第16章 教育

図16.1 | 高校や大学の卒業は、しばしば家族、友人、さらにはより広い地域社会にとって節目となります。しかしながら、教育はさまざまな場で行われ、さまざまな結果をもたらします。(Credit: Kevin Dooley/flickr)

図16.1 | 高校や大学の卒業は、しばしば家族、友人、さらにはより広い地域社会にとって節目となります。しかしながら、教育はさまざまな場で行われ、さまざまな結果をもたらします。(Credit: Kevin Dooley/flickr)

この章の概要

16.1 世界の教育
16.2 教育に関する理論的視点
16.3 教育における課題

はじめに

「教育者が教育において行うことは、生徒が自分自身になることを可能にすることである」(パウロ・フレイレ『被抑圧者の教育学』)。デイヴィッド・サイモンは、その著書『社会問題と社会学的想像力:分析のためのパラダイム』(Simon, 1995)の中で、社会問題とは、本質的には、矛盾、つまり互いに対立する発言や考え方、状況の特徴であるという考え方を指摘しています。では、アメリカ社会で最も期待されていることの1つが、「人生で何らかの成功を収めるには教育が必要である」、だということについて考えてみましょう。実際、大学の学位は、単に職業選択の幅を広げるだけでなく、多くの成功レベルにおいて急速に期待されるようになってきています。そしてあなたが予想できる通り、米国では大学を卒業する人の数が劇的に増え続けています。

しかしながら、ここでの矛盾は、大学の学位のインパクトが大きくなればなるほど、それを達成するのが難しくなっているという事実にあります。大学の学位取得にかかる費用は1980年代半ばから急上昇していますが、一方で政府からの重要な支援の多くははほとんど増えていません。

その結果、大学を卒業した人は借金を抱えたままキャリアを開始する可能性が高くなっています。2009年の時点で、典型的な学生のローンは約2万3000ドルでした。それから10年後、ローンを組んだ学生の平均負債額は3万ドルを超えました。米連邦準備制度によると、2020年には全国での学生ローンの負債総額は1兆6000億ドルを突破しました。こうした費用の高騰と危険を伴う債務負担から、解決策を求めるさまざまな提案がなされています。一部の人は、現在の大学の負債を帳消しにし、資質を持つ学生にはより多くの大学を無償化することを求めています。他の人は、必要とされるキャリア要件をより素早く達成するために、より焦点を絞った効率的な教育を提唱しています。雇用主は、志願者の幅を広げ、労働力の間での公平性を高めるため、不必要な学位要件をなくす方法を模索するようになっています:もしある人がその仕事をこなすためのスキルと知識があるならば、その仕事へのより大きなアクセスを得ます(Kerr, 2020)。

図16.2 | 25歳以上の学業達成度別の失業率。このグラフからわかるように、全体の失業率は金融危機のピークを過ぎた後、2009年に下がり始め、2010年から2020年までの10年間、低下傾向が続きました。(このグラフは、COVID-19パンデミック時の失業の急上昇を考慮に入れていません。)学業達成度の違いと失業への影響に注目してください。学士号取得者の失業率は常に最低レベルであるのに対し、高校卒業資格を持たない人の失業率は常に最高レベルです。(Credit: Bureau of Labor Statistics)

図16.2 | 25歳以上の学業達成度別の失業率。このグラフからわかるように、全体の失業率は金融危機のピークを過ぎた後、2009年に下がり始め、2010年から2020年までの10年間、低下傾向が続きました。(このグラフは、COVID-19パンデミック時の失業の急上昇を考慮に入れていません。)学業達成度の違いと失業への影響に注目してください。学士号取得者の失業率は常に最低レベルであるのに対し、高校卒業資格を持たない人の失業率は常に最高レベルです。(Credit: Bureau of Labor Statistics)

大学の学位にまだ価値はあるのでしょうか?大学の学位を有する人の生涯所得は、平均すると、そうでない人よりもはるかに高いです。2019年の連邦準備制度の報告書によると、大学の卒業生は非大学卒業生より年間あたり3万ドル多く稼いでいることが示されています。また、その賃金格差は過去40年間でほぼ倍増しています(Abel, 2019)。

賃金の優位性は、潜在的な負債を超えるのに十分でしょうか?そして、その平均値の背景には何があるのでしょうか?覚えておいてほしいのは、3万ドルというのは平均値であり、それは私たちが他のデータから分かること、つまり特定の人々や特定の大学専攻が他の人々や専攻よりもはるかに多くの収入を得ているということも、裏付けてくれるということです。その結果、非大学卒業生よりも賃金の優位性が小さい分野で大学の学位を取得することは、「割に合わない」と見えるかもしれません。

しかし、大学にはお金以上の価値があるのでしょうか?

準学士号や学士号を取得する学生は一般的に、専攻以外の多くの科目も含めて、しばしば幅広い科目を履修するでしょう。その学生は、数学や物理科学から歴史と文学、社会科学、音楽と芸術に至るまで、入門コースや調査(サーベイ)スタイルのコースを通じて、かなり幅広いトピックに触れることになります。この時期に生徒の世界観が広がることが期待されます。そうすれば、彼らが専門化のプロセスを開始するとき、そうでない場合よりもはるかに広い視野を持つことになります。このような「文化資本」が加わることで、学生の人生はさらに豊かになり、経験豊富な専門家とともに仕事をする能力が高まり、知識の上に知恵を築くことができます。今から2000年以上前、ソクラテスは「吟味されない人生は生きる価値がない」と言いました。すると、教育の本当の価値とは、自己を吟味する能力を高めることとなります。教育、その影響、そしてそのコストは、社会学者だけでなく、政策立案者、雇用主、そしてもちろん親にとっても重要なものです。

16.1 世界の教育

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 世界中の教育資源の違いを特定する
  • 教育への普遍的なアクセスという概念について記述する
図16.3 | このカンボジアの生徒たちは、比較的堅苦しくない教室の環境で授業を受けています。近隣の学校でも世界各地の学校でも、他の学校では環境や慣習が非常に異なります。(Credit: Nguyen Hun Vu/flickr)

図16.3 | このカンボジアの生徒たちは、比較的堅苦しくない教室の環境で授業を受けています。近隣の学校でも世界各地の学校でも、他の学校では環境や慣習が非常に異なります。(Credit: Nguyen Hun Vu/flickr)

教育とは、社会の構成員が基本的な学問的知識、学習スキル、文化的規範を教わる社会制度です。世界のどの国も何らかの形の教育制度を備えていますが、その制度は大きく異なります。教育制度に影響を与える主な要因は、各国の教育制度を支えるために利用される資源と資金です。あなたが想像できる通り、国の豊かさは教育に費やされる金額と大いに関係があります。水道などのような基本的な設備すら整っていない国では、しっかりとした教育制度を支えることができないか、多くの場合では、いかなる正規の学校制度もまったく支えられません。このような世界的な教育格差の結果は、米国を含む多くの国々にとって社会的な懸念事項です。

教育制度における国際的な違いは、財政の問題だけではありません。教育に対する価値観、教育に費やす時間、国内における教育の分布も、こうした違いに一役買っています。例えば、韓国の生徒が学校で過ごす日数は年間220日であるのに対し、米国の学生は年間180日です(Pellissier, 2010)。

そして、国家内の教育分布と変化の問題があります。国際学習到達度調査(PISA)は、世界中の15歳の生徒のサンプルを対象に実施されています。2010年の結果は、米国の生徒が科学と数学のランキングで15位から25位に落ちたことを示していました(National Public Radio, 2010)。同調査によると、2018年までに米国の生徒の学習到達度は、数学と科学では同水準にとどまったものの、読解では改善が見られました。2018年には、米国の約200の高校から約4000人の生徒がPISAテストを受けました(OECD, 2019)。

