第10章 グローバルな不平等

図10.1 | 現代の経済発展は、しばしば世界各地で似たようなパターンをたどり、持つ者と持たざる者の間の格差が拡大していると表現するのが最もふさわしいです。(Credit: Alicia Nijdam/Wikimedia Commons)

図10.1 | 現代の経済発展は、しばしば世界各地で似たようなパターンをたどり、持つ者と持たざる者の間の格差が拡大していると表現するのが最もふさわしいです。(Credit: Alicia Nijdam/Wikimedia Commons)

この章の概要

10.1 グローバルな階層と分類
10.2 グローバルな富と貧困
10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

はじめに

2013年4月24日、バングラデシュのダッカにあるラナ・プラザの崩壊で1100人以上が死亡したのは、史上最悪の衣料品工場の事故であり、そしてそれは回避可能なものでした(International Labour Organization, Department of Communication, 2014)。

この建物には、約5000人が働く衣料品工場のほか、銀行、アパートメント、児童保育施設、さまざまな店舗が入っていました。これらの多くは、崩壊の前日に建物の壁に亀裂が発見され、閉鎖されました。このビルに入ることを拒否した衣料品工場の労働者たちは、1か月分の給料を失うことになると脅されました。そのほとんどが20歳以下の若い女性でした。彼女たちは通常、1日13時間以上働き、月々の休みは2日でした。この仕事は時給にすると12~22セント、週給にすると10.56~12.48ドルです。この給料がなければ、ほとんどの人が子供を養うことができなかったでしょう。一方、アメリカの連邦最低賃金は時給7.25ドルで、週40時間を超える労働には1.5倍の額の賃金が支払われます。

倒壊したラナ・プラザの建物で作られた衣類の32%は、米国、カナダ、ヨーロッパの店舗向けでした。ウォルマートのジーンズは5階で作られていました。ザ・チルドレンズ・プレイスの衣料品もこの建物で生産されていました。その後、ウォルマートは100万ドル、ザ・チルドレンズ・プレイスは45万ドルをラナ・プラザ信託基金に寄付することを約束しましたが、このビルで衣料品を製造していた他の15社は寄付しないことを選びました(Institute for Global Labour and Human Rights, 2014)。

この章を読みながら、米国企業が周縁国に製造を委託し、多くの女性や子供が奴隷労働と呼ぶ人もいるような状況下で働くことを可能にするグローバルなシステムについて考えてみましょう。米国にいる人々は外国の労働者に対して責任があるのでしょうか?米国企業は、自社の衣料品を製造する衣料品工場の労働者に何が起こるかについて責任を負うべきなのでしょうか?そのような労働者を助けるために、消費者として何ができるでしょうか?

10.1 グローバルな階層と分類

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • グローバルな階層について記述する
  • さまざまな分類システムの発展の歴史を区別する
  • ウォーラーステインの世界システム・アプローチに基づく用語法を使用する
  • 世界銀行の経済分類を説明する

米国の富がますます最富裕層に集中しているのと同じように、グローバルな不平等は、特定の国家内や特定の人々の間に資源を集中させています。

世界で最も裕福な人々の金銭的な資源を測定することは、一般的に、貧困の中で暮らす人々の資源を測定するよりも簡単ですが(Matthews, 2019)、研究者や権利擁護者は経済状況や結果を評価し理解するためのいくつかのツールを作っています。

1つの明快な方法は、最も裕福な10%の人々の所得と最も貧しい10%の人々の所得の比率を比較することです。(同じ方法が、最富裕の20%と最貧の20%でも使われることがあります。)この方法は、必ずしも所得の不平等の全体像を提供するものではありませんが(文字通り、真ん中の人々が抜けてしまいます)、洞察を与えることは確かです。

人間開発指数は、人々の潜在的な達成能力を表すものです。この指数は、人々の寿命、教育、所得に関するデータを使って計算されます。金銭的な要素と非金銭的な要素の両方を用いることで、ある地域の生活や問題をより深く描き出すことができます。例えば、所得が高くても教育水準が低い国は、総合的な機会において困難を抱えているということになるでしょう。このアプローチは、パキスタンの経済学者マブブ・ウル・ハクが開発したもので、彼は最初の年次人間開発報告書を作成しました。これは毎年、開発の問題や変化を捉えて図示する報告書です。

図10.2 | 人間開発指数とその派生指標、そして不平等調整済み人間開発指数(IHDI)のような拡張指数は、経済的機会、支援、政策についての国や地域の議論の中心的決定要因として、財政だけでなく、人間を中心に据えるために開発されました。この指数は、健康、知識、生活水準(所得)の3つの主要な次元(カテゴリー)を考慮し、各次元の個別値を算出し、それを平均して最終値を算出します。(人間らしい生活水準においては、GNIは国民総所得、PPPは購買力平価のことであり、いずれも所得や相対的な豊かさを示す重要な指標です。)(Credit: United Nations Development Programme)

図10.2 | 人間開発指数とその派生指標、そして不平等調整済み人間開発指数(IHDI)のような拡張指数は、経済的機会、支援、政策についての国や地域の議論の中心的決定要因として、財政だけでなく、人間を中心に据えるために開発されました。この指数は、健康、知識、生活水準(所得)の3つの主要な次元(カテゴリー)を考慮し、各次元の個別値を算出し、それを平均して最終値を算出します。(人間らしい生活水準においては、GNIは国民総所得、PPPは購買力平価のことであり、いずれも所得や相対的な豊かさを示す重要な指標です。)(Credit: United Nations Development Programme)

不平等のもう1つの指標はジニ係数で、これはイタリアの社会学者で統計学者のコラド・ジニにちなんで命名されました。(国民総所得を表すGNIと混同しないように注意してください。)これは、多くの金銭的指標を用いて計算され、小数またはパーセテージで表されます。すべての住民が同じ所得を持つ国のジニ係数は0(または0%)となるでしょう。一方、ある一人の居住者がすべての所得を得て、他のすべての居住者は何も得ていない国の所得ジニ係数は1(または100%)となるでしょう。このように、数値が高ければ高いほど(一人の人間がすべての所得や富を持つ状態に近ければ近いほど)、不平等が大きくなります。

他の測定基準はもう少し直接的です。ある国や地域の貧困の度合いを示すために、研究者はさまざまな貧困の閾値以下で暮らす人口の割合を算出します。一般的な指標は、1日あたり1.90ドル未満(これは一般に国際貧困ラインとして知られています)で生活している人口の割合を考慮するものです。(なお、この種の計測では、世界標準として米ドルがしばしば使われます。)次の項の表は、この方法を使用しています。

これらは、社会学者、経済学者、政府などが所得の不平等や貧困のレベルを理解しようとする方法のほんの一部に過ぎません。これらの指標に変化があれば、政策立案者に対して、何かが人口集団に影響を与えていることを知らせることができます。変化がないことは、例えば、貧困層に対する新しい金銭支援プログラムがうまく機能していないことを人々に伝えるかもしれません。

これらの分析要素を念頭に置き、3つの主要な社会学的視点がグローバルな不平等を理解する上でどのように貢献するかを考えてみましょう。

機能主義の視点は、社会のあらゆる側面が全体の継続的な健全性と存続にとって不可欠であることに注目するマクロ分析的な視点です。機能主義者は、なぜグローバルな不平等があるのか、それはどのような社会的目的を果たすためなのかに焦点を当てるかもしれません。この観点は、例えば、グローバルな不平等があるのは、ある国が他の国よりも新技術への適応に優れ、グローバル化した経済から利益を得ているからであり、中核国の企業が周縁国に進出することで、地域経済が拡大し、労働者に利益がもたらされると主張するかもしれません。

紛争理論は、不平等の発生と再生産に焦点を当てます。紛争理論家は、中核国が周縁国の資源を搾取する際に生じる体系的な不平等を取り上げるでしょう。例えば、米国に存在する憲法上の保護や最低保証賃金がない海外の労働者を利用する米国企業はどれほどあるでしょうか?そうすることで利益を最大化することができますが、その代償は何でしょうか?

