第1章 社会学入門

図1.1 | インドのムンバイ周辺では、毎日750万人の人々が鉄道を利用しています。その大半は互いに面識はありませんが、共に移動するなかで多くの共通点を持ちます。(Credit: Rajarshi MITRA/flickr)

図1.1 | インドのムンバイ周辺では、毎日750万人の人々が鉄道を利用しています。その大半は互いに面識はありませんが、共に移動するなかで多くの共通点を持ちます。(Credit: Rajarshi MITRA/flickr)

この章の概要

1.1 社会学とは何でしょうか?
1.2 社会学の歴史
1.3 社会学における理論的な視点
1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

はじめに

混雑する通勤列車の駅は、とても個人化された場所のように思えるかもしれません。何万人、何十万人という見知らぬ人たちが、「行く必要のあるところへたどり着く」というたった1つの目的を持って流れていきます。1秒間に数十人というペースで正面玄関口を通るにつけ、あるいは一度に数百人が電車で到着するにつけ、駅はまるで膨らませすぎた風船のように感じられます。大勢の人が狭いボトルネックに群がり、通路や階段、トンネルを抜けて旅路の次の段階に向かいます。駅によっては、人混みに逆らって歩くのはうんざりする、ほとんど不可能な作業です。そして、頑固な通勤客の川を横切ることは、ほとんど危険ですらあります。物事は速く、容赦なく、必要なものです。

しかし、その10万人が、50万人が、東京の新宿駅の場合には350万人が、本当に個人として行動しているのでしょうか?意外に思われるかもしれませんが、そのような数でも、さまざまな都市からやってきた見知らぬ人たちは、同じスケジュールで同期し、同じドアを使い、毎日一緒に旅の一歩を踏み出し、別々の方向へ分かれていきます。ほんの数か月もすれば、顔は見慣れたものになり、感覚を合わせることができます。経験豊富な通勤者は、他の人のペースやちょうど聞こえてきた何らかのアナウンスから、その人がどこに向かっているのかがわかります。彼らは少しスピードを落として他の人をやり過ごしたり、誰かが自分の後ろで取っ手をつかむことを予期していつもより少し長く扉を開けておいたりします。多くの常連客は、時刻表の掲示など見なくても、単に人の動きだけで列車が遅れているのか、路線が変わったのかを察知します。

そして、習慣が生まれます。どちらの側を歩くか、どのくらいの速度で進むか、どこに立つか、エスカレーターで人と人の間をどのくらい空けるか。あなたが早く乗り込んだら、どの席に座ればいいのでしょうか?電車に駆け込む人を見たら、閉まるドアに足を突っ込みますか?食べ物やお金を乞う人に、群衆はどう接するでしょうか?誰かに「静かにしろ」と言うことの危険度はどのくらいでしょうか?

これらの行動のうち、教えられるものはごくわずかです。書き留められるものはありません。しかし、この通過拠点、つまり絶え間ない流れの空間は、その社会の反響です。そこは、その周囲の都市や国からいくつかの面を受け継ぎますが、そこの人々はまた、独自の非公式なグループを形成しています。あなたがこれから学ぶように、社会学者はこれらの人々を研究することがあります。社会学者は、彼らが自分の旅についてどのように感じているのか、それを誇りに思っているのか、腹を立てているのか、あるいはただ単に疲れているのか、理解しようとするかもしれません。社会学者は、通勤時間の長さが仕事の満足度や家族関係にどう関係するかを研究するかもしれません。彼らは、駅の状況が政府に対する態度にどのように影響するか、あるいは通勤の困難さが人々にどのような転居をもたらすかについて研究するかもしれません。このような理解は、単に興味深い事実の収集にとどまらず、政府の政策や支出決定、雇用者の介入策、医療行為に影響を与えることができます。社会学者が私たちの社会を理解するために行う仕事、そしてあなたが社会学を学ぶ際に行う仕事は、私たちの生活と未来にとって有意義なものなのです。

1.1 社会学とは何でしょうか?

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 社会学の中心的な概念について説明する
  • 社会学のさまざまな視点がどのように発展してきたかを記述する

社会と文化とは何でしょうか?

図1.2 | 社会学者は、一対一や集団の相互作用を研究しながら、社会について学んでいます。(Credit: GlacierNPS/Flickr)

図1.2 | 社会学者は、一対一や集団の相互作用を研究しながら、社会について学んでいます。(Credit: GlacierNPS/Flickr)

社会学は、小規模で個人的な集団から非常に大きな集団に至るまで、集団および集団の相互作用や、社会および社会の相互作用について科学的かつ体系的に研究する学問です。特定の地理的領域に住み、互いに交流し、共通の文化を持つ人々の集団を、社会学者は社会と呼びます。

社会学者は、社会のあらゆる側面とレベルを研究します。ミクロレベルで取り組む社会学者は、小さな集団や個人の相互作用を研究し、マクロレベルの分析を用いる人は、大きな集団の間や社会の間の傾向を見ます。例えば、ミクロレベルの研究では、ティーンエイジャーやビジネス専門家など、さまざまな集団で受け入れられている会話のルールを調べることがあります。一方、マクロレベルの分析では、言葉の使い方が時代とともに変化していることや、ソーシャルメディアの利用で変化していることについて研究することがあります。

文化という言葉は、集団が共有する慣習、価値観、信念のことを指します。文化は、日常のありふれたやりとりから、集団のメンバーの生活の中で最も重要な部分まで、ある集団の生活様式を包含しています。そこには、社会的なルールも含め、ある社会が生み出すすべてのものが含まれます。

社会学者は、社会学的想像力を用いて文化を研究することがしばしばあります。先駆的な社会学者であるC・ライト・ミルズは、社会学的想像力のことを、ある人の行動や経験と、その人の選択や認識を形成したより広い文化との間の関係性を認識することであると述べています。それは、自分や他人の行動を、歴史や社会構造との関係で見る方法です(Mills, 1959)。その1つの例証が、人が結婚をするという決断です。米国では、この選択は個人の感情に大きく影響を受けます。しかしながら、その人が置かれている状況に関連した結婚の社会的な受け入れられやすさもある程度の役割を果たします。

しかし、文化はその社会の人々の産物であることを覚えておいてください。社会学者は、「文化」という概念をあたかも生きていて実在するかのごとく扱わないように注意しています。抽象的な概念を、あたかも現実の物質的な存在であるかのように扱う誤りは、具象化として知られています(Sahn, 2013)。

パターンを研究する:社会学者は社会をどう見ているか

すべての社会学者は、個人の経験と、それらの経験が社会集団や社会との相互作用によってどのように形作られるかに関心を持っています。社会学者にとって、ある個人が下す個人的な決断は、真空の中に存在するわけではありません。文化的パターンや社会的な力、影響によって、人々はある選択肢ではなく別の選択肢を選ぶように圧力をかけられます。社会学者は、同じ社会に住み、同じ社会的圧力を経験している大勢の人々の行動を調べることによって、これらの一般的なパターンを特定しようと試みています。

米国における家族の変化について考えてみましょう。過去数十年の「典型的な」家族は、結婚した両親と未婚の子供たちが暮らす家庭というものでした。現在では、未婚のカップル、同性カップル、ひとり親、単身世帯の割合が増え、祖父母、いとこ、成人した子供などといった拡大家族のメンバーが家族の家で同居する拡大された世帯の数も増えています。ひとり親の大半を占めるのは依然として1500万人の母親ですが、350万人の父親も一人で子供を育てています(U.S. Census Bureau, 2020)。独身者や同棲中のカップルが、代理出産や養子縁組など、結婚以外の方法で子供を育てることを選択することも増えています。

図1.3 | 現代の米国の家族は、歴史的に典型的であったものとは大きく異なる構成になっているかもしれません。(Credit A: Paul Brody/flickr; B: Tony Alter/Wikimedia Commons)

図1.3 | 現代の米国の家族は、歴史的に典型的であったものとは大きく異なる構成になっているかもしれません。(Credit A: Paul Brody/flickr; B: Tony Alter/Wikimedia Commons)

一部の社会学者は、家族のこうした変化に寄与しているかもしれない社会的事実(法律、道徳、価値観、宗教的信念、習慣、流行、儀式、社会生活を司る文化的規則)を研究しています。アメリカの人々は、結婚や家族について、年月を重ねるにつれて異なる見方をしているのでしょうか?彼らは、ペルー人とは異なる見方をしているのでしょうか?雇用や経済状況は家族にとって何かの役割を果たすでしょうか?他の社会学者は、子供が家族に影響を与え、また家族から影響を受ける方法や、教育、住宅、医療に対するニーズの変化など、これらの新しいパターンの帰結について研究しています。

社会学者は、あらゆる種類の現代の社会問題に関連するパターンを特定し、研究しています。「ストップ・アンド・フリスク[警察官による職務質問および所持品検査]」政策、新しい政治的派閥の出現、ツイッターが日常のコミュニケーションに与える影響など、これらはすべて社会学者が探究し得るトピックの例です。

部分と全体を研究する:社会学者は社会の構造をどう見ているか

社会学の視点の重要な構成要素は、個人と社会は不可分であるという考え方です。一方を抜きにして他方を研究することは不可能です。ドイツの社会学者ノルベルト・エリアスは、個人の行動とその行動を形成する社会を同時に分析するプロセスをフィギュレーション[形態化]と呼びました。