分析者たちは、ランキング上位の国や都市国家にはいくつかの共通点があると判断しました。ひとつは、すべての生徒に対して明確な目標を掲げる、しっかりと確立された教育の基準を有していることです。また、それらの国は、毎年大学卒業生の上位5~10%から教師を採用しています。これはほとんどの国には当てはまりません(National Public Radio, 2010)。

最後に、社会的要因の問題があります。PISAテストを作成した経済協力開発機構(OECD)のある分析者は、成績の差の20%や米国の順位の低さは、社会的背景の差によるものだとしました。研究者たちは、米国では資金や質の高い教師などの教育資源が公平に分配されていないと指摘しました。ランキング上位の国々では、資源へのアクセスが限られていることが、必ずしも低い成績を予想するものとはなりませんでした。分析者たちはまた、彼らが呼ぶところの「レジリエントな生徒」、つまり社会的背景から予想されるよりも高いレベルの成果を上げる生徒たちにも注目しました。上海とシンガポールでは、レジリエントな生徒の割合は約70%です。米国では30%を下回っています。これらの洞察は、米国の教育制度が、国の経済や社会状況に悪影響を及ぼしかねない下降線をたどっている可能性を示唆しています(National Public Radio, 2010)。

大局的な観点

フィンランドの教育

アメリカの公教育がこれほど激しく批判される中、シンガポールや韓国、そして特に(文化的に最も私たちに似ている)フィンランドの公教育がとても優れているのはなぜなのでしょうか?この国は、30年以上をかけて、経済協力開発機構(OECD)のランキングで最下位近辺から2012年には1位まで上がり、2014年現在もトップ5に入っています。韓国やシンガポールの学生に要求される厳格なカリキュラムと長時間学習とは対照的に、フィンランドの教育は、私たちが当たり前だと思っている多くのルールを破っているように見えるため、外部の観察者にとってはしばしば逆説的に見えます。子供は7歳で就学するのが一般的で、アメリカの子供たちよりも休み時間が長く、学校での授業時間は約300時間短いです。宿題の量も他のすべての先進国と比べると少ないです(小学校では年間300時間分近く少ないです)。英才教育プログラムもなく、私立学校もほとんどなく、重要な全国規模の標準化されたテストもありません(Laukkanen, 2008; LynNell Hancock, 2011)。

優先順位付けは米国とは異なります。資源を最も必要とする人々への配分、高い基準、特別支援を必要とする生徒への支援、全国の卒業生の上位10%から選ばれ、修士号を取得しなければならない有能な教師、教育への評価、地方分権と中央集権のバランスなどが重視されています。

「かつては本当に不平等な制度でした」と、フィンランドの教育大臣はインタビューで述べました。「私の両親は、勉強したり高等教育を受けたりする現実的な可能性がありませんでした。私たちは1960年代に、すべての人に無料で質の高い教育を提供すると決めました。大学でさえ無料です。平等というのは、すべての人をサポートするということであり、誰のスキルも無駄にしないということです。」教師については、「私たちは教師をテストしたり、知識の証明を求めたりはしません。しかし、教師になってからも、多くの追加的な教職トレーニングに投資しているのは事実です」(Gross-Loh, 2014)。

しかし、過去10年間、フィンランドはPISAで一貫してトップ国の中に入っています。フィンランドの学校の子供たちが常に優秀だったわけではありません。フィンランドは数十年の間に、優れた効率的で公平な教育制度を一から構築し、ほとんどすべての教育改革を導くコンセプトは公平性でした。フィンランドの逆説は、万人のために大局的な視点に立つことによって、フィンランドはほとんどの子供たちの個々の可能性を育むことに成功したということです。

「私たちは、すべての人の可能性を確実に伸ばすために、平等を基本とした学校制度を作りました。今、私たちはそれがどれだけうまく機能しているかを見ることができます。OECDは昨年、24か国の16歳から65歳までの成人を対象に、PIAAC(国際成人力調査)と呼ばれる調査で技能レベルを測定するテストを行いました。これは、テクノロジーが発達した環境での識字能力、計算能力、問題解決能力をテストするものです。フィンランドは、すべての指標でトップかそれに近いスコアを獲得しました。」

フォーマル教育とインフォーマル教育

すでに言及したように、教育とは、生徒が教室で学ぶといったような基本的な学問的概念だけに関わるものではありません。社会はまた、学校制度以外の場でも、日々の実践的な生活の事柄について子供たちを教育しています。この二種類の学習は、フォーマル教育とインフォーマル教育と呼ばれています。

フォーマル教育とは、正式なカリキュラムを通して学問的事実や概念を学ぶことを指します。古代ギリシャの思想家たちの指導に端を発し、何世紀にもわたり、学者たちは形式化された学習方法を通じてさまざまなトピックを検討してきました。以前の時代の教育は、上流階級のみが享受できるものでした。上流階級の人々は、学術的な資料にアクセスする手段を持ち、学習に使える余暇の時間の余裕もありました。産業革命とそれに伴う社会変革によって、一般の人々にとって教育がより身近なものになりました。新興中流階級の多くの家庭が、学校教育の新たな機会を見出しました。

現代の米国の教育制度は、この進歩の結果です。今日、基礎教育はすべての市民の権利であり、彼らに対する責任であるとみなされています。この制度への期待はフォーマル教育に重点を置いており、カリキュラムや試験は、社会が基本的な知識だと考える事実や概念を生徒が確実に学べるように設計されています。

これとは対照的に、インフォーマル教育とは、社会に参加することによって、文化的価値観、規範、期待される行動について学ぶことを指します。この種の学習は、正式な教育システムと家庭の両方を通じて行われます。私たちの最も早い時期の学習体験は、一般に親や親戚、地域の人々を介して行われます。インフォーマル教育を通じて、私たちは、さまざまな場面での服装、食料の買い出しや準備といった通常の仕事の進め方、体の清潔の保ち方など、一日を乗り切り、互いに交流するのに役立つ重要な生活のスキルを学びます。専門的な仕事や地域の慣習の多くも、インフォーマルな形で学ぶことになります。

図16.4 | 子供たちが弟や妹に料理の出し方を示すのは、インフォーマル教育の一例です。(Credit: Tim Pierce/flickr)

図16.4 | 子供たちが弟や妹に料理の出し方を示すのは、インフォーマル教育の一例です。(Credit: Tim Pierce/flickr)

文化の伝達とは、人々がその文化の価値観、信念、社会規範を学ぶようになる方法を指します。インフォーマル教育にもフォーマル教育にも、文化の伝達が含まれます。例えば、ある生徒は米国史の教室で近代史の文化的側面について学ぶでしょう。その同じ教室で、この生徒はクラスメートをデートに誘う際の文化的規範を、メモの受け渡しやひそひそ話を通して学ぶかもしれません。

教育へのアクセス

教育におけるもう1つのグローバルな関心事は、普遍的アクセスです。この用語は、人々が教育制度に平等に参加できることを指します。世界レベルでは、階級やジェンダーに基づく特定の集団にとって、教育へのアクセスはより困難かもしれません(米国で国の歴史の初期にそうであったのと同じであり、私たちはいまだにこの状況を克服しようと苦闘しています)。普遍的アクセスという近代的な考え方は、障害を持つ人々に対する配慮として米国で生まれました。米国では、普遍的な教育を支える1つの方法として、連邦政府と州政府が無償の公教育の費用を負担しています。もちろん、学校予算や税金の観点からこれがどのように展開するかは、国、州、地域レベルでしばしば論争になるトピックです。

表16.1 | 州の支出は教育機会にどのように影響するでしょうか?(EducationData.org, 2018)

表16.1 | 州の支出は教育機会にどのように影響するでしょうか?(EducationData.org, 2018)