シンボリック相互作用論の視点は、グローバルな不平等の日常的な影響、グローバルな階層に個人が与える意味、そして貧困の主観的な性質を研究しています。この観点をグローバルな不平等に適用する人は、中核国に住む人が貧困として定義するもの(自国の平均的な人々のライフスタイルを送ることができないとして定義される相対的貧困)と、周縁国に住む人が貧困として定義するもの(食料などの基本的必需品を買うことがほとんどできない、またはできないとして定義される極度の貧困)の違いを理解することに焦点を当てるでしょう。

グローバルな階層

米国における階層は、個人間の資源分配の不平等を指しますが、グローバルな階層は、国家間でのその不平等を指します。この階層には、国家間の格差と国家内の格差という2つの側面があります。グローバルな不平等に関しては、経済的不平等と社会的不平等の両方が、地球上の人口の特定の部分に貧困の負担を集中させている可能性があります(Myrdal, 1970)。

前述のように、階層を評価する1つの方法は、どれだけの人々が貧困、特に極度の貧困(しばしば1日あたり1.90ドル未満で生き延びる必要があると定義されます)の中で暮らしているかを検討することです。幸いなことに、COVID-19のパンデミックが2020年に経済に影響を与えるまで、極度の貧困率は20年にわたって減少傾向にありました。2015年には、世界人口の10.1%が極度の貧困の中で暮らしていましたが、2017年にはその数字が9.2%へとまるまる1ポイント下がりました。前向きなものではありますが、この9.2%は、1日あたり1.90ドル未満で暮らしている6億8900万人に相当します。同じ2017年には、世界の24.1%が1日あたり3.20ドル未満、43.6%が1日あたり5.50ドル未満で生活していました(World Bank, 2020)。下表を見ると、貧困の違いが非常によくわかります。

表10.1 | 極度の貧困率を検討すると、国ごとの違いは明らかです。ほとんどの場合、選択した国は、同じ地域の国との間でも不均衡が見られます。データはすべて2018年のものです。(World Bank, 2020)

表10.1 | 極度の貧困率を検討すると、国ごとの違いは明らかです。ほとんどの場合、選択した国は、同じ地域の国との間でも不均衡が見られます。データはすべて2018年のものです。(World Bank, 2020)

私たちのほとんどは、グローバルな階層を経済的不平等として考えることに慣れています。例えば、私たちはアメリカの平均的な労働者の賃金とアメリカの平均賃金とを比較することができます。しかしながら、社会的不平等は、経済的な相違と同様に有害です。先入観や差別は、それが特定の人種、民族性、宗教に対するものであれ、あるいはその他に対するものであれ、国内でも国家間でも経済的平等の条件を作り出し、悪化させる可能性があります。南アフリカ共和国で何十年にもわたって存在していた不公平について考えてみましょう。制度化された合法的な人種差別の最も極端な例の1つであるアパルトヘイトは、社会的不平等を生み出し、世界中から非難を浴びました。

ジェンダーの不公平は、もう1つのグローバルな懸念事項です。女性器切除をめぐる論争を検討してみましょう。この女性の割礼を実践している国々は、特定の部族における長年の文化的伝統であるとしてそれを擁護し、西洋は干渉すべきではないと主張します。しかしながら、西洋諸国はこの慣習を非難し、その阻止に努めています。

性的指向やジェンダー・アイデンティティーに基づく不平等は世界中に存在します。アムネスティ・インターナショナルによると、伝統的なジェンダーの役割や性的指向(それらが文化的にどのように定義されていようとも)に同調しない個人に対して、多くの犯罪が行われています。文化的に公認されたレイプから国家的に認可された処刑まで、その虐待は深刻です。こうした先入観や差別についての合法化され、文化的に受け入れられた形態は、米国からソマリア、チベットに至るまで、あらゆる場所に存在し、個人の自由を制限し、しばしば命を危険にさらしています(Amnesty International, 2012)。

グローバルな分類

グローバルな不平等を議論する際の大きな懸念は、低開発国が脱工業化しグローバルな力を獲得した国々のようになりたいと望んでいると暗示するような、自文化中心的なバイアスをいかに回避するかということです。開発途上(非工業化)と先進(工業化)という言葉は、工業化されていない国が何らかの形で劣等であり、グローバル経済(経済のあらゆる側面が国境を越えていることを示すラベル)にうまく参加するために改善しなければならないことを含意します。私たちは、異なる国々をどのように描くかに気をつけなければなりません。時がたつにつれて、より包摂的な世界観のために、用語法は変化してきました。

グローバルな分類方法は、各国間の経済的な違いを理解する上で重要なだけでなく、国を分類し、他の分野の傾向を把握する方法を提供する上でも重要なものです。以下で議論する分類は、健康と医療に関する章など、他の章でも使用される予定です。

冷戦時代の用語法

冷戦の用語法は、冷戦時代(1945-1980)に開発されました。それは身近な存在で、今でも多くの人が使っています。その用語法では、経済発展や生活水準に基づいて、国々を第一世界、第二世界、第三世界に分類します。この用語体系が開発された当時は、アメリカや日本などの資本主義的な民主主義国家が第一世界の一部とみなされていました。最も貧しく未開発の国が第三世界と呼ばれ、そこにはサハラ以南のアフリカ、ラテンアメリカ、アジアのほとんどが含まれました。第二世界はその中間に位置するカテゴリーであり、第三世界ほど発展が限られてはいないものの、第一世界ほど裕福ではなく、中国やキューバのように経済や生活水準が中程度であるような国のことでした。その後、社会学者のマニュエル・カステル(Castells, 1998)は、世界中で政治的発言力を否定され、汚名を着せられた少数派集団(例えば、先住民の少数集団、囚人、ホームレスなど)を指す第四世界という言葉を追加しました。

また、冷戦時代には、グローバルな不平等は経済発展の観点から記述されました。開発途上国、先進国とともに、低開発国や後進国という言葉も使われました。これは、先進国と呼ばれる国々が、低開発国や後進国の生活水準を高めるために対外援助を行うべきだというノーブレス・オブリージュ(第一世界の責任)の考え方が定着した時代でした。

イマニュエル・ウォーラーステイン:世界システム・アプローチ

イマニュエル・ウォーラーステイン(Wallerstein, 1979)の世界システム・アプローチは、グローバルな不平等を理解するために経済的な基盤を用います。ウォーラーステインは、グローバル経済のことを、ある国は多くの資源を持つ権力の座にあり、他の国は経済的に従属した状態にあるような経済的ヒエラルキーを支える複雑なシステムとして捉えました。従属状態にある国々は、活動のための大きな障害に直面しました。

中核国とは、支配的な資本主義国で、高度な工業化、技術化、都市化が進んでいる国です。例えば、ウォーラーステインは、米国が経済大国であり、広範囲に影響を及ぼす重要な経済法案を支持したり、支持しなかったりできるため、グローバル経済のあらゆる側面に対する支配力を行使し、準周縁国と周縁国の両方を搾取していると主張しています。私たちは、北米自由貿易協定(NAFTA)のような自由貿易協定のことを、中核国がその力を利用して、世界貿易の問題で最も有利な立場を得ることができる例として見ることができます。

周縁国は工業化がほとんど進んでいません。これらの国が手にしているものは、しばしば中核国の時代遅れの不用品や中核国によって所有される工場や生産手段を表しています。また、一般的には、それらの国が有しているのは不安定な政府や不十分な社会プログラムであり、経済的に中核国の雇用や援助に依存しています。ベトナムやキューバなど、このカテゴリーに属する国の例は枚挙にいとまがありません。私たちは、例えば、グローバルな中核国企業が所有またはリースしているキューバの葉巻工場で働く労働者は、米国の労働者と同じ恩恵や権利を享受していないことに確信を持てます。

準周縁国は、政策を決定するほどの力はないものの、それでも中核国にとって原材料の主要な供給源であり、拡大する中流階級の市場として機能する一方で、周縁国を搾取する中間的な国です。メキシコはその例で、米国に安価な農業労働力を豊富に提供し、米国の労働者に提供される憲法上の保護なしに、米国の指示するレートで米国市場に商品を供給しています。

世界銀行の所得別経済分類

世界銀行は、その政策とデータの計算方法の両方においてしばしば批判されていますが、グローバル経済のデータの一般的な情報源であることに変わりはありません。世界銀行は、経済だけでなく、人口統計や環境の健全性なども調査し、ある国が高所得国、中所得国、低所得国のいずれであるかについての完全な見取り図を提供することができます。

