第13章 加齢と高齢者

図13.1 | 高齢者、特に家族のメンバーは、私たちの過去と現在のつながりを育み、私たちの記憶とアイデンティティーを構築する手助けをしてくれます。しかし、彼らは時に思いがけない助けを必要とし、その助けを必ずしも受け入れてくれるとは限りません。(Credit: PWRDF/flickr)

図13.1 | 高齢者、特に家族のメンバーは、私たちの過去と現在のつながりを育み、私たちの記憶とアイデンティティーを構築する手助けをしてくれます。しかし、彼らは時に思いがけない助けを必要とし、その助けを必ずしも受け入れてくれるとは限りません。(Credit: PWRDF/flickr)

この章の概要

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢
13.2 加齢のプロセス
13.3 高齢者が直面する課題
13.4 加齢に関する理論的視点

はじめに

9歳の双子、オシリスとジョリは、祖母のビビと一緒に食事を作るのが大好きでした。オシリスは料理を作るのが好きで、ジョリはつまみ食いをするのが好きでした。子供たちは鶏肉にはあまり興味を示しませんでしたが、フフ[キャッサバなどから作られる餅のような食べ物]を見ると興奮して、生地の玉をほとんど持っていかんばかりでした。ビビはジョリに「生の生地を食べるな」と怒鳴りましたが、それは本気で怒っているわけではありませんでした。

ビビはこの二人といることが大好きでした。彼女は90年代の歌謡曲とビッグバンドの音楽を合体させて歌い、自分たちの日常生活について面白おかしく歌詞に混ぜ合わせました。彼女はキャッサバの下ごしらえをしながら、バスケットボールでもするかのように不要なくずをごみのボウルに放り込んでいました。ビビは、学校のとある先生がとても若かったので、生徒たちは皆、彼女を自分の仲間だと思っていた、という話をしました。「だから、先生が名字を言ったとき、私はそれを名前だと思い込んで、その名前で呼んじゃったのよ。それで、罰として外に出されたわ!」

子供たちは大笑いしました。ビビも鍋を動かしながら参加しました。

突然、コンロが火を噴きました。フライパンの油がこぼれたのです。ビビはテーブルの上にあった水の入ったグラスを手に取りました。ジョリは止めるように叫びましたが、ビビはすでにその水を油の上に投げつけていました。炎は大きく燃え上がり、コンロやカウンターに飛び散りました。ペーパータオルにも火が付き、みんな悲鳴をあげていました。オシリスとジョリの母、グロリアが一瞬遅れて部屋に入ってきました。彼女はビビを押しのけてコンロの火を消し、タオルを炎の一部に投げつけました。そして棚から消火器を取り出し、ピンとホースを数秒いじった後、火の上にそれをかけました。

「ママ!」グロリアは叫びました。「どうして油の火に水をかけるの?それが一番やってはいけないことだってわかってるでしょう!」

隅にいたビビは、壁につかまってようやく立っているようでした。彼女は頭を振って、子供たちを見ました。「これは火事だよ。水をかけるんだよ」

「そんなことしちゃダメよ。そんなことしちゃいけないって、あなたが教えてくれたじゃない。塩を使えって…水以外なら何でもいいって言ったじゃない。家が燃えてしまうところだったわ!」

ビビは泣いていました。彼女は子供たちを見て、床に向かって沈み込みました。「そんなこと覚えてない。本当にごめんね。火事だと思ったんだ。それで水をかけたの」グロリアは子供たちを部屋から出し、母親を椅子に座らせました。

火事の恐怖はわきに置いておいて、ビビはなぜ泣いていたのでしょうか?高齢者は、日常生活を送る上で、どのような困難に直面するでしょうか?また、その家族にはどのような困難があるでしょうか?この章では、私たちは社会における高齢者のアイデンティティーと問題点を探り、彼らに対する私たちの態度と義務を検討していきます。

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 主要なシニアの年齢集団(前期高齢者、中期高齢者、後期高齢者)を区別する
  • 人口の平均余命が延びるにつれ、「米国の高齢化」が進んでいることを記述する
  • グローバルな問題としての高齢化について考察する
図13.2 | 高齢者は、その態度や能力について、必ずしも社会の予想に当てはまるとは限らないかもしれません。私たちはこれらのマラソン参加者が競う形で走っているのかどうかはわかりませんが、この手前の高齢者が多くの若い人たちの前にいることは明らかです。(Credit: Mike Kaden/flickr)

図13.2 | 高齢者は、その態度や能力について、必ずしも社会の予想に当てはまるとは限らないかもしれません。私たちはこれらのマラソン参加者が競う形で走っているのかどうかはわかりませんが、この手前の高齢者が多くの若い人たちの前にいることは明らかです。(Credit: Mike Kaden/flickr)

あなたが最近見たアメリカの映画やテレビ番組を思い浮かべてみてください。その中に、年配の男優や女優が出演しているものはありましたか?彼らはどんな役を演じていたでしょうか?その年配の俳優たちはどのように描かれていましたか?彼らはラブストーリーの主人公として配役されていましたか?彼らは十分な能力を持ち、安全で、生産的で、幸せそうに見えたでしょうか?それとも、周囲に迷惑をかけるような存在だったでしょうか?その人たちは不機嫌だったり、自分のやり方に固執しすぎたりしていませんでしたか?

多くのメディアで描かれる高齢者の姿は、加齢に対する否定的な文化的態度を反映しています。米国では、社会は若さを賛美し、若さに対して美しさや性的能力を関連付ける傾向があります。コメディーでは、高齢者はしばしば不機嫌や敵意と結びつけられます。高齢者の役柄は、雇用者として、恋人として、あるいは現実生活で担う多くの役割として、高齢者が経験する生活の充実ぶりを伝えることはめったにありません。これは、どのような価値観を反映しているのでしょうか?

加齢に対する社会の十全な理解を妨げているのは、自分自身が高齢になるまで人々が加齢のプロセスを理解することがほとんどないことです。この理解の欠如は、誰もが経験したことのある子供時代に対する視点とは著しく対照的です。そして、知識や理解の不足にありがちなことですが、それは高齢者や加齢のプロセスについての神話、思い込み、固定観念を生むことになります。人種やジェンダーにまつわる固定観念は、より批判的な思考や感受性につながるかもしれませんが、多くの人は年齢の固定観念を何の疑問もなく受け入れています(Levy, 2002)。次のことを考えてみてください:あなたは学校や職場で、人種的平等、文化的感受性、セクシュアルハラスメントなどに関するワークショップに参加する機会があったでしょう(あるいは参加することが義務付けられていたかもしれません)。しかし、高齢者は私たちの身近にいるにもかかわらず(しかも日々増加しているにもかかわらず)、高齢者についての同様のワークショップやフォーラムを実施している機関は非常にまれです。それぞれの文化には、加齢についての特定の一群の期待や思い込みがあり、それらはすべて私たちの社会化の一部となっています。

大人へと成熟することの転換点は、しばしば初聖体拝領、バル・ミツバー、キンセアニェーラなどの大きな節目で祝福され、誇らしいことですが、自然な加齢の兆候は、恥や困惑の原因になることがあります。また、加齢の自覚を避けるために、助けが必要なときにそれを拒む人もおり、その結果、身体に傷を負ったり、必要な物や情報を得る際に問題が起きたりすることがあります。例えば、COVID-19のウイルスに対するワクチン接種が利用可能になったとき、家族や友人からの助けを受けられなかった米国の高齢者は、ワクチンの接種に大きな遅れをとりました。これは、高齢者が最もリスクの高い集団であり、感染すると病気や死に至る可能性が最も高いことが知られていたにもかかわらず発生しました(Graham, 2021)。助けを求めることに抵抗があった高齢者たちは、あまりにも長い間待っていたのかもしれませんし、隣人や地域の他の人たちは、彼らが助けを必要としていることに気づかなかったのかもしれません。なぜ彼らはこのようなリスクを負ったのでしょうか?研究者は、こうした状況や行動をもたらす可能性のある動機や課題を明らかにすることを目指しています。

老年学は、加齢のプロセスと高齢者が年をとるにつれて遭遇する課題を理解しようとする科学分野です。老年学者は、年齢、加齢、そして高齢者について調査します。老年学者は、ある社会の中で高齢者になることがどのようなことなのか、また、加齢が社会の構成員にどのような影響を与えるのかを研究しています。学際的な分野である老年学には、医学・生物学、社会科学、さらには金融・経済学などの研究者の仕事も含まれます。

老年社会学とは、加齢の社会的(社会学的)側面を検討する、老年学の中の専門分野のことを指します。研究者は、精神的・身体的な福利や、死のプロセスなどといった年齢特有の懸念のような、特定の年齢にある人々の経験について幅広く理解することに重点を置いています。老年社会学者は、社会研究者、カウンセラー、コミュニティー・オーガナイザー、そして高齢者のためのサービス提供者として働いています。その専門性から、老年社会学者は高齢者を擁護する強い立場にあります。

これらの学問分野の研究者は、「加齢」とは、年をとるという生理学的なプロセスだけでなく、加齢のプロセスについての私たちの態度や信念をも反映していることを学んできました。あなたは、暦上の年齢とは別に「本当の年齢」を知ることができるとうたうオンライン計算機を見たことがあるでしょう。これらの広告では、人は実年齢とは異なる年齢を「感じる」可能性があるという考え方をターゲットにしています。60歳でも弱々しく老け込んでいると感じる人はいますし、80歳でも活発に感じている人はいます。

また、人は年をとっていくにつれて、「老齢」を自分の現在の年齢よりも大きな年齢として定義することも、同様に明らかになっています(Logan, 1992)。多くの人は、老齢を先延ばしにして、決して訪れることのない段階とみなすことを望んでいます。例えば、多くの高齢のアメリカ人は、経済的な圧力や、彼らの目から見て有用であり続けるために、人々が定年と考える年齢をずっと過ぎても働き続けています。高齢者の中には、自分の年齢集団を固定観念化してしまう人さえいます(Rothbaum, 1983)。

米国では、高齢者であることの経験は、過去1世紀の間に大きく変化しました。1800年代後半から1900年代前半にかけて、米国の多くの家庭には多世代家族がおり、年長者の経験や知恵は尊重されていました。彼らは子供たちに知恵と支援を提供し、しばしば孫の育児を手伝いました(Sweetser, 1984)。

米国の多世代家族は、第二次世界大戦後に減少し始め、1980年頃にその数は最低になりましたが、その後は一貫して増加傾向にあります。2010年にピュー・リサーチ・センターが国勢調査のデータを分析したところ、米国では4900万人が、少なくとも2つの成人世代、すなわち一人の祖父母と少なくとも1つの他の世代がいる家族世帯に住んでいたことが判明しました(これは当時の記録でした)。2016年には、多世代世帯に住む人の数は6400万人に増え、人口のおよそ20%に達しています(Cohn, 2018)。

高齢者に対する態度は、過去100年間に起こった大きな社会的変化にも影響を受けています。研究者は、工業化と近代化が、かつて高齢者が持っていた権力、影響力、威信を低下させることに大きく貢献したと考えています。一方、特定の社会では高齢者の数がかなり多いため、高齢者の投票力に基づく政策や政治への影響など、別の効果を持つこともあります。

高齢者は、このような急速な社会変革の恩恵を受けるとともに、苦しめられてもきました。現代社会では、好調な経済が多くの人々に新たなレベルの豊かさを生み出しました。医療も広く行き届くようになり、医学も進歩したため、高齢者も長生きできるようになりました。しかしながら、高齢者はかつてのように家族や地域社会の経済的な存続に不可欠な存在ではなくなりました。

高齢化する人口を研究する

図13.3 | この人たちは何歳なのでしょうか?現代の米国社会では、外見は年齢の信頼できる指標ではありません。遺伝子の違いに加え、健康習慣、髪の染め方、態度によって、従来の加齢の兆候はますます当てにならなくなっています。(Credit: Jason Hargrove/flickr)

図13.3 | この人たちは何歳なのでしょうか?現代の米国社会では、外見は年齢の信頼できる指標ではありません。遺伝子の違いに加え、健康習慣、髪の染め方、態度によって、従来の加齢の兆候はますます当てにならなくなっています。(Credit: Jason Hargrove/flickr)

1790年の創設以来、米国国勢調査局は人口の年齢を追跡調査してきました。年齢は、所得や健康状態など、付随する人口統計学的数値とともに分析するための重要な要素です。以下の人口チャートは、今後数十年間の年齢分布の予測されるパターンを示しています。

図13.4 | この人口チャートは、異なる年齢集団の人々の人口規模を表しています。一番下の最も若い年齢集団は、ほぼ横ばいで推移しています。18~64歳の年齢集団は成長を続けており、今後もそれが続くでしょう。しかし、最も注目すべきは、65~84歳を表す三番目の層(オレンジ色)の規模が拡大していることです。この章で議論するように、この集団は大きく成長しており、グラフ全体に占める割合が増加していることが示されています。また、もう1つの注目点は、一番上にある集団で、これもまた規模が大きくなっています。(比較のため、1900年に近いグラフの左側に85歳以上を表す線があるのがわかるでしょうか?)(Credit: US Census Bureau)

図13.4 | この人口チャートは、異なる年齢集団の人々の人口規模を表しています。一番下の最も若い年齢集団は、ほぼ横ばいで推移しています。18~64歳の年齢集団は成長を続けており、今後もそれが続くでしょう。しかし、最も注目すべきは、65~84歳を表す三番目の層(オレンジ色)の規模が拡大していることです。この章で議論するように、この集団は大きく成長しており、グラフ全体に占める割合が増加していることが示されています。また、もう1つの注目点は、一番上にある集団で、これもまた規模が大きくなっています。(比較のため、1900年に近いグラフの左側に85歳以上を表す線があるのがわかるでしょうか?)(Credit: US Census Bureau)