米国における教育への普遍的アクセスの判例は、1972年のミルズ対コロンビア特別区教育委員会に対するコロンビア特別区連邦地方裁判所の決定で整えられました。この裁判は、特別な支援を必要とする学齢期の子供たち7人に代わって起こされたもので、教育委員会が彼らの無償の公教育へのアクセスを拒否していると主張しました。教育委員会は、知的障害を含む子供たちの「例外的な」必要性によって、彼らが公立学校で無料で教育を受ける権利は除外されると陳述しました。教育委員会は、これらの子供たちを教育するには費用がかかりすぎるため、子供たちは教育へのアクセスなしに家に留まらなければならないと主張しました。

この訴訟は、公判を経ずに審問で解決されました。裁判官のジョセフ・コーネリアス・ワディは、生徒の教育を受ける権利を支持し、生徒には公立の教育サービスか、ワシントンD.C.の教育委員会が費用を負担する私立の教育が与えられるべきであると判断しました。彼は次のように述べました。

憲法上の権利は、大きな出費を伴うものであっても、市民に与えられなければならない。…排除された児童の教育に対するコロンビア特別区の利益は、財源を維持するというコロンビア特別区の利益を明らかに上回らなければならない。…コロンビア特別区公立学校制度の不備が、資金不足に起因するものであれ、行政の非効率に起因するものであれ、負担が「例外的な」あるいは障害を有する児童に、健常児よりも重くのしかかることは確実に許され得ない(Mills v. Board of Education, 1972)。

今日でも、障害のある生徒を通常の学級に受け入れる最適な方法は、研究され議論されています。「インクルージョン」は標準学級に完全に入り込む方法であり、「メインストリーミング」は特別支援学級での時間と標準学級への参加のバランスをとる方法です。教育への普遍的アクセスという理想をどのように実現するかをめぐっては、社会的な議論が続いています。

16.2 教育に関する理論的視点

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 教育の顕在的機能と潜在的機能を定義する
  • 機能主義、紛争理論、フェミニズム、相互作用論が教育の問題をどのように捉えているかを説明し、議論する

教育が個人の生活だけでなく、社会全体においても不可欠な役割を果たしていることは明らかですが、社会学者はその役割を多くの異なる視点から見ています。機能主義者は、人々が社会の中でさまざまな機能的役割を果たすために教育が彼らを準備すると考えます。紛争理論家は、教育を社会的不平等の格差を拡大する手段とみなします。フェミニスト理論家は、教育における性差別が、女性の社会的平等の完全な達成を妨げ続けているという証拠を指摘します。シンボリック相互作用論者は、教室の力学、生徒と教師の相互作用、そしてそれらが日常生活にどのような影響を与えるかを研究します。この節では、あなたはそれぞれの視点について学ぶことになるでしょう。

機能主義

機能主義者は、教育を社会におけるより重要な社会制度の1つとみなします。彼らは、教育には二種類の機能があると主張します。すなわち、教育の意図された、目に見える機能である顕在的機能(または一次的機能)と、隠れた、意図されていない機能である潜在的機能(または二次的機能)です。

顕在的機能

教育に関連付けられるいくつかの主要な顕在的機能があります。第一は社会化です。保育園や幼稚園から始まり、生徒はさまざまな社会的役割を実践するように教えられます。社会学という学問分野を確立したフランスの社会学者エミール・デュルケーム(1858-1917)は、学校を「子供たちに他人との付き合い方を教え、大人の経済的役割の準備をさせる社会化機関」(Durkheim, 1898)と位置づけています。実際、学校はこの責任を完全に担っているようです。

この社会化には、社会全体のルールや規範を学ぶことも含まれます。義務教育の初期には、生徒は支配的な文化を学んでいました。今日、アメリカの文化はますます多様化しているため、生徒は支配的な文化の規範だけでなく、さまざまな文化規範を学ぶかもしれません。

米国の学校制度は、社会統制のような顕在的機能を通じて、国家の中核的価値観も伝えています。学校の役割の1つは、生徒たちに法律への同調と権威への敬意を教えることです。明らかに、教師や管理者に対してそのような敬意を払えば、生徒が学校生活をうまく送るのに役立つでしょう。この機能はまた、生徒が職場や社会に出る準備にもなります。そこでは、彼らは自分たちに対する権威を持つ人々に服従し続けることになります。この機能を果たすのは、主に、一日中生徒と一緒にいる学級担任と講師です。

図16.5 | 教室における教師の権威は、教育が社会統制の顕在的機能を果たす方法の1つです。(Credit: US Department of Education/flickr)

図16.5 | 教室における教師の権威は、教育が社会統制の顕在的機能を果たす方法の1つです。(Credit: US Department of Education/flickr)

教育はまた、人々が上方への社会的移動性を高めるために用いる主要な方法の1つを提供してくれます。この機能は社会的配置と呼ばれています。大学や大学院は、学生が求める経済的自由と安定を与えてくれるキャリアに近づくための手段だとみなされています。その結果、大学生はしばしば、社会のはしごにおいて有利になると思われる分野を学ぶ意欲を高めます。ある学生は、ビクトリア朝の詩の授業よりもビジネスの授業を重視するかもしれません。これは、彼女がビジネスの授業を経済的に成功するためのより強力な手段だと考えているからです。

潜在的機能

教育は潜在的機能も果たします。あなたもよく知っているように、学校ではフォーマル教育とはあまり関係のないことが多く行われています。例えば、あなたは、授業中に特に興味深い回答をした同級生の魅力に気づくかもしれません。彼に追いついて、デートの約束をすることは、教育の場で仲間集団に触れることによって果たされる求愛の潜在的機能を物語っています。

教育の場は、長年にわたって続くかもしれない社会的ネットワークを学生に紹介し、学校卒業後の求職活動にも役立ちます。もちろん、フェイスブックやリンクトインのようなソーシャルメディアがあれば、こうしたネットワークを維持するのはこれまで以上に簡単になります。もう1つの潜在的機能は、少人数のグループで他人と協力する能力です。この技能は、職場にも転用可能で、自宅教育の環境では学べないかもしれません。

教育制度、特に大学キャンパスで経験するような教育制度は、伝統的に学生にさまざまな社会問題について学ぶ場を提供してきました。そこには社会的・政治的な主張をする機会も十分にあるとともに、キャンパス内で表現されるさまざまな意見に対する寛容さを養うこともできます。2011年、「ウォール街を占拠せよ」運動が全米の大学キャンパスを席巻し、多様な学生のグループが国の政治情勢を変える目的で団結したデモに発展しました。

表16.2 | 教育の顕在的機能と潜在的機能。機能主義理論によれば、教育は顕在的機能と潜在的機能の両方に寄与しています。

表16.2 | 教育の顕在的機能と潜在的機能。機能主義理論によれば、教育は顕在的機能と潜在的機能の両方に寄与しています。

機能主義者は、学校が生徒を教育し、文化化する他の方法を認識しています。米国の生徒が学ぶ最も重要な米国の価値観の1つは個人主義、すなわち集団や社会全体の価値よりも個人を重視することです。日本や中国のように、個人の権利よりも集団の利益が重視される国では、生徒たちはアメリカのように、学業でもスポーツでも「最高の」個人に最高の報酬が与えられるということを学ぶことはありません。米国の学校の役割の1つは自尊心を育むことです。逆に日本の学校は社会的な尊重、つまり個人よりも集団を尊ぶことを育むことに重点を置いています。

アメリカでは、学校は、生徒が人生で競争するための準備をする役割も担っています。運動競技が競争心を育むのは言うまでもありませんが、教室の中ですら生徒たちは学業面で互いに競い合います。学校はまた、愛国心を教える役割も果たしています。生徒たちは毎朝、忠誠の誓いを唱え、国の英雄や国の過去について学ぶ歴史の授業を受けます。

図16.6 | 毎日の始まりに忠誠の誓いを唱えることは、生徒に愛国心を教える1つの方法です。多くの裁判所の判決によると、米国では、生徒が誓いを唱えたり、その際に敬礼したりすることを強制することはできません。(Credit: SC National Guard/flickr)

