第8章 仕事の見つけ方
仕事を見つける方法に関するアドバイスといえば、そのほとんどがひどいものです。
CollegeFeedは、最初の面接のコツとして「自信を持つ」ことを提案していますが、これは「雇用される人になれ」と提案しているようなものです。
多くのアドバイザーは、「爪をきれいにして、しっかり握手する」というようなことを取り上げています。
AOLのあるコーチは、「ポケットに常に名刺を入れておく必要がある」と言っています。これは、パーティーで初めて会った人にメールアドレスさえあれば雇いたいと思わせるほど優秀な求職者にとっては素晴らしいアドバイスです。
TIME誌のキャリア専門家は、「ブログ記事を書き、ソーシャルステータスを日常的に更新することによって、リクルーターは求人募集の際にあなたを見つけるだろう。あなたのプロフィールが、あなたが情熱を注いでいることにつながっている限り、あなたは適切な仕事を引き付け、間違った仕事をはじき返すだろう」とアドバイスしています。
では、ツイッターにたくさん投稿すれば、魔法のように適切な仕事を引き寄せることができるのでしょうか?
この5年間、私たちはこのような悪いアドバイスをふるいにかけて、本当に良いものを見つけ出してきました。また、私たちは何百人もの求職者に1対1のコーチングを提供し、私たち自身も20人ほどを採用しました。そのため、私たちは両方の面から何がうまくいくのかを見てきました。ここでは、私たちが学んだことをまとめます。
単刀直入に言いましょう。あなたには仕事を得る権利が与えられているわけではないですし、採用が公平であることはまずありません。むしろ、仕事を得るということは、根本的には営業プロセスなのです。あなたは相手方に対して、結果と引き換えに、あなたに責任と給料を与え、さらには彼らの評判すらもあなたに預けるよう説得する必要があります。
ここでは、「営業」プロセスの各段階、すなわち、(i)機会を見つける(リード)、(ii)雇用主を説得する(コンバージョン)、(iii)交渉する、について重要なアドバイスを列挙します。共通するテーマは、雇用主の立場に立って考え、雇用主が最も納得するであろうことを行うことです。
このガイドの他の部分は、あなたや世界にとって最良の仕事を見つけるためのものですが、ここでは、計画を実行に移すための実践的な方法に焦点を当てます。自分が得意でない仕事を獲得するために営業の知識を駆使しても意味がないことだけは心に留めておいてください - あなたは満足できないでしょうし、もしあなたの業績が次に優秀な応募者より悪ければ、負のインパクトを与えることになります。
この章は、その逆の状況を防ぐために書かれたものです。私たちは、自分を売り込む方法を知らないために、違いを生み出したい優秀な候補者がその潜在能力を発揮できないところを、あまりにも多く目にしてきました。
段階1: リード
リードとは、あなたが応募できるポジション、何らかの機会を知っているかもしれない友人、あなたが報酬を得られるかもしれない副業など、仕事につながる可能性のあるあらゆる機会を指します。
たくさんのリードが必要
私たちは、今ではNPRのトップジャーナリストとなった人にインタビューしたことがあります。しかし、彼は駆け出しの頃、70のポジションに応募しましたが、1万ドル以上の報酬を伴うオファーはたった1つだけでした。
このことは、リードについて知っておくべき最初の事柄を物語っています。あなたはおそらくたくさんのリードが必要です。1つの良い仕事を見つけるには、通常20~100の応募が必要であり、20回断られることは普通です。実際、2016年2月現在、米国における失業期間の平均は7か月であり、就職活動にはそれくらいの期間がかかると覚悟しておいてください。
しかしながら、成功の確率を上げるためにできることはたくさんあるので、それをこれから紹介します。
リードを獲得する方法:求人情報に対して履歴書を送るだけでなく、人脈を活用する
公務員、コンサルティング会社、ティーチ・フォー・アメリカなど、多くの大企業・組織は応募プロセスを標準化しています。彼らはプロセスを公正に保ちたいので、あまり融通を利かせる余地はありません。このような場合は、ただ応募すればいいのです。
しかし、その後どうするのでしょうか?一番わかりやすいアプローチは、たくさんの会社に履歴書を送り、求人情報に掲載されているポジションに応募することです。キャリアに関するアドバイスで最初に言及されるのは、この方法であることが多いです。