宗教について考えてみましょう。人々は宗教を明確に個人的な方法で経験しますが、宗教は社会制度としてより大きな社会的文脈の中に存在します。例えば、個人の宗教的実践は、政府の指示、祝日、教師、礼拝の場所、儀式などの影響を受けるかもしれません。これらの影響は、個人の宗教の実践と、その宗教的経験に影響を与える社会的圧力との間の重要な関係を強調しています(Elias, 1978)。より簡単に言えば、フィギュレーションとは、ある社会の社会制度を分析する際には、その制度を何らかの形で利用している個人を分析のために「フィギュア[形態化]」する必要があることを意味します。

現実世界における社会学

個人と社会のつながり

社会学者のネイサン・キアンズは、友人のアシュリー(仮名)から、彼女とそのパートナーが都心から中西部の小さな町へと引っ越したことについての話を聞いたとき、レズビアン・カップルにかかる社会的圧力がコミュニティーによってどのように異なるのかに興味を持ちました。アシュリーは、都会では彼女とパートナーが手をつないで歩くときに、視線を浴びたり、言葉を投げかけられたりすることに慣れていた、と言いました。彼女は、それ以外は、少なくとも許容されていると感じていました。あからさまな差別はほとんどありませんでした。

パートナーの仕事の都合でその小さな町に引っ越したとき、状況は一変しました。アシュリーは初めて、自分の性的指向を理由にした直接的な差別を経験することになりました。そのうちの一部は、特に有害なものでした。大家は彼女たちに家を貸そうとしませんでした。専門家としての高度な訓練を受けたアシュリーは、新しい仕事を見つけるのに大きな苦労をしました。

ネイサンがアシュリーに、彼女とパートナーがこの新しい状況に落胆したり、苦しくなったりしていないか、と訊ねたとき、アシュリーは、それにイライラするのではなく何か行動を起こそうと思った、と述べました。アシュリーは、地元の大学のグループや、地域のいくつかの教会に働きかけました。そして、この町で初めてのゲイ・ストレート・アライアンスを一緒に結成することにしました。

このアライアンスは、同性カップルについて地域社会が学ぶための取り組みをうまく進めています。また、アシュリーと彼女のパートナーが経験した町での差別について、どうすればそれらをなくすことができるのか、その関心を高めることにも努めました。このアライアンスは強力な権利擁護団体となっており、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、つまりLGBTQの人たちが平等な権利を獲得するために活動しています。

キアンズは、これは、社会的な負の力が、社会の変革をもたらすために、個人の積極的な反応を引き出すことができるという優れた例であると述べています(Keirns, 2011)。

1.2 社会学の歴史

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 社会学が出現した時期と理由を説明する
  • 社会学が独立した学問分野となった経緯について記述する
図1.4 | 社会学が明確な学問分野となるずっと以前から、人々は社会学者のように考えてきました。プラトンやアリストテレス、孔子、ハルドゥーン、ヴォルテール、そしてメアリ・ウルストンクラフトが、現代的な社会学のための舞台を整えました。(Credit: A, B, C, and E Wikimedia Commons; D: publicdomainfiles.com.)

図1.4 | 社会学が明確な学問分野となるずっと以前から、人々は社会学者のように考えてきました。プラトンやアリストテレス、孔子、ハルドゥーン、ヴォルテール、そしてメアリ・ウルストンクラフトが、現代的な社会学のための舞台を整えました。(Credit: A, B, C, and E Wikimedia Commons; D: publicdomainfiles.com.)

何千年もの間、人々は個人と社会の関係性に魅了されてきました。古代の哲学者たちが理想的な社会を描くために研究した多くのトピックは、現代の社会学においてもまだ研究されており、それには、理想的な社会を描くための継続的な試みにおける社会的対立、経済、社会的結束、権力の理論が含まれています(Hannoum, 2003)。私たちは、プラトンやその弟子であるアリストテレスのような西洋の哲学者に慣れ親しんでいますが、東洋の哲学者たちも社会の問題について考えていました。

最近まで、非宗教的な性質を持ち、社会生活を理論化したテキストはほとんどありませんでした。4世紀から19世紀にかけて、東は現在のトルコから、イギリス諸島を含む西ヨーロッパ、北ヨーロッパまで、カトリック教会が権力の座を占めていました。聖典を手書きで書き直す役割を担う修道士と、貴族だけが識字能力を有していました。さらに、教会は権力を強化しました。800年、ローマ教皇レオ3世は、フランシア(現在のフランス、ベルギー、オランダ、ドイツ)の王シャルルマーニュを神聖ローマ帝国の皇帝に任命し、一人の人間にヨーロッパの大半の支配権を委ねました。これにより、カトリック教会が、他の宗教を信仰する人々の影響から自らの伝統を守る力を持つようになりました。教会の信仰に反する社会的パターンがあれば、その実践者は虐殺されるか、火あぶりにされるか、あるいは異端者とされました。その結果、私たちが持っている記録は極めて主観的であり、社会的な実践についてバイアスのない見方を与えてはくれません。

13世紀、中国の歴史家の馬端臨は、『文献通考』という画期的な百科事典で、歴史発展の基礎となり、それを生み出すような社会の力学を初めて記録した人物となりました。

14世紀には、チュニジアの歴史家イブン・ハルドゥーン(1332-1406)が、現代の社会学と経済学の基礎を築きました。ハルドゥーンは、社会的対立の理論を提唱し、遊牧民と定住民の生活の比較、政治経済の分析、そして、部族の社会的結束とその権力のための能力とを結びつける研究を行いました(Hannoum, 2003)。ハルドゥーンはしばしば権威に挑戦しました。社会学者は社会的な問題や課題を研究し報告し続ける中で、しばしば論争の中心に身を置くことになります。

1347年から1522年にかけて、腺ペストがヨーロッパを襲い、人口の35%までが死亡しました(Armstrong, 2019)。ペストは、カトリック教会の信頼性に大きな打撃を与えました。この混乱の中から、コペルニクス、ガリレオ、レオナルド、ニュートン、リンネ、そして他の哲学者たちによる、教会の教えと時に矛盾することもある研究が生まれました。かつては神の手の御業によるものとされていた事象が、人間の理性と観察によって分析され、科学的で検証可能、そして再検証可能な仮説によって説明されるようになりました。征服や植民地化によって識字能力がいきわたると、社会学者や歴史家が社会の難問を組み立てるために、より多くの記録や文献を利用できるようになりました。

18世紀には、啓蒙思想の哲学者たちが、社会生活を説明するのに使える一般原則を発展させました。ジョン・ロック、フランソワ=マリ・アルーエ(ヴォルテール)、イマヌエル・カント、トマス・ホッブズといった思想家たちは、社会改革につながることを期待していたトピックに関して執筆することによって、社会の病弊とみなしていたものに対応しました。メアリ・ウルストンクラフト(1759-1797)は、社会における女性の状況について書きました。ハリエット・マーティノーやジェイン・アダムズ同様、彼女の著作は長い間、男性の学問的構造から無視されてきましたが、1970年代以降、ウルストンクラフトは、重要な最初のフェミニスト思想家と広く考えられています。経済システム、家族、健康と公衆衛生、国家の攻撃と防衛についての考え方は、社会生活の多くの懸念事項の1つでした。

19世紀初頭は、産業革命、移動性の増加、新しい種類の雇用など、大きな変化がありました。また、貿易、旅行、グローバル化が進み、多くの人々が初めて自分たちとは異なる社会や文化に触れた時代でもありました。何百万人もの人々が都市に移り住み、多くの人々が伝統的な宗教観から離れました。思想は急速に広まり、集団が生まれ、政治的な決定は公的な決定となりました。新しい世代の哲学者たちの中には、そのすべてを理解できると信じる人たちがいました。

学問分野を創る:ヨーロッパの理論家たち

図1.5 | 初期のヨーロッパの主要な理論家たち。上段、左から右へ:オーギュスト・コント、ハリエット・マーティノー、ハーバート・スペンサー。下段、左から右へ:ゲオルク・ジンメル、エミール・デュルケーム、マックス・ウェーバー。(Credit: Wikimedia Commons; Julius Cornelius Schaarwächter/Public domain.)

図1.5 | 初期のヨーロッパの主要な理論家たち。上段、左から右へ:オーギュスト・コント、ハリエット・マーティノー、ハーバート・スペンサー。下段、左から右へ:ゲオルク・ジンメル、エミール・デュルケーム、マックス・ウェーバー。(Credit: Wikimedia Commons; Julius Cornelius Schaarwächter/Public domain.)