統計学者はデータを使って、ある集団の年齢の中央値、つまり、ある集団の年齢範囲の中間点を示す数字を算出します。米国では、年齢の中央値は約40歳です(U.S. Census Bureau, 2010)。これは、アメリカでは約半数の人が40歳未満、約半数の人が40歳以上ということになります。この年齢中央値は増加しており、人口全体が高齢化していることを示しています。

コホートとは、統計学的または人口統計学的な特徴を共有する人々の集団のことです。同じ年齢コホートに属する人々は、同じ時期に生まれた人々です。人口の年齢構成を理解することは、特定の社会的・文化的要因を指し示し、政府や社会が将来の社会的・経済的課題に向けて計画を立てるのに役立ちます。

加齢に関する社会学的研究は、ネイティブ・アメリカンの年齢コホートと一般的な人口の違いを説明するのに役立つかもしれません。ネイティブ・アメリカンの社会は、年長者を敬うという強い伝統がある一方で、医療へのアクセス不足や、伝統的な食生活の一部である魚の水銀濃度が高いことから、平均余命が低いという問題もあります。

加齢の段階:前期高齢者、中期高齢者、後期高齢者

アメリカでは、18歳以上の人はすべて成人とみなされますが、21歳の人と45歳の人では大きな差があります。「若年成人」や「中年成人」のような、より具体的な区切りがあると便利です。同じように、高齢者を理解するためには、グループ分けが役に立ちます。高齢者は、しばしば65歳以上のすべての人を含む形でひとくくりにされてしまいます。しかし、65歳の人の生活での経験は、90歳の人のものとは大きく異なります。

米国の高齢者人口は、3つのライフステージの小集団に分けることができます:それは、前期高齢者(およそ65歳から74歳)、中期高齢者(75歳から84歳)、後期高齢者(85歳以上)です。現在の前期高齢者の年齢集団は、以前の世代の前期高齢者よりも一般的に幸福で、健康で、経済的にも恵まれています。米国では、資源がより広く利用できるようになったため、人々は高齢化によりうまく備えることができるようになっています。

また、多くの人が若いうちから、老後の生活の質について先を見越した判断を下しています。以前は、高齢者が健康上の危機に陥ったとき、家族が介護について決定し、しばしば何が起こるかについて高齢者に選択の余地をほとんど残しませんでした。現在では、例えば、高齢者がある程度自立しながらも、必要な時に介護が受けられる住居を選ぶことができるようになっています。また、生前遺言、退職後の計画、医療委任状などといったその他の懸案事項についても、事前に処理されるようになってきています。

米国の高齢化

図13.5 | 高齢の市民は重要な政治的有権者であり、その年齢を自らの強みとして利用することもあります。1980年代後半にカナダで生まれたレイジング・グラニーズのいくつかのグループは、核兵器、イラク戦争、殺虫剤、遺伝子組み換え食品、人種的不公平に抗議しています。(Credit: Brave New Films/flickr)

図13.5 | 高齢の市民は重要な政治的有権者であり、その年齢を自らの強みとして利用することもあります。1980年代後半にカナダで生まれたレイジング・グラニーズのいくつかのグループは、核兵器、イラク戦争、殺虫剤、遺伝子組み換え食品、人種的不公平に抗議しています。(Credit: Brave New Films/flickr)

高齢者であるとはどういうことを意味するのでしょうか?身体的な健康状態の問題として定義する人もいれば、単に暦上の年齢で定義する人もいます。例えば、アメリカ政府は、典型的には65歳の人々を高齢者として分類し、その時点で市民は社会保障やメディケアといった連邦政府の給付を受けることができるとしています。世界保健機関(WHO)は基準を設けておらず、ほとんどの中核国では65歳が一般的に受け入れられている定義だと述べるにとどまっています。しかし、WHOは、アフリカなどにある準周縁国では50歳から55歳の間のどこかを切り替えの目安とすることを提案しています(World Health Organization, 2012)。AARP(旧アメリカ退職者協会)は、50歳を入会資格年齢としています。AARPの名称変更は興味深いものです。その名称から「退職者」という言葉を取り除くことによって、この組織は退職者だけでなく、米国内のあらゆる高齢者にその基盤を広げることができます。70歳を過ぎても働き続ける人が多い現在では、これは特に重要なことです。

個人や国家が高齢者とは誰であるかを定義する方法には、ローカルな面でもグローバルな面でも社会的構築の要素があります。つまり、高齢者という概念の共有される意味は、社会における人々の相互作用を通じて作られます。表が示すように、世代によって加齢に対する見方はさまざまです。研究者は、人々が人生の特定の節目や新しいカテゴリーに到達する年齢について質問しました。ベビーブーム世代の人々は、73歳になるときに人は公式に「高齢」になると回答しています。もっと若い集団であるミレニアル世代は、59歳になるときに人は高齢となると感じていました。同じ調査で、青年時代の終わりと人生の最盛期について質問しました(Emling, 2017)。興味深いことに、ベビーブーム世代とX世代はともに、青年時代は31歳までに「終わり」、人生の最盛期はその後何年も経たないと始まらないと感じていました。ミレニアル世代は、青年時代が40歳で終わる前に、人は36歳で人生の最盛期を迎えると感じていました。なお、調査当時、ミレニアル世代は全員36歳以下であったことに言及しておく価値があるでしょう。

表13.1 | U.S.トラストが実施した調査では、加齢の節目とカテゴリーに関する意見データを集めました。ベビーブーム世代、X世代、ミレニアル世代は、おおむね異なる見解を持っていました。

表13.1 | U.S.トラストが実施した調査では、加齢の節目とカテゴリーに関する意見データを集めました。ベビーブーム世代、X世代、ミレニアル世代は、おおむね異なる見解を持っていました。

人口統計学的に、米国の人口は、高齢者全体の人口とその総人口に占める割合の両方において、大きな変化を遂げているところです。どちらも重要な政策決定や日々の生活に影響を与える大きな意味を持つものです。1900年には、米国の65歳以上の人口は300万人で、総人口の約4%を占めていました。その数は1994年には3300万人に増え、総人口のおよそ12%を占めていました(Hobbs, 1994)。2016年にはその数は4900万人まで膨らみ、総人口の約15%を占めるようになりました(U.S. Census Bureau, 2018)。これは、総人口と65歳未満の人口がともにわずか3倍になったのに対して、高齢者人口が10倍以上に増えたことになります(Hobbs, 1994)。この増加は「アメリカの高齢化」と呼ばれています。これは、人口のますます多くの割合がどんどんと高齢になっていく現象を表す用語です。米国がこれほど急速に高齢化している理由はいくつかあります。その1つが平均余命、つまり今日生まれた人が何年生きると予想されるかの平均値です。高齢者の年齢別にまとめた国勢調査局の統計を検討してみれば、アメリカでは、少なくとも、私たちは長く生きるようになっていることが明らかです。2010年には、アメリカだけで約8万人のセンテナリアン(100歳以上の人)がいました。彼らは人口の中で最も急速に成長している層の1つを構成しています(Boston University School of Medicine, 2014)。

興味深いのは、米国ではすべての人が同じように年をとるわけではないということです。最も顕著なのは男性と女性の差で、図13.6が示すように、女性の方が男性より平均余命が長いです。2010年、65歳の女性100人に対し、65歳の男性は90人でした。しかしながら、75歳の女性100人に対する75歳の男性は80人しかおらず、85歳の女性100人に対しては85歳の男性は60人しかいませんでした。それにもかかわらず、このグラフが示すように、性別の比率は時間の経過とともに実際には増加し、男性の寿命と女性の寿命との差が縮まっていることが示唆されています(U.S. Census Bureau, 2010)。

図13.6 | この米国国勢調査のグラフは、女性100人あたりの男性の数を示しています。しかしながら、過去20年間で、男性は、女性が長生きする割合を縮めてきています。(Credit: the U.S. Census Bureau)

図13.6 | この米国国勢調査のグラフは、女性100人あたりの男性の数を示しています。しかしながら、過去20年間で、男性は、女性が長生きする割合を縮めてきています。(Credit: the U.S. Census Bureau)

ベビーブーム世代

今日の老年学者にとって特に興味深いのは、1946年から1964年にかけて生まれ、現在60代から70代を迎えているコホートであるベビーブーム世代の人口です。1960年代から1970年代前半に成人したベビーブーム世代は、子供やティーンエイジャーとして初めて消費の力を持った集団であり、それゆえマーケティングの力もあった集団でした(Macunovich, 2000)。この集団は、年を重ねるにつれ、青年であること、中年であること、そして現在では老人であることの意味を再定義してきました。ベビーブーム世代の人々は、祖父母と同じように年をとりたくないと考えており、その結果、加齢の影響や兆候を防ぐためにデザインされたさまざまな製品が登場しています。以前の世代で65歳以上の人々は「高齢」でした。ベビーブーム世代は「後半の人生」、つまり「第三の年齢層」にいます(Gilleard and Higgs, 2007)。

ベビーブーム世代は、65歳以上人口の劇的な増加のほとんどを牽引しているコホートです。図13.7は、2000年と2010年の米国の年齢別・男女別人口を比較したものです。ピラミッドの最大の膨らみ(最大の人口集団を表します)は、10年の間にピラミッドの上方に移動しています。2000年には、35歳から55歳が最大の人口集団でした。2010年には、その集団は45歳から65歳となり、ベビーブーム世代の最年長が、米国国勢調査で高齢者とされる年齢にちょうど達したところでした。2030年には、ベビーブーム世代の全員が65歳以上となり、最大の高齢者集団となるでしょう。

図13.7 | 年齢別・男女別人口:2000年、2010年。この米国国勢調査のピラミッドチャートでは、ベビーブームの膨らみは、2000年には35歳から55歳でした。2020年には、彼らは55歳から75歳になりました。(Credit: the U.S. Census Bureau)

図13.7 | 年齢別・男女別人口:2000年、2010年。この米国国勢調査のピラミッドチャートでは、ベビーブームの膨らみは、2000年には35歳から55歳でした。2020年には、彼らは55歳から75歳になりました。(Credit: the U.S. Census Bureau)

このベビーブームのコホートの高齢化は、私たちの社会にとって深刻な意味合いを持っています。医療は、この動向の影響を最も受けている分野の1つです。米国保健福祉省によると、医療費支出はこれから2027年まで毎年5.5%ずつ増加すると予測されています。メディケア(高齢者の医療費の一部を政府が負担するプログラム)に対する政府支出の割合は、2009年の国内総生産(GDP)の3%から2030年には8%、2080年には15%に増加すると予測されています(CMS, 2018)。

確実に、ベビーブーム世代が高齢化することで、米国の医療システム全体にかかる負担は増加します。米国老年医学会は、2013年から2025年にかけて、老年医学を専門とする医師の需要が45%増加するだろうと指摘しています。その結果、2025年には医療ニーズを満たすために3万3000人以上の専門医が必要になります。そして、2020年には、そのような専門医は米国内に6320人しかいませんでした(AGS, 2021)。

以前の世代の高齢者とは異なり、ベビーブーム世代は65歳になったからといって、活発な生活が終わるとは予期していません。彼らは仕事や余暇活動を放棄するつもりはありませんが、元気な生活を続けるためには、より多くの医療サポートが必要になるかもしれません。高い活動レベルを維持したいと願う65歳以上の大きなグループのこの欲求が、医療業界の革新を促しています(Shaw, n.d.)。

ベビーブーム世代の高齢化がもたらす経済的影響も、多くの観察者が懸念している分野です。ベビーブーム世代は、それまでの世代よりも収入が多く、高い生活水準を享受していたにもかかわらず、退職後の備えが十分ではありませんでした。退職や投資の専門家のほとんどによると、これまでに慣れ親しんだ生活様式を維持するためには、退職前に年間所得の10倍の貯蓄が必要とされています。(注意:所得であって、給与ではありません。)つまり、年間あたり6万ドルの所得のある人ならば、60万ドル貯めておくべきです。年間あたり10万ドルを得ているならば、100万ドル貯めておくべきです。しかし、ほとんどのベビーブーム世代は推定14万4000ドルしか貯めておらず、25万ドル以上貯めている人は40%しかいません(Gravier, 2021)。これらの不足の原因はさまざまで、贅沢な支出から経済不況、企業の倒産や年金支給額の削減まで、あらゆるものが含まれます。ベビーブーム世代の多くが子供を大学に進学させている間に、高等教育の費用は大幅に増加しました。どのような原因であれ、退職者の多くはお金がなくなることに大きなストレスを感じていることを報告しています。

一部の観察者が、メディケアに過大な負担のかかる可能性を懸念するのと同じように、社会保障も危ういと考えられています。社会保障とは、政府が運営する退職後給付制度で、主に給与税で賄われています。十分に多くの人がこの制度に支払いをしていれば、退職者が受け取るお金も十分にあるはずです。しかし、高齢化しているベビーブームのコホートが社会保障給付を受け取り始め、社会保障信託基金に支払う労働者が減少しているため、経済学者は2037年までにこのシステムが崩壊するだろうと警告しています。1980年代にも同様の警告がありました。グリーンスパン委員会の提言を受けて、退職年齢(人々が社会保障給付の受け取りを開始できる年齢)が62歳から67歳に引き上げられ、給与税が引き上げられました。同様の退職年齢の引き上げ(おそらく70歳まで)が、現在の社会保障の危機に対するあり得る解決策です。

世界の高齢化

図13.8 | 文化的な価値観や態度は、人々の加齢の経験を形作る可能性があります。(Credit: Tom Coppen/flickr)