図10.3 | この世界地図は、先進国、移行国、低開発国、後発開発途上国を示しています。この地図のデータは、以下の文章で紹介されているデータより1年古いことに注意してください。(Credit: Sbw01f, data obtained from the CIA World Factbook/Wikimedia Commons)

図10.3 | この世界地図は、先進国、移行国、低開発国、後発開発途上国を示しています。この地図のデータは、以下の文章で紹介されているデータより1年古いことに注意してください。(Credit: Sbw01f, data obtained from the CIA World Factbook/Wikimedia Commons)

高所得国

世界銀行は、2019年の国民総所得が一人あたり1万2536ドル以上である国を高所得国と定義しています(World Bank, 2021)。(分析者が国家の真の所得を評価できるように、分類は常に2、3年遅れているということに留意してください。)例としては、ベルギー、カナダ、日本、オマーン、プエルトリコ、米国などが含まれます。

高所得国は、資本逃避と産業の空洞化という2つの大きな問題に直面しています。資本逃避とは、ゼネラルモーターズがミシガン州の米国工場を閉鎖し、メキシコに工場を開設したように、ある国から別の国へ資本が移動(逃避)することを指します。

関連する問題である産業の空洞化は、資本逃避の結果、外国に奪われた雇用を置き換える新しい企業が生まれないと発生します。予想できるように、グローバル企業は、インフラストラクチャー整備や労働者の訓練、商品の輸送、そしてもちろん従業員の賃金など、最小のコストで最大の生産量を確保できる場所に、産業プロセスを移転させます。これはつまり、新興国が独自の工業地帯を作ることで、グローバル企業はインフラストラクチャーが存在しながら、はるかにコストを低く抑えられる機会を得ることを意味します。これらの機会は、企業が中核国の中流階級に雇用を提供する工場を閉鎖し、工業生産を周縁国や準周縁国に移すことにつながります。

大局的な観点

米国における資本逃避、アウトソーシング、そして雇用

図10.4 | デトロイト都市圏などの場所では、企業の倒産に伴い工場や店舗が閉鎖され、放置されています。(Credit: Joe Nuxoll/flickr)

図10.4 | デトロイト都市圏などの場所では、企業の倒産に伴い工場や店舗が閉鎖され、放置されています。(Credit: Joe Nuxoll/flickr)

資本逃避とは、雇用やインフラストラクチャーが、ある国から別の国へと移動することです。米国の自動車産業を見てみましょう。20世紀初頭、アメリカで走る自動車は国内で作られており、デトロイトや、自動車を作るためのあらゆるものを製造する会社では、無数の労働者が雇用されていました。しかしながら、1970年代に燃料危機が起こり、米国の人々が燃費の良い輸入車に次第に目を向けるようになると、米国の自動車製造は衰退し始めました。2007年から2009年にかけての不況期には、米国政府が自動車主要三社に緊急資金援助(通常「ベイル・アウト」と呼ばれます)を行いましたが、これはこれらの企業が脆弱であることの証左です。同じころ、日系企業のトヨタやホンダ、韓国系企業の起亜は安定した販売台数を維持していました。

資本逃避は、(製造業とは異なる)サービス業の移転でも発生します。もしあなたが携帯電話やインターネットプロバイダーの技術サポートに電話したことがあるなら、地球の裏側にいる人と話した可能性が高いでしょう。その担当者は、自分の名前をスーザンとかジョーンとかと名乗るかもしれませんが、そのアクセントから本名はパールバティやインディラといったものであることは明らかです。その国では真夜中だというのに、これらのサービス業者はまるで隣町にいるように「おはようございます」といって電話に出ます。その人たちは電話やモデムのことなら何でも知っていて、リモートサーバーを使ってあなたの自宅のコンピュータにログインして用件を済ませることもしばしばあります。これが21世紀の労働者たちです。彼らは工場の現場や伝統的な搾取工場にいるわけではなく、教育を受け、少なくとも2か国語を話し、通常はかなりの技術的スキルを備えています。彼らは熟練した労働者ですが、その賃金は米国における同様の労働者の賃金の数分の一です。米国企業や多国籍企業にとって、この方程式は理にかなっています。インドやその他の準周縁諸国には、中核国のコストをかけずに、彼らのニーズを満たすためのインフラストラクチャーや教育システムが出現しています。

サービス業が移転すれば、仕事も移転します。米国では、失業率が高いです。大学で教育を受けた多くの人が仕事を見つけることができず、高校卒業資格しか持たない人はさらに悪い状況にあります。国全体として、私たちは委託により自分たちの仕事を失っており、それには単純労働だけでなく、ホワイトカラーの仕事も含まれます。しかし、あまりに辛辣な文句を言う前に、私たちは自分たちが受け入れている消費主義の文化に目を向けなければなりません。数年前ならば1000ドルはしたであろう薄型テレビが、今では250ドルです。そのコスト削減はどこからか出てこなければなりません。消費者が可能な限り低価格を求め、大型店で可能な限り大きな割引を受け、低価格と引き換えに他の要素を無視するとき、彼らはアウトソーシングのための市場を構築しているのです。そして、需要が高まるにつれて、市場は、そもそもそれを望んだ人々を犠牲にしてでも、その需要を満たすようにするでしょう。

図10.5 | アウトソーシングは、当初は製造業とその関連業務のための慣行でした。しかし、より技術力の高い人材が他国で利用可能になり、カスタマーサービスなどのサービス業もアメリカ国外に移されるようになりました。(Credit: Carlos Ebert/flickr)

図10.5 | アウトソーシングは、当初は製造業とその関連業務のための慣行でした。しかし、より技術力の高い人材が他国で利用可能になり、カスタマーサービスなどのサービス業もアメリカ国外に移されるようになりました。(Credit: Carlos Ebert/flickr)

中所得国

世界銀行は、中所得国の経済を2つのカテゴリーに分けています。下位中所得区分とは、一人あたりのGNIが1036ドルから4045ドルである区分です。上位中所得区分とは、一人あたりのGNIが4046ドルから1万2535ドルである区分です。コンゴ民主共和国、チュニジア、フィリピン、エルサルバドル、ネパールは、下位中所得国の例です。そして、アルゼンチン、メキシコ、中国、イラン、トルコ、ナミビアは、上位中所得国の例です(World Bank, 2021)。

中所得国にとって最も差し迫った問題は、おそらく累積債務の問題でしょう。累積債務とは、その名の通り、対外債務が積み上がることです。対外債務とは、国が拡大や成長目標に資金を供給するために他国からお金を借りることです。グローバル経済の不確実性により、これらの債務の返済や利息の支払いが困難になると、国家は窮地に陥ることになります。グローバル市場が一旦ある国の財の価値を下げてしまえば、債務負担を管理することは非常に難しくなります。このような問題は、ラテンアメリカやカリブ海諸国の中所得国や、東アジアや太平洋諸国の国々を悩ませています(Dogruel and Dogruel, 2007)。

低所得国

世界銀行は、2019年の一人あたりGNIが1035ドル以下の国を低所得国と定義しています。例えば、アフガニスタン、エチオピア、イエメンは低所得国とされています。低所得国は主として、世界の人口のほとんどが住むアジアとアフリカに存在します(World Bank, 2021)。これらの国が直面する2つの大きな課題は、(グローバルな貧困の女性化に向けた傾向の中で)女性が貧困の影響を不釣り合いに受けていることと、人口の多くが絶対的貧困の中で生活していることです。

国の分類は、しばしば経済の発展や、時には政治的な立場の変化によって変わることがあります。ネパール、インドネシア、ルーマニアは、経済が改善されたことにより、高い地位に上がりました。一方、スーダン、アルジェリア、スリランカは1レベル下がりました。数年前まで低所得国だったミャンマーは、現在では中所得国エリアに移行しています。2021年のミャンマーのクーデター、市民の大規模な反応、軍による抗議者の殺害により、その経済は再び悪化し、低所得国の地位に戻るかもしれません。

10.2 グローバルな富と貧困

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 相対的貧困、極度の貧困、主観的貧困を区別する
  • 世界で最も貧困ないくつかの地域の経済状況を記述する
  • 貧困の帰結がもたらす循環的な影響について説明する
図10.6 | ベトナムの路上で物乞いをする少女が、幼い子供を抱きかかえながら、食べ物を求めています。(Credit: Augapfel/flickr)