図16.6 | 毎日の始まりに忠誠の誓いを唱えることは、生徒に愛国心を教える1つの方法です。多くの裁判所の判決によると、米国では、生徒が誓いを唱えたり、その際に敬礼したりすることを強制することはできません。(Credit: SC National Guard/flickr)

機能主義の理論によれば、学校のもう1つの役割は、生徒を学力や潜在能力に基づいて選抜、または分類することです。最も優秀な生徒は、テストや授業の成果を通じて、学校の早い段階で特定されます。そのような生徒は、大学進学の成功を見越して、加速教育プログラムに配置されます。

機能主義者はまた、特に近年では、学校は伝統的に家庭が担ってきた機能の一部を引き継いでいると主張します。社会は、かつては家庭によって対処されていたトピックである人間のセクシュアリティーや、家計管理、就職活動などの基本的なスキルを教えるために学校を頼りにしています。

紛争理論

紛争理論家は、公立学校が社会的不平等を減らすとは考えていません。むしろ、彼らは、教育制度が階級、ジェンダー、人種、民族性の違いから生じる社会的不平等を強化し、永続させていると考えています。機能主義者が教育を有益な役割を果たすものとみなすのに対し、紛争理論家は教育をより否定的に捉えています。彼らにとって、教育制度は現状を維持し、地位の低い人々を服従させるものです。

図16.7 | 紛争理論家は、教育制度は権力の地位にある者が権力を維持するための手段であると考えます。(Credit: Thomas Ricker/flickr)

図16.7 | 紛争理論家は、教育制度は権力の地位にある者が権力を維持するための手段であると考えます。(Credit: Thomas Ricker/flickr)

ある人の教育の充実度は、社会階級と密接な関係があります。社会経済的地位の低い生徒には、学力や学習意欲がどれほど高くても、一般的に地位の高い生徒と同じだけの機会は与えられません。労働者階級の家庭に生まれ、学校で良い成績を収めたいと願う生徒を思い浮かべてください。ある月曜日、彼は金曜日締め切りの小論文を課されました。月曜日の夕方、離婚した母親が働いている間、彼は妹の子守をしなければなりません。火曜と水曜は放課後、午後10時まで店で棚の品出しの仕事をします。唯一その課題に取り組めるかもしれない木曜までには、彼は疲れ切っていて、小論文を書き始める気になれません。彼の母親は、彼を助けたいとは思っていますが、自分自身が疲れているため、彼に必要な励ましや支援を与えることができません。そして、彼女にとっては英語は第二言語であるため、彼の教材のいくつかを理解するのも難しいです。また、ほとんどの同級生が持っているパソコンやプリンターが家にないため、テクノロジーへのアクセスは公立図書館や学校制度に頼らざるを得ません。この話に示されるように、労働者階級の家庭の生徒の多くは、家の手伝い、家計への貢献、劣悪な学習環境、家族からの支援不足と闘わなければなりません。これは、社会階級の高い生徒ほど理解しやすく、修了しやすい伝統的なカリキュラムに固執する教育制度とは相容れないものです。

このような状況は、フランスの社会学者ピエール・ブルデューによって広範に研究された社会階級の再生産につながります。彼は、文化資本、つまり文化の中を切り抜けていくのに役立つ通貨として(比喩的に)機能する文化的知識が、異なる社会階級出身のフランスの学生が利用可能な経験や機会をどのように変化させるかを研究しました。上流階級や中流階級の人々は、下流階級の地位の家族よりも多くの文化資本を持っています。その結果、教育システムは支配的な文化の価値観が報酬を受けるサイクルを維持しています。指導やテストは支配的な文化に便宜を図り、他の人々は自分たちの社会階級以外の価値観や能力に自分を重ね合わせるのに苦労します。例えば、SATのような標準化されたテストが本当に測定するものは何かをめぐって、多くの議論がなされています。多くの人が、このテストは自然な知能ではなく、文化的能力によって生徒をグループ分けしていると主張しています。

文化資本を保持する者が報酬を受けるというサイクルは、フォーマルな教育カリキュラムだけでなく、隠れたカリキュラムにも見られます。隠れたカリキュラムとは、生徒がインフォーマルな学習や文化の伝達を通じて学ぶ、学問以外の知識を指します。この隠れたカリキュラムは、より高い文化資本を持つ者の地位を強化し、不平等な形で地位を授ける役割を果たしています。

紛争理論家は、不平等を永続させるような「進路」(成績上位者と下位者)に生徒を振り分ける、形式化された選抜システムであるトラック分けを指摘しています。教育者は、生徒が同じような能力を持つ生徒と一緒に授業を受け、教師からより個別的な配慮を受けることができるので、トラック分けされたクラスは生徒にとってより良いものであると考えているかもしれませんが、紛争理論家は、トラック分けは、生徒が教師や社会の期待に応える(または応えない)という自己成就的予言につながると感じています(Education Week, 2004)。

紛争理論家にとって、学校は、労働者階級の生徒が社会の下層のメンバーとしての立場を受け入れ、維持するように訓練する役割を担っています。この役割は、裕福な地域と貧しい地域の生徒が利用できる資源の格差や、テストを通じて果たされていると彼らは主張します(Lauen and Tyson, 2008)。

IQテストは、実際の知能よりもむしろ文化的な知識をテストするように偏っていると攻撃されてきました。例えば、あるテスト項目で、生徒は「オーケストラに属する楽器は何か」と問われることがあります。この質問に正しく答えるには、特定の文化的知識が必要です。この知識は、一般的にオーケストラ音楽に触れる機会の多い、より裕福な人々が持っていることが多いです。テストの専門家は、テストからバイアスが排除されていると主張しますが、紛争理論家は、それは不可能だと述べています。紛争理論家にとって、このようなテストは、教育が機会を提供するのではなく、その代わりに、確立された権力構成を維持するためのもう1つの方法なのです。

フェミニスト理論

フェミニスト理論は、教育におけるジェンダー不平等のメカニズムや根源、そしてその社会的影響を理解することを目的としています。社会の他の多くの制度と同様に、教育制度も女性にとって不平等な待遇と機会という特徴を持っています。世界の8億6200万人の非識字者のほぼ3分の2は女性であり、女性の非識字率は多くの地域、特にアフリカやアジアのいくつかの国々で増加すると予想されています(UNESCO, 2005; World Bank, 2007)。

米国の女性は、歴史的に見ても、公立大学制度への入学を認められるのが比較的遅かったです。実際、米国の教育プログラムにおいて性別に基づく差別が違法となったのは、1972年の教育改正法第9編が制定されてからです。米国では、男性と女性の大学卒業生の収入にも教育修了後のジェンダー格差があります。2011年5月に発表された調査によると、2006年から2010年の間に大学を卒業した男女では、男性の収入が女性の収入を毎年平均5000ドル以上上回っていることが示されました。初年度の仕事の収入は、男性が平均3万3150ドル、女性は平均2万8000ドルでした(Godofsky, Zukin, and van Horn, 2011)。同様の傾向は、事実上すべての業界の専門職の給与に見られます。

女性が教育を受ける機会が制限されている場合、経済的自立を含む平等な権利を達成する能力は制限されます。フェミニスト理論は、平等な教育を受ける女性の権利(とその結果としての利益)を世界中で促進することを目指しています。

現実世界における社会学

成績のインフレーション:Aが実際にはCであるのはいつでしょうか?

2019年、裕福で、場合によってはセレブリティーな親が自分の子供の大学入学枠を不正に確保したことに関する犯罪的謀略のニュースが流れました。このスキャンダルには名門大学の職員を含む50人以上が関与しており、数人が実刑判決を受けました。彼らの活動には、テストの点数を操作したり、学生の学術的・スポーツ的な実績を偽ったり、障害を持っていると不正に主張することでテストの便宜を図ってもらったりすることが含まれていました。

当時浮上した疑問の1つは、このような努力の対象となった学生たちが、どのようにして難関のエリート大学で成功することができるだろうかということでした。つまり、もしその人たちが不正をしなければ入学できないのであれば、彼らはおそらくついていけないだろうということです。彼らの準備不足はすぐに明らかになるのではないでしょうか?