図13.8 | 文化的な価値観や態度は、人々の加齢の経験を形作る可能性があります。(Credit: Tom Coppen/flickr)

高齢化する人口に関して言えば、米国は確実に孤独ではなく、実際のところ、最も急速に成長している高齢者集団さえも持っていません。2019年、世界には65歳以上の人が7億300万人いました。2050年には、その数は倍増して15億人になると予測されています。世界の6人に1人が65歳以上となるでしょう(United Nations, 2020)。

この割合は今後増加し、従属人口比率(労働力の市民に対する非労働力の市民(若年者、障害のある人、高齢者)の数)に大きな影響を与えると予想されています(Bartram and Roe, 2005)。近い将来、深刻な高齢化危機に直面する国の1つが、高齢者人口が飛躍的に増加する時期である「高齢化ブーム」の頂点に立っている中国です。現在、中国の60歳以上の人の数は約1億7800万人で、総人口の13.3%に相当します(Xuequan, 2011)。2050年には、中国の人口の約3分の1が60歳以上となり、労働力に大きな負担をかけ、中国の経済成長に影響を与えることになるでしょう(Bannister, Bloom, and Rosenberg, 2010)。よりグローバルな規模では、東アジア・東南アジア、ラテンアメリカ・カリブ海地域、北アフリカ・西アジア、中央アジア・南アジアでは、従属人口比率が2倍以上になると予測されています。

世界中で医療が改善され、平均余命が延びるにつれて、高齢者の介護が新たに登場する課題となるでしょう。ウィンクロウ(Wienclaw, 2009)は、高齢者の自宅介護や長期の補助介護を提供できる労働年齢の市民が減少することで、高齢者介護のコストが増加するだろうと指摘しています。

世界では、高齢者の介護の量や種類を規定する期待は、文化によって異なります。例えば、アジアでは、高齢者の介護の責任はしっかりと家族にあるとされています(Yap, Thang, and Traphagan, 2005)。これは、高齢者が自立しているとみなされ、自分たちの介護は自分たちで行うことが期待されている西洋諸国のアプローチとは異なります。家族が介入するのは、高齢の親族に支援が必要な場合だけで、その多くは健康状態が悪いことが原因であるということは珍しくありません。その場合でも、高齢者の介護は任意のものとみなされます。米国では、高齢の親族の介護を行うかどうかは、遺産などの将来的な見返りの見通しや、場合によってはその高齢者が過去に介護者に提供した支援額などを条件として決定されることが多いです(Hashimoto, 1996)。

こうした違いは、加齢に対する文化的な態度に基づくものです。中国では、いくつかの研究が、孝行(あらゆる物事において両親や先祖を敬い、尊重すること)という態度が、他のすべての美徳を規定すると述べています(Hsu, 1971; Hamilton, 1990)。1986年頃までの日本の文化的な態度では、高齢者は支援に値するという考え方が支持されていました(Ogawa and Retherford, 1993)。しかしながら、家族や経済といった主要な社会制度に激震が走り、コミュニティーや政府による介護への需要が高まりました。例えば、家庭外で働く女性の増加により、高齢の親に家庭内での介護を提供することが難しくなり、政府に支援された制度の必要性が高まっています(Raikhola and Kuroki, 2009)。

対照的に、米国では、多くの人が高齢者の介護を負担と考えています。高齢の家族を介護することができ、そう望んでいる家族がいるときでも、家族の介護者の6割は家庭の外で雇用されているため、必要なサポートを提供することができません。しかしながら、同時に、多くの中流階級の家庭は、専門の医療への「アウトソーシング」の経済的負担に耐えられず、介護の格差が生じています(Bookman and Kimbrel, 2011)。米国内ですらも、すべての人口統計学的な集団が同じように加齢を扱っているわけではないことに留意しておくことが大切です。米国では、高齢者を自宅外の介護施設に預けることに抵抗がある人が多いですが、人口統計学的に見ると、その傾向が最も低い集団はラティーノ、アフリカ系アメリカ人、そしてアジア系です(Bookman and Kimbrel, 2011)。

世界的に見れば、米国や他の中核国は、指数関数的に増加する高齢者人口の需要に対処するための準備がかなり整っています。しかしながら、周縁国や準周縁国は、同等の資源を持たないまま、同様の増加に直面しています。高齢者の貧困は、特に高齢女性の間で懸念されています。周縁国で顕著な高齢化する貧困の女性化は、それらの国の高齢女性が独身で、識字能力がなく、労働力の一部になっていないことが直接の原因です(Mujahid, 2006)。

2002年、スペインのマドリードで開催された第二回高齢化に関する世界会議は、世界的な高齢人口の必要性に対応するような包括的な社会政策を構築するための国際的な協調作業であるマドリード計画に結実しました。この計画では、高齢化に関する国際政策の指針として、1)世界人口の増加によって引き起こされるグローバルな課題と、それによってもたらされるグローバルな機会を公に認識する、2)高齢者に力を与える、3)高齢化に関する国際政策を開発に関する国際政策に結びつける、という3つのテーマを挙げています(Zelenev, 2008)。

マドリード計画は、その目的をすべて達成することに成功したとはまだ言えません。しかしながら、それはグローバルな高齢人口に伴うさまざまな問題に対する認識を高めるとともに、高齢者の脆弱性に影響を与える要因(社会的排除、先入観と差別、社会的・法的保護の欠如)が、他の開発の問題(基本的人権、力の付与、参加)と重なり、法的保護の強化につながるという国際的な意識を高めています(Zelenev, 2008)。

13.2 加齢のプロセス

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 加齢に伴う生物学的、社会的、心理的な変化を説明する
  • 老年医学の分野の誕生について記述する
  • 死と死ぬことに対する態度と、それらが高齢者に与える影響について考察する
  • エリザベス・キューブラー=ロス博士が展開した悲嘆の5つの段階を挙げる

人間は年をとるにつれて、人生のさまざまな局面や段階を経ていきます。このような段階という文脈の中で加齢を理解することは有用です。ライフコースとは、生まれてから死ぬまでの期間のことで、身体的な成熟など、予測可能な一連のライフイベントを含みます。それぞれの局面には異なる責任と期待が伴いますが、当然のことながらそれは個人や文化によって異なります。子供たちは遊びと学びが大好きで、プレティーン[9~12歳]になるのを心待ちにしています。プレティーンになると、自立心を試すようになり、ティーンエイジャー[13~19歳]になることを熱望するようになります。ティーンエイジャーは、大人になることの見通しと挑戦に期待を膨らませています。大人たちは、家庭を築き、キャリアを積み、自立した人間として世界を経験することに集中するようになります。そして、多くの大人は、仕事や家庭生活からのプレッシャーを感じることなく、人生を楽しむことができる素晴らしい時期として、老年期を待ち望んでいます。老年期では、祖父母となることは、親になることの労苦を一切伴わずに親になることの喜びを提供してくれます。また、仕事の責任が軽減されるため、老年期は以前の人生では時間が取れなかった趣味や活動を探究する時期にもなるかもしれません。しかし、他の人にとっては、老年期は待ち望むような局面ではありません。ある人は老いを恐れ、加齢による自然な影響を元に戻す医療や化粧品を追い求めることによって、老いを「避ける」ために何でもします。このようなライフコースに対する見方の違いは、人々が社会化された文化的価値観や規範の結果ですが、ほとんどの文化において、年齢は自己概念、社会的役割や相互作用に影響を与えるマスター・ステータスです。

ライフコースの各局面を通じて、依存と自立のレベルは変化します。誕生時、新生児はすべてを養育者に依存しています。赤ちゃんが幼児になり、幼児が小児になり、そしてティーンエイジャーになるにつれて、彼らはどんどんと自分の自立性を主張するようになります。徐々に、子供は自分の人生に責任を持つ大人とみなされるようになりますが、それが起きる時期は個人、家族、文化の違いで大きく異なります。

ライリー(Riley, 1978)が指摘するように、加齢は生涯続くプロセスであり、身体的、心理的、社会的レベルでの成熟と変化を伴うものです。年齢は、人種、階級、ジェンダーと同様に、あるカテゴリーが他のカテゴリーよりも高く評価されるヒエラルキーをなしています。例えば、多くの子供たちが自立を得ることを待ち望んでいる一方で、パッカーとチャスティーン(Packer and Chasteen, 2006)は、子供であっても、年齢に対する先入観が加齢に対する否定的な見方につながることを示唆しています。その結果、制度的、社会的、文化的なレベルで、老人と若者の分離が広まる可能性があります(Hagestad and Uhlenberg, 2006)。

社会学研究

イグナツ・ナッシャー博士と老年医学の誕生

1900年代初頭、ニューヨークの医師イグナツ・ナッシャー博士が、高齢者を対象とした医学の専門分野である老年医学(geriatrics)という用語をつくりました。彼は、ギリシャ語の「geron(老人)」と「iatrikos(医療)」という2つの単語を組み合わせて、この言葉を作りました。ナッシャーは、若い医学生だった頃、急性疾患の高齢者の多くが単純に「高齢である」と診断されるのを目の当たりにしたことを自らの研究のベースとしました。彼の教授たちは、「高齢」という症候群に対して医学ができることは何もない、と断言しました。

ナッシャーは、このような拒絶的な見方を、医療の怠慢と捉えて受け入れませんでした。彼は、可能な場合には命を延ばし、苦しみを和らげることが医師の義務だと考えました。1914年、彼は自分の考えを『老年医学:老齢に伴う病気とその治療』という書籍の中で発表しました(Clarfield, 1990)。ナッシャーは、小児医学(子供の世話)と成人した大人の世話が異なるように、高齢者の世話の実践と若者の世話の実践は別物であると考えました(Clarfield, 1990)。

ナッシャーは、自分の先駆的な仕事に大きな希望を持っていました。彼は、高齢者、特に貧しくて世話をしてくれる人がいない人たちを治療することを望んでいました。貧しい高齢者の多くは、「救貧院」と呼ばれる公的な老齢者施設に送られていました(Cole, 1993)。このような救貧院の状況はたいていはひどいものであり、高齢者はそこへ送られ、しばしばただ忘れ去られていきました。

今日では信じられないかもしれませんが、ナッシャーのアプローチはかつては異色のものだと考えられていました。1944年に亡くなった際、彼は老年医学の分野の進歩が遅れていることを残念に思っていました。ナッシャーの考え方が受け入れられる前と比べて、現在の高齢者はどのような点で恵まれているでしょうか?

生物学的変化

図13.9 | 加齢は、目に見える、大っぴらな体験となり得ます。杖、スクーター、その他の必需品は、加齢の兆候として認識されています。文化がこれらの変化に与える意味のために、人々は年をとることは身体的な衰えを意味すると考えています。しかしながら、多くの高齢者は、相変わらず健康で活動的で、幸せなままです。(Credit: Phil Dolby/flickr)

図13.9 | 加齢は、目に見える、大っぴらな体験となり得ます。杖、スクーター、その他の必需品は、加齢の兆候として認識されています。文化がこれらの変化に与える意味のために、人々は年をとることは身体的な衰えを意味すると考えています。しかしながら、多くの高齢者は、相変わらず健康で活動的で、幸せなままです。(Credit: Phil Dolby/flickr)

人はそれぞれ、さまざまな要因に基づいて加齢に伴う変化を経験します。分子的・細胞的変化のような生物学的な要因は一次老化と呼ばれ、運動不足や食生活の乱れのような制御可能な要因によって起こる加齢は二次老化と呼ばれます(Whitbourne and Whitbourne, 2010)。

ほとんどの人は、年齢を示す身体的な印に気づく50歳を過ぎたあたりから、加齢の兆候が見え始めます。皮膚が薄くなり、乾燥し、弾力性がなくなります。シワができ、髪の毛は細くなり、白髪が増え始めます。禿げやすい男性は髪の毛を失い始めます。人々がこのような変化に対応するのが難しいか、あるいは比較的容易であるかは、その人たちの特定の文化が加齢にどのような意味を与えているかに部分的には左右されます。若さと美しさを何よりも大切にする文化では、年をとることを否定的に捉えます。逆に、高齢者の人生経験や知恵を尊ぶ文化は、年をとるということの意味をより肯定的に捉えることにつながります。

加齢による影響は気の滅入るようなものであると感じられることがあり、時には、身体的な変化(活力の低下、食べ物の敏感さ、聴覚や視覚の喪失など)に対する恐怖のほうが、変化そのものよりも対処するのが難しいです。身体的な加齢の捉え方は、社会化された経緯に大きく左右されます。もし人々が自分の体の変化を加齢の自然なプロセスとして受け入れることができれば、その変化はそれほど恐ろしいものには感じられなくなるでしょう。

連邦政府の高齢化対策局(Administration on Aging, 2011)によると、2009年、自分の健康状態を「優れている」「非常に良い」と評価した65歳以上の人(41.6%)は、18歳から64歳の人(64.4%)よりも少ないことがわかりました。米国国立保健統計センターと米国労働統計局のデータを評価した結果、高齢化対策局は、2006年から2008年にかけて、65歳以上の人々が最も頻繁に報告した健康問題には、関節炎(50%)、高血圧(38%)、心臓病(32%)、がん(22%)が含まれることを見出しました。60歳以上の人の約27%は、現在の医学的基準では肥満とみなされます。パーカーとソースルンド(Parker and Thorslund, 2006)は、ほとんどの障害尺度が着実に改善される傾向にある一方で、機能不全(障害)や慢性疾患の増加が併存していることを明らかにしました。同時に、医学の進歩により、これらの疾患による障害の影響の一部は軽減されています(Crimmins, 2004)。