オーギュスト・コント(1798-1857)

社会学という言葉は、1780年にフランスのエッセイスト、エマニュエル=ジョゼフ・シエイエス(1748-1836)が未発表の原稿で初めて生み出しました(Fauré et al., 1999)。1838年、この言葉はオーギュスト・コント(1798–1857)により再び紹介されました。コントはもともと技師になるための勉強をしていましたが、後に社会哲学者のサン=シモン伯爵クロード・アンリ・ド・ルヴロワ(1760–1825)の弟子となりました。二人は、社会科学者が、自然科学で用いられているのと同じ科学的手法を使って社会を研究できると考えました。コントはまた、社会科学者が社会をより良くするために活動する可能性を信じていました。彼は、ひとたび学者が社会を統御する法則を明らかにすれば、社会学者は不十分な教育や貧困などの問題に対処することができると考えました(Abercrombie et al., 2000)。

コントは、社会的なパターンを科学的に研究することを実証主義と名付けました。彼は、『実証哲学講義』(1830-1842)と『実証主義の一般的見解』(1848)という一連の著書の中で、その哲学を述べています。彼は、社会や個人が相互作用する法則を明らかにすることが、歴史の新しい「実証主義」の時代を切り開くことになると考えました。社会学者たちは、この分野とその用語法が成長したとはいえ、まだ自分たちの仕事がもたらす実際的な影響力を信じています。

ハリエット・マーティノー(1802-1876)

ハリエット・マーティノーは、コントの著作をフランス語から英語に翻訳し、英語圏の学者たちに社会学を紹介しました。彼女は、経済、社会階層、宗教、自殺、政府、女性の権利などの社会的実践をいち早く分析した人物でした。彼女のキャリアは、一般人に経済学の原理を教える『政治経済学例解』から始まりました(Johnson, 2003)。その後、彼女は、『アメリカの社会』(1837)、『西方旅行の回顧』(1838)という自身の最も有名な2つの社会学的著作において、社会制度の最初の体系的・方法論的国際比較を展開しました。

マーティノーは、アメリカにおいて、資本主義の仕組みが、公言されている人々の道徳的原則と相容れないものであることを見出しました。彼女は、経営者が裕福になる一方で、労働者が搾取され、貧困に陥るという自由企業制度の欠点を指摘しました。さらに、「すべての人は平等につくられている」という信念が、女性の権利の欠如と矛盾していることも指摘しました。学術的な社会学が男性優位の職業であったため、メアリ・ウルストンクラフトとほとんど同様に、マーティノーは当時にはしばしば軽視されました。

カール・マルクス(1818-1883)

カール・マルクスはドイツの哲学者であり、経済学者です。1848年、彼とフリードリヒ・エンゲルス(1820–1895)は一緒に『共産党宣言』を著しました。この本は、歴史上最も影響力のある政治的著作の1つです。これはまた、コントが提唱したものとは異なる、マルクスの社会理論も提示しています。

マルクスは、コントの実証主義を否定しました。マルクスは、社会は生産手段をめぐるさまざまな社会階級の闘争の結果として成長し、変化すると考えました。マルクスが理論を発展させていた当時、産業革命と資本主義の台頭により、工場の所有者と労働者の間に大きな貧富の格差が生じていました。資本主義とは、財とそれを生産する手段を私的にまたは企業が所有することを特徴とする経済システムで、多くの国々で発展していました。

マルクスは、資本主義の不平等が極端になり、やがて労働者が反乱を起こすだろうと予言しました。その結果、資本主義が崩壊し、共産主義に取って代わられることになります。共産主義とは、私的所有権や企業所有権が存在せず、すべてが共同所有され、必要に応じて分配される経済システムです。マルクスは、共産主義が資本主義よりも公平なシステムであると考えました。

マルクスの経済予測は、彼が予測した時間枠の間には実現しませんでしたが、社会的な紛争が社会の変化をもたらすというマルクスの考えは、今でも現代の社会学で用いられる主要な理論の1つです。

ハーバート・スペンサー(1820–1903)

1873年、イングランドの哲学者ハーバート・スペンサーは、タイトルに「社会学」という言葉が含まれる最初の本である『社会学研究』を出版しました。スペンサーは、コントの哲学の多くを否定し、マルクスの階級闘争の理論や共産主義への支持も否定しました。その代わりに、彼は市場の力が資本主義を制御することを認めるような政府の形態を支持しました。彼の研究は、エミール・デュルケーム(1858-1917)を含む多くの初期の社会学者に影響を与えました。スペンサーは、チャールズ・ダーウィンの研究を比較として用いて、「適者生存とは、私がここで機械的な用語で表現しようとしたもので、ダーウィン氏が『自然選択』と呼んだもの、すなわち生きるための争いの中で有利な種族が保存されることだ」と述べています(Spencer, 1864)。この言明は、しばしば誤解され、ある人種の他の人種に対する優越性を信じる人々によって採用されています。

ゲオルク・ジンメル(1858–1918)

ゲオルク・ジンメルは、ドイツの美術評論家であり、社会的・政治的な問題についても幅広く執筆しました。ジンメルは反実証主義の立場をとり、社会的紛争、貨幣の機能、都市生活における個人のアイデンティティー、部外者に対するヨーロッパ人の恐怖といったトピックを扱いました(Stapley, 2010)。彼の研究の多くは、ミクロレベルの理論に焦点を当て、二人組や三人組の集団の動態を分析しました。また、彼の研究は、個人の創造的能力としての個人文化を強調しました(Ritzer and Goodman, 2004)。

エミール・デュルケーム(1858–1917)

エミール・デュルケームは、1895年にボルドー大学にヨーロッパ初の社会学部を設立することにより、そして1895年に『社会学的方法の規準』を出版することにより、社会学を正式な学問分野として確立するのに貢献しました。デュルケームは、『社会分業論』(1893)で、社会が原始的な状態から資本主義・工業社会へと変化していく過程について、さらに理論を展開しました。デュルケームによれば、人々は実力に基づいて、社会において適切なレベルにまで昇格します。

デュルケームは、社会学者が客観的な社会的事実を研究できると考えていました(Poggi, 2000)。彼はまた、そのような研究を通じて、ある社会が「健全」か「病的」かを判断することが可能であると信じていました。健全な社会は安定していますが、病的な社会は社会規範の崩壊を経験します。

1897年、デュルケームは『自殺論』と題する著作を発表し、自身の社会調査の規準の有効性を示そうと試みました。デュルケームは、カトリックとプロテスタントの共同体の間の違いを研究するために、異なる警察管区の自殺統計を調査しました。彼は、その違いを個人的、心理的な原因ではなく、社会-宗教的な力に帰属させました。

マックス・ウェーバー(1864–1920)

著名な社会学者マックス・ウェーバーは、1919年にドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンに社会学部を設立しました。ウェーバーは、ロシアにおける政治的変化や工場労働者に影響を与える社会的な力など、社会学に関連する多くのトピックについて執筆しました。彼は、1904年に出版した著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で最もよく知られています。この本でウェーバーが打ち出した理論は、いまだに論争を呼んでいます。一部の人は、ウェーバーが、多くのプロテスタント、特にカルヴァン派の信仰が資本主義の勃興につながったと主張したと考えています。また、他の人は、この本が資本主義とプロテスタンティズムのイデオロギーは相補的であると主張したに過ぎないと解釈しています。

ウェーバーは、一部の社会学者が望んでいたような、標準的な科学的手法を用いて集団の行動を正確に予測することは、不可能ではないにせよ、困難であると考えました。ウェーバーは、人間の行動に対する文化の影響を考慮に入れなければならないと主張しました。これは研究者自身にも当てはまることで、研究者は自らの文化的なバイアスが研究にどのような影響を与え得るかを認識するべきです。この問題に対処するために、ウェーバーとヴィルヘルム・ディルタイは、ドイツ語で「深く理解する」という意味の「verstehen(了解・理解)」という概念を導入しました。了解を目指すためには、ある社会世界(文化全体あるいは小さな環境)の外部の観察者は、部内者の視点から理解しようとします。

ウェーバーは『社会的行為の本質』の中で、社会学のことを「…社会的行為の意味を解釈し、それによって行為の進行方法とそれが生み出す効果について因果的な説明を与える」ことに努めるものだと述べています。彼や考えを同じくするその他の社会学者たちは、社会研究者が社会過程や文化的規範、社会的価値観を表現するために取り組む際に主観性を追求する、反実証主義の哲学を提唱しました。このアプローチにより、一般化や予測(科学における伝統的なもの)ではなく、社会世界の深い理解を体系的に得ることを目的とするいくつかの研究手法が生まれました。

このような実証主義あるいは反実証主義に基づく研究アプローチの違いが、今日の量的社会学と質的社会学の違いの基礎になっているとしばしば考えられています。量的社会学では、多数の参加者を対象とした調査(サーベイ)など、統計的手法を用います。研究者は、統計的手法を使ってデータを分析し、人間の行動パターンを明らかにできるかどうかを確認します。質的社会学は、綿密なインタビューやフォーカスグループ、コンテンツ源(書籍、雑誌、定期刊行物、大衆メディアなど)の分析を通じて人間の行動について学ぶことで、人間の行動を理解しようとします。

社会政策とディベート

私たちは最低賃金を上げるべきでしょうか?

激戦となった2020年の選挙戦で、ジョー・バイデン大統領は連邦最低賃金を引き上げるとアメリカ人に約束しました。最低賃金の引き上げに反対する人々は、一部の労働者はより多くの給料を得るが、他の労働者は職を失い、企業は労働者に支払う費用が増えるため、新しい労働者を雇う可能性が低くなるだろうと主張しています。バイデンをはじめとする最低賃金引き上げ賛成派は、低賃金労働者の生活水準を向上させ、貧しい人々と豊かな人々との所得格差を縮小させるという有益な効果により、多少の雇用喪失は大きく相殺されると主張しています。

社会学者は異なる視点から最低賃金の問題を考えることがあります。最低賃金の引き上げは、シングルマザーにどれだけの影響を与えるのでしょうか?ある人は、請求書を支払ったり食卓に食べ物を並べたりする能力のような、経済的な影響を研究するかもしれません。また、別の人は、経済的なストレスが軽減されることで、どのように家族関係が改善されるかに注目するかもしれません。ある社会学者は、小規模企業の経営者の地位への影響について研究するかもしれません。これらはすべて、社会学の一分野である公共社会学の例であり、その分野は社会学的対話を公共の場に持ち込もうとするものです。公共社会学の目標は、社会問題の根底にある社会的要因の理解を深め、解決策を見出す手助けをすることです。マイケル・バラウォイによれば、公共社会学の課題は、複数の公共を複数の方法で巻き込むことです(Burawoy, 2005)。

学問を応用する:アメリカの理論家と実践者

図1.6 | 左からウィリアム・サムナー、W・E・B・デュボイス、ジェイン・アダムズ。(Credit A, B, and C: Wikimedia Commons.)