図10.6 | ベトナムの路上で物乞いをする少女が、幼い子供を抱きかかえながら、食べ物を求めています。(Credit: Augapfel/flickr)

貧しいとはどういうことを意味するのでしょうか?ニューヨーク市で二人の子供を持つシングルマザーが、食料品を買うために次の給料支払いを待っていることでしょうか?ベッドや椅子のような余分なものを買うほどの所得がないので、アパートにほとんど家具がない状態で暮らすことでしょうか?あるいは、サハラ以南のアフリカや南アジアの周縁国で、慢性的な栄養失調の膨らんだお腹で暮らさなければならないことでしょうか?貧困は千の顔と千のグラデーションを持ち、そのスペクトルのすべての部分を統合する単一の定義はありません。もしあなたがケーブルテレビに加入できなかったり、車を買えなかったりすると、自分が貧しいと感じるかもしれません。新しいノートパソコンやスマートフォンを持つ同級生を見るたびに、10年物のデスクトップパソコンを持つ自分はついていくのがやっとだと感じるかもしれません。しかしながら、あなたが着ている服や消費するカロリーを見て、他の誰かがあなたのことを金持ちだと思うかもしれません。

貧困の種類

社会科学者は、グローバルな貧困をさまざまな方法で定義し、上述したような複雑さや相対主義の問題を考慮に入れています。相対的貧困とは、人々が必需品を買うことはできるが、自分たちの社会の平均的な生活水準を満たすことができない生活状態のことです。人々はよく、「ジョーンズ家に後れを取るな」(「困窮していると感じたくなければ、隣人の生活水準に追いついていなければならない」という考え方)を見くびっています。しかし、もしあなたが通勤に使う車もなく、家族が病気になったときに備えるセーフティーネットのためのお金もなく、生活の収支を合わせる以上の「余裕」がない生活をしていると、「貧しい」と感じるかもしれないのは事実です。

相対的貧困とは反対に、極度の貧困の中で暮らしている人々は、十分な食料、清潔な水、安全な住居、医療へのアクセスなどを典型的に含む、基本的な必需品さえも欠いています。極度の貧困とは、1日あたり1.90米ドル未満で生活している人のことです。

近年、これらの傾向を分析する主要機関である世界銀行は、1日あたり1.90ドルという極度の貧困の水準以下にいる人々の数に重点を置いていました。(以前の用語は「絶対的貧困」でした。)2018年、世界銀行は考慮すべき指標として、3.20ドル未満で暮らす人々と5.50ドル未満で暮らす人々という2つを追加しました。極度の貧困カテゴリーに属する人々の数が減り続ける中、これらの2つの新しいカテゴリーは、1.90ドルのラインより上で生活しているものの、それでも極度の貧困に陥りやすい状態にとどまる人々を認識するために重要になるでしょう。1.90ドル以上で生活できるだけの収入を得るようになった人は、依然として深刻な貧困状態にあり、そのようにみなされるべきです(Schoch, 2020)。

もしあなたが1日あたり1.90ドル、あるいは5.50ドルで生活することを強いられたら、どのようにしますか?何にお金を使う価値があると判断し、何がなくても大丈夫でしょうか?必要なものをどのようにやりくりし、生きていくために必要なものと買えるものとの差をどのように埋めるでしょうか?

図10.7 | 多くの国々のスラムは、絶対的貧困をよく表しています。(Credit: Ninara/flickr)

図10.7 | 多くの国々のスラムは、絶対的貧困をよく表しています。(Credit: Ninara/flickr)

主観的貧困は、多くの次元からなる貧困を記述するものです。それは、実際の収入があなたの期待や認識を満たさない場合に、主観的に存在するものです。主観的貧困の概念により、いつ貧困が存在するかの認識において貧困層自身が大きな発言力を持つようになります。要するに、主観的貧困は、個人や家族が自分自身をどのように定義するかということに関係するものです。これは、ネパールで1日数ドルの生活をしている家庭は、自分たちが普通だと思う範囲内でうまくやれていると考えるかもしれないということを意味します。しかしながら、ネパールに旅行した西洋人は、同じ家族を訪ね、極度の困窮を目の当たりにするかもしれません。

大局的な観点

世界中の地下経済

ニューヨークの無認可タクシー運転手、ムンバイの自宅で働く出来高払いの縫製工、メキシコシティーのトルティーヤ屋台商人に共通することは何でしょうか?彼らは皆、地下経済のメンバーです。地下経済とは、税金や政府の許可、人的保護に妨げられない、緩やかに定義された規制のない市場のことです。世界同時不況以前の公式統計によると、ラテンアメリカでは非農業労働の50%以上を地下経済が占めており、アジアやアフリカの一部ではこの数字は80%にも上るとされています(Chen, 2001)。ウォールストリート・ジャーナル紙の最近の記事では、この非公式な市場の課題、特色、そして驚くべき利点について論じています。ほとんどの地下経済の仕事で得られる賃金は、特に周縁国では、ほんのわずかであり、市場で手作りのブレスレットを1つ売って数ルピー、1日かけて果物や野菜を売っても250ルピー(5米ドル)程度です(Barta, 2009)。しかし、このわずかな金額が、世界の貧困層にとって生きるか死ぬかの分かれ目となるのです。

地下経済は、これまでグローバルな経済学者からあまり肯定的に捉えられてきませんでした。結局のところ、そのメンバーは税金を払わず、事業を拡大するために融資を受けることもなく、消費支出という形で経済に還元されるほどの収入を得ることもほとんどありません。しかし、国際労働機関(国連の機関)によると、現在進行中の世界的な不況により、世界全体で約5200万人が職を失うでしょう。中核国の人々は、失業率が高く、政府によるセーフティーネットが限られているというのは恐ろしいことだと承知していますが、かろうじて生き延びている人々が職を失うことに比べれば、その状況はたいしたことではありません。いったんそのような仕事がなくなれば、沈まずにいられる可能性は非常に低くなります。

この不況という文脈の中で、一部の人は、地下経済が人々の生活を支える重要な役割を担っていると見ています。実際、世界銀行のあるエコノミストは、この不況下で周縁国の状況がさらに悪化するのを防いでいる主な理由として、非公式経済が生み出す雇用を挙げています。特に女性は、非公式セクターの恩恵を受けています。周縁国の経済活動をしている女性の大半は非公式セクターに従事しており、景気後退からの衝撃がいくらか和らげられています。もちろん、裏を返せば、経済成長の可能性からも同じように隔絶されていることになります。

米国でも、周縁国や準周縁国のような規模ではないものの、非公式経済は存在します。その中には、内密な子守、庭師、ハウスクリーナーや、無免許の露天商やタクシー運転手などが含まれます。また、自宅で託児所やサロンなどの非公式な事業を営む人もいます。アナリストは、この種の労働は米国経済全体の10%を占めると推定しています。この数字は、企業が従業員数を減らし、他の選択肢を求める労働者が増えるにつれて大きくなる可能性があります。結局のところ、タイで薬用ワインを売っていようが、インドでブレスレットを編んでいようが、地下経済の労働者は少なくとも、ほとんどの人が最も望むもの、つまりかろうじて生き延びるチャンスを手にしている、というのがこの記事の結論です(Barta, 2009)。

誰が貧困層なのでしょうか?