問題は、履歴書を送り、インターネットの求人広告にたくさん返答しても、成功率が低いということです。史上最大のベストセラーのキャリアアドバイス本の著者であるリチャード・ボウルズは、履歴書を企業に送っただけで仕事を獲得できる確率は1000分の1程度と見積もっています。つまり、10%の確率で仕事を獲得するためには、100通の履歴書を送る必要があるのです。なぜなら、一度求人情報が掲載されると、応募者が殺到してしまうからです。
しかも、求人情報に掲載される案件は画一化されている必要があり、主として大企業のものであるため、優良案件はあまりありません。
最高の機会は、競争率が低いです。なぜなら、それは多くの場合、小規模だが急成長している企業のもので、目につかないところに隠されており、あなただけに向けられているからです。それを見つけるには、別の方法が必要です。
重要なのは、雇用主が最も好む方法でリードを見つけることです。雇用主は、すでに知っている人を雇うことを好みますし、そうでない場合は、推薦状を通じて、すなわち知人からの紹介を通じて雇うことを好みます。
彼らの立場に立って考えてみてください。信頼できる人からの推薦と、indeed.comであなたの求人情報を見た人からの20通の履歴書と、どちらがいいでしょうか?推薦状を持っている人はすでに保証されているため、そちらのほうがうまくいく可能性が高いです。また、労力も少なくて済みます。何も知らない20人を審査するのは大変なことです。また、推薦される人はより良い応募者の集まりの中からやってきます。最も採用可能な人物はすでに多くのオファーを受けているため、求人情報に反応することはほとんどありません。
このような理由から、多くのリクルーターは、候補者を見つける方法として、推薦状を最良のものと考えています。
しかし、求職者は通常、物事を逆方向に考えてしまいます。彼らは、リクルーターが最も好まない方法から始めます。
さらに、応募者は約50%の仕事を人脈を通じて見つけており、その多くは広告されることが決してありません。52だから、もしあなたが推薦状を追求しなければ、多くの機会を逃してしまうでしょう。
推薦状を手に入れる方法
あなたは紹介を依頼する技術を習得する必要があります。私たちは、あなたが使えるメールの定型文をまとめました:
https://80000hours.org/articles/email-scripts/
推薦状を手に入れるには、次のような段階を踏みます。現在あなたが求人に応募していない場合はこのセクションを飛ばして、求人に応募する際になったらご覧ください。
- まず、LinkedInのプロフィールを更新しましょう。これは、LinkedInを通じて素晴らしい仕事のオファーが来るからではありません(それはかなり稀なことです)。これは、あなたと会うことを検討している人たちが、あなたのプロフィールをチェックするためです。プロフィールは、あなたの最も印象的な業績に焦点を当てましょう。できるだけ具体的に、例えば「全国で3位になった」、「年間寄付額が100%増加した」などです。それ以外はカットしてください。印象的な業績が2つあって、弱い業績が3つあるよりも、印象的な業績が2つあるだけのほうが良いです。最後に、Googleで自分を検索し、結果を良く見せるためにできることは何でもしてください(例:恥ずかしい古いブログ記事を削除する)。脚注にあるリンクをたどって、より多くのアドバイスを見てください。53
もしあなたが、すでにその業界において人を雇うことができるような誰かをよく知っているなら、面談を申し込み、その業界での機会について話し合いましょう。これは、すべての審査の段階を飛ばして、直接面接に行くことに近いです。忘れてはならないのは、ポジションが空いている必要はないということです。雇用主は優秀な人材のためにポジションを用意してくれることが多いです。面談に行く前に、以下の面接の準備に関するアドバイスを参考にしてください。
もしあなたが相手のことをあまりよく知らないならば、その業界の仕事についてもっと知るための面談、つまり「インフォメーショナル・インタビュー」を申し込みましょう。うまくいったら、あなたを雇ってくれそうな人を紹介してくださいと頼むと、事実上、その人から推薦状をもらうことになります。あなたがインフォメーショナル・インタビューと約束した場合は、その人からは仕事を求めないでください。