いくつかの加齢の影響は、ジェンダーに特有のものです。高齢の女性が直面する不利のいくつかは、長年にわたる社会的ジェンダー役割に起因します。例えば、社会保障制度は女性より男性を優遇していますが、これは女性がそのジェンダー役割の延長として(通常は家庭で)行う無給の労働に対して社会保障給付を受けることができないためです。医療分野では、高齢の女性患者は、高齢の男性患者よりも、自分の健康上の懸念が矮小化される可能性が高く(Sharp, 1995)、自分の健康問題に心因性のものというラベルを貼られる可能性が高いです(Munch, 2004)。加齢に関する女性特有のもう1つの側面は、マスメディアがしばしば高齢の女性を否定的な固定観念という観点から、高齢の男性よりも成功していないように描くことが多いことです(Bazzini and Mclntosh, I997)。

男性にとって、加齢のプロセスと、その経験に対する社会の反応や支援は、まったく異なるものかもしれません。一次老化の結果として起こる男性の性的能力の漸減は、医学化され、治療が必要なものとして構成されており(Marshall and Katz, 2002)、その結果として男性は若々しい男性らしさの感覚を維持することができるかもしれません。一方、高齢化した男性は、他の男性との付き合いの中で(例えば、スポーツへの参加を通じて)男性的アイデンティティーを主張する機会が少なくなっています(Drummond, 1998)。また、一部の社会科学者は、西洋の世界では年をとった男性の身体はジェンダーレスなものとして描かれていることを観察しています(Spector-Mersel, 2006)。

図13.10 | 加齢は、生物学的、社会的、心理的に多くの変化を伴います。健康状態によっては、高齢者はこれまでやってきたのと同じ活動をすることができますし、新しい活動に挑戦することすらできます。(Credit: Forest Service Alaska Region/flickr)

図13.10 | 加齢は、生物学的、社会的、心理的に多くの変化を伴います。健康状態によっては、高齢者はこれまでやってきたのと同じ活動をすることができますし、新しい活動に挑戦することすらできます。(Credit: Forest Service Alaska Region/flickr)

社会的・心理的変化

男性であれ女性であれ、年をとるということは、人生の最終局面を迎えることに伴う心理的な問題に直面することを意味します。大人へと向かう若者は、人生の広がりとともに新たな役割や責任を担っていきますが、老年期にはその逆の弧が見られます。社会的・心理的変化の特徴とは何でしょうか?

定年退職とは、ある年齢で有給の仕事から離れることであり、比較的新しい考え方です。19世紀後半までは、週に約60時間、身体的に続けることができなくなるまで働いていました。南北戦争後、年金を受け取る退役軍人は労働力から身を引くことが可能となり、働く高齢男性の数は減少し始めました。第二次世界大戦後の時期、おそらく社会保障が利用できるようになったため、働く男性の数は二度目の大幅な減少が始まりました。1960年代から1970年代にかけては、おそらくメディケアによって提供される社会的支援と社会保障給付の増加により、三度目の大幅な減少が起こりました(Munnell, 2011)。

21世紀において、ほとんどの人が、いつかは働くのをやめて、労働の果実を味わえるようになりたいと願っています。しかし、私たちはその時を待ち望んでいるのでしょうか、それとも恐れているのでしょうか?人々が慣れ親しんだ仕事の通常業務から引退すると、一部の人たちは容易に新しい趣味や興味、さまざまなレクリエーションの形態を求めるようになります。多くの人は新しいグループを見つけ、新しい活動を模索しますが、他の人たちは新しい日常生活や社会的役割の喪失に適応することにもっと困難を感じ、その過程で自己価値の感覚を失ってしまうかもしれません。

人生の各段階には、恐怖の可能性を伴う課題があります。エリク・H・エリクソン(1902-1994)は、社会化についての見解の中で、典型的な生涯を8つの段階に分けました。それぞれの段階には、乗り越えなければならない特定の課題があります。最終段階である老年期では、絶望よりも完全性を受け入れることが課題です。しかし、この課題をうまく乗り越えられない人もいます。その人たちは、子供たちの人生や、もしかしたら自分の人生に失望しているというような後悔に直面しなければならないのかもしれません。また、あるキャリアの目標に到達できないことを受け入れなければならないのかもしれません。あるいは、家族との時間や個人的な健康状態の悪化など、キャリアの成功によって犠牲になったものと折り合いをつけなければなりません。しかしながら、他の人たちは、強い完全性を達成することができ、人生の新しい局面を受け入れることができます。そうなれば、創造性の可能性が大きく広がります。その人たちは新しいスキルを学び、新しい活動を実践し、人生の終わりに向けて穏やかに準備することができます。

一部の人にとって、絶望を克服するためには、配偶者の死後、再婚する必要があるかもしれません。ケイト・デイヴィッドソン(Davidson, 2002)の研究は、配偶者の死後、再婚するのは男性の方が多いという人口統計データを検討し、寡婦(亡くなった男性パートナーのいた女性配偶者)と寡夫(亡くなった女性パートナーのいた男性配偶者)では、結婚が終わった後の生活を異なった形で経験することを示唆しています。遺された女性の多くは、初めて一人で生活することになり、新たな自由の感覚を味わいました。一方、遺された男性の場合は、何かを失ったという感覚がより強くなりました。なぜなら、常に心の拠り所であり、感情的な生活の中心であったものを奪われたからです。

加齢とセクシュアリティー

図13.11 | 1971年のカルト的古典映画『ハロルドとモード』では、20代の青年が79歳の女性と恋に落ちます。世間は反対しています。(Credit: luckyjackson/flickr)

図13.11 | 1971年のカルト的古典映画『ハロルドとモード』では、20代の青年が79歳の女性と恋に落ちます。世間は反対しています。(Credit: luckyjackson/flickr)

加齢とセクシュアリティーについて、開かれた公の国民的対話をすることは時に困難ですが、現実には、65歳を過ぎても私たちの性的自己が消えることはありません。人々は晩年までセックスを楽しみ続け、それは必ずしも安全なセックスとは限りません。実際、エイズの新規症例の5人に1人が65歳以上の成人であることを示唆する調査結果もあります(Hillman, 2011)。

ある意味では、老年期はセックスをより楽しむ時期であり、減らす時期ではないかもしれません。女性にとって高齢期は、望まない妊娠への不安が取り除かれ、子供たちが成長して自身の面倒を見るようになるために、安堵感を得ることができます。しかしながら、私たちは男性の性機能障害に対処する精神医薬の数を拡大してきましたが、女性の性機能障害の存在を医学界が認めたのはつい最近のことです(Bryant, 2004)。性的欲求や機能障害に対処するために、さらなる治療法が開発されたり、適用されたりしているため、男女ともに、問題は簡単に解決すると考えてしまうことがあります。しかし、感情的・社会的要因は重要な役割を担っており、薬物療法だけではすべての問題を解決することはできません(Nonacs, 2018)。

加齢とセクシュアリティーは、研究者によって年齢差(エイジギャップ)の恋愛関係と呼ばれる、異なる年齢の人々の間の恋愛関係にも関連しています。この種の関係性は確かに高齢者に限ったことではありませんが、高齢者が若い人と恋愛関係にある(その逆も然り)ことについて、人々はしばしば思い込みをします。年齢差のある恋愛関係に関する研究では、社会的な圧力が恋愛関係への傾倒に影響を与えたり、別れにつながったりすることが示されています。人々の人生の段階も、特に一方が高齢で他方がそうでない場合、影響を及ぼすことがあります(Karantzas, 2018)。30歳と45歳の間の恋愛関係は、55歳と70歳の間の恋愛関係よりも、深刻な健康問題や退職の決定についての話し合いが少ない可能性が高いです。どちらも15年の年齢差がありますが、状況はまったく異なります。

現実世界における社会学

年齢を重ねての「カムアウト」:LGBTQの高齢者

図13.12 | 同性婚が可能になるにつれ、多くのゲイやレズビアンのカップルが、何十年も待った末に、時には高齢者になってからついに結婚することができるようになっています。(Credit: Fibonacci Blue/flickr)

図13.12 | 同性婚が可能になるにつれ、多くのゲイやレズビアンのカップルが、何十年も待った末に、時には高齢者になってからついに結婚することができるようになっています。(Credit: Fibonacci Blue/flickr)

私たちの社会では、さまざまな集団は加齢のプロセスをどのように経験しているのでしょうか?普遍的な経験はあるのでしょうか、それとも異なる人口集団によって異なる経験があるのでしょうか?新たに登場している研究分野では、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア/クエスチョニング(LGBTQ)の人々がどのように加齢のプロセスを経験し、その経験が他の集団や支配集団の経験とどのように異なっているのかを調べています。この問題は、ベビーブーム世代の高齢化に伴って拡大しています。ベビーブーム世代の高齢化は、一般的な高齢者人口を大きく跳ね上げるだけでなく、2030年までにLGBTQ高齢者の数も倍増すると予想されています(Fredriksen-Goldsen et al., 2011)。

『加齢と健康報告書:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの高齢者における格差と回復力』と題された最近の研究では、LGBTQの高齢者は異性愛者の同等の人と比較して障害やうつ病の割合が高いことが見出されました。また、彼らは高齢者の介護を提供することのある支援制度(パートナーや協力的な子供)を持っていない可能性も高いです(Fredriksen-Goldsen et al., 2011)。パートナーを持つLGBTQの高齢者であっても、州によっては同性同士の法的関係を認めていないため、法的保護や経済的な選択肢が少なくなっています。

生活支援施設に移り住む際、LGBTQの人々には、「情報開示の管理」(自分の性的・関係的アイデンティティーを共有する方法)という負担が加わります。ある事例では、78歳のレズビアン女性が長期介護施設に一人で住んでいました。彼女は32年来の長期的な関係を持っており、以前の生活ではLGBTQコミュニティーで目に見えて活発に活動していました。しかしながら、長期介護の状況では、彼女は自分の性的指向についてずっと静かでした。彼女は自分の性的アイデンティティーを「選択的に開示」し、匿名と沈黙の方が安全だと感じていました(Jenkins et al., 2010)。全米高齢市民法律センターの調査によると、LGBTQの高齢者のうち、長期介護施設において自分の性的指向やジェンダー・アイデンティティーを明らかにできると考えている人は、わずか22%であると報告されています。さらなる意味を持つのは、LGBTQでない高齢者のうち、LGBTQの人々が施設のスタッフに対してオープンになれると期待している人は16%しかいないという結果です(National Senior Citizens Law Center, 2011)。

同性婚は、多くの州で争われている市民権の争点であり、LGBTQコミュニティーの高齢化のあり方に大きな影響を与える可能性があります。結婚すれば、異性カップルに与えられる法的・経済的な保護が得られるだけでなく、露出への恐怖が減り、「クローゼットに引きこもる」必要性が減少します(Jenkins et al., 2010)。この分野での変化はゆっくりと訪れつつあり、その間、擁護者たちは、LGBTQの人々の加齢のプロセスを改善する方法について多くの政策提言を行っています。これらの提言には、LGBTQの高齢者に関する連邦政府の研究の増加、差別に対する法律の増加(および既存の法律の施行)、LGBTQの介護者をカバーするための連邦の家族・医療休暇法の改正が含まれます(Grant, 2009)。

死と死ぬこと

図13.13 | ある青年が曾祖母の墓の前に座っています。(Credit: Sara Goldsmith/flickr)

図13.13 | ある青年が曾祖母の墓の前に座っています。(Credit: Sara Goldsmith/flickr)

人類の歴史の大部分において、生活水準は現在よりも著しく低かったです。人類は、わずかな設備とごく限られた医療技術で生き延びるために奮闘していました。どの人生の段階においても、病気や事故で死亡するリスクは高く、平均余命は短いものでした。人々がより長く生きるようになると、死は高齢と結びつけられるようになりました。

多くのティーンエイジャーや若い成人にとって、祖父母やその他の年上の親族を失うことは、愛する人を失う最初の体験となり得ます。それは、死やそれに類する出来事に伴う喪失感に対する心理的、感情的、社会的反応である悲嘆への初めての遭遇であるかもしれません。

人は、自分の死や他人の死を、自分の文化の価値観に基づいて捉える傾向があります。ある人は、死は長く実りある人生の自然な結末であると考える一方で、別の人は、死ぬことについての見通しを考えるのが恐ろしいと思うかもしれません。人は自分自身の死という考えに強い抵抗を感じ、愛する人の死に対しては強い喪失の感情的反応を抱く傾向があります。米国では、死を自然で穏やかな移行ではなく、喪失として捉えることがしばしば普通とみなされています。

意外に思われるかもしれないのは、1960年代以前には死と死ぬことにまつわる研究がほとんど行われていなかったことです。エリザベス・キューブラー=ロスという心理学者が、死にゆく過程にある人々を観察し始めるまで、死と死ぬことはほとんど注目されていなかった分野でした。キューブラー=ロスは、人々の死へ向かう移行を観察するうちに、彼らの体験にいくつかの共通点を見出しました。彼女は、その過程には否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容という5つの異なる段階があることを観察しました。彼女は、その知見を1969年に『死ぬ瞬間:死とその過程について』[原題:死と死ぬことについて]という本にまとめ、発表しました。この本は、今日でもこのトピックに関する古典であり続けています。

キューブラー=ロスは、死期が近づいたときの人の最初の反応は否認であることを発見しました。これは、自分が死ぬことを信じようとしないことが特徴で、「私は元気だ」「こんなことは私に起こるはずがない」といった考えが一般的です。第二段階は、怒りです。この時には、生命の喪失は不公平で不当なものとみなされます。そして、人は第三段階の取り引き(自分の生き方を再構築または変化させることにより、避けられないことを先延ばしにしようとして、より高みにある力と交渉を試みること)に頼ろうとします。第四段階は心理的抑うつで、状況が絶望的に見え始めるにつれて、諦めることができるようになります。最終段階では、人は死という考えに適応し、受容に達します。この段階になると、人は死を自然で避けられない人生の一部と考えることによって死と正直に向き合い、残された時間を最大限に活用することができるようになります。