貧困層とはどのような人たちなのでしょうか?誰が絶対的貧困の中で暮らしているのでしょうか?私たちのほとんどが想像するであろう真実は、最も豊かな国とはしばしば最も人口の少ない国であるということです。人口のパイでは比較的小さい切れ端を持っており、富のパイでは圧倒的に最大の切れ端を持っている米国と、インドとを比べてみてください。このような格差は、予想通りの結果をもたらします。世界で最も貧しいのは女性であり、周縁国や準周縁国の人々です。女性にとって、貧困の割合は、特に時間に対するプレッシャーによって悪化します。一般に、時間は非常に貧しい人々が持つ数少ない贅沢品の1つです。しかし、数々の研究によると、貧困層の女性は、家族の面倒をすべて引き受けるとともに、できる限り稼ぐ責任を担っており、手にできる時間が少ないということが示されています。その結果、全体的な福利という点では女性の方がより苦しんでいることになります(Buvinic, 1997)。事業を拡大するために信用を得たり、新しいスキルを習得するために時間をかけたり、より高い収入を得られるように技能を磨くために余分な時間を費やしたりすることは、女性にとってより難しいことです。

グローバルな貧困の女性化

ほとんどすべての社会で、女性は男性よりも貧困の割合が高くなっています。より多くの女性と女児が劣悪な環境で暮らし、不十分な医療を受け、栄養失調や不十分な飲料水の負担を負うなどしています。このような状況は何十年にもさかのぼって存在し、1978年にミシガン大学の社会学者ダイアナ・ピアースによって「貧困の女性化」という言葉が生み出されることにつながりました。1990年代を通じて、特に周縁国で全体的な貧困率が上昇する一方で、女性の貧困率は男性よりも20%近く高くなったと示すデータがあります(Mogadham, 2005)。最近になって、極度の貧困率が下がり続けている中、女性は依然として世界の貧困層の中で不釣り合いに大きな割合を占めています。国際的な貧困データからジェンダーの差を見分けるのは難しい場合もありますが、研究者は貧困の影響を受けている人々の構成を定義する努力を行っています。25歳から34歳の人々のうち、世界で貧困の中で暮らす女性は、男性100人に対して122人です。また、貧困ラインを下回る世界の高齢者は、女性である可能性がより高いです(World Bank, 2018)。

なぜこのようなことが起こっているのでしょうか?女性の貧困には無数の変数が影響しますが、この問題を専門とする研究では、3つの原因が指摘されています(Mogadham, 2005):

  1. 女性が世帯主である世帯数の拡大
  2. 世帯内の不平等や女性に対するバイアスの持続とさまざまな帰結
  3. 新自由主義的な経済政策の世界的な実施

10年前と比較して、今日、女性はより長く、より健康に生きている一方で、世界中で多くの女性が、特に職場において基本的な権利を否定されています。周縁諸国では、女性は資産の蓄積が少なく、耕作する農地が小さく、収入が少なく、制限された市民権や自由に直面しています。女性は周縁国の経済成長を促すことができますが、しばしば受けた教育が少なく、小規模なビジネスを始めるために必要な信用を得ることができません。女性がより高いレベルの教育を受けることができれば、その国の経済成長に大きく貢献することができます(OECD, 2012)。

女性の機会、安全、教育、平等、経済的成果を改善するために、さまざまな組織がプログラムを実施したり、支援を提供したりしています。これらの努力の中には、ある政府(または連合)が他国の女性の権利拡大や状況改善に取り組むような、外交的なものもあります。主に焦点となる分野として、制度的・文化的差別の撤廃、家庭内暴力の根絶、意思決定における女性の主体性の提供、子供の教育の充実などが挙げられます(Scott, 2012)。その他のプログラムでは、より直接的な必要性や機会に焦点を当てています。マイクロクレジットや女性のための共同貯蓄口座は、健康状態を改善し清潔な水を得る時間を短縮するために自宅に井戸を建設することなど、女性や家族が重要な投資を行うための金銭的資源を提供する方法です。その他の使用法としては、事業の立ち上げや借金の返済、重要な家電や機器の購入などが含まれます。残念ながら、こうしたマイクロファイナンス・プログラムが貧困を緩和したという実績はなく、場合によっては、女性を借金の連鎖に陥れたり、家庭内暴力を増加させるなど、負の結果をもたらすこともあります。共同貯蓄プログラム(地域の人々が資源をプールし、集団内で信用を拡大するプログラム)は、より前向きな結果を示しています(Aizenman, 2016 and Niner, 2018)。国連は、マイクロファイナンスと文化的な力の付与が互いに協調して利用されれば、どちらもより成功するだろうと強調しています(Scott, 2012)。

アフリカ

世界の最貧国の大半はアフリカにあります。とはいえ、大陸の国々の中に多様性がないとは言い切れません。例えば、南アフリカ共和国やエジプトのような国は、アンゴラやエチオピアに比べて貧困率が非常に低いです。全体として、アフリカの所得水準は世界の他の地域と比較して低下しており、アフリカが全体として相対的に貧しくなっていることを意味します。問題をさらに深刻にしているのは、2014年にアフリカ西部でエボラウイルスの流行が発生し、公衆衛生上の危機を招き、労働者や観光客のお金の喪失による経済低迷が起きたことです。

なぜアフリカはこのような悲惨な状況に陥っているのでしょうか?アフリカ大陸の貧困の多くは、土地、特に耕作可能な土地(農業を行うことのできる土地)の利用可能性に起因しています。何世紀にもわたる土地の所有権をめぐる争いの結果、使用可能な土地の多くが荒廃し、耕作されないまま放置され、その一方で降雨量が十分でない多くの国では灌漑のためのインフラストラクチャーが整備されてきませんでした。アフリカの天然資源の多くは、はるか昔に植民地の支配勢力によって取り去られ、この大陸に農業的・鉱物的な富はほとんど残されていません。

さらに、アフリカの貧困は内戦や不十分な統治によって悪化しています。これらは、人為的な植民地の国境と指導者によって大陸が再構築された結果です。ルワンダの例を検討してみましょう。ルワンダでは、2つの民族が独自のヒエラルキーと管理システムを持って共存していましたが、1915年にベルギー人がこの国の支配を確立し、国民を不平等な2つの民族集団に厳格に隔離しました。歴史的にはツチ族のメンバーが権力を握っていましたが、ベルギー人の関与により、1960年代の反乱でフツ族が権力を掌握しました。これが、最終的には、抑圧的な政権が誕生し、ツチ族に対するジェノサイドが行われ、何十万人ものルワンダ人の死亡または国外への離散へとつながりました(U.S. Department of State, 2011c)。自らが統治するアフリカの痛みを伴う再生は、多くの国が未来への道を見出そうとする中で、現在にも残る傷を負っていることを意味しています(World Poverty, 2012a)。2020年において、エチオピアのティグレ紛争、コンゴ民主共和国のカムウィナ・ンサプの反乱、ナイジェリアとその周囲の国々でのボコ・ハラムの反乱やその他いくつかのものなど、さまざまな国のさまざまな地域で武力紛争が進行しています。現在進行中の紛争のほとんどは小規模なものとみなされていますが、その地域に住む人々にとっては危険で混乱を招くものであり、いくつかの紛争は民族浄化、集団誘拐、大規模な性的暴力、児童兵士の使用などが含まれています。

アジア

図10.8 | カンボジアのプノンペンにあるこのようなスラムに家を持つ子供たちにとっては、生存と安全がしばしば主要かつ直接的な関心事です。教育や社会的な移動といった長期的な目標は、利用可能な選択肢ではないかもしれません。(Credit: ND Strupler)

図10.8 | カンボジアのプノンペンにあるこのようなスラムに家を持つ子供たちにとっては、生存と安全がしばしば主要かつ直接的な関心事です。教育や社会的な移動といった長期的な目標は、利用可能な選択肢ではないかもしれません。(Credit: ND Strupler)

世界の最貧国の大半がアフリカにある一方で、世界の最貧困層の人々の大半はアジアにいます。アフリカと同様、アジアでも貧困の分布に格差があり、日本や韓国はインドやカンボジアよりもはるかに多くの富を保有しています。実際、貧困のほとんどは南アジアに集中しています。アジアにおける貧困の最も深刻な原因の1つは、単純に人口の規模の大きさが資源を圧迫していることです。アフリカとは異なり、貧困の中で暮らす人々の多くは都市部に住んでおり、そこは水や資源へのアクセスが限られ、混雑した非衛生的な環境であることが多いです。推計によると、スラムに住む世界の人々の60%がアジアにいることが示されています(WorldVision, 2019)。仕事を見つけた人は、衣料品工場やその他の製造施設で働くことが多く、そこでは賃金は非常に低く、要求は驚くほど高いです。(搾取労働に関する以下の囲み記事を参照してください。)子供たちもこのような環境での仕事に駆り出されています。

また、アジアは頻繁に自然災害の影響を受けます。インド、バングラデシュ、ベトナム、タイ、フィリピンなどのような国々では、台風(ハリケーン)や洪水が頻繁に発生しています。いかなる建築基準の適用の対象にもならず、さまざまな残材で建てられることの多い不安定な構造物に住む人々にとっては、このような出来事で人口の大部分がホームレスとなり、病気や怪我に対して脆弱になります(WorldVision, 2019)。

中東・北アフリカ(MENA)

中東・北アフリカ地域(MENA)には、イラン、イラク、クウェートといった湾岸諸国の石油資源の豊富な国々に加え、モロッコやイエメンといった人口に対して比較的資源の乏しい国々も含まれています。これらの国々はイスラム教が主流です。ここ25年間、MENAでは他の開発途上国よりも経済成長が鈍く、人口を構成する3億人のほぼ4分の1が1日あたり2ドル未満で生活しています(World Bank, 2013)。

国際労働機関では、所得の不平等が社会不安に与える影響を追跡調査しています。社会不安のリスクが最も高いのは、サハラ以南のアフリカと中東・北アフリカ地域という2つの地域です(International Labour Organization, 2012)。2010年に始まり、民主的に選出された政権を求めて中東全域の独裁政権を倒した「アラブの春」では、MENA地域の失業率の上昇と大きな社会経済的不平等が主要な要因となりました。失業や所得の不平等は、いまだに移民や外国人、民族的・宗教的少数派のせいだと非難されています。

現実世界における社会学

搾取労働と学生の抗議行動:誰があなたのチームスピリットを作っているのでしょうか?