図1.6 | 左からウィリアム・サムナー、W・E・B・デュボイス、ジェイン・アダムズ。(Credit A, B, and C: Wikimedia Commons.)

1900年代初頭、社会学はアメリカの大学にも到達しました。ウィリアム・サムナーは社会学の最初の教授職を務め(イェール大学)、フランクリン・ギディングスは社会学の最初の正教授(コロンビア大学)、アルビオン・スモールは社会学の最初の教科書を書きました。初期のアメリカの社会学者たちは、ヨーロッパ人の理論を検証し、応用し、社会調査の指導者となりました。レスター・ウォード(1841-1913)は社会調査の方法を開発し、政策の有効性を示すために科学的方法と量的データ(第2章)の使用を主張しました。社会学がアメリカの学術界で尊敬を集めるためには、社会研究者は経験的なアプローチを採用しなければならないことを理解しました。

W・E・B・デュボイス(1868-1963)

ウィリアム・エドワード・バーグハード・(W・E・B・)デュボイスは、ハーバード大学で学んだ歴史学者で、社会学に厳格な経験的方法論を用いる先駆者となりました。1896年から1897年にかけて行ったフィラデルフィアのアフリカ系アメリカ人の共同体に関する画期的な研究では、家族構成や雇用構造を記録し、共同体の主な課題を評価するために、デュボイスが行った何百ものインタビューが盛り込まれています。このような新しい包括的な調査方法は、当時のあまり科学的でない実践とは対照的でした。デュボイスは、そのような実践を走行中の車の窓から調査をするようなものだと批判していました。彼の科学的なアプローチは、社会学研究の各学派に大きな影響を与え、現代的な実践の先駆けとみなされています。さらに、デュボイスの1899年の出版物は、異なる人種の人々を抑圧するための正当化として用いられてきた生物学的人種差別という疑似科学的な考え方に異議を唱えるための経験的証拠を提供しました(Morris, 2015; Green & Wortham, 2018)。

デュボイスは、黒人の権利を拡大するための努力においても重要な役割を果たしました。進歩の遅さを憂うとともに、一部の黒人指導者から人種差別の問題をもっと引き受けるようにとの助言を受けたデュボイスは、後にナイアガラ運動として知られるようになるものの指導者となりました。1905年、彼は他の人とともにアフリカ系アメリカ人の即時の政治的、経済的、社会的平等を求める宣言を起草しました。数年後、彼は全米有色人種地位向上協会(NAACP)の設立に貢献し、出版部長を務めました。

ソースタイン・ヴェブレン(1857-1929)

ソースタイン・ヴェブレンは、大学卒業後に短い無業者の期間を挟んで、社会的なレンズを通して経済を研究し始め、有閑階級、ビジネス階級や、「働く」ということそのものの考え方に触れるその他の分野について執筆しました。ヴェブレンは、慢性的な失業者、現在の失業者、労働者階級、そして社会の中におけるテクノロジーとビジネスの影響について研究しました。ヴェブレンは、制度派経済学という一分野(あるいは学派)の共同創設者として知られています。

ジェイン・アダムズ(1860-1935)

ジェイン・アダムズは、社会的・教育的プログラムを通じて貧しい移民を支援するとともに社会学的研究の広範な機会も提供してくれるセンター、ハル・ハウスを設立しました。シカゴに設立されたハル・ハウスで、アダムズはシカゴ大学における社会学のシカゴ学派と密接に連携していました。この学派は、関係性や行動が展開する環境を重視します。ハル・ハウスで行われた研究は、児童労働、移民、医療、その他の公共政策の分野に反映されました。

チャールズ・ホートン・クーリー(1864-1929)

チャールズ・ホートン・クーリーは、個人が自分を社会的基準と照らし合わせ、集団の一員であり続けるために、自分と他者とを比較する、ということを提唱しました。クーリーはこの考えを「鏡に映った自我」と呼び、私たちは交流する他者の反応によって自分自身を「見る」のだと主張しました。もし誰かが私たちの行動に肯定的な反応を示せば、理論的には私たちはその行動を継続することになります。彼は、1902年の『人間性と社会秩序』、続いて1909年の『社会組織論』の中で、生活における秩序と自らが考えるものを相当量で書きました。彼は、アメリカ社会が個人主義や競争主義を強めていることを非常に懸念しており、第一次集団の重要性が失われ、家庭が崩壊することを危惧していました。

ジョージ・ハーバート・ミード(1863–1931)

ジョージ・ハーバート・ミードは哲学者であり、社会学者でもありました。彼の研究は、社会過程の結果として、心や自己がどのように発達するかに焦点を当てたものでした(Cronk, n.d.)。彼は、個人が自分自身をどのように見るようになるかは、他者との相互作用に非常に大きく基づいていると主張しました。ミードはクーリーの「自己を映し出す鏡」の概念を採用したものの、肯定的または否定的な反映に対する個人の反応は、「他者」が誰であるかに依存すると考えていました。ある人の人生に最も大きな影響を与える個人は重要な他者であり、一般化された他者とは社会集団の組織的で一般的な態度のことでした。ミードはしばしばクーリーやアーヴィング・ゴフマンとともに、シンボリック相互作用論の父という称号を共有しています。

ロバート・E・パーク(1864-1944)

ロバート・E・パークは、社会生態学の創始者として最もよく知られています。パークはシカゴ学派に属し、個人がその環境の中でどのように生活しているかに注目しました。彼は少数民族に注目した最初の社会学者の一人であり、ベルギーによるコンゴ人への抑圧について執筆しました。アメリカに戻ると、アーネスト・バージェスとともにインナーシティー[都市中心部]を研究し、そこに住む人が誰であれ、社会的混沌が蔓延していることを明らかにしました。それを踏まえると、混沌を引き起こしたのは住民ではなく、環境でした。

1.3 社会学における理論的な視点

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 社会学の諸理論が社会制度を説明するために使われる方法を記述する
  • 機能主義、紛争理論、シンボリック相互作用論を区別する
図1.7 | 社会学者は、抗議集会のような社会的事象を説明するための理論を開発しています。(Credit: David Shankbone/flickr)

図1.7 | 社会学者は、抗議集会のような社会的事象を説明するための理論を開発しています。(Credit: David Shankbone/flickr)

社会学者は、社会的な出来事、相互作用、パターンを研究し、なぜ物事がそのようになっているのかを説明するための理論を開発します。社会学において理論とは、社会的相互作用のさまざまな側面を説明し、社会についての仮説と呼ばれる検証可能な命題を作り出すための方法です(Allan, 2006)。

例えば、自殺は一般に個人的な現象とみなされていますが、エミール・デュルケームは自殺に影響を与える社会的要因を研究することに関心を持っていました。彼は、社会的連帯、つまりある集団内の社会的な結びつきを研究し、自殺率の違いは宗教の違いによって説明できるかもしれないという仮説を立てました。デュルケームはヨーロッパ人についての大量のデータを集め、プロテスタントはカトリックよりも自殺しやすいことを発見しました。彼の研究は、社会学研究における理論の有用性を支持するものです。

諸理論は、説明しようとする問題の規模によって、その範囲が異なります。マクロレベルの理論は、大規模な問題や大きな集団に関係しており、ミクロレベルの理論は、個人または小さな集団の間の非常に具体的な関係性に注目します。グランドセオリーとは、大規模な関係を説明し、社会がなぜ形成され、なぜ変化するのかといった基本的な問いに答えようとするものです。社会学理論は常に進化しており、決して完成されたものであると考えるべきではありません。古典的な社会学理論は今でも重要かつ現在進行中のものとみなされていますが、新しい社会学理論は前任者の仕事を土台にし、それに付け加えるものです(Calhoun, 2002)。

社会学では、いくつかの理論が、社会生活におけるさまざまな側面を説明するのに役立つ幅広い視点を提供します。それらはパラダイムと呼ばれています。パラダイムとは、理論、一般化、そしてそれを支持するために行われる実験を定式化するために、ある学問分野で用いられる哲学的・理論的枠組みのことです。構造機能主義、紛争理論、シンボリック相互作用論の3つのパラダイムが、有用な説明を提供してくれるため、社会学的思想を支配するようになりました。