多くの人はノーと言うでしょう。まず、不正に関与した学生の多く(共謀者の子供たち)は、不正を知らなかったですし、関与もしていませんでした。そのような学生は、いずれにせよ入学を許可されたかもしれません。しかし、特定の大学には、準備不足の学生に対する別の安全策があるかもしれません。成績のインフレーションです。

成績のインフレーションとは一般に、生徒が獲得した成績よりも高い成績を与える慣行を指します。これは、文字による成績とそれが反映する成果との関係が、時代とともに変化しているという観察を反映しています。簡単に言えば、以前はCレベル、つまり平均的とみなされていたものによって、現在では学生にしばしばB、あるいはAが与えられるということです。

エリート大学の管理職を含む一部の人々は、成績のインフレーションは存在しない、あるいは他の要因が働いている、あるいは資金増加や不平等の解消といった利点があるとさえ主張しています(Boleslavsky, 2014)。しかし、証拠からはっきりとした変化が明らかになっています。ある広く引用されている研究では、広範な4年制カレッジ・大学から集計されたデータに基づき、A評価の数が10年ごとに数パーセントポイント増加しており、A評価が最も一般的に与えられる成績であることを明らかにしました(Jaschik, 2016)。逸話的なケースでは、ハーバード大学のある学部長は、そこでの成績の中央値はA-で、最も多いのもAだったことを認めました。ウィリアムズカレッジでは、A+の成績が2009-10年の212例から2017-18年には426例に増加していることがわかりました(Berlinsky-Schine, 2020)。プリンストン大学は、支給することのできるAの数を制限することによってインフレーションを抑える措置をとりましたが、その後方針を転換しました(Greason, 2020)。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか?成果物ではなく努力に報いる文化、つまり、たとえ出来上がった成果物の質が悪くても、学生がどれだけ努力したかで成績が上がるという文化へのシフトをまことしやかに挙げる人もいます。また、学生から肯定的な授業評価を得なければならないという教官のプレッシャーも、よく指摘される要因の1つです。最後に、多くの大学は、それが有効であるため、ある程度の成績のインフレーションを受け入れているのかもしれません。大学院の入試や雇用慣行に関する分析や正式な実験によると、成績が高い学生ほど仕事や大学院に選ばれる可能性が高いことが示されました。また、意思決定者がその志願者の大学が成績を水増ししている可能性があることを知っていたとしても、それらの成績の高い志願者の方が好まれます(Swift, 2013)。言い換えれば、平均GPAの低い学校で高いGPAを取った人よりも、平均GPAの高い学校で高いGPAを取った人の方が好まれるということです。

皮肉なことに、成績のインフレーションは単に大学だけの問題ではありません。何らかのレベルの成績のインフレーションに遭遇したり、それに関与している当の大学の教員や管理職の多くが、それが高校でも起きていることを嘆いているかもしれません(Murphy, 2017)。

シンボリック相互作用論

シンボリック相互作用論は、ラベリング理論が実際に作動しているところを見られる1つの方法として教育を捉えています。シンボリック相互作用論者は、このラベリングは、権力を持つ者とラベルを貼られる者に直接的な関連があると言うかもしれません。例えば、標準化されたテストの点数が低かったり、特定の授業での成績が悪かったりすると、学生はしばしば成績不振者というラベルを貼られます。このようなラベルは「振り払う」ことが難しく、自己成就的予言を生みかねません(Merton, 1968)。

ジェレミー・アイヴァーセンは、その著書『ハイスクール・コンフィデンシャル』の中で、スタンフォード大学卒業生がカリフォルニアの高校で生徒を装った経験を詳細に語っています。彼が調査の中で明らかにした問題の1つは、生徒が決して逃れることのできないラベルを貼る教師の存在です。ある教師は、彼が一流大学を卒業した聡明な生徒であることを知らずに、彼は決して何者にもなれないだろうと言いました(Iversen, 2006)。アイヴァーセンは明らかに、この教師の誤った評価を真に受けませんでした。しかし、実際の17歳の生徒が、自分より権威のある人物からこのようなことを聞かされたら、その生徒がそのラベルの「期待に応えて」生きていくことを始めても不思議ではありません。

シンボリック相互作用論者が関心を寄せるラベリングは、教育の修了を象徴する学位そのものにまで及んでいます。資格偏重主義とは、ある人が一定の技能を持ち、一定水準の教育を受け、あるいは、一定の職務資格を満たしていることを示すために、証明書や学位を重視することを体現したものです。これらの証明書や学位は、その人が達成したことのシンボルとして機能し、その個人にラベルを貼ることを可能にします。

実際、これらの例が示すように、ラベリング理論は生徒の学校教育に大きな影響を与えることがあります。このことは、教師や学校内のより強力な社会集団がラベル貼りを行い、それが学校全体の人々に採用されるというように、教育現場において容易に見て取れます。

16.3 教育における課題

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 教育における歴史的・現代的問題を特定する
  • 教育における平等のための努力の影響を議論する
  • 教育における米国政府の重要な行動とプログラムについて説明する

学校が生徒の生活の中でさまざまな役割を果たそうと努力する中で、多くの問題や課題が生じています。生徒たちは、いじめ、学校での暴力、資金減少の帰結、COVID-19のパンデミックによる変化、その他の教育に影響する問題などといった地雷原を歩いています。アメリカ人が毎年ギャラップ世論調査で公教育に対する意見を尋ねられると、評価はよくてもまちまちです(Saad, 2008)。学校はもはや単なる学習と社会化の場ではありません。1954年、ブラウン対トピカ教育委員会の画期的な判決により、学校は多くの政治的・法的措置の舞台となり、教育におけるいくつかの問題の核心となっています。

平等教育

1954年のブラウン対教育委員会判決が下されるまで、学校は1896年のプレッシー対ファーガソンの判例に基づいて運営されていました。この判例は、学校や民間企業(この裁判では特に鉄道が扱われました)での人種隔離を認め、「分離すれども平等」という悪評高い言葉を米国の語彙に導入しました。1954年のブラウン対委員会判決はこれを覆し、黒人と白人の生徒に別々の学校を設けていた州法は、実際には不平等であり違憲であると宣言しました。

この判決は公民権への道を切り開きましたが、同時に多くの地域社会で騒動を巻き起こしました。1957年のアーカンソー州では、州知事が州兵を動員し、黒人生徒のリトルロック・セントラル高校への入校を阻止しました。これに対しアイゼンハワー大統領は、ケンタッキー州から第101空挺師団のメンバーを派遣し、生徒が学校に入校する権利を守らせました。この判決からほとんど10年も経った1963年、アラバマ州のジョージ・ウォレス知事は、アラバマ大学に入学する二人の黒人学生が講堂に入るのを、自らの身体を使って阻止しました。1963年の州知事就任式(PBS, 2000)で述べた「今は隔離、明日も隔離、永遠に隔離」という政策を守ろうと必死でとったウォレスの行動は、「校舎の扉前での通せんぼ」として知られるようになりました。ケネディ大統領の命令でアラバマ州兵の将軍が到着するまで、彼は生徒の入校を拒否しました。

図16.8 | アーカンソー州知事が黒人生徒の入校を拒否しようとしたため、アイゼンハワー大統領はケンタッキー州から第101空挺師団のメンバーを派遣し、黒人生徒をリトルロック・セントラル高校に護送させました。(Credit: the U.S. Army)

図16.8 | アーカンソー州知事が黒人生徒の入校を拒否しようとしたため、アイゼンハワー大統領はケンタッキー州から第101空挺師団のメンバーを派遣し、黒人生徒をリトルロック・セントラル高校に護送させました。(Credit: the U.S. Army)