さらなる紹介を依頼するときは、どのようなタイプの機会を探しているのか、一文で具体的に説明する準備をしておきましょう。良い例は、次のようなものです:「教育分野のテック系スタートアップで、エントリーレベルのマーケティング職」。2つの悪い例としては 「ソフトウェアの仕事」、「自分のスキルに合った仕事」などです。明確で具体的であれば、相手もアイデアを出しやすくなるので、広すぎるよりは狭すぎるくらいにしましょう。
上記の段階に失敗した場合は、あなたの人脈の人脈に頼ります。もし、あなたを雇える人を知っている親友がいるならば、その友人に直接的に推薦状を頼むのも手です。理想的なのは、あなたが以前その下で働いていて、そのときにあなたが本当に良い成績を収めたことのあるような人に頼むことです。
もしあなたの人脈があなたを推薦することができない場合は、その業界で人を雇うことのできる人物を紹介してもらうよう頼んでみましょう。その後、ステップ2と同様にインフォメーショナル・インタビューに戻ります。
あなたの人脈にいる人が誰を知っているかを見つけるには、LinkedInを利用します。例えばあなたがAirbnbで働きたいとします。LinkedInにアクセスし、「Airbnb」と検索してください。すると、Airbnbで働いているあなたの知り合いのリストが表示され、その後にAirbnbで働いている知り合いの知り合いが表示されます。最も相互のつながりがある人を選び、連絡を取ってください。
もし、あなたが200人のLinkedInのつながりを持っていて、それぞれが他の人と重ならない200人のつながりを持っているなら、これらの方法を使ってあなたは少なくとも1万人に連絡できることを覚えておいてください。
LinkedInの80,000 Hoursのグループ(https://www.linkedin.com/groups/5057625)には、応募について喜んでアドバイスしてくれる人がたくさんいますし、紹介してくれる人もいるかもしれません。
それでもまだ何も得られない場合は、まず業界内での人脈作りに時間を費やす価値があるかもしれません。54大学の同窓生や友達の友達の友達(3次の人脈)など、何らかのつながりのある人たちから始めましょう。大学では、各業界で協力してくれる同窓生のリストを入手できるかもしれません。あなたが参加できる良いグループや、出席できるカンファレンスがあるはずです。そうでなければ、あらかじめ連絡のないメールによる売り込みに頼ることもできます。55
リクルーターと求人情報
私たちは上記の手法を好みますが、リクルーターに話を聞いてみる価値はありますし、ただ応募するよりも効果的なことがしばしばあります。あなたが興味のある業界に良いネットワークを持っている人を探してみてください。もしあなたが社会的な目的を持った組織で働きたいのであれば、ReWork(https://rework.jobs)をチェックしてみてください。また、イギリスのGradQuiz(https://gradquiz.com/)など、新卒者に特化したリクルーターもあります。
求人情報を閲覧するのは時に有効で、アイデアを得るのに役立つ方法です。あなたがそうしたいときのために、ここでは主なサイトをいくつか紹介します:
- https://www.indeed.com/は、ウェブ上の求人情報を集約しています。
- もしあなたがアメリカの専門職の求人に興味があるなら、The Muse(https://www.themuse.com/search/) やThe Ladders(https://www.theladders.com/) をチェックしてみましょう。
- あなたの大学にも、おそらく卒業生を対象とした求人情報サイトがあるはずです。
- 特定の部門に特化した求人情報サイトもあります。例えば、https://www.idealist.org/は非営利セクターの仕事に特化しており、Angel List(https://angel.co/jobs)はスタートアップの仕事に、https://www.internships.com/はインターンシップに特化しています。
段階2:コンバージョン
あなたを採用する力のある人物と連絡をとれたとき、あなたはどのようにその相手を説得しますか?