図10.9 | これらの抗議者たちは、衣類を生産する際の搾取労働の問題に注意を喚起しようとしています。(Credit: Jo Guldi/flickr)

図10.9 | これらの抗議者たちは、衣類を生産する際の搾取労働の問題に注意を喚起しようとしています。(Credit: Jo Guldi/flickr)

私たちのほとんどは、自分のお気に入りの製品がどこで作られているのか、あまり気にすることはありません。学校のフットボールの試合に着ていく大学のスウェットシャツや野球帽を買うときも、ラベルをめくって生産者を確認し、その会社が公正な労働慣行を行っているかどうか調べることはないでしょう。しかし、USAS(搾取労働に反対する学生連合)のメンバーは、まさにそれを実践しています。1997年に設立されたこの組織は、USASが考える公正な労働条件や賃金を満たさないアパレルメーカーやその他の多国籍企業に対して、数えきれないほどの闘いを繰り広げてきました。USASはまた、食堂スタッフ、警備員、非常勤講師を含むキャンパス労働者の安全で搾取されない条件、および給与と福利厚生の改善を確保することに注力しています(USAS, 2021)。

衣服はどのように作られるのでしょうか?そして、なぜ繊維産業の労働者は最も一般的にひどい扱いを受けているのでしょうか?多くの場合、ナイキ、ルルレモン、H&M、アーバンアウトフィッターズ(アンソロポロジーとフリーピープルの所有者)、ザラ、その他ほとんどの主要ブランドを含む大手アパレル企業は、世界中の工場に製造を委託しています。アパレル企業は、現地の製造業者と価格やスケジュールを交渉し、しばしば可能な限り低い製造コストと最短のスケジュールを要求します。要求に遅れずに求められたコストで衣服を製造するために、工場は従業員への賃金を下げ、長時間労働を強いることもあり、また安全でない環境を放っておくこともあります。これらの戦術はすべて、搾取労働の慣行と関連しています(Chan, 2019)。USASのような組織からの行動を受けて、多くのアパレル企業は、使用する工場が労働者を適切に扱っていることを確認するための措置を講じていますが、現実には、それを確実に知ることは非常に困難です。多くの場合、ブランドは下請け会社や子会社を通じて仕事をしており、どの工場で自分たちの製品が生産されているのかを正確に把握できていないことがあります。

USASのメンバーは、さまざまな企業とその関連工場の労働条件を監視する労働者の権利コンソーシアム(WRC)の設立に協力しました。WRCは世界中の製造施設を定期的に調査し、その結果を発表しています。また、WRCは、経済状況全般と雇用への影響についても調査・報告しています。例えば、2020年、グローバル経済が急速に悪化する中、アパレル企業はさらなる低価格を要求する一方で、注文を減らし、これにより労働者は搾取や失業のリスクにさらされることになりました(Karim, 2020)。

貧困の帰結

図10.10 | ケニアの診療所で栄養失調の診察を受けているこの子供にとって、貧困と食料不足に伴うリスクは、この地域を襲った大規模な旱魃によって悪化しました。(Credit: DFID - UK Department for International Development/flickr)

図10.10 | ケニアの診療所で栄養失調の診察を受けているこの子供にとって、貧困と食料不足に伴うリスクは、この地域を襲った大規模な旱魃によって悪化しました。(Credit: DFID - UK Department for International Development/flickr)

驚くことではありませんが、貧困の結果が原因にもなることが多いです。貧困層はしばしば、不十分な医療、限られた教育、避妊へのアクセスのしにくさなどを経験します。しかし、これらの貧困の結果がまた貧困の原因となり、不利な状況のサイクルを永続させるために、このような状況に生まれた人々は、そこから抜け出そうとする努力にとてつもない困難を抱えています。

社会学者のネッカーマンとトルシェ(Neckerman and Torche, 2007)は、グローバルな不平等研究の分析において、貧困がもたらす帰結は多岐にわたると述べています。ネッカーマンとトルシェは、それらを3つの領域に分類しています。1つ目は、「グローバルな不平等の堆積」と名付けたもので、ひとたびある地域で貧困が定着すると、それを覆すことは一般的に非常に難しいという事実に関するものです。前述したように、貧困は、その結果と原因が絡み合ったサイクルで存在しています。貧困がもたらす2つ目の帰結は、身体的・精神的な健康への影響です。貧困層の人々は、栄養失調や高い乳幼児死亡率など、身体的な健康問題に直面しています。精神的な健康も、貧困による精神的なストレスによって悪影響を受けますが、その中でも相対的な欠乏が最も大きな影響を及ぼします。ここでも、継続的な不平等と同様に、精神的・身体的健康に対する貧困の影響は、時間が経つにつれてより強固なものとなっていきます。ネッカーマンとトルシェが提唱する貧困の3つ目の帰結は、犯罪の蔓延です。国家観を比較してみると、所得の不平等のレベルの大きい国では、犯罪率が高く、特に暴力犯罪が多いです(Fajnzylber, 2002)。

奴隷制度

私たちのほとんどは、奴隷制度といえば南北戦争以前の南部を思い浮かべることが習慣になっていますが、現代の奴隷制度はグローバルな不平等と密接に関連しています。要するに、奴隷制度とは、人々が売られたり、所有物として扱われたり、ほとんどあるいはまったく報酬を得ずに働かされたりするあらゆる状況を指します。南北戦争前の米国と同じように、これらの人々は雇用者のなすがままになっています。動産奴隷制度は、かつてアメリカ南部で行われていた奴隷制度の形態で、ある人が他の人を所有物として所有することで発生します。児童買春を含むことのある児童奴隷は、動産奴隷の一形態です。債務拘束、または拘束労働では、貧しい人々は、交通費、部屋代、食事代などの基本的な生活必需品の費用と引き換えに、自分自身が使用人となることを誓約します。このシナリオでは、人々は部屋代や食事代を差し引かれたよりもさらに少ない給料が支払われます。旅が必要な場合、彼らは旅費の負債を抱えて到着することになり、彼らの賃金では生活すらままならないため自由を得るのに向けて働くことができません。

グローバルな監視団体である反奴隷制度インターナショナルは、人身売買(人々が自分のコミュニティーから連れ去られ、意に反して働くことを強いられるもの)、児童家事労働や児童労働、女性がほとんど奴隷に過ぎないような特定の形態の奴隷的結婚などといった、他の形態の奴隷を認識しています(Anti-Slavery International, 2012)。

10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • グローバルな階層に関する近代化理論と従属理論の視点を記述する

グローバルであろうとなかろうと、あらゆる社会問題と同様に、学者たちはグローバルな階層を研究するためにさまざまな理論を開発してきました。最も広く適用されている2つの視点は、近代化理論と従属理論です。

近代化理論

近代化理論によれば、低所得国は工業化の欠如によって影響を受けており、以下のような方法でグローバル経済における立場を向上させることができます(Armer and Katsillis, 2010):

  1. 労働に対する文化的価値観や態度の調整
  2. 工業化および他の形態の経済成長

批判者は、この理論には自文化中心主義的なバイアスが内在していると指摘しています。この理論では、すべての国が同じ資源を持ち、同じ道を歩むことができると仮定しています。さらに、すべての国が可能な限り「発展」することを目標としていると想定しています。この理論には、工業化やテクノロジーが最良の目標ではないという可能性を考慮する余地がありません。