キューブラー=ロスの仕事は、発表された当時、目を見張るものがありました。それは、社会学者、ソーシャルワーカー、医療従事者、セラピストが死を研究し、死に直面している人々を支援するための新しい地平を切り開き、扉を開けました。キューブラー=ロスの研究は、一般に、死と死ぬことについての体系的研究である死生学への大きな貢献と考えられています。

死生学者にとって特に興味深いのは、「尊厳をもって死ぬこと」という概念です。現代医学では、医療技術の進歩により、人が得る生活の質の向上と並行することなく延命が図られることがあります。場合によっては、常に痛みがあり、人生をもはや楽しむことができなくなったとき、人は生き続けることを望まないかもしれません。患者には尊厳をもって死ぬことを選択する権利があるべきでしょうか?ジャック・ケヴォーキアン医師は、医師の幇助による自殺、つまり、医師が提供する致死薬を自発的または医師の幇助により使用して自分の命を終わらせることを強く唱道しました。このように医師に患者が尊厳をもって死ぬのを手助けさせる権利については、議論があります。米国では、オレゴン州が初めて医師の幇助による自殺を認める法律を成立させました。1997年、オレゴン州は尊厳死法を制定し、合法的に幇助された自殺を行うには二人の医師の立ち会いが必要であるとしました。この法律に対する2001年のジョン・アシュクロフト米司法長官の異議申し立てが成功しましたが、控訴審では最終的にオレゴン州の法律が支持されました。2019年現在、7つの州とコロンビア特別区で、医師の幇助による自殺を認める同様の法律が成立しています。

尊厳死法をめぐる論争は、私たちの社会が死から自らを切り離そうとする方法を象徴しています。医療機関は、末期症状の人を快適に収容するための施設を建設してきました。これは、残された家族が死にゆく親族の世話をする負担を軽減するのを助ける、思いやりのある行為と考えられています。しかし、ほとんどすべての研究が、人々は自分の家で死ぬことを好むことを示しています(Lloyd, White, and Sutton, 2011)。高齢の親族を死ぬまで介護することは、私たちの社会的責任なのでしょうか?私たちは、高齢の親族を介護する責任と、他の責任や義務とのバランスをどのように取ればよいのでしょうか?私たちの社会が高齢化し、新しい医療技術によってさらに延命が可能になるにつれて、これらの質問に対する答えは発展し、変化していくことでしょう。

ホスピスの概念の変化は、私たちの社会の死に対する見方の変化を示すものです。ホスピスとは、「治癒を目指す治療」がもはや選択肢とならない場合に、末期患者を看護する医療の一種です(Hospice Foundation of America, 2012b)。ホスピスの医師、看護師、セラピストは、死にゆく人の介護について特別な訓練を受けます。その焦点は、病気を好転させたり治癒したりすることではなく、快適で安らかな状態でその生を終えることにあります。ホスピスセンターは、人々が安心して死を迎えられる場所として存在します。また、ホスピスサービスは、人が慣れ親しんだ環境で家族に囲まれながら快適に死を迎えられるようにするために、次第に自宅での介護を推奨するようになっています(Hospice Foundation of America, 2012a)。私たちの多くは、人生の終わりについて考えるのを避けたいと思っているかもしれませんが、私たちがホスピスの環境で死を迎えるとき、それは慣れ親しんだ、比較的管理された場所であるという考えがあれば、安心することができるかもしれません。

13.3 高齢者が直面する課題

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 高齢者人口における貧困の歴史的傾向と現在の傾向を解釈する
  • 個人および組織における年齢差別的な思考と年齢差別的な態度を認識する
  • 高齢者の不当な扱いと虐待に関するリスク因子と結果を特定する

加齢には多くの困難が伴います。自立の喪失は、身体能力の低下や年齢による差別と同様に、そのプロセスの潜在的な一部です。老化という用語は、生物学的、感情的、知的、社会的、精神的な変化を含む加齢のプロセスのことを指します。この節では、このプロセスで私たちが遭遇するいくつかの困難について議論します。

すでに見たように、多くの高齢者は高い自足性を維持しています。しかし、より多くの介護を必要とする高齢者もいます。一般的に高齢者は仕事を持たなくなるため、経済的な問題が生じることがあります。また、文化的な誤解から、高齢の人々は嘲笑や固定観念の対象となることもあります。高齢者は人生の後半で多くの困難に直面しますが、尊厳のない老後を送らなければいけないわけではありません。

貧困

図13.14 | 高齢者の貧困率は数十年にわたり改善傾向を示していましたが、2008年の不況により、一部の高齢者の経済的な未来が変化しました。悠々自適な老後を計画していた人の中には、晩年の困窮に陥る危険性があることに気づいた人もいました。(Credit: (a) Michael Cohen/flickr; Photo (b) Alex Proimos/flickr)

図13.14 | 高齢者の貧困率は数十年にわたり改善傾向を示していましたが、2008年の不況により、一部の高齢者の経済的な未来が変化しました。悠々自適な老後を計画していた人の中には、晩年の困窮に陥る危険性があることに気づいた人もいました。(Credit: (a) Michael Cohen/flickr; Photo (b) Alex Proimos/flickr)

米国の多くの人々にとって、年をとるということは、かつては収入が少ない状態で暮らすということを意味していました。1960年には、高齢者の約35%が貧困レベルの収入で生活していました。一世代前には、米国の最も高齢な人口は、貧困に陥るリスクが最も高かったのです。

21世紀に入って、高齢人口はその傾向に終止符を打ちつつあります。65歳以上の人々の間での貧困率は、1967年の30%から2008年には9.7%に低下し、全米平均の13.2%を大きく下回っています(U.S. Census Bureau, 2009)。しかしながら、その後の不況で、多くの人の老後の蓄えが激減し、公的支援制度に課税されたことを踏まえると、高齢者はどのような影響を受けているでしょうか?メディケイド[低所得者向け医療保険制度]と無保険者に関するカイザー委員会によると、2010年には全国の高齢者の貧困率は14%まで上昇しています(Urban Institute and Kaiser Commission, 2010)。

不況に見舞われる前、高齢者の貧困の減少を引き起こすためには何が変化していたのでしょうか?どのような社会的パターンがこの変化に寄与したのでしょうか?数十年の間、より多くの女性が労働力に参入しました。現役時代に二重の所得を得る結婚カップルが増え、退職後のための貯蓄も増えました。民間の雇用主や政府は、より良い退職金制度を提供し始めました。1990年には、高齢市民の稼ぐ平均所得が1980年に比べて36%増加したと報告されており、これは35歳未満の人々の増加率の5倍です(U.S. Census Bureau, 2009)。

さらに、多くの人々がより良い医療へのアクセスを得られるようになりました。新しいトレンドは、運動と栄養に重点を置いた、より健康的なライフスタイルを人々に推奨するものでした。また、喫煙、アルコール消費、薬物使用などの行動がもたらす健康リスクについての情報へのアクセスも増えました。健康であったために、多くの高齢者は一般的な定年退職の年齢を過ぎても働き続け、退職後のためにお金を貯める機会も増えました。不況が終われば、こうしたパターンは復活するのでしょうか?社会学者たちはそれを見守ることになるでしょう。一方、社会学者たちは、不況が高齢者の貧困に与える即時の影響に気づいています。

不況の中、高齢者は1980年代から1990年代にかけて獲得した経済的な優位性の一部を失いました。2007年10月から2009年10月にかけて、50歳以上の人々の退職金口座の価値は18%減少しました。また、株式市場の急落により、多くの人が退職を延期せざるを得なくなりました(Administration on Aging, 2009)。

年齢差別

図13.15 | これらの道路標識はユーモラスなのでしょうか、それとも侮辱的なのでしょうか?どのような前提が共有されていればこれらはユーモラスなものになるでしょうか?それとも、記憶の喪失はからかうには深刻すぎるでしょうか?(Credit: Tumbleweed/flickr)

図13.15 | これらの道路標識はユーモラスなのでしょうか、それとも侮辱的なのでしょうか?どのような前提が共有されていればこれらはユーモラスなものになるでしょうか?それとも、記憶の喪失はからかうには深刻すぎるでしょうか?(Credit: Tumbleweed/flickr)

23歳のピーターは、食料品店へ行くために車を運転していましたが、都市のビジネス街を通る四車線の大動脈で一台の車の後ろにつまってしまいました。制限速度は時速35マイルで、ほとんどのドライバーが時速40~45マイルで走っている中、彼の前にいたドライバーは最低速度で走っていました。ピーターはクラクションをたたきました。そして、そのドライバーの後ろにぴったりとつきました。ついに、ピーターはその車を追い抜くチャンスを得ました。彼が、ちらりと目をやると、案の定、白髪の老人男性がDWE(Driving While Elder:高齢で運転する)の罪を犯していました。

食料品店で、ピーターは年配の女性の後ろに並んでレジを待っていました。彼女は会計を済ませると、食料品の入った袋を持ち上げてカートに入れ、出口に向かってよろよろと歩き出しました。ピーターは、彼女の年齢を80歳くらいと推測し、自分の祖母を思い出しました。彼は自分の食料品の代金を支払い、彼女に追いつきました。

「カートを運ぶのを手伝いましょうか」と彼は尋ねました。

「いいえ、結構よ。自分でできるから」と言って、彼女は自分の車に向かって進んでいきました。

ドライバーと買い物客、両方の年配者に対するピーターの対応には、先入観がありました。どちらのケースでも、彼は不当な思い込みをしていました。彼は、そのドライバーが高齢の男性というだけの理由で慎重な運転をしていると思い込み、その買い物客が高齢の女性というだけの理由で食料品を運ぶのに助けが必要だと思い込みました。

高齢者に対するピーターのような対応は、よくあることです。彼は、個人的あるいは文化的な偏見に基づいて人を異なった形で扱うつもりはありませんでしたが、そうしてしまいました。年齢差別とは、年齢に基づく差別(誰かが先入観に基づいて行動すること)です。ロバート・バトラー医師は1968年にこの言葉を作り、あらゆる文化に年齢差別が存在することを指摘しました(Brownell, 2010)。固定観念に基づく年齢差別的な態度や偏見は、高齢者を劣った立場や制限された立場に追いやります。

年齢差別の深刻さはさまざまです。ピーターの態度はおそらくかなり軽いものとみなされるでしょうが、高齢者を見下すような態度で接することは、不快感を与える可能性があります。年齢差別が職場や医療、生活支援施設に反映されると、差別の影響はより深刻になります。年齢差別によって、高齢者は仕事を失うことを恐れたり、医師から見放されたと感じたり、日常生活の場面で力やコントロールの欠如を感じたりすることがあります。

初期の社会では、高齢者は尊敬され、畏敬の念を抱かれていました。多くの前工業社会では、長老支配(社会構造の一種で、社会の最年長者たちが権力を握ること)が見られました。今日でも、いくつかの国ではまだ高齢者が影響力と権力を持ち、その膨大な知識が尊重されています。高齢者に対する尊敬の念は今でもいくつかの文化の一部に残っていますが、多くの場所では社会的な要因のために変化しています。

しかしながら、多くの近代国家では、工業化が高齢者の社会的地位の低下の一因となりました。現代では、富や権力、名声は若い年齢層の人々も持っています。1980年、企業経営者の平均年齢は59歳でした。2008年には、平均年齢が54歳まで下がっています(Stuart, 2008)。労働力の中の一部の高齢の人たちはこの傾向に脅威を感じ、より高いレベルの立場にいる若い従業員が、自分たちを雇用市場から追い出してしまうのではないかと懸念しました。テクノロジーやメディアの急速な進歩は、高齢の労働者が持っている可能性の低い、新しい一群のスキルを要求しています。

変化は職場だけでなく家庭でも起こりました。農耕社会では、結婚したカップルが年老いた親を介護していました。家族の最年長者たちは家事や料理、育児の手伝いなどをして家庭に貢献していました。経済が農耕型から工業型に移行すると、若い世代は工場で働くために都市に移り住みました。高齢者はお金のかかる重荷とみなされ始めました。彼らには家の外で働く体力も気力もありませんでした。工業化時代に始まった、高齢者が成長した子供たちと離れて暮らす傾向は、今では当たり前のものとなりました。あなたが冒頭で見たように、高齢者の子供たちは、老いた親の面倒を見ること、そして親が能力を失っていくのを受け入れることの両方に、罪悪感や悲しみ、時には怒りを感じることもあります。離れて暮らすこと、特に高齢者が介護施設やその他の施設に移った場合は、しばしばこうした問題を悪化させることがあります。

不当な扱いと虐待

高齢者に対する不当な扱いと虐待は大きな社会問題です。予想できるように、加齢の生物学的要素に伴い、高齢者はときに身体的に虚弱になります。このような虚弱体質により、時には家事のような小さな必要性から、時には食事や排泄のような基本的な機能の介助まで、彼らは介護を他人に依存することになります。同じく介護を他人に依存する子供とは異なり、高齢者は生涯にわたる経験、知識、意見を持つ大人であり、より完全に発達した人間です。そのため、介護を提供する状況はより複雑になります。

高齢者虐待は、介護者が故意に高齢者に介護を与えなかったり、責任を負っている人に危害を加えたりした場合に起こります。介護者は、家族、親戚、友人、医療専門家、あるいは高齢者住宅や介護施設の従業員などです。高齢者はさまざまな種類の虐待を受ける可能性があります。