現在、あらゆる人種や民族性の生徒が学校に通うことが許されていますが、彼らが受ける教育の平等性には、厄介な格差が残っています。人種差別(そして、その他の差別や不利な立場)によって長期にわたり社会的に埋め込まれた影響が、この国の教育制度に不平等の痕跡を残しています。裕福な家庭の出身の生徒と、社会経済的地位の低い生徒とは、同じ機会を与えられるわけではありません。

今日の公立学校は、少なくとも理論上は、こうした格差の是正を支援する立場にあります。普遍的なアクセスという概念に基づき、この制度は、人種、宗教、社会階級などに関係なく、すべての生徒を受け入れ、抱えることを義務付けられています。さらに公立学校は、生徒一人あたりの支出を公平にする責任があります(Resnick, 2004)。私立学校は、通常、高所得家庭出身の生徒しか入学できず、より裕福な地域の学校は、一般に、より大きな資源とより良い機会を享受できます。実際、生徒の成績を予測する主な要因のいくつかには、社会経済的地位や家庭の背景が含まれます。社会経済的地位の低い家庭の出身の子供たちは、しばしば学習上の欠陥を抱えたまま学校に入学し、教育期間を通じて克服するのに苦労します。1966年に発表された画期的な「コールマン報告書」で明らかにされたこれらのパターンは今日でもまだ非常に大きな意味を持っています。なぜなら、社会学者たちは、裕福な背景を持つ白人の生徒と、裕福でない非白人の生徒との成績には大きな隔たりがあるという意見でいまだに一致しているからです(Coleman, 1966)。

コールマン報告書の知見は非常に強力であったため、米国の教育に2つの大きな変化をもたらしました。連邦政府のヘッド・スタート・プログラムは、現在も継続し、成功を収めていますが、これは、コールマンの調査結果で論じられた就学前教育の不足を補う機会を低所得層の生徒に与えるために開発されたものです。このプログラムでは、社会経済的地位の低い生徒に、学業を中心とした就学前教育を提供しています。

転校とバス通学

ブラウン対教育委員会判決後の年月の間、変化に抵抗していたのは南部諸州だけではありませんでした。ニューヨーク市では、すべての学校が同じ学区内にあるにもかかわらず、低所得者層が住む地域の学校は、高所得者層が住む地域の学校に比べて、経験豊富な教師が少なく、施設も不十分で、生徒一人あたりの支出も少なかったです。1958年、活動家メイ・マロリーは、草の根の唱道者エラ・ベイカーとNAACPの支援を得て、子供たちを学校に行かせない親のグループを率い、実質的にこの学区をボイコットしました。ハーレム・ナインとして知られる彼女とそのグループの人たちは、公に非難され、司法制度によって追求されました。何度かの決定と上訴を経て、最終的な法的決定は、市が学校を事実上隔離しており、特定の地域の生徒たちが依然として「差別的に劣った教育」を受けていると認定しました。全米最大の学区であるニューヨーク市は、自由な転校指針を制定し、さらなる措置のための基盤を築きました(Jeffries, 2012)。

教育の隔離撤廃をさらに進める目的で、全米の裁判所は一部の学区に対し、「バス通学」として知られるようになったプログラムを開始するよう命じました。このプログラムは、人種の多様性を均衡させるために、生徒を居住地域外の学校(したがって、通常であれば通う機会のなかったであろう学校)に通わせるというものでした。この慣行は、白人の生徒がインナーシティー[都市中心部]の学校に通い、マイノリティーの生徒が郊外の学校に通うことに不満を持つ双方の人々による、公衆の大きな抵抗にさらされました。

落ちこぼれ防止法と全生徒の成功法

2001年、ブッシュ政権は落ちこぼれ防止法を成立させました。この法律は、3年生から8年生までの生徒に学力テストを実施することを各州に義務付けるものです。このテストの結果によって、連邦政府から資金援助を受ける資格があるかどうかが決まります。この法律で定められた基準を満たさない学校は、資金援助を打ち切られる危険性があります。社会学者も教師も、「画一的」なコンセプトは教育には当てはまり得ないとして、落ちこぼれ防止法の影響は肯定的なものよりも否定的なもののほうがはるかに大きいと主張しています。

広く批判を浴びた結果、この法律の全国的な側面の多くは徐々に変更され、2015年には実質的に廃止されました。同年、議会は全生徒の成功法(ESSA)を可決しました。この法律は、教育における連邦政府の役割を減少させるものです。年1回のテストは依然として義務付けられていますが、達成・改善の説明責任は各州に移され、各州はその取り組みに関する計画と目標を米国教育省に提出し、承認を得なければなりません。ESSAのこの側面は、トランプ政権下で数年間延期されていましたが、教育省は2020年4月、マサチューセッツ州が計画を承認された最初の州となったと発表しました。COVID-19のパンデミックにより、ESSAの承認に関して多くの州のさらなる対応が遅れました。

標準化されたテストに関する新しい見解

落ちこぼれ防止法の資金への紐づけは、一般に「テストに合わせた教育」と呼ばれる社会現象につながっています。これは、カリキュラムが、より広範な教育目標や学習概念を犠牲にして、標準化されたテストで成功するよう生徒を準備させることに重点を置いているような状況を表します。問題となっているのは、教室での教育に対する2つのアプローチです:1つは、教師が知識を授け、生徒はそれを吸収する義務があるという考え方と、もう1つは、事実ではなく、問題解決能力や学習スキルを子供たちに教えようとする生徒中心の学習という考え方です。米国の学校制度では、どちらのタイプの学習も重視されてきました。「テストに合わせた教育」を批判する人々にとって、前者は生徒に事実を覚え込ませるだけであり、もう一方の陣営の支持者にとっては、後者は生涯学習と転用可能な仕事のスキルを育成するものです。

学力適性試験(SAT)と米国大学試験(ACT)は、何十年もの間、何百万人もの高校生の通過儀礼として機能してきました。各大学は、入試プロセスの基準点としてこのスコアを利用しています。このテストは大学入試において重要な意味を持つため、多くの家庭がテストの準備に重点を置いています。

しかしながら、家族がその準備に費やせる金額に格差があるため、不公平が生じています。SAT/ACT対策コースや家庭教師は高額であり、誰もがその費用を捻出できるわけではありません。その結果、幼稚園から高校までの教育で見られる不公平が、大学にも及んでいる可能性があります。

何年もの間、各大学入試プログラムはこうした格差を考慮し、標準化されたテストの点数以外の要素に基づいて入試を行ってきました。しかしながら、テストの問題は依然として残っています。2020年には、高難易度大学の多くが入試の際の標準化されたテスト要件を廃止し、2021年には、いくつかの大学が「テスト任意選択」アプローチを拡大・拡張しました。

障害を持つ学生

1978年に障害を持つ個人教育法(IDEA)となるものが施行されて以来、州や地域学区は、障害を持つ生徒の教育の質向上への投資を継続的に増やしてきました。同法の再承認は、落ちこぼれ防止法と相まって、 州と学区に対する要件と指針を追加しました。その時点まで、知的障害やその他の障害を持つ生徒の到達度、卒業率、高校卒業後の進路は着実に向上していました。しかしながら、人種や民族性、また地理的条件によっても、大幅な格差が存在していました(そして、今も存続しています)。障害を持つ生徒に対する教育の質だけでなく、その格差は生徒の分類において最も顕著であることがしばしばありました。州によって、どの障害が支援を受けるか、どの程度の支援が提供されるかは異なっていました。

失読症やADHD、その他の障害を持つ生徒の多くは、診断されなかったり、真剣に受け止めてもらえなかったり、あるいは成功するために必要なだけの支援が与えられていなかったりします。これは大人になってからも続く可能性があります。例えば、ADHDは長年、子供の病気であり、「成長すれば治る」ものだと考えられてきました。しかし、ADHDは年齢に関係なく人々に影響を及ぼすことがあり、多くの教育関係者や一部の医師でさえそのことに気づいていません。