もちろん、この仮定にはいくつかの根拠があります。データでは、中核国は妊産婦・児童死亡率が低く、寿命が長く、絶対的貧困が少ない傾向にあることが示されています。また、最貧国では、私たちのほとんどが当たり前のように享受している清潔な飲料水や下水処理施設がないために、何百万人もの人々が命を落としていることも事実です。同時に、この問題は数字が示す以上に複雑なものです。文化的平等、歴史、コミュニティー、地域の伝統は、近代化が周縁国に押し寄せるにつれ、すべて危険にさらされています。つまり、近代化の恩恵を受けつつも、既存のものに対する文化的な感受性を維持することが課題となります。

従属理論

従属理論は、部分的には、近代化理論の西洋中心主義的な見方への反応として作り出されました。この理論では、グローバルな不平等の主な原因は、中核国(つまり高所得国)が準周縁国や周縁国(つまり中所得国や低所得国)を搾取し、それが従属のサイクルを生み出すことにあると述べています(Hendricks, 2010)。周縁国が経済的刺激やグローバル経済の大きな部分へのアクセスについて中核国に従属している限り、それらの国は安定的で一貫した経済成長を達成することはできないでしょう。さらに、この理論では、中核国や世界銀行が、どの国に融資を行うか、また、どのような目的のために資金を融資するかを選択しているため、これらの国や機関が、市場支配国の利益となるように構築され高度に細分化された労働市場を生み出しているとしています。

一見すると、この理論は、かつて低所得国であったものの現在では中所得国とみなされ、高所得国や中国のようなグローバル経済の主要プレイヤーになる途上にある国々を無視しているように見えます。しかし、一部の従属理論家は、周縁国や準周縁国のパートナーの長期的な有用性を確保することが、中核国の最善の利益であると述べるでしょう。この理論に従って、社会学者たちは、企業が諸要素の中で支配的なプレイヤーである場合には、企業の仕事のかなりの部分をアウトソーシングする可能性が高いことを発見しています。言い換えれば、企業は、仕事を提供できるほどにパートナー国が健全であることを望みますが、脅威を確立するほど健全ではないことも望んでいます(Caniels and Roeleveld, 2009)。

社会学研究

工場の少女たち

私たちは、グローバルな不平等について、機能主義者や紛争理論家の視点とともに、近代化理論や従属理論を検討してきました。シンボリック相互作用論者はこのトピックにどのようにアプローチするでしょうか?

レスリー・T・チャンによる『現代中国女工哀史』がその機会を与えてくれます。チャンは、ハンドバッグ工場に勤める二人の若い女性(ミンとチュンミン)を追いました。彼女たちは、グローバル市場で人気の高い財布やバッグの製造を手伝っています。彼女たちは、中国農村部の農場や家庭菜園を離れて行く若者の増大する人口集団の一部であり、これらの女性工場労働者は都市部の競争に参加し、意欲的に収入を得ようとする準備ができています。

チャンの研究は、多くの人が聞いたことのない町(東莞)を拠点にしていますが、この都市では、豊富な衣料品に加えて、地球上の靴の3分の1(ナイキとリーボックがここでの主要メーカー)、世界のコンピュータディスクドライブの30%が生産されています(Chang, 2008)。

しかし、チャンの焦点は、この大規模なグローバル現象よりも、この現象が二人の女性にどのような影響を与えるかに置かれています。シンボリック相互作用論者が行うように、チャンは、若い女性が伝統をあとに残して去り、自らの未来を切り開くことができるこの進化しつつあるグローバルな空間における、ミンとチュンミンの日常生活と相互作用、すなわち職場の友人関係、家族関係、ガジェットや商品について考察しています。彼女たちの物語からは、グローバル経済、文化の伝統と革新、女性の労働機会といった社会学的な問題を考える上で、学者だけでなくすべての人が学ぶことができます。

重要用語

資本逃避:雇用や資源を経由して、ある国から別の国へ資本が移動(逃避)すること

動産奴隷制度:ある人が他の人を所有する奴隷制度の一形態

中核国:支配的な資本主義国

累積債務:対外債務が蓄積されること。対外債務とは、国が拡大や成長目標に資金を供給するために他国からお金を借りること

債務拘束:人々が移動のための金銭と引き換えに自分自身が使用人となることを誓約し、その後、自由を取り戻すにはあまりにも少ない報酬しか得られないという行為

産業の空洞化:通常はコストの低い周縁国や準周縁国への移転による、工業生産の喪失

従属理論:グローバルな不平等は、中核国による周縁国や準周縁国の搾取が原因であるとする理論

極度の貧困:基本的な生活必需品をかろうじて買える状態、または買うことのできない状態

第一世界:冷戦時代の用語で、工業化された資本主義的な民主主義国家を表すために使われる

第四世界:世界の舞台で発言権や代表権を持たない、汚名を着せられた少数派集団を表す用語

ジニ係数:国内における所得の不平等を表す指標で、ある国の不平等を他の国と比較するために使用することができる

グローバルな貧困の女性化:女性が貧困の負担を不釣り合いな割合で負うことで発生するパターン

グローバルな不平等:資源が中核国に集中し、少数派の富裕層が手にすること

グローバルな階層:国家間の資源の不平等な分配

国民総所得(GNI):生産された財とサービス、および国民とその国に本社を置く企業が得た所得に基づいて計算される国家の所得

近代化理論:低所得国は、インフラストラクチャーの工業化と労働に対する文化的態度の転換によって、グローバルな経済的立場を向上させることができるとする理論

周縁国:中核国が支配するグローバル経済の周縁に位置し、工業化がほとんど進んでいない国

相対的貧困:その国の平均的な人々のライフスタイルを送ることができない貧困の状態

第二世界:冷戦時代の用語で、経済や生活水準が中程度の国を表す

準周縁国:政策を決定するほどの力はないものの、原材料の主要な供給源であり、拡大する中流階級の市場として機能する中間的な国

主観的貧困:多くの次元からなる貧困状態であり、実際の収入が自分の期待を満たさない場合に、主観的に存在する

第三世界:冷戦時代の用語で、貧しく工業化されていない国々を指す

地下経済:統治、規制システム、または人的保護の外で運営される労働と財の規制されていない経済

各節のまとめ

10.1 グローバルな階層と分類

階層とは、国家間および国家内の資源格差のことを指します。経済的平等は大きな関心事ですが、人種、民族性、ジェンダー、宗教、および/または性的指向に起因する差別のような社会的平等も同様です。グローバルな不平等は目新しいものではありませんが、グローバルな市場や情報共有のペースなど、いくつかの要因によって、これまで以上に重要性が高まっています。研究者は、国がどの程度工業化されているか、国が生産手段として機能しているか所有者として機能しているか、国がどのような所得を生み出しているかなどの要因によって分類することで、グローバルな不平等を理解しようとしています。

10.2 グローバルな富と貧困

世界の貧困層について目を向けるとき、私たちはまず、相対的貧困、絶対的貧困、主観的貧困の違いを定義しなければなりません。相対的貧困にある人々は、その国の生活水準で生活するのに十分でないかもしれませんが、絶対的貧困にある人々は、食料などの基本的な必需品を持たないか、あるいはほとんど持ちません。主観的貧困は、自分の置かれた状況に対する認識のほうにより大きく関係します。北米とヨーロッパは、貧困国が最も多いアフリカや貧困の人々が最も多いアジアに比べ、世界の貧困層が少ない場所です。貧困は、犯罪率の増加や身体的・精神的な健康への悪影響など、数多くの負の結果をもたらします。

10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

近代化理論と従属理論は、社会学者がグローバルな不平等の問題を見る際に用いる2つの最も一般的なレンズです。近代化理論では、各国は進化の段階を経ており、工業化と技術の向上が前進の鍵であるとします。一方、従属理論では、近代化理論をヨーロッパ中心的で恩着せがましいものとみなします。この理論では、グローバルな不平等は、中核国が周縁国や準周縁国の資源や労働力を搾取することによって、従属のサイクルを作り出した結果であるとしています。