表1.1 | 社会学の理論または視点。異なる社会学の視点は、社会学者が社会問題をさまざまな有用なレンズを通して見ることを可能にしてくれます。

表1.1 | 社会学の理論または視点。異なる社会学の視点は、社会学者が社会問題をさまざまな有用なレンズを通して見ることを可能にしてくれます。

機能主義

機能主義は、構造機能理論とも呼ばれ、社会のことを、その社会に住む個人の生物学的および社会的な必要性を満たすように設計された、相互に関連する部分を持つ構造として見ています。機能主義は、イングランドの哲学者であり生物学者でもあったハーバート・スペンサーの著作から発展したもので、彼は社会と人体の間に類似点を見出しました。彼は、身体のさまざまな器官が連携して身体の機能を維持するのと同じように、社会のさまざまな部分が連携して社会の機能を維持すると主張しました(Spencer, 1898)。スペンサーが言う社会の部分とは、社会制度、すなわち、政府、教育、家族、医療、宗教、経済などのような、社会の必要性を満たすことに焦点を当てた信念と行動のパターンです。

エミール・デュルケームは、スペンサーの理論を応用して、社会が時間とともにどのように変化し、存続していくかを説明しました。デュルケームは、社会とは、相互に関連し、依存し合う部分からなる複雑なシステムであり、それらが協働して安定を保っていると考え(Durkheim, 1893)、社会は、共有される価値観、言語、シンボルによってまとまっていると考えました。彼は、社会を研究するためには、社会学者は個人を越えて、法律、道徳、価値観、宗教的信念、習慣、ファッション、儀式など、社会生活を支配する役割を果たす社会的事実に目を向けなければならないと考えました(Durkheim, 1895)。社会人類学者のアルフレッド・ラドクリフ=ブラウン(1881-1955)は、あらゆる反復的な活動の機能を、それが社会生活全体において果たす役割、つまり社会の安定と継続に対する寄与として定義しました(Radcliff-Brown, 1952)。健全な社会では、すべての部分が連携して安定を維持し、パーソンズ(Parsons, 1961)など後の社会学者によって動的平衡と呼ばれる状態になります。

デュルケームは、個人が社会を構成しているかもしれないが、社会を研究するためには、社会学者は個人を越えて社会的事実に目を向けなければならないと考えました。社会的事実のそれぞれは、社会の中で1つまたは複数の機能を果たしています。例えば、ある社会の法律の1つの機能は、暴力から社会を守ることであり、別の機能は犯罪行為を罰することであり、また別の機能は公衆衛生を維持することであるかもしれません。

もう一人の著名な構造機能主義者、ロバート・マートン(1910-2003)は、社会過程がしばしば多くの機能を持つことを指摘しました。顕在的機能とは、求められている、あるいは予期されているような社会過程の帰結であり、潜在的機能とは、求められていない社会過程の帰結です。例えば、大学教育の顕在的機能には、知識を得ること、キャリアへ向けて準備すること、その教育を生かした良い仕事に就くことなどがあります。大学時代の潜在的機能には、新しい人との出会い、課外活動への参加、あるいは配偶者やパートナーを見つけることなどがあります。また教育の別の潜在的機能として、到達した教育のレベルに基づく雇用の階層を作ることが挙げられます。潜在的機能は、有益なもの、中立なもの、あるいは有害なものとなり得ます。社会の運営に望ましくない結果をもたらす社会過程は、逆機能と呼ばれます。教育では、成績不振、不登校、中退、卒業できない、適当な就職先が見つけられないなどが逆機能の例です。

批判

構造機能理論の批判は、機能が過程であるにもかかわらず、社会変革を適切に説明できないというものです。また、繰り返される行動パターンは機能を持つものだと仮定されるものの、それが機能を持つものだとわかるのはただ繰り返されているからだという、この理論のやや循環的な性質も問題です。さらに、逆機能は、機能を果たしていないにもかかわらず、継続することがあり、これは一見、理論の基本的な前提に矛盾しています。現在、多くの社会学者は、機能主義はマクロレベルの理論としてはもはや役に立たないものの、いくつかの中間レベルの分析においては有用な目的を果たすと考えています。

大局的な観点

グローバルな文化?

図1.8 | 一部の社会学者は、オンラインの世界が新たなグローバル文化の創造に寄与していると考えています。あなたは何らかのグローバルなコミュニティーに参加していますか?このインディアナ州のラビは、最も長いZoomミーティングと認められたものに参加しています。それは、安息日の後にオーストラリアで始まり、世界の各タイムゾーンを通過し、実質的に1日をはるかに超える長さで続きました。(Credit: Chabad Lubavitch/flickr)

図1.8 | 一部の社会学者は、オンラインの世界が新たなグローバル文化の創造に寄与していると考えています。あなたは何らかのグローバルなコミュニティーに参加していますか?このインディアナ州のラビは、最も長いZoomミーティングと認められたものに参加しています。それは、安息日の後にオーストラリアで始まり、世界の各タイムゾーンを通過し、実質的に1日をはるかに超える長さで続きました。(Credit: Chabad Lubavitch/flickr)

世界中の社会学者たちは、グローバルな文化の出現という前代未聞の出来事の兆候に目を光らせています。かつて、中国、ヨーロッパ、アフリカ、中南米に存在したような帝国は、さまざまな国の人々を結びつけましたが、それらの人々が共通の文化の一部となることはほとんどありませんでした。彼らは互いに遠く離れて居住し、異なる言語を話し、異なる宗教を信仰し、ほとんど商品を取引しませんでした。今日では、通信、旅行、貿易の発達により、世界はより小さな場所になりました。ますます多くの人々が、電話やビデオ、テキストで、どこにいても即座に互いにコミュニケーションをとることができるようになりました。人々は映画、テレビ番組、音楽、ゲーム、そして情報をインターネットで共有します。学生は、地球の反対側にいる先生や生徒と一緒に勉強することができます。政府は、自国内の状況を世界の残りの部分に隠しておくことが難しくなっています。

社会学者は、このような潜在的なグローバル文化のさまざまな側面を研究しています。一部の人は、グローバルなオンライン・コミュニティーの社会的相互作用に関わるダイナミクスを研究しています。例えば、メンバーが自国に住む人々よりも他のグループメンバーに親近感を覚える場合などです。また、国際的な文化の発展が、小規模で力の弱い地域文化に与える影響について研究する社会学者もいます。別の研究者は、国際市場や労働力のアウトソーシングが社会的不平等にどのような影響を与えるかを探っています。社会学は、人々がこの新興のグローバル文化の本質を理解し、それにどう対応するかを理解する上で、重要な役割を果たすことができます。

紛争理論

紛争理論は、社会のことを限られた資源をめぐる競争として捉えるものです。この視点は、ドイツの哲学者であり経済学者でもあったカール・マルクスの著作に最もよく見られるマクロレベルのアプローチです。彼は、社会のことを、食料や住居、雇用、教育、余暇といった社会的、物質的、政治的資源を奪い合う異なる社会階級の個人によって構成されていると考えました。政府、教育、宗教などの社会制度は、それらに固有の不平等の中でこの競争を反映しており、不平等な社会構造の維持を手助けしています。一部の個人や組織は、他よりも多くの資源を手に入れ、維持することができ、これらの「勝者」は、社会制度を維持するために権力と影響力を行使します。権力の永続は、結果として抑圧の永続をもたらします。

ポーランド系オーストリア人の社会学者ルートビヒ・グンプロビッチ(1838-1909)のように、この基本テーマの変形を提案した理論家もいました。彼は戦争と征服が文明の基盤であると主張し、マルクスの考えを発展させました。彼は、文化的・民族的な対立を通じて、他の集団に対して力を持つ支配的な集団によって国家が特定・定義されることにつながると考えました(Irving, 2007)。

ドイツの社会学者マックス・ウェーバー(1864–1920)は、マルクスに同意しましたが、経済的不平等に加え、政治的権力や社会構造の不平等も紛争を引き起こすと考えていました。ウェーバーは、異なる集団が教育、人種、ジェンダーに基づいて異なる影響を受けることや、不平等に対する人々の反応は、階級差や社会的移動性の度合い、あるいは権力の座にいる者の正当性についての認識によって緩和されることを指摘しました。マルクスの読者であるゲオルク・ジンメルは、紛争が社会を統合し安定させるのに役立ち得ると考えました。彼は、紛争の強さは、当事者の感情的関与、対立するグループ内の連帯の度合い、目標の明確さと限定性によって変化すると述べています。また、ジンメルは、集団が内部の連帯を作り、権力を集中させ、反対意見を減らすように働くことを示しました。紐帯が強ければ強いほど、不和は弱まります。紛争を解決することで、緊張や敵意を軽減し、将来の合意への道を開くことができます。

1930年代から1940年代にかけて、フランクフルト学派として知られるドイツの哲学者たちが、マルクス主義の原理を精緻化したものとして批判理論を展開しました。批判理論は紛争理論を発展させたもので、社会学だけでなく他の社会科学や哲学を包含する、より広範なものです。批判理論は全体論的な理論であり、不平等を引き起こす構造的な問題に対処しようとするものです。そのためには、現在の社会的現実の何が問題なのかを説明し、変化をもたらすことができる人々を特定し、社会変革のための実践的目標を提示しなければなりません(Horkeimer, 1982)。

最近では、ジェンダーや人種に基づく不平等も同様の方法で説明されており、集団間の不平等を維持するのに手を貸している制度化された権力構造を明らかにしています。ジャネット・ソルツマン・チャフェッツ(1941-2006)は、ジェンダー不平等を維持する力を説明しようとするフェミニズム理論のモデルと、そうしたシステムをいかにして変えることができるかという理論とを提示しました(Turner, 2003)。同様に、批判的人種理論は、人種と人種差別を法的観点から批判的に分析することから発展しました。批判的人種理論は、白人の特権とそれに関連する富、権力、名声に基づく構造的不平等に目を向けています。