ロン・アシェルノ博士が主導した、このトピックに関する2009年の研究では、研究者チームは高齢者虐待を大きく5つのカテゴリーに分類しています:1)殴る、揺さぶるなどの身体的虐待、2)レイプや裸の強要などの性的虐待、3)言葉による嫌がらせや屈辱などの心理的・感情的虐待、4)放置や適切な介護を提供しないこと、5)経済的虐待や搾取です(Acierno, 2010)。

米国高齢化対策局の一部門である全米高齢者虐待対策センター(NCEA)は、自暴自棄や自己放置も虐待の一種としています。表13.2は、NCEAが人々に注意を促している徴候や症状の一部を示しています。

表13.2 | 高齢者虐待の兆候。全米高齢者虐待対策センターは、不当な扱いの兆候に注意するよう人々に呼びかけています。(Credit: National Center on Elder Abuse)

表13.2 | 高齢者虐待の兆候。全米高齢者虐待対策センターは、不当な扱いの兆候に注意するよう人々に呼びかけています。(Credit: National Center on Elder Abuse)

高齢者虐待はどのくらい蔓延しているのでしょうか?最近米国で行われた2つの研究では、調査対象となった高齢者のおよそ10人に1人が、少なくとも1つの形態の高齢者虐待を受けたことがあることがわかりました。一部の社会研究者は、高齢者虐待が過少に報告されており、その数はもっと多いのではないかと考えています。また、認知症などの健康問題を抱えている人の場合、虐待のリスクも高まります(Kohn and Verhoek-Oftedahl, 2011)。高齢の女性は、男性よりも言葉による虐待の被害者になることが多いことがわかっています。

60歳以上の回答者5777人のサンプルを含むアシェルノの研究では、回答者の5.2%が経済的虐待を報告し、5.1%が放置されたと述べ、4.6%が感情的虐待を受けたと回答しました(Acierno, 2010)。身体的虐待と性的虐待の蔓延率はそれよりも低く、それぞれ1.6%と0.6%でした(Acierno, 2010)。

他の研究は、高齢者虐待の原因を探るため、高齢者の介護者に焦点を当てています。研究者たちは、介護者が介護対象者に対して虐待を行う可能性を高める要因を特定しました。それらの要因には、経験が浅いこと、(介護者として専門的に雇用されていない人が)仕事などの他の要求があること、子供の世話をしていること、依存する高齢者とフルタイムで同居していること、強いストレス、孤立、支援の欠如を経験していることなどが含まれます(Kohn and Verhoek-Oftedahl, 2011)。

介護者のうつ病歴も高齢者虐待の可能性を高めることがわかりました。放置は、有償の介護者によって介護が提供されている場合に可能性が高くなりました。高齢者を身体的に虐待した介護者の多くは、自分自身も虐待を受けていました(多くの事例では彼らが子供のころに)。世話をしている高齢者に何らかの依存関係がある家族は、その高齢者を身体的に虐待する可能性が高くなります。例えば、成人した子供が高齢の親を介護しており、同時にその親からの何らかの形態の収入に依存している場合、身体的虐待を行う可能性が高くなると考えられています(Kohn and Verhoek-Oftedahl, 2011)。

フロリダ州での調査では、介護者の60.1%が葛藤解決のスタイルとして言葉による攻撃性を報告していることがわかりました。介護施設の有償の介護者は、仕事への満足度が低かったり、高齢者を子供のように扱ったり、燃え尽きを感じていたりすると、虐待に走るリスクが高くなりました(Kohn and Verhoek-Oftedahl, 2011)。言葉による虐待をする傾向がある介護者は、研修が少なく、教育水準が低く、うつ病やその他の精神障害の可能性が高いことがわかりました。これらの研究結果に基づき、多くの高齢者向け住宅施設では、介護職の応募者に対する審査手続きを強化しています。

大局的な観点

第二次世界大戦の退役軍人

図13.16 | 第二次世界大戦(1941-1945)の退役軍人とウィスコンシン州ミルウォーキーからのオナーフライトのメンバーが、ワシントンDCの国立第二次世界大戦記念碑を訪れています。これらの男性と女性のほとんどは、従軍当時10代後半から20代でした。(Credit: Sean Hackbarth/flickr)

図13.16 | 第二次世界大戦(1941-1945)の退役軍人とウィスコンシン州ミルウォーキーからのオナーフライトのメンバーが、ワシントンDCの国立第二次世界大戦記念碑を訪れています。これらの男性と女性のほとんどは、従軍当時10代後半から20代でした。(Credit: Sean Hackbarth/flickr)

第二次世界大戦は、近年の人類史において決定的な出来事であり、アメリカが経済的・軍事的に超大国になるための舞台を整えました。1600万人以上のアメリカ人がこの戦争に従軍しました。どのような基準であれ膨大な人数ですが、アメリカの人口が現在より2億人近く少なかったことを考えれば、特に重大なものです。その大規模かつ重要な集団は高齢化しています。その多くは80代、90代であり、その他多くの人々はすでにこの世を去っています。1600万人のうち、生きているのは30万人に満たないです。データでは、2036年までには、第二次世界大戦の退役軍人の生存者はゼロになるであろうということが示唆されています(U.S. Department of Veteran Affairs, 2010)。

これらの退役軍人が戦争から帰還し、兵役を終えたとき、心的外傷後ストレス障害(PTSD)についてはほとんど知られていませんでした。これらの英雄たちは、彼らを助けることができたはずの精神的・身体的医療を受けませんでした。その結果、現在では高齢になった彼らの多くがPTSDの影響に向き合っています。調査では、第二次世界大戦の退役軍人の高い割合が記憶のフラッシュバックと孤独に悩まされており、その多くがアルコールで「自己投薬」をしているということが示唆されています。

研究では、どのような紛争であっても、退役軍人は非退役軍人の2倍以上の確率で自殺し、その割合は高齢の退役軍人で最も高いということが見出されています。第二次世界大戦の退役軍人は、同じ年齢で軍務に就いたことのない人に比べて、自ら命を絶つ可能性が4倍高いと示す報告もあります(Glantz, 2010)。

2004年5月、ワシントンDCの国立第二次世界大戦記念碑が完成し、この戦争中に従軍した人々を称えるために捧げられました。医師で元空軍大尉のアール・モースは、多くの第二次世界大戦の退役軍人を治療しました。モース医師は、この記念碑が退役軍人の癒しになり得ることを知っており、彼らにそこを訪れるよう促しました。第二次世界大戦の退役軍人の多くが、この記念碑を見たいという興味を表しました。残念なことに、その多くは80代で、体力的にも経済的にも自力で旅することができませんでした。モース医師は、退役軍人の何人かに個人的に同伴する手配をし、飛行機代を自分で支払うボランティア・パイロットを募りました。彼はまた、退役軍人の負担が一切なくなるように資金を集めました。2005年末までに、137人の退役軍人が、その多くが車椅子を利用してこの旅に参加しました。オナーフライト・ネットワークが稼働し始めたのです。

2017年現在、オナーフライト・ネットワークは、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の米国退役軍人20万人以上をワシントンに送り届けています。往復便は30州の140以上の空港から日帰り旅行に出発し、高齢の旅行者の必要性をケアするボランティアがスタッフを務めています(Honor Flight Network, 2021)。

13.4 加齢に関する理論的視点

学習目標

この節が終わるまでに、あなたは次のことができるようになります:

  • 加齢に関する社会学的理論の視点を比較対照する

あなたの生活の中で、個々の高齢市民はどのような役割を果たしていますか?あなたは高齢者とどのように関わり、交流していますか?高齢者は近隣や地域社会、都市や国家においてどのような役割を果たしているでしょうか?社会学者は、機能主義、シンボリック相互作用論、紛争理論という3つの異なる視点を通して、このような疑問に対する答えを探ることに関心を持っています。

機能主義

機能主義者は、社会の各部分が一緒になってどのように機能しているかを分析します。機能主義者は、社会が円滑に運営されるために、社会の各部分がどのように連携しているかを評価します。この視点は加齢に対してどのように対処するでしょうか?高齢者は集団として、社会の重要な部分の1つです。

機能主義者は、さまざまな他の役割に積極的であり続ける、より良い資源を持つ人々の方が、高齢期にうまく適応できることを発見しました(Crosnoe and Elder, 2002)。高齢者が人生の後半の体験にどのように対処するかを説明するために、機能主義的視点の中の3つの社会理論が開発されました。

図13.17 | 年をとるということは、世界から退くことなのでしょうか?(Credit: Candida Performa/Wikimedia Commons)

図13.17 | 年をとるということは、世界から退くことなのでしょうか?(Credit: Candida Performa/Wikimedia Commons)

機能主義的な視点に基づく老年学の理論で最も古いものは離脱理論であり、これは社会や社会的関係から離れることは、年をとることの自然な一部であるとするものです。この理論にはいくつかの主要な点があります。第一に、誰もがいつかは死ぬことを予期しており、死に近づくにつれて身体的・精神的な衰えを経験するため、個人や社会から離れるのは自然なことです。第二に、高齢者が離脱することで、彼らは社会規範に同調するよう強化されることが少なくなります。従って、この離脱によって、同調の圧力からより自由になれます。最後に、社会的な離脱はジェンダー化されています。つまり、それは男性と女性では異なる形で経験されます。男性は仕事に集中し、女性は結婚や家庭に集中するため、彼らが離脱すると、慣れ親しんだ役割に代わって、離脱状態に適合する役割を採用するまで、不満を抱え方向性を見失うことになるでしょう(Cummings and Henry, 1961)。

老年期がライフコースにおけるはっきりと区別できる状態であり、役割や活動の明確な変化によって特徴付けられるという示唆は、導入された当初は画期的なものでした。しかしながら、この理論はもはやその古典的な形では受け入れられていません。批判は一般的に、高齢者はみな年をとると自然に社会から離脱するものだという考え方の適用や、人々が加齢を経験する方法の幅広い多様さを認めていないことに焦点が当てられます(Hothschild, 1975)。

カミングスとヘンリーが認識した社会的な離脱(Cummings and Henry, 1961)と、高齢者は失った役割を置き換える役割を見つける必要があるという考え方は、活動理論で新たに取り上げられています。この理論によれば、活動レベルと社会的関与がこのプロセスの鍵であり、幸福の鍵です(Havinghurst, 1961; Neugarten, 1964; Havinghurst, Neugarten, and Tobin, 1968)。この理論によれば、高齢者がより活動的でより関与していればいるほど、その人はより幸福になります。この理論の批判者は、社会的な機会や活動へのアクセスは、すべての人が等しく利用できるわけではないと指摘します。さらに、すべての人が他者の存在や活動への参加に充実感を見出すわけでもありません。この理論の再定式化では、趣味のような非公式な活動への参加こそが、人生の後のほうの満足度に最も影響を与えるものだと示唆しています(Lemon, Bengtson, and Petersen, 1972)。

継続性理論によれば、高齢者は内的構造(人格構造、信念)と外的構造(関係性)における一貫性を維持するために特定の選択を行い、高齢期を通じて活動的で関与し続けます。これは、すでに形成された社会的役割に基づいて将来の意思決定を行うことにより、社会の均衡と安定を維持しようとする試みです(Atchley, 1971; Atchley, 1989)。この理論に対する批判の1つは、それがいわゆる「正常な」加齢に重点を置いていることで、アルツハイマー病などの慢性疾患を持つ人々を疎外する、というものです。

現実世界における社会学

アメリカの刑務所の高齢化

図13.18 | あなたはここで老後を過ごしたいと望みますか?刑務所の高齢者人口が増加しているため、高齢受刑者への対応方法について問い直す必要があります。(Credit: Claire Rowland/Wikimedia Commons)

図13.18 | あなたはここで老後を過ごしたいと望みますか?刑務所の高齢者人口が増加しているため、高齢受刑者への対応方法について問い直す必要があります。(Credit: Claire Rowland/Wikimedia Commons)

COVID-19のパンデミックは、刑務所の人口とそれを管理する政府関係者に特別な負担を強いることになりました。アメリカの刑務所になじみのない多くの人々は、この懸念は明らかなものだと思い込んでいたかもしれません。刑務所というのは定義上、閉鎖的な空間であり、スペースも自由も不足しています。収監された人々は、しばしば監房やトイレ、その他の施設を共有します。これらはみな、囚人とCOVIDについての重大な懸念の要因です。しかし、それらはすべて、コロナウイルスにとってのある1つの総合的な併存症によって悪化しました。それは、年齢です。

刑務所外の高齢者が一般的にこの病気に最も苦しんでいるのと同じように、刑務所内でも同じ年齢集団が非常に影響を受けやすいです。おそらく最も悲惨な状況は、刑務所におけるその年齢集団の規模と割合でしょう。パンデミックが発生するまでに、アメリカの刑務所における50歳以上の人口は、歴史上初めて他のあらゆる年齢集団よりも大きくなり、矯正施設にいる20万人近くが55歳以上でした。刑務所の人口に占めるその割合は、2000年から2016年にかけて3倍に増加しました(Li, 2020)。

この国の刑務所人口の高齢化には、2つの要因が大きく寄与しています。1つは、1980年代から1990年代にかけての犯罪対策強化改革です。この時期に、最低刑の義務化と「スリーストライク」政策によって、3回目のストライクが比較的軽微な犯罪であったとしても、多くの人々が30年から終身刑に処せられました。今日の高齢受刑者の多くは、30年前に終身刑で収監された人々です。今日の刑務所人口の高齢化に影響を与えているもう1つの要因は、人口全体の高齢化です。米国の高齢化の項で議論したように、平均余命の伸びとベビーブーム世代の高齢化により、65歳以上の高齢者の割合は年々増加しています。

では、なぜ高齢の刑務所人口が急速に増加していることが問題なのでしょうか?加齢のプロセスの節で論じたように、年をとることは、視力、運動能力、聴力の衰えなど、多くの身体的問題を伴います。心臓病、関節炎、糖尿病などの慢性疾患も、刑務所にいるかどうかにかかわらず、人が年をとるにつれてますます一般的になります。多くの場合、高齢の受刑者は身体的に暴力犯罪を犯すことができないですし、おそらくどんな犯罪も犯すことができません。そのような高齢者を、残り短い余生を送る間、刑務所に閉じ込めておくことは倫理的なのでしょうか?また、それは現実的なのでしょうか?