落ちこぼれ防止法が基準と標準化されたテストに向けていた焦点は、障害を持つ生徒にも及びました。核となる目標は、障害を持つ生徒が障害のない生徒と同じ基準に向かって取り組み、(必要であれば便宜を図って)同じテストを受けることでした。その結果は功罪相半ばするものでした。障害を持つ生徒のテストの成績は上がりましたが、退学者も増えました。また、平均点を上げるために、障害を持つ生徒をあまり歓迎しない学校もあったという証拠もあります(National Council on Disabilities, 2004)。

一般に、さまざまなプログラムによって、障害を持つ生徒の高校卒業率は全国平均で約73%となるまで改善しています。これは、すべての人口集団の生徒の平均卒業率である88%よりは低いですが、過去数十年に比べれば大きく改善されています(NCES, 2020)。しかしながら、いくつかの問題も残っています。第一に、低所得層や教育予算の少ない地域や州の生徒は、依然として提供されるサービスがはるかに少なく、高校卒業率は平均よりはるかに低いです。第二に、障害の特定に大きな隔たりがあるため、障害を持つ生徒の多くは「主流」の人口集団に属していながら、受けるべきほどにはサポートが受けられていないかもしれません。このようなグループは大学に進学しても、準備のレベルが低いままスタートする可能性があります(Samuels, 2019)。

学校の選択

私たちがこれまで見てきたように、教育は平等ではありませんし、人々は異なる必要性を有しています。親や保護者、児童の権利擁護者たちは、子供にとって最良の学校教育を得るために努力しており、そのために従来の環境から外れることもあります。

伝統的な学校に代わる公立学校には、職業訓練学校、特別教育学校、マグネット・スクール[分野に特化したプログラムを持つ学校]、チャーター・スクール[特別認可学校]、オルタナティブ・スクール[代替的な目標を持つ学校]、アーリーカレッジ・スクール[一部に大学課程の授業を含む学校]、バーチャル・スクール[遠隔授業を行う学校]などが含まれます。私立学校の選択肢には、宗教的、非宗教的な選択肢のほか、全寮制の寄宿学校も含まれることがあります。場所によっては、多くの生徒がこうした選択肢を選んでいます。例えば、ノースカロライナ州では、5人に1人の生徒が伝統的な公立学校に通っていません(Hui, 2019)。

ホームスクーリングとは、伝統的な公立学校や私立学校の制度内ではなく、一般的に親によって自宅で子供に教育を行うことを指します。このタイプの教育の支持者は、今日の教育システムを悩ませている問題を回避しながら、生徒中心の学習ができる優れた機会を提供すると主張しています。反対派は、ホームスクーリングを受ける子供たちは、標準的な教室環境や学校環境で起こる社会性の発達の機会を逃してしまうと反論しています。

学校の選択を擁護する人々は、選択肢を増やすことで、親や生徒が自分に合った教育経験をより効果的に受けることができるという考えを推進しています。生徒が非伝統的な学校を選ぶのは、その学校の方が自分たちの理念に合っているからかもしれませんし、近所の学校でいじめやその他のトラブルがあったからかもしれませんし、特定のキャリアのための準備をしたいからかもしれません(American Federation for Children, 2017)。学校の選択に反対する人々は、オルタナティブ・スクールを必要とし、幸運にも入学できた生徒にとってはそれらはより効果的かもしれないが、そのお金は一般の公立学校に使った方が良いだろうと主張するかもしれません。

遠隔とハイブリッドの学校教育

COVID-19のパンデミックは、アメリカの教育界を最も混乱させた出来事の1つでした。あなたもおそらく、生徒として、親として、家族のメンバーとしての経験に基づいて、独自の体験談、成功談、失敗談、好みを持っていることでしょう。あらゆるレベルの教育者が、強烈なストレス、情報の欠如、困難な選択の段階を経験しました。多くの都市や州では、家庭、学区、政府、保健当局が、議論の中でそれぞれ異なる立場に立つことになりました。出席、メンタルヘルス、指導の質、安全性、テスト、学術的な真正性、そして状況が改善し始めたときに前進するための最善の方法をめぐって、数え切れないほどの論争が繰り広げられました。

大学生とその家族も同じような混乱と議論を経験し、多くの学生が特定の大学の高額な学費は割に合わないと感じていたことも重なりました。パンデミックの間、大学全体の入学者数は大幅に減少しました(Koenig, 2020)。

この文章を書いている時点では、このパンデミックの社会学的・教育学的影響を評価することは難しいですが、多くの人々がそれを研究しています。全体的なデータによると、ほとんどの帰結は否定的であることを示しています。生徒の成績は低下し、ストレスやメンタルヘルス上の問題は増加し、全体的な計画や進路は中断されました。おそらく最も有害なのは、パンデミックが教育における他の課題の多くを増幅させたこと、つまり、資源に恵まれない学区や十分なサービスを受けていない生徒が、他の学区や生徒よりもさらに深刻な影響を受けたことです。その一方で、ひとたび指導者や生徒が技術的・社会的な違いに順応すると、多くの指導者が、より多くの配慮、つながり、個別化された指導、革新性を確保するための新しいテクニックを採用し始めました。パンデミック後の年月において教育が変化するだろうということにほとんどの人は合意していますが、それがすべて悪い方向に向かうとは限りません。

重要用語

資格偏重主義:ある人が一定の技能を持ち、一定水準の教育を受け、あるいは、一定の職務資格を満たしていることを示すために、証明書や学位を重視すること

文化資本:文化の中を切り抜けていくのに役立つ通貨として(比喩的に)機能する文化的知識

文化の伝達:人々がその文化の価値観、信念、社会規範を学ぶようになる方法

教育:社会の子供たちが基本的な学問的知識、学習スキル、文化的規範を教わる社会制度

フォーマル教育:学問的事実や概念を学ぶこと

成績のインフレーション:数十年前のAレベルの成果物に伴う達成レベルよりも、現在のAに伴う達成レベルの方が著しく低いという考え方

ヘッド・スタート・プログラム:社会経済的地位の低い生徒に、学業に重点を置いた就学前教育を提供する連邦政府のプログラム

隠れたカリキュラム:インフォーマルな学習や文化の伝達を通じて人々が学ぶ、学問以外の知識のタイプ

インフォーマル教育:社会への参加を通じて、文化的価値観、規範、期待される行動について学ぶ教育

落ちこぼれ防止法:各州に対し、所定の学年で生徒をテストすることを義務付け、そのテストの結果によって連邦政府の資金援助を受ける資格を決定する法律

社会的配置:自分の社会的地位を向上させるために教育を利用すること

選抜:学力や潜在能力に基づいて生徒を分類すること

トラック分け:不平等を永続させるような「進路」(成績上位者、下位者)に生徒を振り分ける形式化された選抜システム

普遍的アクセス:すべての人々が教育制度に平等に参加できること

各節のまとめ

16.1 世界の教育

世界中の教育制度には多くの違いがありますが、資源や資金などといった同じ要因がどの教育制度にも影響を及ぼしています。教育の分布は、生徒一人あたりに使われる金額が州によって大きく異なる米国を含め、多くの国で主要な問題になっています。教育は、フォーマルな制度とインフォーマルな制度の両方を通じて行われ、そのどちらも文化の伝達を促進します。教育への普遍的アクセスは、世界的な関心事です。

16.2 教育に関する理論的視点

主要な社会学理論は、私たちが教育をどのように理解するかについての洞察を与えてくれます。機能主義者は、教育を、顕在的機能と潜在的機能の両方に寄与する重要な社会制度とみなします。機能主義者は、教育が生徒を社会における後の役割や機能を果たすために備えさせることによって、社会の必要性に応えるものであると考えます。紛争理論家は、学校のことを階級、人種・民族性、ジェンダーの不平等を永続させる手段であると考えます。これと同様に、フェミニスト理論も、教育におけるジェンダー不平等のメカニズムや根源に特に焦点を当てています。シンボリック相互作用論の理論は、個人にラベルを貼る手段としての教育に注目しています。