ここでも、相手の立場に立って考えてみましょう。かつて80,000 Hoursでは、ウェブエンジニアを採用しようとしていました。ほとんどの応募者は応募フォームに記入するだけでしたが、ある応募者は私たちのキャリアクイズをデザインし直したバージョンを送ってきました。どちらの応募がより説得力があるでしょうか?クイズを送ってきた人は、正式な経験がほとんどないにもかかわらず、すぐに応募者の上位20%に入りました。
雇用主が求めているのは、いくつかの資質です。彼らは、社会的になじみ、定着し、トラブルを起こさない従業員を求めています。しかし、最も重要なのは、雇用主が直面している問題を解決できるかどうかを確認したいと望んでいます。もしあなたが、雇用主の最も重視する結果を得られると証明できれば、他のことはあまり重要ではなくなります。
では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?
プロセスが高度に標準化されている場合
このような場合、あなたは輪をくぐり抜けなければなりません。どのようなプロセスなのかを正確に把握し、それを正確に実践することによって、チャンスを最大化してください。例えば、もしそれが能力評価面接であれば、どのような能力が求められているのかを調べ、友人に同じような質問をやってもらいましょう。一部の公共サービス機関は、候補者を評価するために使用する審査基準を公開しています。
あなたのできる最も有効なことは、最近そのプロセスを経験した人を見つけて、どのように行われるかを尋ね、可能であれば、主要な段階を一緒に練習することです。応募の仕方について書かれた本があることもあります。
しかしながら、ほとんどの雇用主は、完全に標準化されたプロセスを持っていません。そのような場合はどうすればいいのでしょうか?
もしあなたがすでに同じ仕事をしたことがあるのなら、自分のストーリーを伝える練習をすることだけが必要でしょう。面接のコツまで読み飛ばしてください。しかし、関連する経験があなたにあまりない場合はどうでしょうか?
基本的な考え方は、ただ働きをするです。
ただ働きをする
自分がその仕事をできることを証明する最も強力な方法は、実際にその仕事をいくつかやってみることです。第6章で見たように、仕事をすることは、自分がその仕事が得意であるかどうかを知るための最良の方法であり、自分の時間を無駄にしないためにも役立ちます。
ここでは、その実践方法を3つ紹介します。
面接前のプロジェクト
これは、あのウェブエンジニアがキャリアクイズでやったことです。
自分がその役割で何をすることになるのかを調べます(これだけで、あなたはすでにかなり優位に立ちます)。
特に、その組織のどのような問題を解決する必要があるのかを把握します。これを把握するためには、おそらくいくらかの机上調査56を行い、その業界の人と話をする必要があります。
どこかの週の週末を利用して、これらの問題に対する解決策をまとめ、その企業の数人に、もっと話をしたいという誘い文句とともに送ります。
1週間経っても返事がない場合は、少なくとも1回はフォローアップをします。
あるいは、提案書を書き上げ、面接の際にそれを提示します。ラミット・セシは、これを「ブリーフケース・テクニック」と呼んでいます。
個人的な経験から言うと、私たちは効果的利他主義センターで4年間にわたる競争的な応募プロセスを監督してきましたが、これをすれば、たとえあなたの提案がそれほど良くなかったとしても、すぐに応募者の上位20%に入ることができるでしょう。これで大きな熱意が伝わりますし、ほとんどの人は自分が応募している職務についてほとんど何も知らないのです。
試用期間
もし雇用主が躊躇しているのであれば、2~4週間の試用期間、おそらく減額された給与かインターンとして働くことを申し出ることができます。その際、その会社で働きたいという熱意と、うまくいく自信があることを伝えましょう。終了時に雇用主が満足していない場合は、潔く去ることを明確にしましょう。
雇用主が迷っている場合にのみ、この話を持ち出すようにしましょう。さもないと、自分を過小評価しているように思われるかもしれません。
近くの立場を狙う