高齢の受刑者は、より多くの医療を必要とするため、刑務所の予算と支出に大きな負担がかかります。医療費を考慮すると、高齢の受刑者を刑務所に収容するコストは、若い受刑者を刑務所に収容するコストの3倍になると試算する関係者もいます。その一方で、メリーランド州では実刑判決を減らしたことで、5年間で推定1億8500万ドルの節約になりました。こうした高齢者の多くが刑期の大半を終えており、一般的に社会に対するリスクが低いことを考慮すると、矯正システム関係者の多くは、高齢者の早期釈放を提唱しています(Reese, 2019)。

紛争の視点

図13.19 | 公の抗議行動で、高齢者が自分たちの声を届けています。自分たちのために主張することで、彼らは公共政策を形成し、利用可能な資源の配分を変える手助けをします。(Credit: longislandwins/flickr)

図13.19 | 公の抗議行動で、高齢者が自分たちの声を届けています。自分たちのために主張することで、彼らは公共政策を形成し、利用可能な資源の配分を変える手助けをします。(Credit: longislandwins/flickr)

紛争の視点に立つ理論家は、社会は本質的に不安定であり、少数の富裕な権力者を優遇する一方で、それ以外の人々を疎外する制度であると考えます。紛争理論の指導原理によれば、社会集団は権力や希少資源をめぐって他の集団と競争します。この原則を社会の高齢人口に当てはめると、高齢者は他の集団、例えばより若い社会の構成員と、資源の一定のシェアを維持するために争うことを意味します。ある時点で、この競争は紛争に発展するかもしれません。

例えば、一部の人々は、高齢者が社会の資源を公平に分配するよりも多くもらっていると不満を持ちます。経済が厳しい時期には、社会保障とメディケアにかかる莫大な費用が大きく懸念されます。税金の4分の1、つまり約28%がこの2つのプログラムに使われています。1950年、連邦政府は社会保障費として7億8100万ドルを支払いました。今では支払額はその870倍です。2008年には政府は2960億ドルを支払いました(Statistical Abstract, 2011)。この国の高齢者人口の医療費は劇的に増加しています。高齢者コミュニティーの特定の層が利用できる介護は増えていますが、高齢者が利用できる財源は人種、社会階級、ジェンダーによって大きく異なることに留意しなければなりません。

紛争の視点から見た加齢には、3つの古典的な理論があります。近代化理論(Cowgill and Holmes, 1972)は、高齢者が社会における権力や影響力を失う主な原因は、工業化と近代化の並行的な力であると示唆します。社会が近代化するにつれ、高齢者の地位は低下し、彼らは社会的排除を経験する可能性が高まります。工業化以前は、強い社会規範によって若い世代が高齢者の面倒を見るよう縛り付けられていました。現在、社会が工業化するにつれて、核家族が拡大家族を置き換えています。社会はますます個人主義的になり、高齢者の介護に関する規範も変化しています。個人主義的な工業社会では、高齢の親族の介護は自発的な義務とみなされており、社会的非難を恐れずに無視することができるかもしれません。

近代化理論の中心的な論拠は、工業化以前の経済のように、拡大家族が標準的な家族である限りにおいて、年長者は社会における居場所と明確に定義された役割を持つだろうというものです。社会が近代化するにつれ、家庭の外で働くことのできない高齢者は、経済的に提供できるものが少なくなり、重荷とみなされるようになります。このモデルは先進国にも開発途上国にも当てはめられるかもしれません。それは、高齢者が経済的に非生産的な重荷となるため、人々は年をとるにつれて見捨てられ、家族的支援の多くを失うということを示唆しています。

紛争の視点のもう1つの理論は、年齢階層理論(Riley, Johnson, and Foner, 1972)です。年齢差別が意識されるようになった今となっては当然のことのように思えるかもしれませんが、年齢階層理論家は、社会の成員が人種、階級、ジェンダーによって階層化されるのと同様に、年齢によっても階層化される可能性があることを示唆した最初の人たちでした。年齢は社会統制の基盤として機能するため、異なる年齢集団は政治的・経済的権力といった社会的資源へのアクセスに差が生じます。社会の中では、役割や適切な行動についての規範を含む行動的な年齢規範によって、さまざまな年齢コホートの成員が道理として行ってよいであろうことが規定されています。例えば、高齢女性がビキニを着ることは、高齢女性のセクシュアリティーを否定する規範に反するため、逸脱しているとみなされるかもしれません。このような規範は、それぞれの年齢層に特有のものであり、人々がどのように「年齢相応に振る舞う」べきかという文化的な考えに基づいて発展してきたものです。

雇用における年齢差別禁止法(ADEA)が改正され、私たちの社会が年齢によって階層化されているあり方のいくつかに注目が集まったおかげで、米国の労働者は特定の年齢に達した時点で必ずしも退職しなければならないわけではなくなりました。1967年に初めて成立したADEAは、幅広い年齢差別に対する保護を規定しており、特に年齢による雇用の打ち切り、年齢による一時解雇、年齢制限や優遇を定めた求人広告、65歳以上に対する医療給付の拒否などに対処しています(U.S. EEOC, 2012)。

年齢階層理論は、その広範さについて批判されているとともに、階層化の他の原因や、それらが年齢とどのように交差し得るかについての注意の欠如についても批判されてきました。例えば、高齢の白人男性は、高齢の白人女性と比較して、政治的・経済的権力への歴史的アクセスに基づき、より強力な役割を占め、その選択においてはるかに制限が少ないと主張する人がいるかもしれません。

最後に、合理的選択のアプローチである交換理論(Dowd, 1975)は、私たちは年齢を重ねるにつれて依存度が高まり、他者に従属を強いる方法が少なくなっていくため、ますます他者の意志に従わなければならなくなることを示唆しています。実際、人間関係が相互交換に基づくものである以上、高齢者が次第に資源を交換できなくなれば、社会的な輪は狭まっていくでしょう。このモデルでは、捨てられないようにする唯一の手段は、多額の遺産を維持するとか、育児を通じて社会的交換システムに参加するといった資源管理に従事することです。実際のところ、この理論は個人が打算的であるという仮定に依拠しすぎているかもしれません。物質的な交換を重視するあまり、愛情や友情といった非物質的な資産を軽んじているという批判もしばしばなされます。

シンボリック相互作用論

図13.20 | 加齢のサブカルチャー理論では、高齢者は他の集団から排除されているため、自分たちのコミュニティーを作り出すと仮定しています。(Credit: Icnacio Palomo Duarte/flickr)

図13.20 | 加齢のサブカルチャー理論では、高齢者は他の集団から排除されているため、自分たちのコミュニティーを作り出すと仮定しています。(Credit: Icnacio Palomo Duarte/flickr)

一般的に、シンボリック相互作用論の視点にあるいくつかの理論は、個人の日々の相互作用や、文化的象徴に基づく人々の自分自身や他者の捉え方を通じて、社会がどのように作り出されるかに焦点を当てています。このミクロ分析的な視点は、人々が社会的相互作用を通じてアイデンティティーの感覚を発達させるのであれば、自己の感覚はそれらの相互作用に依存していると仮定します。社会との主な相互作用によって自分が老いて魅力がないと感じる女性は、自己の感覚を失うかもしれません。しかし、社会との相互作用によって自分が評価されており、重要であると感じられる女性は、より強い自己の感覚を持ち、より幸福な人生を送ることができるでしょう。

シンボリック相互作用論者は、高齢に伴う変化は、それ自体に内在的な意味はないと強調します。加齢の性質が、何らかの特定の、定義された一連の態度を生み出すことはありません。そうではなくて、高齢者に対する態度は社会に根ざしています。

ミクロ分析的な理論の1つに、ローズ(Rose, 1962)の加齢のサブカルチャー理論があります。この理論は、高齢者が(年齢を理由に)自発的または非自発的に他の集団への参加を排除されたときに、高齢者が作り上げる共有コミュニティーに焦点を当てています。この理論は、高齢者が社会から離脱し、共通の背景や関心を持つ仲間との新たな相互作用のパターンを発達させると示唆します。例えば、メディケアの「ドーナツ・ホール」[薬剤費負担に関する問題]のような高齢者特有の問題をめぐって、AARPのようなグループの中で集団意識が芽生え、その問題を解決するための社会的・政治的圧力を生み出すことに集中するかもしれません。社会的、政治的利害関係によって集まったにせよ、あるいは地理的な地域によって集まったにせよ、高齢者は新しい集団に強い共同体意識を見出すかもしれません。

シンボリック相互作用論の視点のもう1つの理論は、補償を伴う選択的最適化理論です。バルテスとバルテス (Baltes and Baltes, 1990)は、ライフコースを通じて成功裏に個人的発達を遂げ、その後、日常生活に関連する課題に対して熟達することは、選択、最適化、補償の構成要素に基づいているという考えを基盤として理論を構築しました。このようなことはライフコースのすべての段階で起こりますが、老年学の分野では、研究者は加齢に伴う損失と、そこから生じる利益とのバランスをとることに注目します。ここでは、加齢は結果ではなくプロセスであり、目標(補償)は個人に特有のものとなります。

この理論によれば、私たちのエネルギーは加齢とともに減少し、私たちは個人的な目標を選択し(選択)、活動に費やした労力に対して最大限のもの(最適化)を得て、それにより幅広い目標や活動の喪失を補う(補償)のです。この理論では、離脱理論が仮定する身体的衰えは、より多くの依存につながるかもしれませんが、それは必ずしも否定的なものではありません。というのも、高齢者は最も有意義な活動のためにエネルギーを節約することができるからです。例えば、社会学を教えることに価値を見出している教授は、教えることを完全に諦めることはせずに、年に1つか2つの授業しか教えることができないという個人的な身体的限界を認め、段階的な引退に進むかもしれません。

スウェーデンの社会学者ラーシュ・トーンスタムは、老年的超越と呼ばれるシンボリック相互作用論的な理論を発展させました。これは、人は年齢を重ねるにつれて、以前抱いていた人生についての限られた見方を超越するという考え方です。トーンスタムは、高齢者が加齢のプロセスを通じて自己中心的でなくなり、より平穏で、自然界とのつながりを感じるようになると考えています。トーンスタムの理論によれば、高齢者には知恵がもたらされ、高齢者が曖昧さや矛盾に見えることを許容するようになるにつれて、彼らは対立を手放し、善悪に対するよりやわらかな見方を身につけます(Tornstam, 2005)。

トーンスタムは、すべての人が年をとることで知恵を得られるとは主張していません。高齢者のなかには、冷酷になって孤立したり、無視され取り残されたと感じたり、あるいは不機嫌になって一方的な判断を下すようになったりする人もいるかもしれません。シンボリック相互作用論者は、人生の他の段階と同じように、個人は自分の欠点を克服し、それを長所に変えるために奮闘しなければならないと考えています。

重要用語

活動理論:個人が老年期を楽しみ、満足感を得るためには、活動を維持し、年をとるにつれて置き去りにした地位や関連する役割に代わるものを見つけなければならないとする理論

年齢階層理論:社会の成員が、人種、階級、ジェンダーによって階層化されるのと同様に、年齢によっても階層化されるとする理論

年齢差別:年齢にもとづく差別

ベビーブーム世代:だいたい1946年から1964年の間に生まれた米国の人

センテナリアン:100歳以上の人々

コホート:統計学的または人口統計学的な特徴を共有する人々の集団

継続性理論:高齢者は内的構造(人格構造、信念)と外的構造(関係性)における一貫性を維持するために特定の選択を行い、高齢期を通じて活動的で関与し続けるとする理論

従属人口比率:生産的な労働市民に対する非生産的な市民(若年者、障害のある人、高齢者)の数

離脱理論:社会や社会的関係から離れることは、年をとることの自然な一部であるとする理論

高齢者虐待:介護者が故意に高齢者に介護を与えなかったり、責任を負っている人に危害を加えたりする行為

交換理論:私たちは年齢を重ねるにつれて依存度が高まり、他者に従属を強いる方法が少なくなっていくため、ますます他者の意志に従わなければならなくなるとする理論

孝行:あらゆる物事において両親や先祖を敬い、尊重すること

老年医学:高齢者に焦点を当てた医学の専門分野

長老支配:社会の最年長者たちが権力を握る社会構造の一種

老年学:加齢のプロセスと高齢者が年をとるにつれて遭遇する課題を理解しようとする科学分野

老年的超越:人は年齢を重ねるにつれて、以前抱いていた人生についての限られた見方を超越するという考え方

悲嘆:死やそれに類する出来事に伴う喪失感に対する心理的、感情的、社会的反応

ホスピス:死期が近づいている間に安らぎを提供することによって、末期患者を看護する医療

ライフコース:予測可能な一連のライフイベントを含む、生まれてから死ぬまでの期間

平均余命:新生児が生きると予想される年数

近代化理論:高齢者が社会における権力や影響力を失う主な原因は、工業化と近代化の並行的な力であるとする理論

医師の幇助による自殺:自分の人生を終わらせるために医師が提供する致死薬を自発的に使用すること

一次老化:分子的・細胞的変化のような生物学的な要因

二次老化:運動や食事などの制御可能な要因によって起こる加齢

補償を伴う選択的最適化理論:ライフコースを通じて成功裏に個人的発達を遂げ、その後、日常生活に関連する課題に対して熟達することは、選択、最適化、補償の構成要素に基づいているという考えに基づく理論