16.3 教育における課題

学校が生徒の生活の中で多くの役割を果たし続ける中、課題も生じています。歴史的な問題としては、1954年のブラウン対トピカ教育委員会判決に代表される学校の人種隔離の撤廃があります。今日の多様な教育状況において、社会経済的地位と多様性は、依然として教育における問題の中心です。障害を持つ生徒の成績は、過去数十年に比べて向上していますが、多様な必要性を特定し、それに応えるという問題はいまだに残っています。社会に影響を与えるその他の教育問題には、学校の選択と標準化されたテストが含まれます。

各節についての質問

16.1 世界の教育

  1. 世界の教育制度に影響を与える主な要因は何ですか?
  1. 資源と資金
  2. 学生の関心
  3. 教師の関心
  4. 交通手段
  1. 科学や数学でトップランクの国にはどんな共通点がありますか?
  1. すべてアジアにある。
  2. 一流の教師を採用している。
  3. 生徒一人あたりでより多くのお金を費やしている。
  4. 教室で最先端のテクノロジーを利用している。
  1. インフォーマル教育は、__________。
  1. 生徒が仲間に教えることを指す
  2. 文化的規範を学ぶことを指す
  3. 家庭でのみ行われる
  4. 計画された指導過程に依拠している
  1. ほとんどの生徒が金曜日には昼食を買うことをクラスメートから学ぶことは、__________の例です。
  1. 文化の伝達
  2. 教育へのアクセス
  3. フォーマル教育
  4. インフォーマル教育
  1. 1972年のミルズ対コロンビア特別区教育委員会の裁判は、__________の判例となりました。
  1. 教育へのアクセス
  2. 生徒への平均支出
  3. 学校の人種隔離の撤廃
  4. 教師の給与

16.2 教育に関する理論的視点

  1. 以下のうち、教育の顕在的機能でないものはどれですか?
  1. 文化の革新
  2. 求愛
  3. 社会的配置
  4. 社会化
  1. タミーはマーケティングで成功を達成することを計画しているため、ソーシャルメディアの管理に関するコースを受講しています。これは__________の例です。
  1. 文化の革新
  2. 社会統制
  3. 社会的配置
  4. 社会化
  1. 教育が現状を維持する方法に焦点を当てた教育理論はどれですか?
  1. 紛争理論
  2. フェミニスト理論
  3. 機能主義理論
  4. シンボリック相互作用論
  1. 教育過程を通じて獲得されるラベルに焦点を当てた教育理論はどれですか?
  1. 紛争理論
  2. フェミニスト理論
  3. 機能主義理論
  4. シンボリック相互作用論
  1. テストの点数、過去の成績、または認識された能力に基づいて、生徒を特定の教育プログラムやクラスに割り当てることを表す用語は何ですか?
  1. 隠れたカリキュラム
  2. ラベリング
  3. 自己成就的予言
  4. トラック分け
  1. 機能主義理論では、教育は__________の必要性に応えるものであると考えます。
  1. 家族
  2. 社会
  3. 個人
  4. 上記すべて
  1. 期限を守り、権威ある人物を尊重した生徒に報酬を与えることは、__________の例です。
  1. 潜在的機能
  2. 顕在的機能
  3. インフォーマル教育
  4. 道徳教育の伝達
  1. 実力に基づいて生徒を分けることを表す用語は何ですか?
  1. 文化の伝達
  2. 社会統制
  3. 選抜
  4. 隠れたカリキュラム
  1. 紛争理論家は、選抜のことを__________方法とみなしています。
  1. 才能ある生徒に挑戦させる
  2. 社会経済的地位の分断を永続させる
  3. 追加の支援が必要な生徒を助ける
  4. 権威に対する敬意を教える
  1. 紛争理論家は、IQテストは偏っていると考えています。なぜでしょうか?
  1. 人為的な間違いが起こりやすい方法で採点される。
  2. 学習障害のある子供たちに、本当の知能を示す公平な機会を与えない。
  3. 複数の知能をカバーするのに十分なテスト項目が含まれていない。
  4. 上流階級の文化に関連した知識を前提とした質問によって、裕福な生徒に報いている。

16.3 教育における課題

  1. プレッシー対ファーガソン事件は、__________という判例を定めました。
  1. 学校における人種隔離は認められる
  2. 黒人と白人の生徒のための別々の学校は違憲である
  3. 公立学校において、生徒は自由な言論のための権利を持たない
  4. 公立学校において、生徒は自由な言論のための権利を持つ
  1. 公立学校は、__________ことを保証しなければなりません。
  1. すべての生徒が高校を卒業する
  2. すべての生徒が平等に教育を受ける
  3. 生徒一人あたりの支出が公平である
  4. 各生徒に使われる金額は、地域的に使われる金額と同じである
  1. 生徒の成功を予測する主な要因には、__________が含まれます。
  1. 学齢期の兄弟姉妹の数
  2. 社会経済的地位と家庭の背景
  3. 幼稚園入園時の年齢
  4. 学校に通う生徒の数
  1. 生徒がその学年に必要な要件を満たしたかどうかに関係なく、次の学年に進級できるようにすることを、__________と呼びます。
  1. アファーマティブ・アクション
  2. 社会統制
  3. 社会的進級
  4. 社会化

簡潔に答えてください

16.1 世界の教育

  1. あなたは、同じ環境の中でフォーマル教育とインフォーマル教育が食い違ったのを経験したことはありますか?あなたはどのようにしてその食い違いを克服しましたか?

  2. 学校への無料アクセスは、その意図した目標を達成したと思いますか?説明してください。

16.2 教育に関する理論的視点

  1. あなたの学校について考えた上で、紛争理論家であれば、あなたの学校が階級の差を永続させていると言うであろう方法には、どのようなものがありますか?

  2. あなたの教育についての見解を最もよく表している社会学理論はどれですか?その理由を説明してください。

  3. シンボリック相互作用論とフェミニスト理論について知っていることに基づくと、これらの理論の支持者は何を学校の役割として考えていると思いますか?

16.3 教育における課題

  1. バス通学は、多様な背景を持つ生徒の役に立つ合理的な方法ですか?そうでない場合は、代替案を提案し、立証してください。

さらなる研究

16.1 世界の教育

開発途上国では、苦労しながらも教育が継続的に改善されています。世界中でどのような教育プログラムが促進されているかを学ぶには、センター・フォー・グローバル・デベロップメントのウェブサイト(http://openstax.org/l/center_global_development)の教育セクションを探索してください。

16.2 教育に関する理論的視点

トラック分けは実際に学習を改善できるでしょうか?2009年のエデュケーション・ネクスト(http://openstax.org/l/education_next)の記事は、ケニアからの証拠とともに、この議論を調べています。

ナショナル・センター・フォー・フェア・アンド・オープン・テスティング(FairTest)(http://openstax.org/l/fair_test)は、標準化されたテストに見られる偏見やその他の欠陥をなくすことに力を注いでいます。彼らの使命は、生徒、教師、学校が公平に評価されるようにすることです。彼らの使命や、テストの偏りや公正さに関する最新のニュースについては、彼らのウェブサイトで詳しく知ることができます。

16.3 教育における課題

公立学校の生徒に言論の自由の権利が与えられているかどうかは、多くの議論の対象です。公立学校制度では、安全な学習環境の必要性と、米国市民に与えられている言論の自由の保証との間で衝突が起こりえます。この複雑な問題については、学校における憲法修正第1条に関するこのウェブページ(http://openstax.org/l/center_public_education)でさらに学ぶことができます。

参考文献

はじめに

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