もしあなたがすぐに希望する仕事に就けない場合は、フリーランスや本当に望んでいるものよりも一段階下の立場など、組織内の別の立場に応募することも検討しましょう。近くの立場で働くことで、あなたのやる気と文化的な適合性を証明する機会が得られます。あなたの上司が空いた立場を埋める際には、長い応募プロセスを始めるよりも、すでに一緒に働いている人を昇進させるほうがずっと簡単です。
面接の準備の仕方
あなたが雇用主の抱える問題を解決できることを示せるならば、面接の準備はほぼ完了しており、世の中の面接アドバイスもほとんど無視することができます。しかしながら、あなたがそれを示せる時間が常にあるとは限らないですし、さらに説得力を得るためにできることがたくさんあります。
ここでは面接の準備に関して私たちが見つけた最高のアドバイスを紹介します。これはネットワークを作りながらリードを得るのにも有効です。もしあなたが現在積極的に仕事を探していない場合は、とりあえずこのセクションは飛ばしてください。
雇用主に会ったら、彼らの課題を理解するためにたくさん質問しましょう。そして、その課題の解決に自分がどのように貢献できるかを話し合います。これこそ、優れた営業職の人がやっていることです。ニール・ラッカムの『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』では、営業に関する研究を調査し、「質問の使い方と対話の成功の間には、統計的に明確な関連がある」と結論づけています。さらに、営業職の人がより多くの質問をするように訓練されると、より効果的な営業ができるようになったのです。
会合に先立ち、3つの重要な売り込みのポイントを準備してください。これらは、話し合いの中であなたが伝えようとするメッセージです。例えば、1)私は以前この仕事をうまくやったことがある、2)私はこの会社にとても期待している、3)私が取り組むことができる提案を持っている、などです。これらを事前に書いておくと、最も重要なことに言及できる可能性が高くなりますし、聞いている人の記憶に残るのは3点が限界でしょう。だから、これがビジネス・アイデアを売り込むときの定番のアドバイスなのです。もし、自分が何を提供できるかわからない場合は、第5章の最後に、自分のキャリア資本を棚卸しする演習が用意されています。
最も印象的なことに集中してください。「私はエネルギー政策についてオバマに助言した」、と「私はエネルギー政策についてオバマに助言し、ここ3年間は高校の教師として働いている」とではどちらがよく聞こえるでしょうか?多くの人は、履歴書に自分がやってきたことをすべて書き込みますが、通常は、あなたの最も印象的な業績を1つか2つ選び、そこに焦点を当てたほうがよいでしょう。そのほうが聞こえもよく、あなたがそれについて話をする可能性も高くなり、聞いている人がそれを覚えている可能性も高くなります。
3つの重要なメッセージの裏付けとなる具体的な事実やストーリーを用意しましょう。例えば、もしあなたがウェブエンジニアに応募する場合、「私は努力家です」ではなく、「私の友人に、ある団体を運営している人がいますが、その団体はちょうどメディアで報道されるところでした。彼は24時間以内にウェブサイトを構築する必要があったので、私たちは徹夜で構築しました。翌日には1000人の登録がありました」としましょう。「どうしてもこの業界で働きたい」と言うよりも、応募に至った経緯を語ることです。抽象的な主張よりも、ストーリーや具体的な内容のほうが、はるかに印象に残ります。
自分が提供できるものを、どのように一文にまとめるかを考えましょう。スティーブ・ジョブズは、iPodが他のmp3プレーヤーより30%優れていると言って何百万台も売ったのではなく、「ポケットの中の1000曲」というスローガンを掲げて売ったのです。短く、鮮やかな要約があれば、他の人があなたに代わってあなたのことを宣伝するのも容易になります。例えば、「彼は気候政策についてオバマに助言した人物で、研究職を希望している」といった具合です。
