスを最小限にしか意識していないのとよく似ています。この理論は、アーネスト・ヒルガードの催眠と痛みに関する研究によって裏付けられています。ヒルガードの実験では、参加者を催眠状態にして、氷水の中に彼らの腕を入れました。参加者は、「痛みを感じることはないだろうが、もし痛みを感じたらボタンを押してもよい」と言われました。彼らは痛みを感じていないと報告しながらも、実際にはボタンを押しました。これは、催眠状態では意識が解離していることを示唆しました(Hilgard & Hilgard, 1994)。

催眠の社会-認知的理論では、催眠を説明するための異なるアプローチをとり、催眠状態にある人は催眠をかけられた人の社会的役割を果たしていると考えます。あなたが社会的役割を学習するときに学ぶことになるように、人々の行動は、与えられた状況でどのように行動すべきかという期待によって形成されることがあります。一部の人は、催眠状態の人の行動が、意識の変容状態や解離状態ではなく、その役割についての社会的な期待を満たすものであると考えています(Coe, 2009; Coe & Sarbin, 1966)。

瞑想

瞑想とは、ある1つの対象(呼吸や繰り返される音など)に集中することで、その瞬間の意識を高める行為です。催眠は通常、療法士と被治療者の相互作用によって達成されますが、瞑想は1人で行うことができます。しかしながら、瞑想を学ぼうとする人は、しばしば瞑想状態になるためのテクニックの訓練を受けることになります。

使うことのできる多くの異なるテクニックがありますが、すべての瞑想における中心的な特徴は、リラックスした意識と集中の状態を達成するために心を澄ませることです(Chen et al., 2013; Lang et al., 2012)。最近では、マインドフルネス瞑想が人気を集めています。マインドフルネス瞑想のバリエーションでは、瞑想者の注意は、何らかの内部プロセスまたは外部の対象物に集中します(Zeidan, Grant, Brown, McHaffie, & Coghill, 2012)。

瞑想の技術のルーツは宗教的実践にありますが(図4.21)、その使用は代替医療の実践者の間でも人気が高まっています。研究は瞑想が血圧を下げるのに役立つであろうことを示しており、アメリカ心臓協会は、推奨するのに十分なデータはないものの、高血圧を管理する方法として伝統的な治療法と併用して瞑想が使用できるかもしれないと示唆しています(Brook et al., 2013)。催眠と同様に、瞑想もまた、ストレス管理、睡眠の質(Caldwell, Harrison, Adams, Quin, & Greeson, 2010)、気分障害や不安障害の治療(Chen et al., 2013; Freeman et al., 2010; Vøllestad, Nielsen, & Nielsen, 2012)、および疼痛管理(Reiner, Tibi, & Lipsitz, 2013)に対して見込みがあります。

図4.21 | (a)これは瞑想をしている仏陀の像であり、瞑想が重要な役割を果たしている数多くの宗教的伝統の1つを表しています。(b)瞑想を実践している人は、変容した意識の状態を経験していることがあります。(credit a: modification of work by Jim Epler; credit b: modification of work by Caleb Roenigk)

学習へのリンク

ストレスを感じていますか?瞑想が役に立つかもしれないと考えていますか?仏教の瞑想法を使ってストレスを軽減する方法についての説明ビデオ(http://openstax.org/l/meditate)を見て、さらに学んでください。

学習へのリンク

特定のマインドフルネス瞑想法を行った人を対象とした脳画像研究の結果を紹介したビデオ(http://openstax.org/l/brainimaging)を見て、さらに学んでください。

重要用語

アルファ波:NREMステージ1睡眠の初期に特徴的な脳波の一種で、振幅がかなり小さく、周波数は8~12Hzである

ベータ波:覚醒時に特徴的な脳波の一種で、振幅が非常に小さく、周波数は13~30Hzである

生体リズム:生物学的活動の内部周期

脱力発作:筋緊張の欠如または筋力低下、場合によっては随意筋の完全な麻痺

中枢性睡眠時無呼吸:呼吸を調節する脳からの信号が乱れることで、呼吸が中断される期間が生じる睡眠障害

概日リズム:約24時間かけて起こる生体リズム

コデイン:比較的作用の弱いアヘン剤で、軽度の痛みに対してしばしば処方される

認知行動療法:認知プロセスと問題行動に焦点を当てた心理療法で、不眠症などの睡眠障害の治療に用いられることがある

集合的無意識:カール・ユングによって記述された、文化を超えてあらゆる人によって共有されている情報の理論的な収納場所

意識:内的刺激および外的刺激に対する認識

持続的気道陽圧(CPAP):睡眠時無呼吸を治療するための装置。寝ている人の鼻と口を覆うように装着するマスクがあり、これがポンプに接続されていて、空気をその人の気道に送り込み、気道を強制的に開いた状態にする