各節についての質問

10.1 グローバルな階層と分類

  1. 中核国に本社を置く多国籍企業が、周縁国の工場で働く現地労働者を搾取する方法に注目する社会学者は、グローバル経済を理解するために__________の視点を使っています。
  1. 機能主義
  2. 紛争理論
  3. フェミニズム
  4. シンボリック相互作用論
  1. __________の視点の理論家は、富裕な企業が、労働者に仕事を与え、地域経済にお金を注ぎ込み、交通インフラストラクチャーを改善することによって、周縁国の生活の質を向上させることは、特に注目に値すると考えでしょう。
  1. 機能主義
  2. 紛争理論
  3. フェミニズム
  4. シンボリック相互作用論
  1. シンボリック相互作用の視点で取り組む社会学者は、__________でしょう。
  1. 不平等がどのように生まれ、再生産されるかを研究する
  2. 企業が低所得者層の労働者の生活をどのように改善できるかを研究する
  3. 企業が低所得国と比較して高所得国にどのような利点をもたらすかを理解しようとする
  4. 工場で働く女性にインタビューを行い、彼女たちが日々上司の期待に応え、家計をやりくりし、家庭を支えていることを理解したいと望む
  1. フランスはどのような国家に分類されるでしょうか?
  1. グローバル国家
  2. 中核国
  3. 準周縁国
  4. 周縁国
  1. かつて、米国は衣料品を製造していました。多くの衣料品会社がアメリカの工場を閉鎖し、中国に移転しました。これは、__________の一例です。
  1. 紛争理論
  2. 自動化
  3. グローバルな不平等
  4. 資本逃避

10.2 グローバルな富と貧困

  1. 南北戦争前の米国南部における奴隷制度は、__________に最も近いです。
  1. 動産奴隷制度
  2. 債務拘束
  3. 相対的貧困
  4. 債務奴隷制度
  1. マヤはタイに住む12歳の少女です。彼女はホームレスで、どこで寝ることになるか、いつ食べられるかわからないことがしばしばあります。私たちは、マヤが__________貧困の中で暮らしていると言えるでしょう。
  1. 主観的
  2. 絶対的
  3. 相対的
  4. グローバルな
  1. 大学生のマイクは、ワンルームのアパートを借りています。彼はテレビを買う余裕がなく、乾燥豆やラーメンのような安い食料品で生活しています。彼は定職に就いていないため、車も所有していません。マイクは、__________の中で暮らしています。
  1. グローバルな貧困
  2. 極度の貧困
  3. 主観的貧困
  4. 相対的貧困
  1. フェイスにはフルタイムの仕事があり、二人の子供がいます。彼女は基本的な生活にとっては十分なお金があり、毎月の家賃も支払っていますが、自分の学歴と経験があれば、家族が今よりずっと良い暮らしをするのに十分な所得があるはずだと感じています。フェイスは、__________を経験しています。
  1. グローバルな貧困
  2. 主観的貧困
  3. 極度の貧困
  4. 相対的貧困
  1. アメリカのある町では、鉱業会社がすべての店舗とほとんどの家屋を所有しています。鉱山会社は、労働者に商品を高値で売り、住宅ローンの2倍の値段で家を貸し出し、労働者への給料は常に食費と家賃を賄うのに必要な額より少なくするようにしています。労働者は一旦負債を抱えると、新しい職場に移っても自分のスキルが役に立たないため、この会社で働き続けるしかありません。この状況は、以下のものに最もよく似ています。
  1. 児童奴隷制度
  2. 動産奴隷制度
  3. 債務奴隷制度
  4. 奴隷的結婚

10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

  1. 従属理論の欠陥の1つは、__________を認識しようとしないことです。
  1. 中国のような以前は低所得だった国が経済発展に成功し、もはや中核国へ従属しているとは分類されないこと
  2. 中国のような以前は高所得だった国が、グローバル市場に参入した低所得国によって経済的に圧倒されていること
  3. 中国のような国々は、中核国への従属度を高めていること
  4. 中国のような国々は、必ずしも中核国のようになるのを望んでいないこと
  1. 近代化理論の欠陥の1つは、__________を認識しようとしないことです。
  1. 準周縁国が工業化することができないこと
  2. 周縁国が準周縁国のグローバル市場への参入を妨げること
  3. そこに内在する自文化中心主義的なバイアス
  4. 準周縁国が工業化することの重要性
  1. もしある社会学者が、国民が勤勉と成功を称える文化的価値観を学ぶにつれて、国家はより高度な技術とより複雑な産業へと進化すると言うならば、彼女はグローバル経済を研究するために__________を用いています。
  1. 近代化理論
  2. 従属理論
  3. 現代従属理論
  4. 進化的従属理論
  1. もしある社会学者が、部分的には、グローバルな金利や国際関税が必然的に低所得国よりも高所得国が有利になるように設定することにより、中核国がグローバル経済を支配していると指摘した場合、彼は__________です。
  1. 機能主義者
  2. 従属理論家
  3. 近代化理論家
  4. シンボリック相互作用論者
  1. 従属理論家は、グローバルな不平等やグローバルな階層を、__________あり方に着目して説明します。
  1. 中核国と周縁国が準周縁国を搾取する
  2. 準周縁国が中核国を搾取する
  3. 周縁国が中核国を搾取する
  4. 中核国が周縁国を搾取する

簡潔に答えてください

10.1 グローバルな階層と分類

  1. ウォルマートの最安値の問題について検討してみましょう。機能主義者は、ウォルマートが供給業者を搾り上げて絶対的な低価格を実現し、それを中核国の消費者に還元するというモデルについてどう考えるでしょうか?

  2. 冷戦時代の用語法(「第一世界」など)を不愉快に思う学者がいるのはなぜだと思いますか?

  3. 中核国における貧困の女性化について、例を挙げてください。それは周縁国とどのように似ていて、どのように異なるでしょうか?

  4. あなたが社会学者で、中国でバービー人形を製造する児童労働に注目することにより、グローバルな不平等を研究していると仮定してください。あなたは何に焦点を合わせますか?その情報はどのように見つけますか?あなたはどのような理論的視点を使うことができますか?

10.2 グローバルな富と貧困

  1. 主観的貧困の概念について検討してみましょう。貧困は見る人次第であるというのは理にかなっているでしょうか?あなたがホームレスの人を見たとき、その人が一見満足しているように見えるのと、物乞いをしているのとでは、あなたの反応は異なるでしょうか?それはなぜですか?

  2. あなたの家族、友人、同級生の中で、比較的貧富の差がある人を思い浮かべてください。その人たちの関係はどのようなものでしょうか?どのような要因が絡んでくるでしょうか?

  3. 大学内の書店に行くか、そのウェブサイトを見てください。あなたの学校の校章が入った衣料品やノベルティ物品を製造している会社を調べてください。それらはどこの国で生産されていますか?自分の学校がUSASの提唱する原則をどの程度守っているか、調査してみましょう。

10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

  1. 近代化理論はヨーロッパ中心主義であるという批判が多くあります。あなたは従属理論も偏っていると思いますか?その理由、あるいはそうでない理由は何ですか?

  2. 近代化理論と従属理論を比較対照してください。グローバルな不平等を説明する上で、どちらがより有用だと思いますか?例を挙げながら説明してください。

さらなる研究

10.1 グローバルな階層と分類

国連ミレニアム開発目標についてより詳しく学ぶためには、こちら(http://openstax.org/l/UN_development_goals)をご覧ください。

グローバルな貧困の存在と影響についてより詳しく学ぶためには、この貧困と公平性のデータポータルを調べてください(http://openstax.org/l/poverty_data)。

10.2 グローバルな富と貧困

学生たちは、米国は人身売買という残虐な行為の影響を受けていないと考えがちです。米国における人身売買についてさらに学ぶには、このウェブサイトをチェックしてください(http://openstax.org/l/human_trafficking_in_US)。

現代世界で進行中の奴隷制の実践についての詳しい情報は、反奴隷制度インターナショナルのウェブサイトをご覧ください(http://openstax.org/l/anti-slavery)。

10.3 グローバルな階層に関する理論的視点

経済の近代化についての詳しい情報は、ハドソン研究所(http://openstax.org/l/Hudson_Institute)をご覧ください。

テキサス大学不平等プロジェクト(http://openstax.org/l/Texas_inequality_project)で経済的従属について詳しく学んでください。

参考文献

はじめに

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10.1 グローバルな階層と分類

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10.2 グローバルな富と貧困

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