最も想定される質問に対する答えを用意しておきましょう。それを書き出してから、声に出して練習します。通常は、次の3つの質問が出ます:(1)「あなたについて教えてください。」 - これは、なぜその立場を希望するのかについての話をして、1つか2つの実績に言及する機会です。(2)「なぜこの立場を希望するのですか?」(3)「私たちに何か質問はありますか?」次に、面接官が最も気になる特性について、いくつかの行動的な質問を加えるのが普通です。これらは通常、「あなたが…時について教えてください」という形であり、…の中には次のようなものが入ります:「リーダーシップを発揮した」、「チームとして働かなければならなかった」、「困難な状況や人に対処しなければならなかった」、「失敗した」、「成功した」などです。脚注のリンクをたどると、一般的な面接の質問のリストが見つかります。57
最初から最後まで通して、面接の練習をする。友人と会い、彼らに5つの面接の質問をしてもらい、素早く答える練習をします。もし助けてくれる友人がいない場合は、自分の答えを声に出して、どのようにしたいかを頭の中でリハーサルしてみましょう。何が一番失敗しそうなのか、もしそうなったらどうするのか、自分に問いかけます。
学びましょう。面接が終わるたびに、うまくいったこと、もっとうまくできたであろうこと、次回はこうしようということを書き留めておきます。
営業についてもっと知りたい方には、ニール・ラッカムの徹底的な研究に基づいて書かれた『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』が一番のお勧めです。
段階3:交渉
交渉は、あなたがオファーを受けた後、つまり雇用主があなたを雇いたいと言った後に始まります。
ほとんどの人は、仕事が決まったことに満足しているか、交渉するという考えに抵抗があるため、決して挑戦しようとしません。しかし、10分間の交渉が、今後数年間にわたる大きな利益をもたらす可能性があります。ですから、実際にやってみることを検討してみてください。
例えば、あなたの慈善事業への寄付と同額を寄付するよう雇用主に依頼することもできます。そうすれば、年間数千ドルの追加の寄付が可能になり、交渉に費やした10分間があなたの人生で最も生産的な時間になるかもしれません。
また、特定のチームで働きたい、もっと柔軟な時間帯で働きたい、リモートで働きたい、特定のスキルを身につけたいと交渉することも可能です。これらはすべて、あなたの日々の幸福とキャリア資本に大きな違いをもたらす可能性があります。
交渉は常に適切というわけではありません。もしあなたが公務員のように高度に標準化されたオファーを獲得している場合は、交渉しないことです。彼らは契約内容を変えることができないでしょう。また、もしあなたが他の候補者よりも僅かに優れているだけの場合や、他に選択肢がない場合にも交渉してはいけません。そして、雇用主がオファーを出すまでは絶対に交渉してはいけません。面接中に交渉を始めるのはとても悪い印象を与えます。
しかしながら、私たちは、ほとんどの場合であなたがオファーを得たら交渉を試みるべきだと考えています。人を雇うには何か月もかかり、経営者の時間も多く費やされます。雇用主は、一度オファーを出したら、そのプロセスに何千ドルも投資したことになります。トップの候補者は、多くの場合、次善の候補者よりもかなり優秀です。これは、例えば5%のコスト増でトップの候補者を逃がすことはまずありえないということを意味します。
あなたが交渉を試みたからといって、彼らが最初のオファーを撤回する可能性はさらに低いでしょう。礼儀正しくしていれば、最悪の場合でも、彼らは最初のオファーを守ってくれることでしょう。
交渉は、あなたに複数の良いオファーがあるときに、最も強く検討すべきです。なぜなら、そのときには、強力な予備の立場を確保できているからです。
交渉の方法
あなたが雇用主に与える価値と、あなたが望む待遇を与えることが正当化される理由を説明しましょう。客観的な指標とウィン・ウィンの解決策を探すことです。あなたが大切にしていることと引き換えに、雇用主が大切にしていることに譲歩することはできますか?例えば、次のようなことです:
私はあなたの登録プロセスを再設計し、コンバージョン率を1%上げるつもりです。これはあなたにとって数百万ドルの価値があるので、最高5万ドルまで私の寄付と同額を寄付してもらいたいと思います。これは私が価値を認めていることであり、会社は寄付金に対して税制上の優遇措置を受けることができます。
この業界で私と同レベルの経験を持つ他の人たちは、通常5万ドルの給料をもらっており、週に2日は自宅で仕事ができます。しかし、私はあなたのところで働きたいと思っています。他社の条件に合わせられますか?