老化:生物学的、感情的、知的、社会的、精神的な変化を含む加齢のプロセス

老年社会学:加齢の社会的(社会学的)側面を検討する、老年学の中の専門分野

加齢のサブカルチャー理論:高齢者が(年齢を理由に)自発的または非自発的に他の集団への参加を排除されたときに、高齢者が作り上げる共有コミュニティーに焦点を当てた理論

スーパーセンテナリアン:110歳以上の人々

死生学:死と死ぬことについての体系的研究

各節のまとめ

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢

加齢の社会的研究は、人口データとコホートを用いて、高齢人口に関連する社会的懸念を予測するものです。米国では、特にベビーブーム世代の層によって人口の高齢化が進んでいます(「米国の高齢化」と呼ばれます)。加齢に関するグローバルな研究では、中核国と周縁国との平均余命の差や、高齢者人口の増加という課題に対する各国の準備態勢の相違が明らかになっています。

13.2 加齢のプロセス

高齢は、生物学的、社会的、心理的など、人間の生活のあらゆる側面に影響を及ぼします。医療技術は寿命を延ばしましたが、加齢と死を根絶することはできません。文化的な態度が、私たちの社会の老いと死に対する見方を形成していますが、こうした態度は時代とともに変化し、進化していきます。

13.3 高齢者が直面する課題

高齢期に入ると、人々は課題に直面します。高齢者に対する固定観念化や差別を含む年齢差別は、高齢者の能力についての誤解へとつながります。高齢者の貧困はここ数十年改善されつつありますが、2008年の不況により多くの高齢者が不利益を被るかもしれません。一部の高齢者は身体が弱くなり、したがって介護者に依存するようになり、高齢者虐待のリスクが高まります。

13.4 加齢に関する理論的視点

3つの主要な社会学的視点が加齢に関する理論に影響を与えています。機能主義的な視点に基づく理論は、社会全体の機能における高齢者の役割に焦点を当てます。紛争の視点の理論は、年長者が集団として社会の他の集団とどのように対立しているかに専心しています。シンボリック相互作用論の視点に基づく理論は、年長者のアイデンティティーが、彼らの相互作用を通じてどのように作られるかに焦点を当てています。

各節についての質問

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢

  1. ほとんどの国では、高齢女性は高齢男性よりも__________。
  1. 不当な扱いを受けることが少ない
  2. 数年長生きする
  3. 健康上の問題が少ない
  4. 加齢の問題にうまく対処できる
  1. アメリカのベビーブーム世代は、__________を除く以下のすべてのことに貢献しています。
  1. 社会保障の脆弱性
  2. 医療技術の向上
  3. メディケイドの破綻危機
  4. メディケア予算の増加
  1. ある人口における男性と女性の数を比較する指標は__________です。
  1. コホート
  2. 性別の比率
  3. ベビーブーム世代
  4. 離脱
  1. 「米国の高齢化」とは__________を指します。
  1. 65歳以上の人口の割合の増加
  2. ストレスによる加齢の加速
  3. 退職後の計画に対する不満
  4. アルツハイマー病などの健康問題の増加
  1. 米国の年齢中央値はおよそ何歳ですか?
  1. 85歳
  2. 65歳
  3. 37歳
  4. 18歳

13.2 加齢のプロセス

  1. 死生学とは__________の研究です。
  1. 平均余命
  2. 生物学的加齢
  3. 死と死ぬこと
  4. 成人期
  1. エリク・エリクソンの人生の発達段階において、高齢者が取り組まなければならない課題はどれですか?
  1. 絶望を克服して完全性を達成する
  2. 役割の混乱を克服してアイデンティティーを確立する
  3. 孤立を克服して親密さを得る
  4. 恥を克服して自律性を獲得する
  1. 悲嘆の5段階を概説した『死ぬ瞬間:死とその過程について』[原題:死と死ぬことについて]を書いたのは誰ですか?
  1. イグナツ・ナッシャー
  2. エリク・エリクソン
  3. エリザベス・キューブラー=ロス
  4. キャロル・ギリガン
  1. ある文化の人々にとって、ライフコースとは__________のことです。
  1. 彼らが死ぬ平均年齢
  2. 彼らが学ばなければならない教訓
  3. 喪に服す期間の典型的な長さ
  4. 人生における典型的な一連の出来事
  1. アメリカでは、ここ数十年の平均余命は__________。
  1. 徐々に上昇し続けている
  2. 軍事紛争などのグローバルな問題により上下した
  3. 医療の向上により低下した
  4. 1960年代半ばから変わらない

13.3 高齢者が直面する課題

  1. 現在、米国では高齢者の貧困率は__________。
  1. 歴史上のどの時点よりも低い
  2. 増加している
  3. 減少している
  4. 一般人口と同じである
  1. 年齢差別を反映した行動はどれですか?
  1. 第二次世界大戦の退役軍人が戦争記念碑を訪問できるようにすること
  2. 65歳以上の人と話すときは、ゆっくりと大きな声で話すこと
  3. 高齢者の運転は遅すぎると信じていること
  4. 年長者が尊敬される文化に住んでいること
  1. 高齢者が不当な扱いを受けるリスクを最も高める要因はどれですか?
  1. 寡婦による死別
  2. 若い頃に虐待を受けたことがある
  3. 介護に依存するほど体が弱い
  4. 遺族に多額の遺産を贈与できること
  1. 高齢者が虐待を受ける場合、それは__________によって行われることが最も多いです。
  1. 配偶者
  2. 介護者
  3. 弁護士
  4. 見知らぬ人
  1. 退役軍人は、従軍したことのない人に比べて__________可能性が2~4倍高い。
  1. 高齢者虐待の被害者になる
  2. 自殺する
  3. 経済的ストレスを懸念する
  4. 介護提供者に対して虐待をする

13.4 加齢に関する理論的視点

  1. 男性の加齢について、機能主義の視点に立つ社会学者が主張するのはどれですか?
  1. 男性は禿げを体力の衰えとみなす。
  2. 男性は女性よりも退職後の計画がしっかりしている傾向がある。
  3. 男性の平均余命は女性より3~5年短い。
  4. 退職後も活動的な男性は、地域社会を支える役割を果たす。
  1. ある高齢の女性が定年退職し、生活が一変しました。彼女はもう育児も仕事もしていません。しかしながら、彼女はYWCAに参加し、毎日水泳をしています。彼女は図書館友の会の役員を務めています。土曜の夜にバンコ[卓上ゲームの一種]をする近所のグループの一員です。彼女の状況は__________理論を最もよく表しています。
  1. 活動
  2. 継続性
  3. 離脱
  4. 老年的超越
  1. ある高齢男性が仕事を引退し、ゴルフをやめ、新聞の購読をやめました。妻が亡くなった後、彼は一人暮らしをし、子供たちとも連絡を取らなくなり、旧友とも会わなくなりました。彼の状況は__________理論を最もよく表しています。
  1. 活動
  2. 継続性
  3. 離脱
  4. 老年的超越
  1. 近代化理論の主な推進力は何ですか?
  1. 工業化
  2. 加齢
  3. 紛争
  4. 相互作用
  1. 雇用における年齢差別禁止法はどの理論に対抗していますか?
  1. 近代化
  2. 紛争
  3. 離脱
  4. 年齢階層

簡潔に答えてください

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢

  1. ベビーブーム世代は「ミー世代」と呼ばれています。あなたは ベビーブーム世代の人を知っていますか?彼らはどのような点で自分たちの世代を象徴していますか?

  2. ある人口が年齢でバラバラになる(複数の集団に分かれる)とどのような社会問題が起こりますか?どのような社会学的研究が年齢を重要な要素と考えるでしょうか?

  3. あなたの拡大家族の人数を数えてミニ国勢調査を行い、年齢に注目してください。可能であれば、三世代か四世代を含めるようにしてください。表を作成し、総人口と各世代の割合を記載してください。次に、家族の年齢パターンの分析を開始します。それぞれの集団にとって、どのような問題が重要かつ特定のものですか?この国勢調査から、今後10年間の自分の家族について、どのような傾向が予測できるでしょうか?例えば、家族の必要性や関心、関係性によって、家族のあり方はどのように変わっていくでしょうか?

13.2 加齢のプロセス

  1. エリザベス・キューブラー=ロスの悲嘆の5段階を試してみましょう。あなたが失った誰かや何かを思い浮かべてください。あなたは人間関係や所有物、あるいは自己アイデンティティーの側面を失ったと考えるかもしれません。例えば、幼なじみとの友情を解消したとか、車を売ったとか、ひどい髪型にされたとかがあるでしょう。たとえ小さな喪失であっても、悲嘆の5段階すべてを経験しましたか?もしそうなら、各段階の表現はどのように現れましたか?その過程はゆっくりでしたか、それとも急速に起こりましたか?各段階は順番通りに起こりましたか?あなたは受容に到達しましたか?その経験を思い出し、喪失に対するあなた自身の反応を分析してみてください。あなたの経験は、高齢者に対するあなたの共感を促進していますか?

  2. あなたが今より10歳、20歳、そして50歳年をとったら、どのようになると思いますか?あなたの想定はどのような事実に基づいていますか?年をとることについてのあなたの想定のうち、間違っているものはありますか?あなたの想定を検証するために、どのような社会学的研究ができますか?

  3. あなたと加齢や時間との関係はどのようなものですか?あなた自身の人生を振り返ってみてください。この10年、そしてこの20年で、あなたはどのくらい、どのように変化しましたか?10年という歳月は、人生の中で長いと感じますか、それとも短いと感じますか?次に、あなたの考え方のいくつかを加齢という考え方に当てはめてみてください。高齢者は年をとるにつれて、同じような経験を共有すると思いますか?

13.3 高齢者が直面する課題

  1. あなたが見聞きした高齢者についての偏見、一般化、固定観念をすべて列挙してください。どんなに小さなことでも、些細に見えることでも、すべて含めてください。あなたのリストの項目を評価してみてください。どの記述が虚構と言えるでしょうか?どれが差別につながることが多いですか?

  2. 年齢による先入観や差別を経験した人を知っていますか?年齢が高すぎるという理由だけで、何らかの経験や機会を拒否された人のことを考えてください。その話を事例研究として記述してください。

  3. あなたがよく知っている年配の人(祖父母、親戚、近所の人など)を思い浮かべてください。その人は、加齢に対する固定観念をどのように覆していますか?

  4. 高齢者は差別を受けていますが、ティーンエイジャーも差別を受けていることがしばしばあります。高齢者の差別とティーンエージャーの差別を比較してください。両者の共通点と相違点は何ですか?

13.4 加齢に関する理論的視点

  1. フランスのジャンヌ・カルマン夫人が122歳で亡くなるまで、生存している世界最高齢の人であったことを覚えていますか?彼女の人生の経験を3つの社会学的視点から考えてみましょう。あなたが機能主義者、シンボリック相互作用論者、あるいは紛争理論家であるかのように、彼女の状況を分析してください。

  2. 活動理論、継続性理論、または離脱理論のち、高齢者にとって最も健康的なライフスタイルはどれだと思いますか?それぞれの理論の長所と短所を教えてください。あなた自身の経験やあなたの友人と高齢者との関係から、それぞれの理論を例示する実在の人物の例を探してください。あなたの例は、その理論の肯定的な側面と否定的な側面のどちらを示していますか?

さらなる研究

13.1 高齢者とは誰なのでしょうか?社会における加齢

グレゴリー・ベイターはテレビ番組「グレイスフル・エイジング」を立ち上げ、番組の短いビデオクリップを提供するウェブサイトを開設しました。グレイスフル・エイジングの目的は、睡眠、運転、健康、安全、法律問題などのトピックを取り上げたクリップで、情報を提供すると同時に楽しませることです。弁護士であるベイターは、高齢者の法的必要性についてのカウンセリングに取り組んでいます。グレイスフル・エイジング(http://openstax.org/l/graceful_aging)にログインして、加齢を視覚的に理解しましょう。

13.2 加齢のプロセス

論文「米国の高齢者のセクシュアリティーと健康に関する研究」(http://openstax.org/l/New_England_journal_medicine)を読んでください。

13.3 高齢者が直面する課題

さまざまな紛争下で米軍に従軍した退役軍人は、いくつかのコホートを表します。退役軍人は人生のある側面を共有しています。退役軍人の人口と彼らがどのように年齢を重ねているかに関する情報を見つけるために、米国退役軍人省のウェブサイト上の情報を調べてください(http://openstax.org/l/Dep_Veterans_Affairs)。

ワシントンDCの国立戦争記念碑への旅行を退役軍人に無料で提供している団体、オナーフライト・ネットワーク(http://openstax.org/l/honor_flight)についてさらに学んでください。

13.4 加齢に関する理論的視点

ニュー・ダイナミクス・オブ・エイジングは、シェフィールド大学の学際的チームが制作したウェブサイトです。これは、英国における加齢に関する研究プログラムとしては、これまでで最大規模のものと思われます。行動、生物学、健康、文化、歴史、経済、技術など、加齢の経験や加齢を形作る要因を研究することで、研究者たちは健康的な加齢を促進し、固定観念を払拭する手助けをしています。詳しくは、こちらのウェブサイト(http://openstax.org/l/new_dynamics_aging)をご覧ください。

参考文献

はじめに

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