現実世界における社会学

農業と地元産の食材を食べる人:社会学的視点による食品消費の見方

食物の摂取は、当たり前のように毎日行われていることです。しかし、それは私たちの生活における重要な瞬間と関連付けられることもあります。食べることは個人的な行動でも集団的な行動でもあり、食習慣や慣習は私たちの文化に影響されています。社会的な文脈では、私たちの国の食料システムは、数多くの社会運動、政治問題、経済的な議論の中核をなしています。これらの要因のいずれも社会学的研究のトピックになるかもしれません。

食品消費というトピックに対する構造機能主義的アプローチでは、国家経済における農産業の役割と、それが手作業による農業の初期から現代的な機械化生産までどのように変化してきたかを分析するかもしれません。また、育成や収穫から派手な包装や大量消費に至るまで、食品生産におけるプロセスのさまざまな機能を研究することもできるでしょう。

紛争理論家は、人々の情報入手の権利と企業の利益追求がどのように交錯し、政府がどのようにそれらの利害を調停しているかを調べることにより、食品の規制に存在する権力の差異に関心を持つかもしれません。あるいは、紛争理論家は、モンサントによる種子技術の特許取得がもたらした帰結を描いたドキュメンタリー映画『フード・インク』のように、地元の農家が大規模な農業コングロマリットに対して経験する力と無力感を検証するかもしれません。その他の研究トピックとしては、栄養状態が社会階層によってどのように異なるかというものもあるでしょう。

シンボリック相互作用論のレンズを通して食品消費を見る社会学者は、宗教的儀式における食品の象徴的使用や、家族の夕食という社会的相互作用において食品が果たす役割など、ミクロレベルのトピックに関心を持つでしょう。また、この視点では、ベジタリアン(肉を食べない人)やロカヴォール(地元で生産された食品を食べるように努力する人)など、特定の食生活を共有していることに基づいて自らを認識する集団メンバー間の相互作用についても探究するかもしれません。

批判

構造機能主義が社会の安定性に焦点を当てすぎていると批判されたのと同じように、紛争理論は安定性を認識することを排除して紛争に焦点を当てる傾向があるために批判されてきました。多くの社会構造は極めて安定しており、また、紛争理論が示唆するような急激な変化ではなく、時間の経過とともに徐々に進歩してきています。

シンボリック相互作用論の理論

シンボリック相互作用論は、社会における個人間の関係性に焦点を当てたミクロレベルの理論です。コミュニケーション(言語やシンボルを通じた意味の交換)は、人々が社会世界を理解するための方法であると考えられています。理論家のハーマンとレイノルズの指摘によれば、この視点は、人々が社会世界を形成するに際して積極的であり、単に影響を受けるだけではない、と見るものです(Herman and Reynolds, 1994)。

ジョージ・ハーバート・ミードは、シンボリック相互作用論の創始者とみなされていますが、彼はその研究を発表することはありませんでした(LaRossa and Reitzes, 1993)。ミードの弟子であるハーバート・ブルーマー(1900-1987)は、「シンボリック相互作用論」という言葉を作り、次のような基本的な前提の概要を説明しました:それは、「人間は物事に付与された意味に基づいて物事と相互作用する」、「物事に付与された意味は他人や社会との相互作用から生まれる」、「特定の状況下で物事を扱うときに物事の意味が人によって解釈される」、というものです(Blumer, 1969)。例えば、あなたが本が好きなら、シンボリック相互作用論者は、あなたが家族、友人、学校、あるいは教会との相互作用の中で、本の良さや重要性を学んだと提唱するかもしれません。もしかしたら、あなたの家族には毎週特別な読書の時間があり、図書館のカードをもらうことは特別なイベントとして扱われ、就寝前のお話は温かさや心地よさを連想させるものだったのでしょう。

シンボリック相互作用論的な思考を利用する社会科学者は、個人間の相互作用のパターンを探します。彼らの研究は、しばしば一対一の相互作用を観察します。例えば、政治的抗議活動を研究する紛争理論家は、階級差に注目するかもしれませんが、シンボリック相互作用論者は、抗議グループ内の個人がどのように相互作用するかや、抗議者がメッセージを伝えるために使うサインやシンボルにもっと関心を持つでしょう。

社会を構築する上でのシンボルの重要性に着目した結果、アーヴィング・ゴフマン(1922-1982)のような社会学者は、ドラマツルギー分析という手法を開発しました。ゴフマンは演劇を社会的相互作用の比喩として用い、人々の相互作用が文化的な「台本」のパターンを示すことを認識しました。彼は、個人が演劇の役者であると主張しました。例えば、学生や娘から犬の散歩に行く人へといったように、私たちは時に分単位で役割を交代しています。ある状況において、その人がどのような役割を果たすのかが不明確な場合があるため、人は状況の展開に応じて即興で自分の役割を演じなければなりません(Goffman, 1958)。

シンボリック相互作用論の視点を用いた研究では、研究対象者が生きている象徴的世界を理解しようとするため、詳細なインタビューや参与観察などの質的研究手法を用いる傾向があります。

構築主義とは、シンボリック相互作用理論を拡張したもので、現実とは人間がそうなるように認知的に構築したものであると提唱しています。私たちは、他者との相互作用に基づいて社会的な構成要素を構築します。そして、長期にわたって持続する構築物は、社会内で広く合意された、または一般的に受け入れられた意味を持つものです。このアプローチは、ある社会の中で何が逸脱と定義されるかを調べるためによく使われます。逸脱の絶対的な定義はなく、社会が異なれば逸脱の意味も異なって構築されており、異なる行動を逸脱と結びつけます。

これを例示する1つの状況は、あなたが道ばたで財布を拾ったらどうするべきと考えるかというものです。アメリカでは、財布を地元の当局に届けることが適切な行動とみなされ、財布を持ち続けることは逸脱とみなされるでしょう。一方、東洋の多くの社会では、財布を預かり、自分で持ち主を探す方がはるかに適切だとされます。財布を他人に渡すことは、たとえ当局であっても、逸脱した行為とみなされるでしょう。

批判

この視点からなされた研究は、客観性を保つことが難しいために、しばしば精査されることとなります。また、シンボリックな相互作用に極端に焦点を絞ることを批判する人もいます。もちろん、支持者はこの点を最大の長所とみなしています。

今日の社会学理論

これらの3つのアプローチは、進化はしているものの、現在でも現代社会学理論の主要な基盤となっています。構造機能主義は、第二次世界大戦後、1960年代から1970年代までは支配的な勢力でした。その頃になると、社会学者たちは、構造機能主義では当時の米国で起きていた急速な社会変革を十分に説明できないと感じ始めました。女性運動や公民権運動は、そうした新興の社会的実践を研究するためのアプローチを開発することを学術界に強いるものでした。

そして、制度化された社会的不平等を重視する紛争理論が注目されるようになりました。批判理論、特にフェミニスト理論や批判的人種理論といった特定の見地は、社会学の原理を応用して社会変革を起こすことに焦点を当てました。この分野では、公共社会学という形で、一般の人々が社会学の原理を理解できるようにすることが再び強調されるようになりました。

1920年代から1930年代にかけてミードの研究をきっかけに注目を集めたシンボリック相互作用論は、1960年代から1970年代の間には影響力を低下させていましたが、21世紀への変わり目のあたりで再活性化しました(Stryker, 1987)。ポストモダンの社会理論は、1980年代に発展し、社会現象を説明するそれまでのマクロレベルの試みを否定することにより、まったく新しいレンズを通して社会を見るようになりました。その人気の高まりは、シンボリック相互作用論の構築主義的見解の台頭と重なります。

1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 社会学を学ぶ価値がある理由を説明する
  • 社会学が現実の世界でどのように応用されるかを明らかにする
図1.9 | ケネス・クラークとマミー・クラークの研究は、米国の学校における「分離すれども平等」な人種隔離を廃止することを最高裁が決定するのに役立ちました。(Credit: University of Texas)

図1.9 | ケネス・クラークとマミー・クラークの研究は、米国の学校における「分離すれども平等」な人種隔離を廃止することを最高裁が決定するのに役立ちました。(Credit: University of Texas)

1957年9月、エリザベス・エクフォードがアーカンソー州リトルロックのセントラル高校に入学しようとしたとき、彼女は怒った群衆に出迎えられ、当局によって追い返されました。しかし、彼女は法律が自分に味方してくれることが分かっていました。その3年前、ブラウン対教育委員会の画期的な判決で、米国連邦最高裁は、学校制度が「平等」である限り、黒人と白人が別々の学校制度で教育を受けることを認める21の州法を覆していました。この判決は、教育だけでなく、現代まで続いている他の多くの隔離や差別の問題にとって、重大な意味を持つものでした。そして、その画期的な判決の中で、最高裁は、隔離がマイノリティーの生徒に劣等感を生み出す証拠として、社会科学者のケネス・クラークとマミー・クラークの夫婦の研究を引用しました。例えば、「人形テスト」では、クラーク夫妻は子供たちに四体の人形を見せ、そのうち二体は白い肌と黄色い髪、もう二体は褐色の肌と黒い髪の人形でした。どちらの人形が好きかと尋ねると、大多数の黒人児童は肌の白い人形を選び、その人形に対して肯定的な特徴を付与しました。黒人の子供たちのほとんどは、より自分に似ている褐色の肌の人形を放り出してしまいました。