私は営業スキルを身につけることにとても意欲的なので、Xさんと一緒に働きたいと思います。そうすれば、半年後にはもっと効果的に役割を果たせるようになるでしょう。
給与交渉については、膨大な量が書かれており、これはほんのわずかな例にすぎません。58
仕事を始めてから交渉する
仕事を始めたら、できるだけ良いパフォーマンスをするように心がけ、それからまた交渉してください。ほとんどの雇用主は、すでに優れた仕事をしている人を失うことを非常に嫌がるでしょう。ただ、ほとんどの会社には標準的な評価プロセスがあるので、頼みごとをするのはそれまで待つよう心に留めておいてください。
モチベーションを保つ
仕事探しは、あなたがこれまでにした最も大変なことの1つかもしれません。あなたはおそらく30回も連続で何かを断られたことはないでしょう。しかも、あなたはそのほとんどを1人でやらなければならないのかもしれません。まるでオンラインデートが簡単に見えるようです。
これはつまり、あなたが知っているあらゆるモチベーションをあげるテクニックを仕事探しに投入する必要があることを意味します。例えば、あなたがオファーを受けるまで毎週5人と話すといった本当に具体的な目標を立て、その目標を公言し、達成できなかったらあなたが大事にしていることをあきらめると約束します。私たちの知るとある求職者は、リベラル派であるにもかかわらず、目標に届かなかったらトランプ陣営に寄付をすると約束しました。
また、私たちのメンバーは、同じように就職活動をしている人とペアを組むのも有効な方法の1つであることを見出しています。進捗状況を確認し、手がかりやリードを共有するのです。あるいは、最近同じような就職活動に成功した人を見つけて、会ってヒントを与えてもらうのもいいでしょう。
あなたがモチベーションを上げる方法についての実践的なヒントを得るには、ニック・ウィンター著の『The Motivation Hacker(ザ・モチベーション・ハッカー)』をチェックしてください。
さまざまな仕事に関するアドバイスをチェックする
あなたが目指す職種によって、仕事を得るための最適な方法は異なります。本書の巻末にあるキャリアプロファイルに行き、オンラインで完全版を見つけてください。レビューの多くには、参入するための方法に関する段階ごとのアドバイスが掲載されています。
二度と就職活動はしない
あなたがキャリア資本を構築するにつれて、あなたの就職活動はどんどん楽になります。
より良い立場に身を置くためにできる最も重要なことは、人脈を増やし、より良い紹介を受けられるようになることです。これについては、付録2の第5節と次の章にヒントがあります。
また、強力なスキルを身につけ、自分の仕事に全力を尽くすことにも重点を置いてください。最高のマーケティングは口コミです。雇用主があなたを探すのではなく、その逆です。もしあなたが素晴らしい仕事をしていれば、人々は積極的にあなたを雇用主に紹介したくなるでしょう。なぜなら、それはあなただけでなく彼らにとっても好都合だからです。
結論
就職活動は不愉快なプロセスになるかもしれませんが、この章にある段階を踏んでいけば、あなたが成功する可能性が高くなります。そして、それによりあなたは、満足のいくキャリアを見つけ、世の中に貢献するために、自分の潜在能力を発揮することができるようになるでしょう。
https://80000hours.org/2013/05/how-important-is-networking-for-career-success/↩︎
https://lifehacker.com/how-to-clean-up-your-online-presence-and-make-a-great-f-5963864にガイドがあります。↩︎
https://80000hours.org/2015/03/how-to-network/に、ネットワークの作り方に関する私たちのアドバイスがあります。↩︎
人脈のないところで仕事を得るためのガイドについては、https://cultivatedculture.com/how-to-get-a-job-anywhere-no-connections/を参照してください。誰かのメールアドレスを手に入れるためのガイドについては、https://life-longlearner.com/find-email-addresses/を参照してください。↩︎
この方法については、https://www.themuse.com/advice/the-ultimate-guide-to-researching-a-company-preinterviewに簡単なガイドが掲載されています。↩︎
The Museに掲載されている「よくある31の面接の質問への答え方」:
https://www.themuse.com/advice/how-to-answer-the-31-most-common-interview-questions↩︎https://www.kalzumeus.com/2012/01/23/salary-negotiation/に良いガイドがあります。あなたがさらに進みたい場合には、ハーバード・ロースクールの交渉コースを開発したウィリアム・ユーリー著の『ハーバード流“NO”と言わせない交渉術―決定版 あらゆる「心理戦」を制する究極の法!』をチェックしてみてください。↩︎