デルタ波:NREMステージ3睡眠に特徴的な脳波の一種で、振幅が大きく、周波数は3Hz未満である

抑制剤:中枢神経系の活動を抑制する傾向のある薬物

多幸感:薬物使用による強烈な高揚感と快感

進化心理学:自然選択の結果として、時間が経つにつれて普遍的な行動パターンや認知プロセスがどのように進化してきたかを研究する学問分野

幻覚剤:感覚や知覚の経験に大きな変化をもたらす一群の薬物のうちの1つで、しばしば鮮明な幻覚を伴う

恒常性:生物学的な系の中でバランス、すなわち最適なレベルを維持しようとする傾向

催眠:外部からの刺激に対して最小限の注意しか払わない、極度の自己集中と注意の状態

不眠症:1か月以上にわたり、週に少なくとも3日、入眠や睡眠維持が困難な状態が続くこと

時差ぼけ:あるタイムゾーンから別のタイムゾーンに移動した際に、人間の内部の概日周期と環境との不一致によって生じる症状の集合体

K複合波:環境刺激に反応して生じることのある、ステージ2睡眠に関連する非常に高い振幅の脳活動パターン

潜在内容:夢の機能についてのジークムント・フロイトの見方によると、夢の隠された意味

明晰夢:人は自分が夢を見ていることを認識し、夢の内容をコントロールすることができる

顕在内容:夢の機能についてのジークムント・フロイトの見方によると、夢の中で起こる出来事の筋書

瞑想:リラックスした意識と集中の状態を達成するために心を澄ませること

メラトニン:内分泌腺から分泌されるホルモンで、睡眠-覚醒のサイクルを調節する重要な役割を果たす

メタ分析:複数の関連研究の結果をまとめた研究

メタドン:ヘロインや類似の薬物に比べて多幸感を引き起こすことが少ない合成オピオイドで、アヘン剤使用者の離脱症状の管理に使用される

メタドンクリニック:アヘン剤使用者の離脱症状を治療するためにメタドンを使用する

メタンフェタミン:市販薬のプソイドエフェドリンから作られるアンフェタミンの一種で、広く製造され、乱用されている

ナルコレプシー:患者が都合の悪い時に眠りに落ちるのを我慢することができない睡眠障害

夜驚症:寝ている人がパニック状態に陥り、悲鳴を上げたり、周囲の環境から逃げ出そうとしたりする睡眠障害

ノンレム(NREM):急速眼球運動(REM)睡眠の期間以外の睡眠の期間

閉塞性睡眠時無呼吸:気道の閉塞の結果として、睡眠中に呼吸が停止する症状によって定義される睡眠障害

アヘン剤/オピオイド:強い鎮痛作用を持つ薬物の一群のうちの1つ。アヘン剤はケシ植物の樹脂から作られ、ヘロイン、モルヒネ、メタドン、コデインなどが含まれる

睡眠時随伴症:望んでおらず問題のあるような睡眠中の運動および/または経験によって特徴付けられる睡眠障害の一群のうちの1つ

身体的依存:正常な身体機能の変化で、薬物の使用を中止した際に、薬物使用者に離脱症状の経験を引き起こす

松果体:脳内に位置するメラトニンを分泌する内分泌構造

心理的依存:心理的な苦痛を和らげるために使用されることのある薬物を、身体的ではなく感情的に必要とすること

急速眼球運動(REM)睡眠:覚醒時と非常によく似た脳波と、まぶたを閉じた状態での眼球の動きによって特徴付けられる睡眠の期間

レム睡眠行動障害(RBD):レム睡眠の段階に伴う筋肉の麻痺が起こらない睡眠障害。寝ている人は、レム睡眠中、特に不穏な夢を見ているときに高いレベルの身体活動を行う

レストレスレッグス症候群:患者は眠ろうとするときに脚に不快な感覚があり、脚を動かすことによって緩和される睡眠障害

交代制のシフト勤務:1日または1週間単位で早朝から深夜まで変わる勤務スケジュール

睡眠:比較的低いレベルの身体活動と、低下した感覚の認識とを特徴とする状態であり、それは覚醒時の休息期間とは異なる

睡眠時無呼吸:睡眠中に呼吸が止まる症状によって定義される睡眠障害

睡眠負債:慢性的に不十分な睡眠の結果

睡眠の反跳:睡眠不足の人は、その後の睡眠の機会に眠るまでにかかる時間が短くなる

睡眠調節:脳が睡眠と覚醒の切り替えを制御し、このサイクルを外部の世界と調整すること