自分に似ている人形を選ぶようにと言われると、多くの子供たちは部屋を出て行き、泣き出し、あるいは落ち込んでしまいました。クラーク夫妻の研究は、最高裁が、「分離すれども平等」は生徒にとって有害であり、分離した施設は不平等である、という結論を出すのに貢献しました。

社会学とより良い社会

社会学が創設されて以来、社会学に関心を持つ多くの人々はこの分野の知識に貢献したいという学究的な欲求に駆られてきましたが、また他の人々は、社会を研究するだけでなく、社会を改善するための方法として社会学を捉えてきました。人種差別撤廃以外にも、社会学は、職場における女性の機会均等、精神障害や学習障害を持つ個人の待遇改善、身体障害のある人のアクセシビリティーと利便性の向上、先住民の土地と文化を守る権利、刑務所制度改革など、多くの重要な社会改革において極めて重大な役割を果たしてきました。

アメリカの卓越した社会学者である故ピーター・L・バーガー(1929-2017)は、1963年に出版した著書『社会学への招待:人間主義的な視点』の中で、社会学者とは、「規律ある方法で社会を理解することに関心を持つ人」であると述べています。彼は、社会学者は人々の人生における記念すべき瞬間に自然な関心を持つとともに、平凡な日常の出来事にも魅力を感じると主張しています。バーガーはまた、社会学の理論が適用可能で理解できるようになる「アハ」な瞬間について述べています:

ある種の社会学的な調査には、人の目を欺くような単純さと自明さがある。人はそれを読んで、見慣れた光景に頷き、「こんなこと前にも聞いたことがある」とか、「わかりきったことに時間を無駄に費やすより、もっとやるべきことがあるのではないか」とか発言するのだが、突然、この見慣れた光景についてそれまで想定していたすべてを根本的に問い直す洞察に直面する。これが、社会学の興奮を感じ始めるポイントである。(Berger, 1963)

社会学は、自分が世界にどのように適合し、他者からどのように認識されているかを把握する方法を人々に教えるがために、エキサイティングなものとなり得ます。社会学的な視点から自分自身と社会を見ることは、自分自身を分類するさまざまな方法や社会が自分を分類する方法に基づいて、自分が異なる集団とつながる場所を理解するのに役立ちます。また、経済的レベルや地位のレベル、教育、民族性、性的指向など、それらの分類がどのように認識に影響を与えるかについて気づくことができます。

社会学は、安易な説明を受け入れないよう人々に教えてくれます。またそれは、より良い質問をし、より良い答えを導き出すために、自分の思考を整理する方法も教示します。社会学は、世の中には、必ずしも自分とは同じようには考えないさまざまな人々がたくさんいることを、より強く意識させます。そのため、他の人の視点から世界を見ようとする意欲と能力が高まります。これにより、ますます多様化し統合された世界で生活し働くための準備を整えてくれます。

職場における社会学

雇用主は、「転用可能なスキル」と呼ばれる能力を持った人材を求め続けています。つまり、知識や教養をさまざまな場面で応用でき、そのスキルがさまざまな業務に貢献するような人を雇いたいと考えているのです。

社会学を学ぶことで、このような幅広い知識と、以下のような多くの職場で貢献できるスキルセットを身につけることができます。

  • 社会のシステムおよび大規模な官僚的組織に対する理解
  • プログラムまたは政策が機能しているかどうかを評価するための調査プロジェクトを考案し、実施する能力
  • 世論調査やサーベイから統計情報を収集し、読み解き、分析する能力
  • 人々の社会的、文化的、経済的背景の重要な差異を認識する能力
  • 報告書を作成し、複雑な考えを伝えるスキル
  • 現代社会が直面する社会的な問題や課題に対して批判的な思考をする能力 (アラバマ大学ハンツビル校社会学部)

社会学によって、人々は多種多様なキャリアに向けて準備をすることができます。実際に社会的な研究を行ったり、この分野で他の人を訓練したりする以外にも、社会学の学位を取得して大学を卒業した人は、ソーシャルサービス、カウンセリング(例えば、家族計画、キャリア、物質乱用)、地域計画、保健サービス、マーケティング、市場調査、人事などの分野で政府機関や企業に雇われています。また、たとえわずかであったとしても社会学のトレーニングは、営業、広報、ジャーナリズム、教育、法律、刑事司法などのキャリアで有用なものとなってくれるでしょう。

現実世界における社会学

ソーシャルネットワーキングの帰結

あなたは、もしかしたらこんな教訓めいた話を聞いたことがあるかもしれません。ある高校生は、何年も懸命に勉強して、地域社会と関わり、他人を助け、概して前向きで有望な若者に成長しました。高校三年生のとき、この人は大学への出願手続きを開始し、何度か面接やその他のやり取りを経て、いくつかの最高の志望校で明るい兆しが見えてきました。しかし、いざ運命の合否通知が届くと、一校を除くすべての学校から不合格となり、この学生も家族もショックを受けました。家族や進路指導担当者からの問い合わせでも何の成果も得られませんでした。唯一の知らせは、三週間後、その生徒を受け入れた一校から届いた手紙でした。

「…最初の調査の結果、本学はあなたのものであると考えられるいくつかの投稿が本学の方針に反し、侮辱的で問題であると判断した…」

手紙の残りの2ページには、現在進行中の調査の詳細と、起こりうる結果の概要が書かれていました。しかし、上記の一文がすべてを物語っていました。この学生はソーシャルメディアに侮辱的な投稿をし、それを入学予定の大学が発見したのです。

二年前の二年生の初め、その生徒はパーティーで暴力を受けたクラスメートを嘲笑する2つのコメントと1つのミームを投稿していました。その学生は数日以内にそれらを削除しましたが、その投稿は他のフォーラムや数人の友人のページで生き続け、誰かがそれをスクリーンショットした可能性もありました。ソーシャルメディアへの投稿は、政府との関係では保護された言論形態ですが、大学は応募者を評価する際にそれらを確認することができます。雇用主も同様であり、恋愛相手やボランティア団体も同様のことができます。

あなたは、15歳の子供のソーシャルメディア上の発言が、何年も経ってから影響を与えるべきではないと考えるかもしれません。あるいは、暴行について冗談を言う人は、同じような行為をする危険性がある、あるいは暴行を止めなかったり報告しなかったりする可能性があると思うかもしれません。社会学者は、これらの想定をすべて考慮し、関係するさまざまな集団における影響、リスク、傾向、結果を明らかにするために、調査を通じて答えや情報を求めるでしょう。例えば、社会学者は次のような質問に対する答えを発見するために取り組むかもしれません:

  • 出願者のソーシャルメディアへの投稿を審査する大学では、罵倒のような発言や暴行が起こりにくいのだろうか?
  • 感受性トレーニングや文化的能力(カルチュラル・コンピテンシー)プログラムは、オンライン上の言論に影響を与えるだろうか?
  • 誰かが攻撃的なコメントやその他のコンテンツを投稿したことを発見したとき、大学はすべてのコミュニティーのメンバーを平等に扱っているだろうか?
  • 問題のあるコメントを検出するために使用されるアルゴリズムや人工知能は、特定の人々やコミュニティーに対してバイアスを持っていないだろうか?

これらの質問は、1つの研究によっては、あるいはひとまとまりの研究によってすら答えられるものではありません。しかし、最高裁がマミー・クラークとケネス・クラークの研究を利用したように、大学の管理者、高校のカウンセラー、テクノロジー企業は、研究・分析の結果を意思決定やプログラムの実施に利用することができます。

重要用語

反実証主義:社会研究者は、社会過程、文化的規範、社会的価値観を表現するために取り組む際に主観性を追求すべきであるとする見解

紛争理論:社会のことを限られた資源をめぐる競争として捉える理論

構築主義:シンボリック相互作用理論を拡張したもので、現実とは人間がそうなるように認知的に構築したものであると提唱する

文化:集団が共有する慣習、価値観、信念

ドラマツルギー分析:社会学者が用いる技法で、演劇のメタファーを通して社会を見るもの

動的平衡:健全な社会のすべての部分が適切に機能している安定した状態

逆機能:社会の運営に望ましくない結果をもたらす社会的パターン

フィギュレーション:個人の行動とその行動を形成する社会を同時に分析するプロセス

機能:ある反復的な活動が社会生活全体において果たす役割と構造的連続性への寄与

機能主義:社会のことを、その社会を構成する個人の生物学的および社会的な必要性を満たすように設計された、相互に関連する部分を持つ構造として捉える理論的アプローチ

一般化された他者:社会集団の組織的で一般的な態度

グランドセオリー:大規模な関係を説明し、社会がなぜ形成され、なぜ変化するのかといった基本的な問いに答えようとするもの

仮説:検証可能な命題

潜在的機能:認識されない、あるいは意図されない社会過程の帰結

マクロレベル:社会の中で社会構造が果たす役割を広く捉える見解

顕在的機能:求められている社会過程の帰結

ミクロレベルの理論:個人または小集団の間の特定の関係性の研究

パラダイム:理論、一般化、およびそれを支持するために行われる実験を定式化するために、ある学問分野で用いられる哲学的・理論的枠組み

実証主義:社会的なパターンの科学的研究

質的社会学:綿密なインタビュー、フォーカスグループ、および/またはコンテンツ源の分析をデータ源とする

量的社会学:多数の参加者を対象とした調査(サーベイ)などの統計的手法

具象化:抽象的な概念を、あたかも現実の物質的な存在であるかのように扱う誤り

重要な他者:ある人の人生に影響を与える特定の個人

社会的事実:法律、道徳、価値観、宗教的信念、習慣、流行、儀式、社会生活を司るあらゆる文化的規則

社会制度:社会の必要性を満たすことに焦点を当てた信念と行動のパターン

社会的連帯:親族関係、共有する地理的位置、宗教など、人々の集団をまとめる社会的結びつき

社会:特定の地理的領域に住み、互いに交流し、共通の文化を持つ人々の集団

社会学的想像力:自分の過去が他の人々の過去とどのように関連しているのか、また歴史一般や特に社会構造とどのように関連しているのかを理解する能力

社会学:社会と社会的相互作用についての体系的な研究

シンボリック相互作用論:研究者が、コミュニケーション(言語やシンボル)を研究することにより、社会における個人の関係性を考察する理論的視点

理論:社会的相互作用や社会について提案された説明

verstehen(了解・理解):ドイツ語で「深く理解する」を意味する言葉

各節のまとめ

1.1 社会学とは何でしょうか?

社会学とは、社会と社会的相互作用を体系的かつ科学的に研究する学問です。社会学者は、その研究を遂行するために、文化的パターンや社会的な力を特定し、それらが個人や集団にどのような影響を与えるかを判断します。彼らはまた、その研究成果を現実の世界に適用するための方法を開発します。

1.2 社会学の歴史

社会学は、18世紀から19世紀にかけての産業革命がもたらした社会の変化を研究・理論化するための学術的・科学的方法として発展しました。初期の社会学者の中には、社会と社会における個人の役割は、自然科学で用いられるのと同じ科学的方法論を使って研究できると考えた人もいれば、人間の行動を科学的に予測することは不可能だと考えた人もおり、さらにそのような予測の価値について議論する人もいました。これらの視点は、今日も社会学に反映され続けています。

1.3 社会学における理論的な視点

社会学者は、社会的な出来事、相互作用、およびパターンを説明するために理論を開発します。理論とは、それらの社会的相互作用について提案された説明です。理論にはさまざまな規模のものがあります。構造機能主義や紛争理論などのマクロレベルの理論は、社会が全体としてどのように運営されているかを説明しようとするものです。シンボリック相互作用論のようなミクロレベルの理論は、個人間の相互作用に焦点を当てます。

1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

社会学を学ぶことは、個人にとっても社会にとっても有益です。社会学を学ぶことによって、人々は私たちの社会が直面する社会問題や課題について、批判的に考える方法を学びます。社会学の学習は、学生の人生を豊かにし、ますます多様化する世界でのキャリアに向けた準備を整えてくれます。社会学的な訓練を受けた人々は、社会問題について十分な情報を得た上で意思決定を行い、それらに対処する効果的な行動をする準備がうまくできているため、社会は恩恵を受けます。

各節についての質問

1.1 社会学とは何でしょうか?

  1. 社会学という学問を最もよく記述しているのは以下のうちどれですか?
  1. 個人の行動の研究
  2. 文化の研究
  3. 社会と社会的相互作用の研究
  4. 経済学の研究
  1. C・ライト・ミルズはかつて、社会学者は社会が個人にどのような影響を与えるかを研究するために、社会学的__________を発展させる必要があると述べました。
  1. 文化
  2. 想像力
  3. 方法
  4. ツール
  1. 社会学者は、社会のことを、特定の領域に住み、文化を共有し、__________人々の集団、と定義しています。
  1. 交流する
  2. 同じ業界で働く
  3. 異なる言語を話す
  4. 認められた宗教を実践する
  1. パターンを見るということは、社会学者が__________できる必要があることを意味します。
  1. 異なる社会の個人の行動を比較
  2. ある社会と別の社会を比較
  3. 社会集団が社会的圧力にどのように反応するかについての類似性を識別
  4. 個人と集団を比較

1.2 社会学の歴史

  1. 初期の社会学で研究対象となったのは以下のうちどれですか?
  1. 占星術
  2. 経済学
  3. 物理学
  4. 歴史
  1. 階級闘争によって社会が変化すると考えた社会学の創始者は誰ですか?
  1. エミール・コント
  2. カール・マルクス
  3. プラトン
  4. ハーバート・スペンサー
  1. ウェーバーは、人間は__________によって影響を受けるため、純粋に客観的に研究することはできないと考えました。
  1. 薬物
  2. 文化
  3. 遺伝子の構成
  4. 研究者

1.3 社会学における理論的な視点

  1. 社会世界をミクロなレベルで見る理論として最もあてはまるものはどれですか?
  1. 構造機能主義
  2. 紛争理論
  3. 実証主義
  4. シンボリック相互作用論
  1. 社会の歴史は階級闘争の歴史であると考えたのは誰ですか?
  1. エミール・デュルケーム
  2. カール・マルクス
  3. アーヴィング・ゴフマン
  4. ジョージ・ハーバート・ミード
  1. シンボリック相互作用論という言葉を作ったのは誰ですか?
  1. ハーバート・ブルーマー
  2. マックス・ウェーバー
  3. レスター・F・ウォード
  4. W・I・トマス
  1. シンボリック相互作用論者は、社会的相互作用と__________を比較するでしょう。
  1. 行動
  2. 紛争
  3. 人間の臓器
  4. 演劇的な役割
  1. シンボリック相互作用論者が最も使いそうな研究技法はどれですか?
  1. 調査(サーベイ)
  2. 参与観察
  3. 量的データ分析
  4. 上記のいずれでもない

1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

  1. ケネス・クラークとマミー・クラークは、社会学的な研究を用いて、人種隔離は__________ことを示しました。
  1. 有益である
  2. 有害である
  3. 違法である
  4. 重要でない
  1. 問13で言及したクラーク夫妻の実験では、何を使いましたか?
  1. 子供と犬
  2. 大人と人形
  3. 子供と人形
  4. 大人とペット
  1. 社会学を学ぶことは、人々が__________を学ぶため、データを分析するのに役立ちます。
  1. インタビューのテクニック
  2. 統計学を応用すること
  3. 理論を生み出すこと
  4. 上記すべて
  1. バーガーは、社会学者が以下のようなことに関心があると説明しています。
  1. 人々の人生における記念すべき瞬間
  2. 日常生活でよくある出来事
  3. aとbの両方
  4. 上記のいずれでもない
  1. バーガーは、社会学は__________と書いています。
  1. 学問分野ではない
  2. 不思議なものを見慣れたものにする
  3. 見慣れたものを不思議なものにする
  4. 科学ではない

簡潔に答えてください

1.1 社会学とは何でしょうか?

  1. 「社会学者になるためには、社会学的想像力を発展させなければならない」とC・ライト・ミルズが言ったのは、どういう意味だと考えますか?

  2. あなたが社会的な圧力に影響されて選択を行った状況について記述してください。

1.2 社会学の歴史

  1. カール・マルクスの社会学への貢献について、あなたはどのように考えますか?あなたが社会の中で触れたことのあるマルクスについての認識はどのようなものでしたか?そして、その認識はあなたの見解にどのような影響を及ぼしていますか?

  2. あなたは、質的研究と量的研究のどちらを重視する傾向がありますか?それはなぜですか?それはあなたが研究するトピックにとって重要なことですか?

1.3 社会学における理論的な視点

  1. 社会がどのように運営されているかをよりよく説明する理論は、構造機能主義と紛争理論のどちらだと考えますか?それはなぜですか?

  2. 社会的相互作用における人々の行動は、動物の行動に近いと考えますか、それとも演劇で役を演じる俳優に近いと考えますか?それはなぜですか?

1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

  1. 社会学の授業を受けることは、あなたの社会的相互作用にどのような影響を及ぼすと考えますか?

  2. あなたはどのようなキャリアに興味がありますか?社会学を学ぶことは、そのキャリアにどのように役立つでしょうか?

さらなる研究

1.1 社会学とは何でしょうか?

社会学は幅広い学問分野です。さまざまな種類の社会学者が、個人と社会の間の関係性を探るために、さまざまな方法を採用しています。社会学について詳しくは、このウェブサイトをご覧ください。(http://openstax.org/l/what-is-sociology)

1.2 社会学の歴史

多くの社会学者がこの学問分野の形成に貢献しました。さらに詳しく学ぶためには、著名な社会学者と彼らが社会学をどのように変えたかを特集したこのサイトをご覧ください。(https://openstax.org/l/3esociobio)

1.3 社会学における理論的な視点

人々は紛争がすべて暴力的だと考えがちですが、多くの紛争は非暴力的に解決することができます。非暴力的な紛争解決の方法についてもっと学ぶには、アルバート・アインシュタイン研究所をご覧ください。(http://openstax.org/l/ae-institution)

1.4 なぜ社会学を学ぶのでしょうか?

社会的なコミュニケーションは、日々向上する技術によって急速に進化しています。社会学者がこのような変化の影響をどのように研究しているかについてより詳しく知るためには、このウェブサイトをご覧ください。(http://openstax.org/l/media)

参考文献

1.1 社会学とは何でしょうか?

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1.2 社会学の歴史

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