睡眠紡錘波:学習や記憶に重要であると考えられている、ステージ2睡眠における高い周波数の脳波の急速なバースト

夢遊病(または、睡眠時遊行症):寝ている人が比較的複雑な行動をとる睡眠障害

ステージ1睡眠:睡眠の第1段階で、覚醒と睡眠の間に生じる移行期、人が眠りにつくまでの期間

ステージ2睡眠:睡眠の第2段階で、体が深いリラックス状態に入り、睡眠紡錘波の出現によって特徴付けられる

ステージ3睡眠:睡眠の第3段階で、低い周波数、高い振幅のデルタ波によって特徴付けられる深い眠り

ステージ4睡眠:睡眠の第4段階で、低い周波数、高い振幅のデルタ波によって特徴付けられる深い眠り

刺激薬:神経の活動の全体的なレベルを増進させる傾向のある薬物。カフェイン、ニコチン、アンフェタミン、およびコカインが含まれる

乳幼児突然死症候群(SIDS):明らかな病状のない乳幼児(1歳以下)が睡眠中に突然死亡すること

視交叉上核(SCN):身体の体内時計が位置する視床下部の部位

シータ波:NREMステージ1睡眠の終わりに特徴的な脳波の一種で、振幅が中程度に小さく、周波数は4~7Hzである

耐性:目的とする効果を得るために、より多くの量の薬物を必要とする状態

覚醒:高いレベルの感覚の認識、思考、行動によって特徴付けられる

離脱:薬物の使用を中止した際に経験されるさまざまな陰性症状

この章のまとめ

4.1 意識とは何でしょうか?

意識の状態は、一日の中で、また私たちの生活を通じて変化します。このような変化の重要な要因は生体リズムであり、より具体的には視交叉上核(SCN)によって生み出される概日リズムです。典型的には、私たちの体内時計は外部環境と一致しており、光はこの時計を設定するための重要な手がかりとなる傾向があります。人々が複数のタイムゾーンを越えて移動したり、交代制のシフト勤務をしたりすると、彼らは概日リズムの撹乱を経験し、不眠、眠気、覚醒度の低下などを引き起こすことがあります。高照度光療法は、概日リズムの乱れに対処するのに有望であることが示されています。もし人が睡眠をとらない期間が長くなると、睡眠負債が蓄積され、心理的・生理学的にさまざまな悪影響を経験する可能性があります。

4.2 睡眠と私たちが眠る理由

私たちは非常に多くの時間を睡眠に費やしており、私たちの脳には睡眠のさまざまな側面を制御する複雑なシステムが備わっています。睡眠中には、身体の成長や成熟にとって重要ないくつかのホルモンが分泌されます。私たちが眠る理由はいまだに謎に包まれていますが、睡眠が学習や記憶に対して非常に重要であることを示唆する証拠がいくつかあります。

4.3 睡眠の段階

睡眠の異なる段階は、それぞれの段階に関連する脳波のパターンによって特徴付けられます。人が起きている状態から眠りにつくまで移行するにつれて、アルファ波はシータ波によって置き換えられます。ステージ2睡眠では、睡眠紡錘波とK複合波が出現します。ステージ3およびステージ4睡眠は、デルタ波が優勢であることを特徴とする徐波睡眠として記述されます。レム睡眠は、眼球の急速な動き、随意筋の麻痺、および夢を見ることを伴います。ノンレム睡眠もレム睡眠も、学習や記憶に重要な役割を果たしているようです。夢は、夢を見ている人にとって重要な人生の出来事を表しているのかもしれません。あるいは、夢を見ることは、心の中の原意識の状態、または仮想現実を表しており、それが意識があるときに人を助けてくれるのかもしれません。

4.4 睡眠の問題と障害

多くの人は、人生のどこかの時点で、何らかの種類の睡眠障害や不調に悩まされます。不眠症は、入眠や睡眠維持が困難な一般的な経験のことです。睡眠時随伴症は、睡眠サイクル中に望んでいない運動または経験を伴うものであり、RBD、夢遊病、レストレスレッグス症候群、および夜驚症が含まれます。睡眠時無呼吸は、人が睡眠中に呼吸を停止するときに発生し、乳幼児突然死症候群の場合は、乳幼児が睡眠中に呼吸を止めて死に至ります。ナルコレプシーは、起きている間に無性に眠りたくなるものであり、しばしば脱力発作や幻覚を伴います。

4.5 物質の使用と乱用

物質使用障害は、DSM-5において、悪影響があるにもかかわらず強迫的に薬物を使用するパターンとして定義されています。この障害では、身体的依存と心理的依存の両方が重要な要素となります。アルコール、バルビツール酸系、およびベンゾジアゼピン系は、GABA神経伝達に影響を与える中枢神経系の抑制剤です。コカイン、アンフェタミン、カチノン、およびMDMAはドーパミン神経伝達に作用する中枢神経刺激薬であり、ニコチンとカフェインはそれぞれアセチルコリンとアデノシンに作用します。アヘン系薬剤は内因性のオピオイド神経伝達物質系に作用して強力な鎮痛剤となり、幻覚剤は感覚や知覚の経験に顕著な変化をもたらします。幻覚剤は、影響を与える特定の神経伝達物質系の点において多様です。

4.6 意識の他の状態

催眠は、自己に集中することで、行動や経験の変化を促すものです。瞑想は、リラックスしながらも集中した意識を持ちます。催眠状態と瞑想状態はどちらも、意識の状態の変容を伴うことがあり、それはさまざまな身体的・心理学的障害の治療に応用できる可能性があります。

レビュー問題

1.体内時計は、________に位置しています。
a.海馬
b.視床
c.視床下部
d.脳下垂体

2.________は、睡眠が慢性的に不足しているときに発生します。
a.時差ぼけ
b.交代制のシフト勤務
c.概日リズム
d.睡眠負債

3.________周期は、ほぼ24時間に1回発生します。
a.生物
b.概日
c.回転
d.意識

4.________は、人々が自分の体内時計をリセットするのに役立つ1つの方法です。
a.明るさと暗さに身をさらすこと
b.コーヒーの消費
c.アルコールの消費
d.昼寝

5.成長ホルモンは、私たちが眠っている間に________から分泌されます。
a.松果腺
b.甲状腺
c.脳下垂体
d.膵臓

6.________は、徐波睡眠をコントロールする役割を果たしています。
a.視床下部
b.視床
c.橋
d.aとbの両方

7.________は、松果腺から分泌されるホルモンで、生体リズムや免疫機能の調節に役割を果たしています。
a.成長ホルモン
b.メラトニン
c.LH
d.FSH

8.________は、最近学習した課題の成績を高めるために特に重要であるようです。
a.メラトニン
b.徐波睡眠
c.睡眠不足
d.成長ホルモン

9.________は、徐波睡眠として記述されます。
a.ステージ1
b.ステージ2
c.ステージ3とステージ4
d.レム睡眠

10.睡眠紡錘波とK複合波は、________睡眠と最もよく関連しています。
a.ステージ1
b.ステージ2
c.ステージ3とステージ4
d.レム

11.________の症状は、REM睡眠欠乏によって改善されることがあります。
a.統合失調症
b.パーキンソン病
c.うつ病
d.全般性不安障害

12.夢の________内容とは、夢の真の意味のことを指します。
a.潜在
b.顕在
c.集合的無意識
d.重要

13.________は、筋肉の緊張やコントロールの喪失であり、ナルコレプシーにしばしば関連付けられます。
a.RBD
b.CPAP
c.脱力発作
d.不眠症

14.呼吸を調節する筋肉に送られる脳の信号に撹乱がある場合、人は________に悩まされることがあります。
a.中枢性睡眠時無呼吸
b.閉塞性睡眠時無呼吸
c.ナルコレプシー
d.SIDS

15.________の最も一般的な治療法は、アンフェタミン様薬物の使用です。
a.睡眠時無呼吸
b.RBD
c.SIDS
d.ナルコレプシー

16.________は、夢遊病についての別の言葉です。
a.不眠症
b.睡眠時遊行症
c.脱力発作
d.ナルコレプシー

17.________は、薬物使用者が、薬物の同じ効果を経験するために、ますます多くの薬物を必要とするときに起こります。
a.離脱
b.心理的依存
c.耐性
d.再取り込み

18.コカインは、________の再取り込みを阻害します。
a.GABA
b.グルタミン酸
c.アセチルコリン
d.ドーパミン

19.________とは、薬物の渇望のことを指します。
a.心理的依存
b.拮抗
c.作用
d.身体的依存

20.LSDは、________神経伝達に影響を与えます。
a.ドーパミン
b.セロトニン
c.アセチルコリン
d.ノルエピネフリン

21.________は、暗示の力に対して非常に開かれている人に最も効果的です。
a.催眠
b.瞑想
c.マインドフルの意識
d.認知療法

22.________のルーツは、宗教的な実践にあります。
a.催眠
b.瞑想
c.認知療法
d.行動療法

23.瞑想は、________に役立つかもしれません。
a.疼痛管理
b.ストレスコントロール
c.インフルエンザの治療
d.aとbの両方

24.研究では、学習などの認知プロセスが、________によって影響を受けるかもしれないことが示唆されています。
a.催眠
b.瞑想
c.マインドフルの意識
d.漸進的弛緩法

批判的思考の問題

25.医療従事者は、しばしば交代制のシフトで勤務します。これはなぜ問題なのでしょうか?潜在的な問題に対処するために何ができるでしょうか?

26.一般的に、人間は昼行性と考えられています。昼行性とは、私たちが昼間に起きていて、夜間に寝ているということを意味します。一方、多くの齧歯類は夜行性です。動物によって睡眠-覚醒のサイクルが異なるのはなぜだと考えますか?

27.もし睡眠が日々のエネルギー需要からの回復・復帰のために必要であると主張する理論が正しいならば、個人の総睡眠時間と活動レベルとの間に存在するであろう関係について、あなたはどのように予測しますか?

28.脳の特定の領域が睡眠の調節に関与しているかどうかを、研究者はどのようにして判断できるでしょうか?

29.睡眠の進化的な理論を区別し、最も説得力のある証拠を持つものを論証してください。

30.フロイトは、夢は無意識の心への重要な洞察を与えると考えていました。フロイトは、夢の顕在内容が個人の無意識への手がかりになると主張しました。この特定の視点には、どのような批判の可能性があるでしょうか?

31.夢遊病や寝言は個人が自分の夢を演じているものだと主張する人がいます。なぜこの特定の説明があり得なさそうなのでしょうか?

32.不眠症に悩む人にセラピストが勧めることの1つに、ベッドの中で起きている時間を短くすることがあります。なぜ、ベッドの中で起きたまま時間を過ごすことが、後で眠りにつく能力を妨げる可能性があるのだと考えますか?

33.脱力発作を伴うナルコレプシーは、レム睡眠とどのように似ていて、どのように違うでしょうか?

34.アルコール製品やタバコ製品の健康への悪影響は、よく知られています。一方、マリファナのような薬物は、一般にこれらの合法的な薬物と同じくらい安全である(それらよりも安全ではないとしても)と考えられています。あなたは、アメリカの多くの地域でマリファナの使用が違法であり続けているのはなぜだと思いますか?

35.タバコ製品を使用することの危険性について人々を教育するようにデザインされたプログラムが、タバコを止めるためのプログラムの開発と同じくらい重要なのはなぜですか?

36.催眠の潜在的な健康効果を研究することにはどのような利点がありますか?

37.ある種の身体的または精神的障害の治療における瞑想の効果に関して、最も説得力のある研究の種類とはどのようなものでしょうか?

個人的に当てはめてみる問題

38.私たちは、毎年秋と春に、サマータイムに伴う時間変更によって、概日時計の移行を経験します。あなたにとって、春に時間を進めることと、秋に時間を遅らせることのどちらの方が調節するのが簡単ですか?また、その理由は何だと思いますか?

39.1週間の中で、日々のスケジュールの違いを調整するためにあなたは何かをしていますか?サマータイムが始まったり終わったりするとき、あなたには睡眠負債が発生しますか?

40.あなた(またはあなたの知り合い)は、単なる不眠症や強いレベルのストレスのために、あるいは薬の副作用として、長期間の睡眠不足に陥ったことがありますか?睡眠が不足する結果、どのような影響がありましたか?

41.研究者は、睡眠の重要な機能の1つは、学習と記憶を促進することだと考えています。このことを知っていると、あなたの大学での勉強にどのように役立ちますか?授業で扱った内容を最大限に習得するために、あなたの勉強や睡眠の習慣にどのような変化を与えることができるでしょうか?

42.あなた自身の不眠症の経験には、どのような要因があるでしょうか?

43.多くの人が人生のどこかの時点で何らかの向精神薬を試しています。なぜ人は意識を変える物質を使いたいと思うのでしょうか?

44.どのような状況下であれば、あなたは催眠および/または瞑想を治療の選択肢として検討しようと望むでしょうか?これらのテクニックを使用する決定を下す前に、あなたにはどのような情報が必要ですか?

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